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未知の生命体との遭遇
173 昆虫型ドローン
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サトイのラボでは五人の子供達が、ジンの制作している昆虫型模型に見入っていた。
ジンを除いた四人の子供たちの前には、
生きた昆虫がコップに入れられていた。
レイちゃんのコップには赤と青の水玉模様のてんとう虫であり、
キズナちゃんのコップには縞模様の七色虹模様のてんとう虫である。
サトイのコップには金色に輝くカブトムシが入っていて、
ヨイのコップには何故か真っ黒い大きな角を持ったクワガタであった。
それぞれが母親たちに見つからないように、
隠し持って育てている自慢の昆虫たちであった。
「だから、電流を流すとその流れでモーターが回り、
羽や足を動かせるのだよ。」
と、サトイはモーターが動く原理を弟のジンに説明しながら、
ジンに作らせようとしている模型を動かす原理を説明している。
ジンは何かが閃いたのか、拡大鏡を目に装着しながら、
米粒を輪切りにしたぐらいの大きさの鉱物を切り取ると、
大小さまざまな歯車を製作しだした。
みんなが昆虫型模型をジンに製作依頼を出した理由は、
ジンが夢中で製作した多足昆虫模型を見たからである。
サトイがジンに動く基本動作の理論を教えきれるなら、
開発された知識を創り出す創造的知性を持つジンならばと、
昆虫模型を作って貰い、偽造模型と本物の虫の見分けができなくなった母親たちをゴマ化せるとの思いと、
知識を創り出すジンを認識しているからであった。
子供達はジンの動かす工具に興奮状態で見入っていた。
呪い樹海周りではどこまでも続く丸太杭の列はできて、運河も完成した。
呪いの樹海の中では、あちらこちらで紛争が起きだすたびに山火事が発生するが、その度に豪雨が起き、焼け跡地面から芽を出した緑豊かに茂った枝木は急激に勢い良く伸びだすと、
耕作者のいない耕作地をも樹海と化していった。
耕作者のいない原因は、誰もが食料としていた野菜や穀物を必要としなくなり、血と生肉がゾンビウイルスに侵された者たちの食糧であったからである。
カントリ国の民は互いに血と生肉を求めて戦いだしている。
呪い樹海の生い茂る枝木の影では、
生あるもの同士の壮絶な争いが起きていて、
ゾンビの群れを作り出していた。
ゾンビを食料とする魔獣や猛獣隊の群れは生死に関係なく、目に入る動くすべてに襲い掛かっていた。。
呪い樹海の内では混沌とした殺戮と襲撃が行われていたが、
上空からの映像には静かな緑の絨毯にしか見えていなかった。
緑の絨毯に見入っているテテサ教皇は大きなため息をついた。
「テテサ、何のため息?」
「教会跡地の花園が無くなってしまいました。」
「誰も手入れしなかったのだから、樹海に飲み込まれるのは仕方のないことでしょう。」
と、マティーレは寂しげに同情の目を向けた。
「今、子供たちが夢中になっている、飛行する昆虫型のおもちゃを見ましたか?」
と、マーガレットは皆を見回した。
「そうよ。以前多くの虫をヨイが飼っていたので、すべての虫を捨てたのに、また、気持ち悪い虫を食事中のテーブルに置いたので、しかりつけたら、ジンが作ったおもちゃだよと言われた。」
「私もキズナちゃんの虫おもちゃに驚いて、大声を出してしまいました。全く虫と同じ姿で同じ動作をする気持ち悪いおもちゃです。」
「私は、益虫である昆虫なら可愛いです。が、今回は蟲の話ではなくて、昆虫型の飛行物にカメラ取付けをジンに設計させた後に、
その制作を製造部門に委託して多くのドローンの製造許可をお願いします。」
「まさか、虫と遊ぶためではないわよね。」
「監視衛星では、呪い樹海の内側の状態がよくわからないので、昆虫型の飛行物ドローンを送りたいので、了解願いたいのです。」
「必要なことです。」
「汚染されていない方を救い出すには、必要でしょう。」
「予算は、臨時戦費扱いとします。」
と、全員一致で呪い樹海にドローを送る事が決定された。
子供達はいろんな昆虫型のドローができたことで、いろんな虫や昆虫を採取してきては、母親隊に見つかると、
「これおもちゃ。」
と模型型の昆虫を差し出した。
今では、母親たちからの苦情がなくなったことで、部屋いっぱいに虫かごが並んだ。
ヨイに至っては、珍しい昆虫を見つけるのが得意のようで、
近所の悪ガキたちと物々交換していたが、珍しい種類は全てレイちゃんに取り上げられてしまい、兄弟全員に公平分配されていた。
大ホールには、
全運営戦略委員会資格者の各知事と各師団長に司令官が招かれた。
大ホールの四方のスクリーンには、
昆虫型ドローンによる呪い樹海内の映像が映し出された。
映像画面には悲惨な残酷動画が流れ出した。
高齢のカナリア州ジョシュー知事に代わったばかりの紅一点の女性知事ウェイン.サイは、ハンカチで口をふさいだ。
どの映像画面にも、ここは地獄場からの中継としか思えない悲惨さと、残酷で身の毛がよだつ共食いの世界であった。
すべてに生きるもの動くものらの修羅場行動は、
ゾンビウイルスに汚染された者の終着場である。
カジマ提督は立ち上がると、コーA.Iに映像停止を命じた。
「これが、カントリ国内で起きている現状です。
カントリ国において、及び呪い樹海の山火事鎮静に努力はしていましたが、
カントリ国内には、もはや正常なものはいないと判断できたと思いますので、
今後は一切無駄な手助けは悲惨な地獄を長引かせるので、
亜人協力国はカントリ国を封鎖するだけにしたいと思っています。」
全員が賛成の挙手をしたことで、現状あちらこちらで発生している山火事は、カントリ樹海と深い樹海までの延焼の危険性がないことで、成り行き任せの自然鎮火任せとなった。
ジンを除いた四人の子供たちの前には、
生きた昆虫がコップに入れられていた。
レイちゃんのコップには赤と青の水玉模様のてんとう虫であり、
キズナちゃんのコップには縞模様の七色虹模様のてんとう虫である。
サトイのコップには金色に輝くカブトムシが入っていて、
ヨイのコップには何故か真っ黒い大きな角を持ったクワガタであった。
それぞれが母親たちに見つからないように、
隠し持って育てている自慢の昆虫たちであった。
「だから、電流を流すとその流れでモーターが回り、
羽や足を動かせるのだよ。」
と、サトイはモーターが動く原理を弟のジンに説明しながら、
ジンに作らせようとしている模型を動かす原理を説明している。
ジンは何かが閃いたのか、拡大鏡を目に装着しながら、
米粒を輪切りにしたぐらいの大きさの鉱物を切り取ると、
大小さまざまな歯車を製作しだした。
みんなが昆虫型模型をジンに製作依頼を出した理由は、
ジンが夢中で製作した多足昆虫模型を見たからである。
サトイがジンに動く基本動作の理論を教えきれるなら、
開発された知識を創り出す創造的知性を持つジンならばと、
昆虫模型を作って貰い、偽造模型と本物の虫の見分けができなくなった母親たちをゴマ化せるとの思いと、
知識を創り出すジンを認識しているからであった。
子供達はジンの動かす工具に興奮状態で見入っていた。
呪い樹海周りではどこまでも続く丸太杭の列はできて、運河も完成した。
呪いの樹海の中では、あちらこちらで紛争が起きだすたびに山火事が発生するが、その度に豪雨が起き、焼け跡地面から芽を出した緑豊かに茂った枝木は急激に勢い良く伸びだすと、
耕作者のいない耕作地をも樹海と化していった。
耕作者のいない原因は、誰もが食料としていた野菜や穀物を必要としなくなり、血と生肉がゾンビウイルスに侵された者たちの食糧であったからである。
カントリ国の民は互いに血と生肉を求めて戦いだしている。
呪い樹海の生い茂る枝木の影では、
生あるもの同士の壮絶な争いが起きていて、
ゾンビの群れを作り出していた。
ゾンビを食料とする魔獣や猛獣隊の群れは生死に関係なく、目に入る動くすべてに襲い掛かっていた。。
呪い樹海の内では混沌とした殺戮と襲撃が行われていたが、
上空からの映像には静かな緑の絨毯にしか見えていなかった。
緑の絨毯に見入っているテテサ教皇は大きなため息をついた。
「テテサ、何のため息?」
「教会跡地の花園が無くなってしまいました。」
「誰も手入れしなかったのだから、樹海に飲み込まれるのは仕方のないことでしょう。」
と、マティーレは寂しげに同情の目を向けた。
「今、子供たちが夢中になっている、飛行する昆虫型のおもちゃを見ましたか?」
と、マーガレットは皆を見回した。
「そうよ。以前多くの虫をヨイが飼っていたので、すべての虫を捨てたのに、また、気持ち悪い虫を食事中のテーブルに置いたので、しかりつけたら、ジンが作ったおもちゃだよと言われた。」
「私もキズナちゃんの虫おもちゃに驚いて、大声を出してしまいました。全く虫と同じ姿で同じ動作をする気持ち悪いおもちゃです。」
「私は、益虫である昆虫なら可愛いです。が、今回は蟲の話ではなくて、昆虫型の飛行物にカメラ取付けをジンに設計させた後に、
その制作を製造部門に委託して多くのドローンの製造許可をお願いします。」
「まさか、虫と遊ぶためではないわよね。」
「監視衛星では、呪い樹海の内側の状態がよくわからないので、昆虫型の飛行物ドローンを送りたいので、了解願いたいのです。」
「必要なことです。」
「汚染されていない方を救い出すには、必要でしょう。」
「予算は、臨時戦費扱いとします。」
と、全員一致で呪い樹海にドローを送る事が決定された。
子供達はいろんな昆虫型のドローができたことで、いろんな虫や昆虫を採取してきては、母親隊に見つかると、
「これおもちゃ。」
と模型型の昆虫を差し出した。
今では、母親たちからの苦情がなくなったことで、部屋いっぱいに虫かごが並んだ。
ヨイに至っては、珍しい昆虫を見つけるのが得意のようで、
近所の悪ガキたちと物々交換していたが、珍しい種類は全てレイちゃんに取り上げられてしまい、兄弟全員に公平分配されていた。
大ホールには、
全運営戦略委員会資格者の各知事と各師団長に司令官が招かれた。
大ホールの四方のスクリーンには、
昆虫型ドローンによる呪い樹海内の映像が映し出された。
映像画面には悲惨な残酷動画が流れ出した。
高齢のカナリア州ジョシュー知事に代わったばかりの紅一点の女性知事ウェイン.サイは、ハンカチで口をふさいだ。
どの映像画面にも、ここは地獄場からの中継としか思えない悲惨さと、残酷で身の毛がよだつ共食いの世界であった。
すべてに生きるもの動くものらの修羅場行動は、
ゾンビウイルスに汚染された者の終着場である。
カジマ提督は立ち上がると、コーA.Iに映像停止を命じた。
「これが、カントリ国内で起きている現状です。
カントリ国において、及び呪い樹海の山火事鎮静に努力はしていましたが、
カントリ国内には、もはや正常なものはいないと判断できたと思いますので、
今後は一切無駄な手助けは悲惨な地獄を長引かせるので、
亜人協力国はカントリ国を封鎖するだけにしたいと思っています。」
全員が賛成の挙手をしたことで、現状あちらこちらで発生している山火事は、カントリ樹海と深い樹海までの延焼の危険性がないことで、成り行き任せの自然鎮火任せとなった。
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