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未知の生命体との遭遇
175 人治国家の末路
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北新大陸の半分を占める亜人協力国大洋州は、州都西海岸街に総督府を置いてあった。
シュワル大洋州知事室には、
カジマ提督とトーマス元帥に各司令官が集まっていた。
「最北部は自由な狩り場として無国籍地帯であったが、
狩りだけの生活をしていたインデアンエルフは一同団結することができ、名目上は一つの国としてまとまったのだが、
各部族間の調停役として、北新大陸政府に願い出て今では北新大陸国となりましたが、かなりの重税に苦しんでいる様子です。」
「新しい約束の地に移った流浪の民自治州の状態は?」
「北新大陸国の中でさらに経済力を強めていますが、北新大陸国政府内部には招待されてはいませんし、行政においても重要な地位には就けないようです。」
「南大陸から奴隷として連れ込まれてきた、南大陸系の民の動きは?」
「いまだに虐げられている様子で、時々暴動が起きています。」
「南大陸系の民が多く生活している場所は?」
「南部地方ですが、殆どが生活豊かな都市部へ流れている様子です。しかしながら、これらの人々は、選挙権はあるが、行政機関への就職は難しい様子です。」
「では、此の先、彼等の独立に手を貸そう。その後に併合だ。」
最北部インデアンエルフ族は、北新大陸国政府から派遣された行政官を追い出すと、最北部国として独立宣言がなされた。
新約束の地でも、初代老樹霊に授かった種から育てた世界樹の枝木が生い茂っているその下で独立宣言がなされた。
南部地方でも、農地解放で引き渡された多くの耕作人達は、大同団結して独立宣言が行われた。
鹿島は、雨が降ろうが、嵐だろうが、矢の雨が降ろうが、雨あられと砲弾や銃弾が向かって来ようが、エアークラフトに乗りこまされて、多い日は三ヶ所の戦場からの要請に応じなければならなかった。
鹿島の活躍により、北新大陸国兵士は風が吹き出すと、
「たつまきがくるぞ!」
と、その場から逃げ出し、
雨雲が出ると、
「雷が落ちるぞ!」
と言っては武器を投げ捨て逃げ去り、軍隊としてのまとまり態勢が無くなってしまった。
北新大陸国は敗北宣言なしで、最北部国と新約束の地国に南部国の独立を認めた。
最北部国と新約束の地国に南部国は、亜人協力国に併合宣言をし、それぞれに州知事を置いた。
程なくして、北新大陸国は経済力と労働力が低下したために、最悪の不景気と食糧不足に追い込まれたので、いろんな援助と引換えに、亜人協力国に併合できないだろうかと申し込んできた。
亜人協力国の運営委員会は快く迎えると返事して、最優先で食料の援助を始めた。
エゲレス国も南大陸から搾取していた品物の輸入がなくなり、友好国北新大陸国がなくなってしまったことや、さらに食糧不足にも追いやられた様子で、食糧援助と亜人協力国への併合打診が運営委員会に申し込まれた。
運営委員会では、亀亜人種の大型宇宙船に多くの食料と薬品の援助物資を積込み、エゲレス州と北新大陸州に送った。
運営委員会室内には、新しく運営委員になったトーマス元帥もいた。
運営委員会室内では、
大型宇宙船が発艦する様子を映したスクリーンに見入っていた。
「これで、カントリ国を除いて、この惑星を併合できたな。」
と、トーマス元帥は感無量の微笑みをした。
げっそりとほほがこけた鹿島も、トーマス元帥の言葉に頷きながらマーガレットに微笑んでいる。
「そうですね。この惑星に降り立った時には、どうなるのかとの不安ばかりだったが、
マティーレに巡り合い、
パトラが仲間になったことで、国を興すことができ、
テテサ教皇の力でいろんな国々を併合できた。
私達はついていたわ。」
と、マーガレットは三人に満面笑顔を向けた。
スクリーンの場面は、呪い樹海の上空からの映像に変わった。
映像はコーA.Iによって編集されたのであろう、これまでの経過が記録映画のように変化状態が続いている。
呪い樹海の多くの火災現場では、一カ所で自然鎮火すると、さらにほかの場所で炎と煙が立ち上がりだしていく。
火災が鎮火した場所には多くの魔獣や獣が集まって、互いに相争うがしている。
薄暗い呪い樹海内では、昆虫型ドローンから送られた映像からか、怪物と化した人々はたがいに相争っていて、心臓や肝臓の内臓を食いちぎられたゾンビの群れは、太陽光を避けるようにさらに薄暗い樹海の奥を目指している。
ゾンビの群れは魔獣や獣に襲われるが、ゾンビとなった者たちは襲撃されていることに何の感情もないようすである。
ただ逆に中には何体かのゾンビたちは魔獣や獣の血を求めるように歯向かって組み合に行くが、無駄なことだと知らない様子なのか無防備のまま向かっていく。
多くの魔獣や獣にゾンビの群れが相争っている場所を制してしまうのは、五頭の魔物らであった。
五体が飛散散らばった現場の掃除は魔獣や猛獣らであったが、さらに外側から迫る火災で余すことなく骨だけとなった。
浄化の炎は薄暗い呪い樹海内に向かって広がりだしていて、焼け跡の荒れた大地では魔物同士の勝ち抜き戦が起きている。
負けた魔物の赤い魔石は心臓や肝臓ごと勝者の魔物に飲み込まれていった。
丸太杭に囲まれた樹海跡地の荒野ではすでにゾンビや人影はなく、魔獣の群れと三頭の魔物だけであった。
魔獣の群れも全て魔物に食い散らかされてしまい、残った魔物三頭の勝ち抜き戦となってしまった。
勝ち残った二頭の魔物はたがいの位置は遠かったが、周りにある残飯アサリが終わると、互いの匂いを嗅いだ様子で、二頭の魔物は相手側に向かいだした。
大型二頭の魔物の戦いは壮絶な戦いであったが、互いのスタミナは絶大なのか三日三晩と続いた。
大型二頭の魔物の戦いは四日目の朝には決着がついた。
勝者の魔物は敗者の魔石と心臓を飲み込み、肥大している肝臓をむしゃぶりだした。
それでも足りない様子でさらに鱗部分をはぎ取ると、内側の肉に食らいついた。
勝者の魔物の身体が心なしか大きくなりだしたのを感じた運営委員会室内では、
「まさか!さらに大きくなるのか?」
と鹿島は驚愕の声を出した。
勝者の魔物の身体はみるみるうちに、丸太杭をまたげる程に思える大きさまでになった。
「コーA.I。魔物にレーザー砲!」
とマーガレットが叫ぶと、ぶっとい五本の白い光線が魔物に点射された。
荒れた大地の土埃が風にあおられた魔物のいた跡地には、広大なクレーター跡ができていた。
クレーターの中央には、ひときわ大きな赤い魔石の輝きが周りの埃を赤く染めている。
「カントリ国は消滅してしまったようだな。」
と鹿島はスクリーンに見入ったまま呟くが、誰もが沈黙していた。
カントリ国内の崩れた焼け焦げた建物群跡地の映像が映し出されている光景に、運営委員会室内は静寂に包まれていた。
みんなの重たくなった気持ちを察したテテサ教皇は静かに語りだした。
「罪を犯しても詭弁を論述し、犯罪論点のすり替えは毎回で、
法治を軽んじて、
全ての恨み感情を外側から呼び込み組み立てながら大衆をあおり、
自分の行動は英雄行動であったと主張し、
更には過去の出来事では、
反論意見が証拠隠滅された後での否定が出来ないうそを並べ慰謝料の請求までする。
そんな国の民を亜人協力国に招待しても、国内の混乱を招くだけであったでしょう。」
と、
テテサ教皇の言葉は、
救い出せなかったみんなの重い心の負担を軽くしたい思いが込められていた。
「過去の出来事を互いに理解できなかったことは心残りだが、やはり、なぜ国を捨てなければならなかったのかを、だけども、、、どんなに論じても理解してはもらえなかったでしょう。」
と、猫亜人のマティーレは言葉少な気に寂しげにつぶやいた。
「法治を軽んじて、人治を重きとなせば、内外で起きる混乱の極みだろう。
そのいい例が彼らの国家だった。
論理的に追い詰められると自分の非を認めないで、
巧みに論理をすり替えその反発をほかの部分で実行し、
さらに揚げ足を取るように反発を強め広める彼らには無理だったな。
何人かを救い出したとしても、
挙句には、自分らの惨劇を他者の責任と言い出し追及して、
いろんな要求をしてきたであろう。」
と、
鹿島は、マティーレに同情は必要ないと呟いた。
呪い樹海の跡地に立ち上がる煙は、すべてを洗い流す雨雲にならねばと天高く昇っていく。
シュワル大洋州知事室には、
カジマ提督とトーマス元帥に各司令官が集まっていた。
「最北部は自由な狩り場として無国籍地帯であったが、
狩りだけの生活をしていたインデアンエルフは一同団結することができ、名目上は一つの国としてまとまったのだが、
各部族間の調停役として、北新大陸政府に願い出て今では北新大陸国となりましたが、かなりの重税に苦しんでいる様子です。」
「新しい約束の地に移った流浪の民自治州の状態は?」
「北新大陸国の中でさらに経済力を強めていますが、北新大陸国政府内部には招待されてはいませんし、行政においても重要な地位には就けないようです。」
「南大陸から奴隷として連れ込まれてきた、南大陸系の民の動きは?」
「いまだに虐げられている様子で、時々暴動が起きています。」
「南大陸系の民が多く生活している場所は?」
「南部地方ですが、殆どが生活豊かな都市部へ流れている様子です。しかしながら、これらの人々は、選挙権はあるが、行政機関への就職は難しい様子です。」
「では、此の先、彼等の独立に手を貸そう。その後に併合だ。」
最北部インデアンエルフ族は、北新大陸国政府から派遣された行政官を追い出すと、最北部国として独立宣言がなされた。
新約束の地でも、初代老樹霊に授かった種から育てた世界樹の枝木が生い茂っているその下で独立宣言がなされた。
南部地方でも、農地解放で引き渡された多くの耕作人達は、大同団結して独立宣言が行われた。
鹿島は、雨が降ろうが、嵐だろうが、矢の雨が降ろうが、雨あられと砲弾や銃弾が向かって来ようが、エアークラフトに乗りこまされて、多い日は三ヶ所の戦場からの要請に応じなければならなかった。
鹿島の活躍により、北新大陸国兵士は風が吹き出すと、
「たつまきがくるぞ!」
と、その場から逃げ出し、
雨雲が出ると、
「雷が落ちるぞ!」
と言っては武器を投げ捨て逃げ去り、軍隊としてのまとまり態勢が無くなってしまった。
北新大陸国は敗北宣言なしで、最北部国と新約束の地国に南部国の独立を認めた。
最北部国と新約束の地国に南部国は、亜人協力国に併合宣言をし、それぞれに州知事を置いた。
程なくして、北新大陸国は経済力と労働力が低下したために、最悪の不景気と食糧不足に追い込まれたので、いろんな援助と引換えに、亜人協力国に併合できないだろうかと申し込んできた。
亜人協力国の運営委員会は快く迎えると返事して、最優先で食料の援助を始めた。
エゲレス国も南大陸から搾取していた品物の輸入がなくなり、友好国北新大陸国がなくなってしまったことや、さらに食糧不足にも追いやられた様子で、食糧援助と亜人協力国への併合打診が運営委員会に申し込まれた。
運営委員会では、亀亜人種の大型宇宙船に多くの食料と薬品の援助物資を積込み、エゲレス州と北新大陸州に送った。
運営委員会室内には、新しく運営委員になったトーマス元帥もいた。
運営委員会室内では、
大型宇宙船が発艦する様子を映したスクリーンに見入っていた。
「これで、カントリ国を除いて、この惑星を併合できたな。」
と、トーマス元帥は感無量の微笑みをした。
げっそりとほほがこけた鹿島も、トーマス元帥の言葉に頷きながらマーガレットに微笑んでいる。
「そうですね。この惑星に降り立った時には、どうなるのかとの不安ばかりだったが、
マティーレに巡り合い、
パトラが仲間になったことで、国を興すことができ、
テテサ教皇の力でいろんな国々を併合できた。
私達はついていたわ。」
と、マーガレットは三人に満面笑顔を向けた。
スクリーンの場面は、呪い樹海の上空からの映像に変わった。
映像はコーA.Iによって編集されたのであろう、これまでの経過が記録映画のように変化状態が続いている。
呪い樹海の多くの火災現場では、一カ所で自然鎮火すると、さらにほかの場所で炎と煙が立ち上がりだしていく。
火災が鎮火した場所には多くの魔獣や獣が集まって、互いに相争うがしている。
薄暗い呪い樹海内では、昆虫型ドローンから送られた映像からか、怪物と化した人々はたがいに相争っていて、心臓や肝臓の内臓を食いちぎられたゾンビの群れは、太陽光を避けるようにさらに薄暗い樹海の奥を目指している。
ゾンビの群れは魔獣や獣に襲われるが、ゾンビとなった者たちは襲撃されていることに何の感情もないようすである。
ただ逆に中には何体かのゾンビたちは魔獣や獣の血を求めるように歯向かって組み合に行くが、無駄なことだと知らない様子なのか無防備のまま向かっていく。
多くの魔獣や獣にゾンビの群れが相争っている場所を制してしまうのは、五頭の魔物らであった。
五体が飛散散らばった現場の掃除は魔獣や猛獣らであったが、さらに外側から迫る火災で余すことなく骨だけとなった。
浄化の炎は薄暗い呪い樹海内に向かって広がりだしていて、焼け跡の荒れた大地では魔物同士の勝ち抜き戦が起きている。
負けた魔物の赤い魔石は心臓や肝臓ごと勝者の魔物に飲み込まれていった。
丸太杭に囲まれた樹海跡地の荒野ではすでにゾンビや人影はなく、魔獣の群れと三頭の魔物だけであった。
魔獣の群れも全て魔物に食い散らかされてしまい、残った魔物三頭の勝ち抜き戦となってしまった。
勝ち残った二頭の魔物はたがいの位置は遠かったが、周りにある残飯アサリが終わると、互いの匂いを嗅いだ様子で、二頭の魔物は相手側に向かいだした。
大型二頭の魔物の戦いは壮絶な戦いであったが、互いのスタミナは絶大なのか三日三晩と続いた。
大型二頭の魔物の戦いは四日目の朝には決着がついた。
勝者の魔物は敗者の魔石と心臓を飲み込み、肥大している肝臓をむしゃぶりだした。
それでも足りない様子でさらに鱗部分をはぎ取ると、内側の肉に食らいついた。
勝者の魔物の身体が心なしか大きくなりだしたのを感じた運営委員会室内では、
「まさか!さらに大きくなるのか?」
と鹿島は驚愕の声を出した。
勝者の魔物の身体はみるみるうちに、丸太杭をまたげる程に思える大きさまでになった。
「コーA.I。魔物にレーザー砲!」
とマーガレットが叫ぶと、ぶっとい五本の白い光線が魔物に点射された。
荒れた大地の土埃が風にあおられた魔物のいた跡地には、広大なクレーター跡ができていた。
クレーターの中央には、ひときわ大きな赤い魔石の輝きが周りの埃を赤く染めている。
「カントリ国は消滅してしまったようだな。」
と鹿島はスクリーンに見入ったまま呟くが、誰もが沈黙していた。
カントリ国内の崩れた焼け焦げた建物群跡地の映像が映し出されている光景に、運営委員会室内は静寂に包まれていた。
みんなの重たくなった気持ちを察したテテサ教皇は静かに語りだした。
「罪を犯しても詭弁を論述し、犯罪論点のすり替えは毎回で、
法治を軽んじて、
全ての恨み感情を外側から呼び込み組み立てながら大衆をあおり、
自分の行動は英雄行動であったと主張し、
更には過去の出来事では、
反論意見が証拠隠滅された後での否定が出来ないうそを並べ慰謝料の請求までする。
そんな国の民を亜人協力国に招待しても、国内の混乱を招くだけであったでしょう。」
と、
テテサ教皇の言葉は、
救い出せなかったみんなの重い心の負担を軽くしたい思いが込められていた。
「過去の出来事を互いに理解できなかったことは心残りだが、やはり、なぜ国を捨てなければならなかったのかを、だけども、、、どんなに論じても理解してはもらえなかったでしょう。」
と、猫亜人のマティーレは言葉少な気に寂しげにつぶやいた。
「法治を軽んじて、人治を重きとなせば、内外で起きる混乱の極みだろう。
そのいい例が彼らの国家だった。
論理的に追い詰められると自分の非を認めないで、
巧みに論理をすり替えその反発をほかの部分で実行し、
さらに揚げ足を取るように反発を強め広める彼らには無理だったな。
何人かを救い出したとしても、
挙句には、自分らの惨劇を他者の責任と言い出し追及して、
いろんな要求をしてきたであろう。」
と、
鹿島は、マティーレに同情は必要ないと呟いた。
呪い樹海の跡地に立ち上がる煙は、すべてを洗い流す雨雲にならねばと天高く昇っていく。
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