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84 巴姫と拳銃
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東空の水平線近くの雲が少し白っぽくなりかけた頃、
少年たちのテント周りが騒がしくなりだした。
雲がだんだん白くなるにつれて、
少年たちの声も段々と騒がしくなっていく。
水平線近くの雲が赤く焼けてくるころには、
少年達は手にそれぞれが枝葉を両手に構えて整列し、
雑木林の前に設置した柵と五百メートルぐらい離れた場所で、
柵と向かい合うように腰をかがめた。
コーA.Iの指示は,エミューに乗った鹿島達を、
少年たちの背後を回り込みさせて、
其々が雑木林と草原の境に進むよう指示した。
鹿島達は其々の指定された位置に待機した。
コーA.Iに指示された位置から、鹿島達エミュー隊はコーA.Iの指示に従い、
片手に持った枝葉で足元の草を叩きながら、
姿の見えない六十羽程いるらしいヒトコブ兎を追い立てた。
コーA.Iの指示は直線的でなく、右や左への追い立てをも指示するので、
五十センチはあろう草の中で、
かなりハードなエミューの操作を強いられている。
柵と少年たちと鹿島達の間の草原には、
朝露に濡れた水玉が不自然に揺らめく草から弾けて、
旭に反射してキラキラと草原に弾け飛んでいる。
柵に沿って草を踏み倒した獣道を、
多数の草原の草と同じ色の地球星の兎よりも、
かなり大きめの小動物が逃げている。
逃げる小動物は、柵に沿って囲いの方に逃げている。
囲いの手前には八型に組んだ柵が有り、
並んで追い立てていた少年たちの端が、
八型に組んだ短い方の柵に取り付くと、
並んで追い立てている少年たちの前を、
無数の小動物が囲い柵に向かっている。
豚似コヨーテとの戦い場であった囲いの中には、
今は多くのヒトコブ兎が勢い良く駈けずり回っているが、
囲いの中で駆けずり回っているヒトコブ兎は、
その勢いに反して互いがぶっつかる事無く、
逃げる算段をしているようである。
侵入した通路はすでに閉じられた囲いの為に、
外には逃げる隙間はないようである。
眠気眼で現れた巴姫は柳生指南の脇に来ると目を丸くしながら、
囲いの中で駆けずり回っているヒトコブ兎の多さに驚いている。
「指南殿流石でございます。」
「いや。此れは、亜人協力国の守り人たちの手柄です。
これが戦であれば、彼等の完全勝利です。」
「この事を、戦に例えられると?」
「追撃戦の基本がなければ、
この様に多くの数を集める等うまくできないでしょう。
恐ろしい人たちです。」
「戦術家と言われる柳生指南の言葉道理ならば、
噂以上の強国のようですね。」
「我々の知らない戦い方を、彼等は知っているようです。
ムー帝国が無血にて併合されたのも納得がいきます。」
「鉄の国、火の国、塩の国を相手にした場合、亜人協力国の庇護を受けることができたならば、勝てますでしょうか?」
「間違いなく勝てます。我々は亜人協力国を敵に回すべきではありません。」
「この事を父上に連絡して下さい。わらわは彼らを城に案内します。」
「鉄の国と亜人協力国は戦闘状態なので、
鉄の国と火の国からの同盟を切られようとも、
亜人協力国との敵対にならぬよう上申します。」
「韋駄天と呼ばれている柳生一族の力を使って頼みます。
わらわも彼らを城に案内して、父上に懇願します。」
二人の会話が終わると、
柳生指南は雑木林の先にある街道に駆け出していった。
その速さは韋駄天と呼べる駆け方である。
鹿島も巴姫と柳生指南との会話は遠聴マイクを使い、
イヤホンを通して聞き取る事ができていたようである。
先々の事を思うと、
彼らとの接触とヤンの恋路はいい方向に向いているようである。
「大八車に檻を設置するので、全員集まれ!」
と、副指南が声を掛けると、
二十数人の少年たち全員が人力荷車の周りに集まって、
副指南からの指示を受けている。
「人力荷車の事を大八車と呼ぶわけは、理由があるのですか?」
と、この惑星に来て鹿島は人力荷車を初めて見たことで、
人力荷車の呼び名に何となく興味が湧いたのか、
ヤンの腕にしがみついている巴姫に尋ねると、
「名付け元は不明だが、大昔からそう呼ばれているのです。
ただ、大工の大八と言われた者が製作したとの噂もあるが、
真相は不明のようです。」
何となく、日出国には、
優秀な技術者を育てる土壌があるように感じられる。
ヤンの腕にしがみついている巴姫の傍に蘭丸が駆け出して来て、
「姫様、ヒトコブ兎はわれらの隊列の間からかなり逃げられましたが、
それでも記録的な四十七羽は確保できました。
予定の確保目標は三羽でしたので、笑いが止まりません。」
「四十七羽!此れは父上や貴族どもに自慢できることだな!」
「軍のイベントである狩り祭りでさえ十五羽が最高記録なので、
それよりも三倍以上の成果です。」
「大八車に檻を設置しているが、全てのヒトコブ兎を収納出来ますか?」
「何とか二十七羽は押し込んだのですが、残りの二十羽は俺らが一羽ずつ背負って帰ります。」
にぎやかに騒いでいる囲いの中では、ヒトコブ兎の前足どうしと、
後ろ足どうしはやぶの中にある蔓によって束縛している様子であり、
何人かは手足を縛って束縛したヒトコブ兎を襟巻状態にして、
左右から手足を引くように肩に担いでいる。
テントがたたまれて、少年達は街道に向かう準備をしだしたが、
鹿島達は荷車の運行操作席には乗らずに草原に屯していると、
巴姫と副指南がともに近づいてきた。
「鹿島様。ご同伴願えませんでしょうか?」
と、副指南が声をかけてきた。
「この草原に荷物が届きますので、われらはもう少し遅れる。」
「荷物が届くとは?」
「運送魔法です。」
「運送魔法ですか?聞いたことがない。」
と、巴姫が目を白黒させているのを覗き見る鹿島を阻止するかのように、
ソシアル航宙技官からの通信が入った。
一輪の白い花パラシュートが川原上空に咲き、
ゆっくりと草原に向かって落下して来た。
マーガレットとパトラが操縦してないことに安どと寂しさを思ったが、
鹿島は巴姫の顔をチラ見した後、川原上空に顔を向けたまま、
「届いたようだな」
と言って、巴姫と副指南に目を向け直すと二人は口を開けたまま、
上空のパラシュートに見入り唖然としている。
既にヤンとポールは荷車運行操作席に乗り込んで、
パラシュートの落下地点を目指して動き出していた。
荷車からヤンは飛び降りるとパラシュートを畳み込み、
運行操作席からゆっくりと降りたポールと共に、
投下された荷物を荷車に積み込んで帰って来た。
ヤンは荷車から投下された木枠に固定された荷物の解体を始めると、
梱包材の布を広げて中の品物を取り出した。
広げられた品物に、巴姫と副指南は見入っている。
ポールはその中の剣を掴むと、
「副指南殿、申し訳ございませんでした。
切り折った貴殿の剣替わりですが、受け取ってもらえませんか?」
副指南は目を白黒させている。
金銀とガラス製に錦糸の紐に装飾された豪華な拵(こしら)えの柄と、
玉石の鍔に赤鞘の剣を受け取った。
「こんな豪華な剣を我に譲ると?」
「刃部分も亜人協力国の自慢出来る焼き入れです。」
副指南は両刃直刀をゆっくりと鞘から引き出すと、
鏡のように研ぎ澄まされた刀身に見入っている。
「綺麗だ!」
とつぶやくと、
巴姫も、
「こんな豪華な拵(こしら)え物など見たこともない。」
と、羨ましそうに呟いた。
副指南は切り込みの型を、草原の草の上で始めた。
切り込みの型を始めると、刃の刃先は残影を残すほどの速さで、
かなりなじませだしたようである。
ヤンは副指南の切り込み型を無視するように巴姫の腕をつかみ、
「姫には、求婚の引き出物です。私からの贈り物です。」
と言って、広げられた鱗甲冑と尾刃剣に、
ガンベルトに収められたワルサーP300を示した。
「わらわを、――わらわに求婚してくれると。」
「略奪婚と言われるかもしれないが、婚約して頂きたい。」
「勿論喜んで受けよう。父上と母上には事後報告になるが、
構わない!わらわから両親には、
ヤン殿との結婚をお願いしたいと思っておりました。
何とも、巴姫の本心もすでに決まっていたようである。
ヤンは鱗甲冑と尾刃剣を巴姫に装備させ終えると、
拳銃を納めたガンベルトを、腰に締め込むのを手伝っていた。
副指南は巴姫の甲冑姿に気づき、切り込み型を止めて近付くが、
ヤンと巴姫の求婚会話には気づいていなかったようである。
ヤンは巴姫に尾刃剣の発動条件を説明してから、
切り込み型を披露するように求めた。
巴姫の切り込み型は、副指南には劣るが女性にしては素早い対応で、
綺麗に舞をまわっているようにおもえた。
巴姫の切り込み型剣舞が一通り終わると、
ヤンは自身も拳銃を収めたガンベルトを腰に固定して、
売り物の花瓶を三つ持ち、
五十メートル先草原の草を踏みつけて二つ花瓶を置いた。
更にそこから五十メートル先草原の草を踏みつけると、
残りの花瓶を置くと直ぐに駆け足で帰ってきた。
「姫、次は爆裂魔法を詰めた魔法道具から、鉛の鏃(やじり)を飛ばします。」
と言って、巴姫の尾刃剣を鞘に納めさせて、
ガンベルト右側に収められているP300拳銃を取り出させると
安全装置を外して腰をかがめさせた。
両手でしっかりと拳銃を固定させ射撃体勢を取らせている。
ヤンは巴姫の後ろに回り、
拳銃は両手でしっかりと固定されているのを確認すると、
その両手を覆うようにヤンの手が添えられた。
「ダーン」と草原を引き裂くような乾いた音が響くと同時に、
巴姫は襲い掛かった腕の衝撃に驚いたのか、巴姫の両膝が折れた。
巴姫の身体が崩れそうになるのをヤンは支えている。
「この様にかなりの衝撃が襲います。それを緩和する方法をこれから説明します。」
と言って、ヤンは拳銃を頭上に構えて、
ゆっくりと腕を伸ばしたまま、正眼におろしながら引き金を絞った。
「ダーン」
と響くと同時に、正眼の構えから発射の衝撃を身体にかからないように、
拳銃の発射衝撃を上に流すような体制になり、拳銃を上方向に持ち上げた。
ヤンは拳銃の威力と、扱い方を巴姫に細かく説明しだしている。
「鉄の兜も、鉄の鎧をも貫通して、敵を殺傷出来ると?」
「出来ます。」
ヤンの両手添えた状態での訓練はしばらく続いたが、
弾倉の入れ替えを何度かしたのちに、巴姫だけの訓練が始まった。
巴姫の感受性は素晴らしく、腰をかがめ落とした状態で、
衝撃反動を難なくこなしている。
ヤンは両手で拳銃を構えると、百メートル先の花瓶を一発で破壊した。
次は片手で、破裂した花瓶の欠片をさらに細かく砕きだしている。
巴姫は五十メートル先の花瓶を狙っているが、
遠くの雑木林の枝を落とすだけである。
十二発の弾が入った弾倉を三度ほど取り替えた後に、
何とか花瓶の近くに着弾させだした。
弾倉は十個程で、
空になった弾倉にポールは無言で5.5ミリの弾丸を込めている。
ワルサー型は9ミリの弾丸であるが、
工作部では5.5ミリの弾丸に変更したようである。
突然に歓声が上がった。
一つの花瓶が割れている。
続いて二つ目の花瓶もど真ん中に当たったようで、
花瓶の口先だけが宙に浮いている。
如何やら、十個の弾倉を使い、花瓶に当てることができたようである。
更に五個の弾倉を使い切り、巴姫は拳銃を使い慣れたようである。
ヤンと巴姫のガンベルトには、
其々に五つの弾倉を固定させると拳銃をも装備固定した。
弾丸函は五百弾入りのようで、
残りは開封されてない弾丸函と共に荷馬車に乗せると、
皆は日出国の都に向かった。
日出国の都の入り口で、
柳生指南と従者達にガイア教会の修道士三名が、鹿島達を待っていた。
柳生指南の話では、鹿島達の招待先は王宮ではないようで、
新井白石邸のようである。
ガイア教会の修道士三名の話では、鹿島に用事があるらしく、
教会の訪問を先に済ますこととした。
ガイア教会着くと、鹿島以外の者は讃拝場に待たされたが、
鹿島だけが別室に呼ばれた。
その部屋は窓もなく、
淡い光魔法器具で照らされた長椅子とドア一つだけの個室である。
その部屋には二十歳後半の司祭らしき服装を先頭に、
七名の神官服装の女性たちが並んでいる。
其々が左手に赤い魔石を持ち、
右掌にわずかばかりの赤い微粒子を乗せている。
迎えに来た三人は、左手に赤い魔石を持ってはいるが、
右掌に赤い微粒子は乗っていない。
「私どもは妖精達を集めきれる力が弱いので、
伴侶様の力添えをお願いします。」
「儀式は私どもが存じています。ご協力ください。」
「われら皆、末通者ですが、初めの全てをささげます。」
鹿島は驚きの告発に後退りすると、
八人の女性に囲まれて長椅子に腰掛けさせられた。
二十歳後半の司祭らしき女性は鹿島の前に進み出て来ると、
両手を鹿島に差し出した。
それを合図に、周りの女性達は鹿島の両手を掴み、
司祭らしき女性の手の甲の部分を、
鹿島の掌に乗せて強く握り込みさせた。
「目をつぶり、力を抜いてください。」
鹿島はテテサの時と違うやり方に戸惑いながら、
彼女らの希望と目的は理解できた。
彼女らは純粋に、回復魔法を強化したいだけのようである。
テテサとの回復魔法の強化には、ひと月の訓練を必要としたが、
彼女らの卑猥とも受け取れる言葉のやり方に興味がわいたので、協力することとした。
司祭長らしき女性の手を握りしめ、
彼女の手に赤い微粒子が集まるようにと、
強く握った手に意識を集中させた。
鹿島が強く握ったことを確認したようで、
彼女はぶるっと体を震わせた後に、
柑橘類の匂う唇を合わせて舌で鹿島の舌をいざなうと、強く吸い込んだ。
鹿島は、突然の出来事に驚いて、思わず突き放した。
「まて。まってくれ。俺は妻たちがいる。」
「知っています。女たらしの伴侶様の噂は知っています。
もっと強烈な方法もあるようですが、
今回は人数が多いので、このやり方を行っています。」
「違う。違うだろう。手を添えるだけでいいだろう。でないと無理だ。」
鹿島は、周りの赤い微粒子たちを見回して、
マーガレットとパトラの顔を探した。
神官服装の女性たちは不満げな顔になっていたが、
八人の神官服装の女性たちは輪を作って相談し合っていたが、
「突然のご無礼失礼しました。
では、妥協案として私どもを強く抱きしめてください。」
鹿島とすれば、抱きしめるぐらいならば、
回復師が増えることで理解してもらえるだろうと、妥協案を受け入れた。
やはり鹿島は、長椅子に腰掛けさせられたが、今度は膝をまたがれた状態でお腹を密着してきた。
「お、お。すごい数の妖精たちだ。矢張りこの方法も正しいやり方だ。
初めてをささげたら、、、!」
「はじめてを?」鹿島は恐怖を覚えた。
司祭らしき女性は全ての力が抜けたようで、
うっとりとして鹿島の肩にへたり落ちた。
その右手にはてんこ盛りではないが、
大盛りと言えるぐらいの赤い微粒子が乗っている。
彼女は大盛りの微粒子を自分の口に押し込むと、一気飲みした。
彼女は暫くそのままの体制で、うるんだ眼を鹿島に向けていたが、
周りからはやし立てられるので心残り気に隣に腰掛けた。
順番に同じやり方で訓練は続いたが、
自前で乗せている微粒子の量は段々と少ないようである。
五番目の十七、八の娘の番の手には、
僅か五つの微粒子を乗せているだけである。
余りにも若い世代に儀式を行うのには怯んだが、
周りの人たちは許してくれなさそうであり、
本人はただの儀式と割り切ってもいる様子なので儀式を続けた。
力の抜けた娘は、鹿島の膝の上で失禁してしまったようで、
両手を上に掲げたまま俯いてしまった。
鹿島は気が付かないふりをしながら、両脇をかかえて隣に座らせると、
掌を覆っている赤い微粒子を口に押し込むのを手伝った。
六番目の娘は二十歳中頃で、左手には赤い石を持ってはいるが、
右手には微粒子は乗っていない。
六番目の娘はおずおずと進み出たが、鹿島に近づいて来ないので、
その手を引き深々と膝に座らせた。
彼女と鹿島は密着状態である。
彼女は震えながら、儀式をこなそうと必死になっているのか、
さらに胸までをも押し付けてきた。
鹿島は微粒子を呼び込むように、微粒子に集合を呼びかけると、
鹿島の周りは赤く輝きだした。
彼女の身体の力は既に抜けきっているが、
股座辺りにぬるい温かさを感じてきたのは、
再び失禁状態の相手をしたようだ。
周りの唸る感動にも似た声を受けて、
まだあきらめきれない様子で、お腹も胸も押しつぶしながら顔を上げた。
膝の上の娘は、掌の部分が隠れる程度だが、微粒子は確かに集まっている。
次の娘は二十歳そこらであろう、何も言わずに鹿島の膝に座り、
下腹を意味ありげに押し付けてきた。
同じ儀式は続き、矢張りこの娘の失禁状態も続いたが、
結果は先程の娘と同じぐらいの微粒子が集まった。
最後の娘はまだ十四、五歳の子供である。
流石に此れは受け付けきれないと断ったら、子供は泣きだしてしまった。
全員の懇願であるが、理性が許さないと鹿島の頭を駆け巡る。
全員に羽交い絞めされて床に押し付けられてしまい、
子供に腹にまたがれて儀式を強要された。
全員からいろんな果物の匂いがしたが、
この子からは、鹿島の好きな桃香の匂いがする。
抵抗をあきらめて、儀式を進めたが矢張り失禁状態も続いた。
テテサとの訓練ではひと月の期間を要したが、
こんなやり方が知れ渡らないことを願って、
この事は秘密にするよう頼んだのちに、
今後は自前で訓練を続けるように言った。
鹿島は湯船を進められたが断り、粗相された後の服装を神官衣装に変えて、
みんなが待つ讃拝場に赴き教会を後にした。
鹿島の気持ちとしては釈然とはしないが、
回復魔法の使い手は多い方が良いと、
自分に返事して納得することにした。
しかしながら、近寄ってくる赤い微粒子を目で追いながら、
「くわばら。くわばら。」
と呪文を唱えながら、教会を後にした。
少年たちのテント周りが騒がしくなりだした。
雲がだんだん白くなるにつれて、
少年たちの声も段々と騒がしくなっていく。
水平線近くの雲が赤く焼けてくるころには、
少年達は手にそれぞれが枝葉を両手に構えて整列し、
雑木林の前に設置した柵と五百メートルぐらい離れた場所で、
柵と向かい合うように腰をかがめた。
コーA.Iの指示は,エミューに乗った鹿島達を、
少年たちの背後を回り込みさせて、
其々が雑木林と草原の境に進むよう指示した。
鹿島達は其々の指定された位置に待機した。
コーA.Iに指示された位置から、鹿島達エミュー隊はコーA.Iの指示に従い、
片手に持った枝葉で足元の草を叩きながら、
姿の見えない六十羽程いるらしいヒトコブ兎を追い立てた。
コーA.Iの指示は直線的でなく、右や左への追い立てをも指示するので、
五十センチはあろう草の中で、
かなりハードなエミューの操作を強いられている。
柵と少年たちと鹿島達の間の草原には、
朝露に濡れた水玉が不自然に揺らめく草から弾けて、
旭に反射してキラキラと草原に弾け飛んでいる。
柵に沿って草を踏み倒した獣道を、
多数の草原の草と同じ色の地球星の兎よりも、
かなり大きめの小動物が逃げている。
逃げる小動物は、柵に沿って囲いの方に逃げている。
囲いの手前には八型に組んだ柵が有り、
並んで追い立てていた少年たちの端が、
八型に組んだ短い方の柵に取り付くと、
並んで追い立てている少年たちの前を、
無数の小動物が囲い柵に向かっている。
豚似コヨーテとの戦い場であった囲いの中には、
今は多くのヒトコブ兎が勢い良く駈けずり回っているが、
囲いの中で駆けずり回っているヒトコブ兎は、
その勢いに反して互いがぶっつかる事無く、
逃げる算段をしているようである。
侵入した通路はすでに閉じられた囲いの為に、
外には逃げる隙間はないようである。
眠気眼で現れた巴姫は柳生指南の脇に来ると目を丸くしながら、
囲いの中で駆けずり回っているヒトコブ兎の多さに驚いている。
「指南殿流石でございます。」
「いや。此れは、亜人協力国の守り人たちの手柄です。
これが戦であれば、彼等の完全勝利です。」
「この事を、戦に例えられると?」
「追撃戦の基本がなければ、
この様に多くの数を集める等うまくできないでしょう。
恐ろしい人たちです。」
「戦術家と言われる柳生指南の言葉道理ならば、
噂以上の強国のようですね。」
「我々の知らない戦い方を、彼等は知っているようです。
ムー帝国が無血にて併合されたのも納得がいきます。」
「鉄の国、火の国、塩の国を相手にした場合、亜人協力国の庇護を受けることができたならば、勝てますでしょうか?」
「間違いなく勝てます。我々は亜人協力国を敵に回すべきではありません。」
「この事を父上に連絡して下さい。わらわは彼らを城に案内します。」
「鉄の国と亜人協力国は戦闘状態なので、
鉄の国と火の国からの同盟を切られようとも、
亜人協力国との敵対にならぬよう上申します。」
「韋駄天と呼ばれている柳生一族の力を使って頼みます。
わらわも彼らを城に案内して、父上に懇願します。」
二人の会話が終わると、
柳生指南は雑木林の先にある街道に駆け出していった。
その速さは韋駄天と呼べる駆け方である。
鹿島も巴姫と柳生指南との会話は遠聴マイクを使い、
イヤホンを通して聞き取る事ができていたようである。
先々の事を思うと、
彼らとの接触とヤンの恋路はいい方向に向いているようである。
「大八車に檻を設置するので、全員集まれ!」
と、副指南が声を掛けると、
二十数人の少年たち全員が人力荷車の周りに集まって、
副指南からの指示を受けている。
「人力荷車の事を大八車と呼ぶわけは、理由があるのですか?」
と、この惑星に来て鹿島は人力荷車を初めて見たことで、
人力荷車の呼び名に何となく興味が湧いたのか、
ヤンの腕にしがみついている巴姫に尋ねると、
「名付け元は不明だが、大昔からそう呼ばれているのです。
ただ、大工の大八と言われた者が製作したとの噂もあるが、
真相は不明のようです。」
何となく、日出国には、
優秀な技術者を育てる土壌があるように感じられる。
ヤンの腕にしがみついている巴姫の傍に蘭丸が駆け出して来て、
「姫様、ヒトコブ兎はわれらの隊列の間からかなり逃げられましたが、
それでも記録的な四十七羽は確保できました。
予定の確保目標は三羽でしたので、笑いが止まりません。」
「四十七羽!此れは父上や貴族どもに自慢できることだな!」
「軍のイベントである狩り祭りでさえ十五羽が最高記録なので、
それよりも三倍以上の成果です。」
「大八車に檻を設置しているが、全てのヒトコブ兎を収納出来ますか?」
「何とか二十七羽は押し込んだのですが、残りの二十羽は俺らが一羽ずつ背負って帰ります。」
にぎやかに騒いでいる囲いの中では、ヒトコブ兎の前足どうしと、
後ろ足どうしはやぶの中にある蔓によって束縛している様子であり、
何人かは手足を縛って束縛したヒトコブ兎を襟巻状態にして、
左右から手足を引くように肩に担いでいる。
テントがたたまれて、少年達は街道に向かう準備をしだしたが、
鹿島達は荷車の運行操作席には乗らずに草原に屯していると、
巴姫と副指南がともに近づいてきた。
「鹿島様。ご同伴願えませんでしょうか?」
と、副指南が声をかけてきた。
「この草原に荷物が届きますので、われらはもう少し遅れる。」
「荷物が届くとは?」
「運送魔法です。」
「運送魔法ですか?聞いたことがない。」
と、巴姫が目を白黒させているのを覗き見る鹿島を阻止するかのように、
ソシアル航宙技官からの通信が入った。
一輪の白い花パラシュートが川原上空に咲き、
ゆっくりと草原に向かって落下して来た。
マーガレットとパトラが操縦してないことに安どと寂しさを思ったが、
鹿島は巴姫の顔をチラ見した後、川原上空に顔を向けたまま、
「届いたようだな」
と言って、巴姫と副指南に目を向け直すと二人は口を開けたまま、
上空のパラシュートに見入り唖然としている。
既にヤンとポールは荷車運行操作席に乗り込んで、
パラシュートの落下地点を目指して動き出していた。
荷車からヤンは飛び降りるとパラシュートを畳み込み、
運行操作席からゆっくりと降りたポールと共に、
投下された荷物を荷車に積み込んで帰って来た。
ヤンは荷車から投下された木枠に固定された荷物の解体を始めると、
梱包材の布を広げて中の品物を取り出した。
広げられた品物に、巴姫と副指南は見入っている。
ポールはその中の剣を掴むと、
「副指南殿、申し訳ございませんでした。
切り折った貴殿の剣替わりですが、受け取ってもらえませんか?」
副指南は目を白黒させている。
金銀とガラス製に錦糸の紐に装飾された豪華な拵(こしら)えの柄と、
玉石の鍔に赤鞘の剣を受け取った。
「こんな豪華な剣を我に譲ると?」
「刃部分も亜人協力国の自慢出来る焼き入れです。」
副指南は両刃直刀をゆっくりと鞘から引き出すと、
鏡のように研ぎ澄まされた刀身に見入っている。
「綺麗だ!」
とつぶやくと、
巴姫も、
「こんな豪華な拵(こしら)え物など見たこともない。」
と、羨ましそうに呟いた。
副指南は切り込みの型を、草原の草の上で始めた。
切り込みの型を始めると、刃の刃先は残影を残すほどの速さで、
かなりなじませだしたようである。
ヤンは副指南の切り込み型を無視するように巴姫の腕をつかみ、
「姫には、求婚の引き出物です。私からの贈り物です。」
と言って、広げられた鱗甲冑と尾刃剣に、
ガンベルトに収められたワルサーP300を示した。
「わらわを、――わらわに求婚してくれると。」
「略奪婚と言われるかもしれないが、婚約して頂きたい。」
「勿論喜んで受けよう。父上と母上には事後報告になるが、
構わない!わらわから両親には、
ヤン殿との結婚をお願いしたいと思っておりました。
何とも、巴姫の本心もすでに決まっていたようである。
ヤンは鱗甲冑と尾刃剣を巴姫に装備させ終えると、
拳銃を納めたガンベルトを、腰に締め込むのを手伝っていた。
副指南は巴姫の甲冑姿に気づき、切り込み型を止めて近付くが、
ヤンと巴姫の求婚会話には気づいていなかったようである。
ヤンは巴姫に尾刃剣の発動条件を説明してから、
切り込み型を披露するように求めた。
巴姫の切り込み型は、副指南には劣るが女性にしては素早い対応で、
綺麗に舞をまわっているようにおもえた。
巴姫の切り込み型剣舞が一通り終わると、
ヤンは自身も拳銃を収めたガンベルトを腰に固定して、
売り物の花瓶を三つ持ち、
五十メートル先草原の草を踏みつけて二つ花瓶を置いた。
更にそこから五十メートル先草原の草を踏みつけると、
残りの花瓶を置くと直ぐに駆け足で帰ってきた。
「姫、次は爆裂魔法を詰めた魔法道具から、鉛の鏃(やじり)を飛ばします。」
と言って、巴姫の尾刃剣を鞘に納めさせて、
ガンベルト右側に収められているP300拳銃を取り出させると
安全装置を外して腰をかがめさせた。
両手でしっかりと拳銃を固定させ射撃体勢を取らせている。
ヤンは巴姫の後ろに回り、
拳銃は両手でしっかりと固定されているのを確認すると、
その両手を覆うようにヤンの手が添えられた。
「ダーン」と草原を引き裂くような乾いた音が響くと同時に、
巴姫は襲い掛かった腕の衝撃に驚いたのか、巴姫の両膝が折れた。
巴姫の身体が崩れそうになるのをヤンは支えている。
「この様にかなりの衝撃が襲います。それを緩和する方法をこれから説明します。」
と言って、ヤンは拳銃を頭上に構えて、
ゆっくりと腕を伸ばしたまま、正眼におろしながら引き金を絞った。
「ダーン」
と響くと同時に、正眼の構えから発射の衝撃を身体にかからないように、
拳銃の発射衝撃を上に流すような体制になり、拳銃を上方向に持ち上げた。
ヤンは拳銃の威力と、扱い方を巴姫に細かく説明しだしている。
「鉄の兜も、鉄の鎧をも貫通して、敵を殺傷出来ると?」
「出来ます。」
ヤンの両手添えた状態での訓練はしばらく続いたが、
弾倉の入れ替えを何度かしたのちに、巴姫だけの訓練が始まった。
巴姫の感受性は素晴らしく、腰をかがめ落とした状態で、
衝撃反動を難なくこなしている。
ヤンは両手で拳銃を構えると、百メートル先の花瓶を一発で破壊した。
次は片手で、破裂した花瓶の欠片をさらに細かく砕きだしている。
巴姫は五十メートル先の花瓶を狙っているが、
遠くの雑木林の枝を落とすだけである。
十二発の弾が入った弾倉を三度ほど取り替えた後に、
何とか花瓶の近くに着弾させだした。
弾倉は十個程で、
空になった弾倉にポールは無言で5.5ミリの弾丸を込めている。
ワルサー型は9ミリの弾丸であるが、
工作部では5.5ミリの弾丸に変更したようである。
突然に歓声が上がった。
一つの花瓶が割れている。
続いて二つ目の花瓶もど真ん中に当たったようで、
花瓶の口先だけが宙に浮いている。
如何やら、十個の弾倉を使い、花瓶に当てることができたようである。
更に五個の弾倉を使い切り、巴姫は拳銃を使い慣れたようである。
ヤンと巴姫のガンベルトには、
其々に五つの弾倉を固定させると拳銃をも装備固定した。
弾丸函は五百弾入りのようで、
残りは開封されてない弾丸函と共に荷馬車に乗せると、
皆は日出国の都に向かった。
日出国の都の入り口で、
柳生指南と従者達にガイア教会の修道士三名が、鹿島達を待っていた。
柳生指南の話では、鹿島達の招待先は王宮ではないようで、
新井白石邸のようである。
ガイア教会の修道士三名の話では、鹿島に用事があるらしく、
教会の訪問を先に済ますこととした。
ガイア教会着くと、鹿島以外の者は讃拝場に待たされたが、
鹿島だけが別室に呼ばれた。
その部屋は窓もなく、
淡い光魔法器具で照らされた長椅子とドア一つだけの個室である。
その部屋には二十歳後半の司祭らしき服装を先頭に、
七名の神官服装の女性たちが並んでいる。
其々が左手に赤い魔石を持ち、
右掌にわずかばかりの赤い微粒子を乗せている。
迎えに来た三人は、左手に赤い魔石を持ってはいるが、
右掌に赤い微粒子は乗っていない。
「私どもは妖精達を集めきれる力が弱いので、
伴侶様の力添えをお願いします。」
「儀式は私どもが存じています。ご協力ください。」
「われら皆、末通者ですが、初めの全てをささげます。」
鹿島は驚きの告発に後退りすると、
八人の女性に囲まれて長椅子に腰掛けさせられた。
二十歳後半の司祭らしき女性は鹿島の前に進み出て来ると、
両手を鹿島に差し出した。
それを合図に、周りの女性達は鹿島の両手を掴み、
司祭らしき女性の手の甲の部分を、
鹿島の掌に乗せて強く握り込みさせた。
「目をつぶり、力を抜いてください。」
鹿島はテテサの時と違うやり方に戸惑いながら、
彼女らの希望と目的は理解できた。
彼女らは純粋に、回復魔法を強化したいだけのようである。
テテサとの回復魔法の強化には、ひと月の訓練を必要としたが、
彼女らの卑猥とも受け取れる言葉のやり方に興味がわいたので、協力することとした。
司祭長らしき女性の手を握りしめ、
彼女の手に赤い微粒子が集まるようにと、
強く握った手に意識を集中させた。
鹿島が強く握ったことを確認したようで、
彼女はぶるっと体を震わせた後に、
柑橘類の匂う唇を合わせて舌で鹿島の舌をいざなうと、強く吸い込んだ。
鹿島は、突然の出来事に驚いて、思わず突き放した。
「まて。まってくれ。俺は妻たちがいる。」
「知っています。女たらしの伴侶様の噂は知っています。
もっと強烈な方法もあるようですが、
今回は人数が多いので、このやり方を行っています。」
「違う。違うだろう。手を添えるだけでいいだろう。でないと無理だ。」
鹿島は、周りの赤い微粒子たちを見回して、
マーガレットとパトラの顔を探した。
神官服装の女性たちは不満げな顔になっていたが、
八人の神官服装の女性たちは輪を作って相談し合っていたが、
「突然のご無礼失礼しました。
では、妥協案として私どもを強く抱きしめてください。」
鹿島とすれば、抱きしめるぐらいならば、
回復師が増えることで理解してもらえるだろうと、妥協案を受け入れた。
やはり鹿島は、長椅子に腰掛けさせられたが、今度は膝をまたがれた状態でお腹を密着してきた。
「お、お。すごい数の妖精たちだ。矢張りこの方法も正しいやり方だ。
初めてをささげたら、、、!」
「はじめてを?」鹿島は恐怖を覚えた。
司祭らしき女性は全ての力が抜けたようで、
うっとりとして鹿島の肩にへたり落ちた。
その右手にはてんこ盛りではないが、
大盛りと言えるぐらいの赤い微粒子が乗っている。
彼女は大盛りの微粒子を自分の口に押し込むと、一気飲みした。
彼女は暫くそのままの体制で、うるんだ眼を鹿島に向けていたが、
周りからはやし立てられるので心残り気に隣に腰掛けた。
順番に同じやり方で訓練は続いたが、
自前で乗せている微粒子の量は段々と少ないようである。
五番目の十七、八の娘の番の手には、
僅か五つの微粒子を乗せているだけである。
余りにも若い世代に儀式を行うのには怯んだが、
周りの人たちは許してくれなさそうであり、
本人はただの儀式と割り切ってもいる様子なので儀式を続けた。
力の抜けた娘は、鹿島の膝の上で失禁してしまったようで、
両手を上に掲げたまま俯いてしまった。
鹿島は気が付かないふりをしながら、両脇をかかえて隣に座らせると、
掌を覆っている赤い微粒子を口に押し込むのを手伝った。
六番目の娘は二十歳中頃で、左手には赤い石を持ってはいるが、
右手には微粒子は乗っていない。
六番目の娘はおずおずと進み出たが、鹿島に近づいて来ないので、
その手を引き深々と膝に座らせた。
彼女と鹿島は密着状態である。
彼女は震えながら、儀式をこなそうと必死になっているのか、
さらに胸までをも押し付けてきた。
鹿島は微粒子を呼び込むように、微粒子に集合を呼びかけると、
鹿島の周りは赤く輝きだした。
彼女の身体の力は既に抜けきっているが、
股座辺りにぬるい温かさを感じてきたのは、
再び失禁状態の相手をしたようだ。
周りの唸る感動にも似た声を受けて、
まだあきらめきれない様子で、お腹も胸も押しつぶしながら顔を上げた。
膝の上の娘は、掌の部分が隠れる程度だが、微粒子は確かに集まっている。
次の娘は二十歳そこらであろう、何も言わずに鹿島の膝に座り、
下腹を意味ありげに押し付けてきた。
同じ儀式は続き、矢張りこの娘の失禁状態も続いたが、
結果は先程の娘と同じぐらいの微粒子が集まった。
最後の娘はまだ十四、五歳の子供である。
流石に此れは受け付けきれないと断ったら、子供は泣きだしてしまった。
全員の懇願であるが、理性が許さないと鹿島の頭を駆け巡る。
全員に羽交い絞めされて床に押し付けられてしまい、
子供に腹にまたがれて儀式を強要された。
全員からいろんな果物の匂いがしたが、
この子からは、鹿島の好きな桃香の匂いがする。
抵抗をあきらめて、儀式を進めたが矢張り失禁状態も続いた。
テテサとの訓練ではひと月の期間を要したが、
こんなやり方が知れ渡らないことを願って、
この事は秘密にするよう頼んだのちに、
今後は自前で訓練を続けるように言った。
鹿島は湯船を進められたが断り、粗相された後の服装を神官衣装に変えて、
みんなが待つ讃拝場に赴き教会を後にした。
鹿島の気持ちとしては釈然とはしないが、
回復魔法の使い手は多い方が良いと、
自分に返事して納得することにした。
しかしながら、近寄ってくる赤い微粒子を目で追いながら、
「くわばら。くわばら。」
と呪文を唱えながら、教会を後にした。
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