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未知の生命体との遭遇
164 カントリ国からの侵略阻止
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第一師団の方からは銃声も爆裂音もなくなり、
歓声だけがカントリ樹海にこだまし、共に歓喜している様にも思えた。
鹿島は突き出た岩に座っていて、
手には葉っぱの生えた二人の老樹霊から貰った、
イチゴ味の山桃が実った枝を持っている。
葉っぱの生えた二人の老樹霊は、
枝に色んな木の実の付いた枝を抱え込んでいる。
「ホントに、伴侶様はお強いのですね。」
「殆どが、妖精たちの力です。」
「本当にどうしたのかしら?妖精たちが、戦うのを初めて見たわ。」
「先輩の年月でも初めてですか?」
「ですね~。」
鹿島の周りでは赤い微粒子が、
くっつき合い、群れ合い、思い思いに飛行していた。
鹿島には、
赤い微粒子たちは互いに手を取り合って、
ペアーダンスしたり輪になって踊りをしたりして、
列をなして阿波踊りさえも踊っている様に見えた。
「さて、静かになったから、帰ろうかな。」
と言って、山桃の実が無くなった枝を放り投げて立ち上がると、
枝に色んな木の実の付いた枝の束を、
葉っぱの生えた二人の老樹霊は差し出した。
いろん実がなった多くの枝を握りしめている、
二人の乙女も立ち上がった。
鹿島はにこりと笑いを向けて、
右側の枝の束からサクランボに似た枝を引き抜き、
左側からは、桑の実に似た枝を引き抜いた。
サクランボの実はオレンジ味で、桑の実は若干リンゴ味である。
鹿島はカントリ樹海を小一時間ぐらい歩いた頃、
ようやっと樹海を抜けて、
第一師団の前衛隊がたむろしている場所に出た。
樹海の出口まで案内した老樹霊達は、樹海の中に帰っていった。
第一師団の前衛隊から歓声が上がると、
一台の機動車輌がモ―スピードで駆けてきた。
「閣下様、ホントに稲妻野郎を、倒しましたのですね。」
と、マルティーン司令官は言って、片膝を地につけた。
「おいおい、俺を奉(たてまつ)らないでくれ。女神様が嫉妬する。」
「これは尊敬と敬意と忠誠の、精一杯の抑え気味表現です。
気持ちは平伏したいのですが、
兵の前ですので、この体制で妥協しています。」
鹿島は、この惑星の人々は永い封建制であったために、
未だ重たい人々だと感じていた。
二人の乙女は別の車両に乗り、
機動車輌には鹿島とマルティーン司令官乗り込んだ。
マルティーン司令官は、
「お祓い料はやはり安かった。お礼参りにまた行きます。」
と、言い出した事に、鹿島は返事が出来なくなってうなだれた。
サンビチョ州のガイア教会でのお祓い事が流行した原因は、
やはりマルティーン司令官が宣伝しまくったからだろう。
お祓い事が流行している噂を聞いた鹿島は、
罪作りな言葉を発したと反省した。
鹿島が怪物の腕についていた箱を持ち帰った事で、
コーA.Iとサトイは興奮しているらしいと、鹿島は知らされたが、
空間と反重力の話になった所で、
内容を聞いても理解できないとおもい、
報告を途中で聴くことを拒否した。
運営委員会では、カントリ国の扱いに苦慮していた。
四人の運営委員な中で、穏健人道的な意見を述べるテテサ教皇は、
会談の初めから黙秘していた。
「テテサ、どうしたの?何か提案はないの?」
「老樹霊とキズナに、カントリ国に対しては、
教会としては、何もするなと言われたのです。」
「どういう事?」
「今のカントリ国は普通ではないので、
決してゾンビウイルス抗体薬と、
治療薬は決して送ってはならないと、くぎを刺されました。」
「理由は?」
「抗体薬を無効化出来る強力なゾンビウイルスが、
出現する可能性があると。」
「タローの昔話は真実であった事で、
今後の対策上、老樹霊とキズナちゃんの意見が真っ当でしょう。」
「閣下が救護した乙女二人からの情報では、タローを先頭に、
呪いの樹海からバーミーズ州へ打って出る予定だったが、
タローは生贄として与えられた十人の娘達を引き連れて、
勝手に先に暴走してしまい、
その途中で閣下に救われたらしいです。」
「棺の盗難はカントリ国の指導者も、グルか?」
「再度打って出てくるかな?」
「あの国にかかわるのはやめよう。手を差し伸べると当然との態度で、さらに別の理由を探して何かを要求するだけだろう。」
「では、食料と医薬品の投下は、中止でよろしいでしょうか?」
「中止。」
「中止。」
「中止。」
「全員一致で、カントリ国には、今後も関わらないことで、
決定します。」
トーマス元帥は全軍に対して、
カントリ国からのゾンビウイルス侵入を阻止する為、
封鎖の為とはいえ長い距離だが、
国境沿いに大掛かりな丸太杭の建設を命じた。
歓声だけがカントリ樹海にこだまし、共に歓喜している様にも思えた。
鹿島は突き出た岩に座っていて、
手には葉っぱの生えた二人の老樹霊から貰った、
イチゴ味の山桃が実った枝を持っている。
葉っぱの生えた二人の老樹霊は、
枝に色んな木の実の付いた枝を抱え込んでいる。
「ホントに、伴侶様はお強いのですね。」
「殆どが、妖精たちの力です。」
「本当にどうしたのかしら?妖精たちが、戦うのを初めて見たわ。」
「先輩の年月でも初めてですか?」
「ですね~。」
鹿島の周りでは赤い微粒子が、
くっつき合い、群れ合い、思い思いに飛行していた。
鹿島には、
赤い微粒子たちは互いに手を取り合って、
ペアーダンスしたり輪になって踊りをしたりして、
列をなして阿波踊りさえも踊っている様に見えた。
「さて、静かになったから、帰ろうかな。」
と言って、山桃の実が無くなった枝を放り投げて立ち上がると、
枝に色んな木の実の付いた枝の束を、
葉っぱの生えた二人の老樹霊は差し出した。
いろん実がなった多くの枝を握りしめている、
二人の乙女も立ち上がった。
鹿島はにこりと笑いを向けて、
右側の枝の束からサクランボに似た枝を引き抜き、
左側からは、桑の実に似た枝を引き抜いた。
サクランボの実はオレンジ味で、桑の実は若干リンゴ味である。
鹿島はカントリ樹海を小一時間ぐらい歩いた頃、
ようやっと樹海を抜けて、
第一師団の前衛隊がたむろしている場所に出た。
樹海の出口まで案内した老樹霊達は、樹海の中に帰っていった。
第一師団の前衛隊から歓声が上がると、
一台の機動車輌がモ―スピードで駆けてきた。
「閣下様、ホントに稲妻野郎を、倒しましたのですね。」
と、マルティーン司令官は言って、片膝を地につけた。
「おいおい、俺を奉(たてまつ)らないでくれ。女神様が嫉妬する。」
「これは尊敬と敬意と忠誠の、精一杯の抑え気味表現です。
気持ちは平伏したいのですが、
兵の前ですので、この体制で妥協しています。」
鹿島は、この惑星の人々は永い封建制であったために、
未だ重たい人々だと感じていた。
二人の乙女は別の車両に乗り、
機動車輌には鹿島とマルティーン司令官乗り込んだ。
マルティーン司令官は、
「お祓い料はやはり安かった。お礼参りにまた行きます。」
と、言い出した事に、鹿島は返事が出来なくなってうなだれた。
サンビチョ州のガイア教会でのお祓い事が流行した原因は、
やはりマルティーン司令官が宣伝しまくったからだろう。
お祓い事が流行している噂を聞いた鹿島は、
罪作りな言葉を発したと反省した。
鹿島が怪物の腕についていた箱を持ち帰った事で、
コーA.Iとサトイは興奮しているらしいと、鹿島は知らされたが、
空間と反重力の話になった所で、
内容を聞いても理解できないとおもい、
報告を途中で聴くことを拒否した。
運営委員会では、カントリ国の扱いに苦慮していた。
四人の運営委員な中で、穏健人道的な意見を述べるテテサ教皇は、
会談の初めから黙秘していた。
「テテサ、どうしたの?何か提案はないの?」
「老樹霊とキズナに、カントリ国に対しては、
教会としては、何もするなと言われたのです。」
「どういう事?」
「今のカントリ国は普通ではないので、
決してゾンビウイルス抗体薬と、
治療薬は決して送ってはならないと、くぎを刺されました。」
「理由は?」
「抗体薬を無効化出来る強力なゾンビウイルスが、
出現する可能性があると。」
「タローの昔話は真実であった事で、
今後の対策上、老樹霊とキズナちゃんの意見が真っ当でしょう。」
「閣下が救護した乙女二人からの情報では、タローを先頭に、
呪いの樹海からバーミーズ州へ打って出る予定だったが、
タローは生贄として与えられた十人の娘達を引き連れて、
勝手に先に暴走してしまい、
その途中で閣下に救われたらしいです。」
「棺の盗難はカントリ国の指導者も、グルか?」
「再度打って出てくるかな?」
「あの国にかかわるのはやめよう。手を差し伸べると当然との態度で、さらに別の理由を探して何かを要求するだけだろう。」
「では、食料と医薬品の投下は、中止でよろしいでしょうか?」
「中止。」
「中止。」
「中止。」
「全員一致で、カントリ国には、今後も関わらないことで、
決定します。」
トーマス元帥は全軍に対して、
カントリ国からのゾンビウイルス侵入を阻止する為、
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