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第二部
5年後
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あれから5年が経った。
…5年なんてすぐだと思っていた。
身体なんて直ぐにでかくなると思っていた。けれど随分と長く感じた。
100年以上振りに成長を再開した身体は、うんざりするほどゆっくりと成長していった。これが普通の成長速度だと頭ではわかってはいても、もどかしかった。
あの女の家は知っている。
あの後すぐに、匂いをたどって調べたのだ。
…自分のものの所在地を把握しておくのは当然のことだからな。
成長するまで会う訳にはいかなかったので、時々陰から様子を伺った。するとそのたびに、あの女にちょっかいを出そうとしている男がいた。
とりあえず闇討ちでボコボコにして「あの女に近づくな」と釘を刺しておいたが、酷く不愉快だった。
悪くない趣味だが、あれは俺のものだ。
しかしあの女は、男の気を引く素質でもあるのだろうか。潰しても潰しても、次に行くと別の男に口説かれそうになっていて、非常にイライラさせられた。
…まあ、あんなに隙だらけにしていれば当然かもしれん。…だがもう少しこう、警戒心というものを持てと言いたい。
…おまえは俺のものなのだから。
だが、そんなムカつく日々ももう終わりだ。俺の身体は成長した。一応成人とみなされるくらいには。
…背はまだ伸びるだろうし身体つきも変わるだろうが、これ以上は待てない。
隙だらけのあの女を、これ以上見ていられない。
とりあえず、あの女の背よりも高くなったのだ。もう「小さな子ども」だの「私は大人なんだから」だの言わせない。
それに我慢の限界だ。
いい加減あの女に触れたい。
あの女の肌を感じたい。
あの熱を。
あの日のように触れて、甘い声を上げさせてその唇を奪って。そして俺のものを奥まで捻じ込んでやりたい。あの時のように、また俺をねだるあの女が見たい。
あれは俺のものなのだと実感したい。
…本当にもう、限界だった。
…5年なんてすぐだと思っていた。
身体なんて直ぐにでかくなると思っていた。けれど随分と長く感じた。
100年以上振りに成長を再開した身体は、うんざりするほどゆっくりと成長していった。これが普通の成長速度だと頭ではわかってはいても、もどかしかった。
あの女の家は知っている。
あの後すぐに、匂いをたどって調べたのだ。
…自分のものの所在地を把握しておくのは当然のことだからな。
成長するまで会う訳にはいかなかったので、時々陰から様子を伺った。するとそのたびに、あの女にちょっかいを出そうとしている男がいた。
とりあえず闇討ちでボコボコにして「あの女に近づくな」と釘を刺しておいたが、酷く不愉快だった。
悪くない趣味だが、あれは俺のものだ。
しかしあの女は、男の気を引く素質でもあるのだろうか。潰しても潰しても、次に行くと別の男に口説かれそうになっていて、非常にイライラさせられた。
…まあ、あんなに隙だらけにしていれば当然かもしれん。…だがもう少しこう、警戒心というものを持てと言いたい。
…おまえは俺のものなのだから。
だが、そんなムカつく日々ももう終わりだ。俺の身体は成長した。一応成人とみなされるくらいには。
…背はまだ伸びるだろうし身体つきも変わるだろうが、これ以上は待てない。
隙だらけのあの女を、これ以上見ていられない。
とりあえず、あの女の背よりも高くなったのだ。もう「小さな子ども」だの「私は大人なんだから」だの言わせない。
それに我慢の限界だ。
いい加減あの女に触れたい。
あの女の肌を感じたい。
あの熱を。
あの日のように触れて、甘い声を上げさせてその唇を奪って。そして俺のものを奥まで捻じ込んでやりたい。あの時のように、また俺をねだるあの女が見たい。
あれは俺のものなのだと実感したい。
…本当にもう、限界だった。
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