【R18】義弟と一夜の過ちを犯してしまいました

ハリエニシダ・レン

文字の大きさ
上 下
5 / 13

5

しおりを挟む
プリンを食べ終わって一緒に二階に上がって、遠矢の部屋の前を通り過ぎようとしたところで肩をつかまれた。

「…姉さん、大丈夫?」

いつの間にか「沙耶さん」から「姉さん」に戻ってたのが少しショックだった。そしてそれにショックを受けた事にショックを受けた。

「…大丈夫って何よ……当たり前じゃない……」

肩に乗せられた手をそっと払う。
そしたら手首をつかまれた。

「…………やっぱり心配」

じっと顔を覗き込まれて思わず目を伏せる。そんな事言われたって……。

「…だから………………一緒にお風呂入ろっか」

けれど悪戯っぽく笑った顔で突拍子もない事を言われて目を見開いた。

「はあ!?っ…バッカじゃないの!?お風呂とかっ…本当バカっ…!」

思わず両手で遠矢を叩く。
遠矢は可笑しそうに笑っている。どうやら揶揄われたみたいだ。
悔しくて更に顔や胸を叩く。遠矢は手でガードしてるから、どうせ当たらないけど。

しばらくそうしていたら、遠矢の部屋の隣のドアが開いた。
そして明が出てきた。

「…姉さんと遠矢、帰ってたんだ」

ちょっとイライラしてる顔。
弟たちは私の事は姉さんと呼ぶけれど、お互いのことは名前で呼んでいる。

最近明と会うと緊張してしまう。いつもピリピリしてるから。明の受験は再来年なのに、もうナーバスになっているみたいなのだ。明は頭いいけど、かなり難しいところを狙ってるらしくて。

私や今年大学に入った遠矢が受験生の時は、そんな事なかったんだけどな。そこまでピリピリしなくても……

と思いはするけれど、既に受験の終わった私たちがすぐ横で気楽にはしゃいでたら苛立ちもするだろうと納得できるので謝った。

「…ごめんね、うるさくして」

「……別に」

不機嫌そうに目を逸らす明。
何だか気まずい。

「えっと、じゃあ部屋に戻るね」

そそくさと遠矢から離れる。

「うん、また後でね」

遠矢の笑顔に曖昧に頷いて、廊下の向かいの自分の部屋に入った。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら

夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。  それは極度の面食いということ。  そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。 「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ! だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」  朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい? 「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」  あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?  それをわたしにつける??  じょ、冗談ですよね──!?!?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

勘違い令嬢の心の声

にのまえ
恋愛
僕の婚約者 シンシアの心の声が聞こえた。 シア、それは君の勘違いだ。

処理中です...