【何カ所か18禁]女神の伴侶戦記

かんじがしろ

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未知の生命体との遭遇

167人型機

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パンパの牧草地に、
一際真っ白い、左右対象曲線の翼を広げた首の短い白鳥が降りていた。

「きれい!」
と、パトラは高機動車輌を運転しながら叫んだ。

 鹿島達が左右対象曲線翼の白鳥に着くと、
神降臨街の方から怒涛の歓声が響くと大勢の市民が駆けてきた。

「みんなを止めろ!」と、鹿島は叫んだ。

 いつも完全装備のトーマス元帥は、
誰もいない場所へ二個の手榴弾を投げた。

 草原に響き渡る爆裂音で市民の足は止まった。

 二人ずつ乗務している三台の機動車輌は市民の方へ引き返すと、
鹿島が叫んだ。

「静まれ!あれは敵ではない!ましてや神様でもない!
お客である!
みんなその場に座って、後ろから来る者達を阻止しろ!」

 みんなが座りだすとコーA.Iから通信が入った。
「機械ロボさんからの申し出は、
宇宙船内にて最高責任者と会見したいとのことでしたが、
こちら側の希望として私の判断で、
最高責任者と、
救助要請を発射した政策責任者の二名を申し出ましたところ、
許可されましたので、カジマ提督とマーガレット首席行政長官は、
白い宇宙船へ向かってください。」

「まて、もう一人、護衛がいるだろう~。」
と、パトラは興味深気に尋ねたが、
「却下。」
と、コーA.Iは冷たく返答した。


 白い宇宙船内に入った鹿島とマーガレットは、
X線の装置されている層と思われる通路を過ぎると、
宇宙船の外装と同じ素材と思われる二足歩行の人型が待っていた。

 二人は固い椅子をすすめられて着席した。

「コーA.Iさんから、
あなた方は宇宙区間において自分達の位置を確認できないことと、
現在置かれている立場は理解しました。
あなた達の探している座標は、すべてが私の知らない座標です。
ですので、私は私の権限で、あなたたちを観察したいのですが、
観察許可をいただきたい。」
と流暢な銀河連合言語でしゃべりだした。

「つまり、ここに滞在したいと?」
と、マーガレットは怪訝気に尋ねた。

「私の使命は、あなた方の救助と観察です。
あなた方の救助はコーA.Iさんから拒否されましたので、
この場所に滞在させていただき、観察だけを行いたいのです。
干渉は一切いたしません。」

「救助をしないとは?」
「行く当てのない状態でしたら、希望の場所へ案内する予定でしたが、
それは断られました。」

「例えばの話です。
私たちが強力な外敵から攻撃された場合、
私達を援護できるのでしょうか?」

「希望の場所へ移動すると決定した時点から、私の保護下に入ります。
今はまだ保護下に入っていませんので、
あなた達の争いには干渉できません。」

「わかりました。あなたを歓迎します。
混乱を避けるために、
この宇宙船を、私共の宇宙船の屋上に、着艦し直してください。
必要なものがありましたら、可能な限り、希望に沿いたいと思います。」

 鹿島は一言も発しないうちに、新しい訪問者の滞在が決まった。

 鹿島は新しい訪問者の滞在が決まった理由は、
敵意のない新しい訪問者を空間時間次元で知り得た、
キズナちゃんの予知のおかげだろうと推測した。

 鹿島が新しい訪問者に手を差し伸べると、
「あなた方の挨拶仕方ですね、よろしくお願いします。」
と言って、新しい訪問者は鹿島とマーガレットの握手に順次応じた。

 白い宇宙船は、
鹿島とマーガレットを乗せたまま輸送艦屋上へ向かった。

 マーガレットは自己紹介の際に、
新しい訪問者の名前がロボだと聞かされたので、
「ロボさん、滞在用の部屋を用意できます。どうなさいますか?」
「ありがとうございます。私は自分の船で生活します。」
と、無表情で答えた。

 鹿島とマーガレットは、宇宙船の出口の外は草原ではなくて、
輸送艦の屋上であることに驚きながらエレベーター前に向かった。

 鹿島とマーガレットは輸送艦のエレベーターの中で会話しだした。

「閣下。何かわかりましたか?」
「全く何も。心のない物体に触っただけの感じだ。」
「だよね~。機械だもの。」

 鹿島とマーガレットが戦略作戦室に入ってしばらくして、
トーマス元帥と三人の運営委員は駆け込んできた。

「隊長!いや、閣下!宇宙船が飛び去ったときは、
心臓が止まりそうでしたよ。」
と、トーマス元帥は息を切らしながら、早口でまくし立てた。

「俺たちも、輸送艦の屋上に着くまでは、
移動したことを知らなかったのだ。」

「何かわかりましたか?」
「キズナちゃんの言う通り、敵意はありませんが、援護もありません。」
「それならなぜ?艦の屋上へ着艦させたの?」
「外部との接触を避けるためです。」

「この事は、どの様に発表しますか?」
とマティーレは心配そうな顔をして皆を見回した。

「私たち故郷の隣人だと、発表するしかないでしょう。」
と、鹿島はあきらめ顔で皆を見回した。

「ジャネットにさえ秘密にしていたのに、
俺達は宇宙人だと、発表するのですか?」
トーマス元帥はうろたえだした。

「ほかにいい説明方法があるなら?聞きィ~たァ~いッ。」
と、鹿島はテーブルにオデコをくっつけた。

「元々、この惑星の地図が完成した時に、
守り人の故郷大陸はどこなのか、
みんなが疑問に思っていたことだし、仕方がないでしょう。」

 ほかの言い訳を思いつかないので、みんなは沈黙するしかなかった。

「どんな反応が出るのやら?」
と、パトラはテーブルに長い耳を押し付けてつぶやいた、

「私は最初、ホルヘから告発されたときは理解ができなかったので、
冗談だと受け取っが、それは真実だと少しずつ理解しだしたころは、
守り人達を理解していたので、違和感なく受け入れていたわ。」

「同じく私も、閣下たちが宇宙から来たと知ったときは驚いたが、
同じ人間で異種族だけの違いだけだと思っていたので、
特別なことだとは思わなかったわ。」
と、なんの疑問もない様子のパトラであった。

「天上人は、全てガイア女神様の関係者だと、みんなは思っています。
これは、ガイア様を否定するきっかけになる予感がします。」

「此れからは、女神様も大変になるのだ?」
「貴女のことでもあるのですよ。」
「なして?」
「貴女の身分立場は、子供達の今後は?」
「それは秘密でいいでしょう。」
「そこじゃない。」
と、テテサ教皇はパトラとの会話に疲れたのか、
短い耳をテーブルに押し付けた。
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