【何カ所か18禁]女神の伴侶戦記

かんじがしろ

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76 日出国

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 鹿島は、近頃マーガレットの買い物を手伝うことが増えて商店街を歩くと、いろんな民族衣装を眺める事の楽しさを感じていた。

 民族衣装のほとんどが、医術者養成大学の受講生であるらしい。

 テテサ教皇の説明では、十五カ国からの受講生を受け入れたとの事であるので、医術者養成大学を通して、いろんな国と国交を結びたいものであるが、
中には、
あからさまに神降臨街の情報収集を行っている者たちも居る様である。

 トーマス元帥とヤンにポール参謀等との作戦室での会合では、
スクリーンには、大河滝までの道はすでに完成している。
道沿いに工業地帯予定地の拡張中である画面で、
コーA.Iから現状報告がなされた。

 発電所が完成した暁には、
製鉄所建設と並行して造船所の建設も行うようであるが、
亜人協力国において海洋民族は皆無であるので、
船は建造出来るが、船員希望者は、いまだいないようである。

 大河に乗り出せる桟橋を作る予定であるが、
いまだに計画だけで、工事の予定はされていない。

 闇の樹海は、既に百五十キロ先まで開墾は進んでいた。
その開墾地の中には、丸太杭に囲まれた森が四ヶ所確認出来る。

 パンパもまた、碁盤目に道路は整備されていて、
放牧地を分けるように一際広い道路が各町まで整備されているうえに、
将来の鉄道予定地各々も出来ている。

 その説明をされた後に、トーマス元帥にヤンとポール等参謀は、
本来の目的である次の作戦計画の本題に入った。

 目下の対策としては、
カントリ樹海に残されている住民と難民となったカントリ民に、
バーミーズ国に脱出した指導者達と兵士の動向である。

 スクリーンに映し出された映像では、難民の一部が又もや、
バーミーズ国ガイア教会に押し寄せて難民救済を求めて来たが、
要求が満たされないと、
又もや松明を教会に投げ込んだ者らが現れたようである。

 コーA.Iから経緯の説明では、農奴や奴隷を持つものは、
早々とバーミーズ国で奴隷として売り払いホテル住まいであったが、
その生活ができなくなると亜人協力国とガイア教会の悪評を広めながら、
被害者となった自分たちへの援助を求めだした。

 被害者を装い援助寄付を求めて街中に入ったが、
カントリ国教会に放火したことはすでに広まっているためか、
住民たちからの同情は得られないようである。

 亜人協力国とガイア教会の悪評を語るのは、
亜人協力国とガイア教会の品格が落ちることで、快感を得たいだけであろう。

 寄付を求めて街中に入った者たちは、
寄付の集まりの悪さにバーミーズ国ガイア教会に、
再び寄付集めに協力してほしいと求めてきたが、
バーミーズ国ガイア教会側としては、
本部の指示がなされないと協力は出来ないと伝えた。

 カントリ国難民は、又もや要求が満たされないと感じたのか、
持っていた松明を又もや手当たり次第に教会内に投げ込んだ。

 各街で暴徒化したカントリ国難民に対しては、
バーミーズ国住民は、
教会に放火した暴徒たちを憎み、各街から叩き出し住様に追放しだした。

 バーミーズ国指導者としては、
暴徒化したカントリ国難民に対しては、国内の治安悪化を防ぐためにも、
決して見過ごせない事態と感じた。

 内なる暴徒化したカントリ国難民の対策として、
カントリ国西側を占拠している亜人協力国からの防衛対策としても、
内なる暴徒化したカントリ国難民を、
バーミーズ国西側への防衛と進出を目論んで、
カントリ国傭兵として募集した。

 傭兵募集には十万の応募があり、
経費の面から必要な人員は、三万までが限度であったが、
十万の応募者には、さすがにバーミーズ国指導者も驚愕してしまった。

 バーミーズ国指導者にとっては、
国内に十万の隠れ兵が潜んでいる事になる。

 バーミーズ国指導者は、直ぐに隣国鉄の国へ使者を送り、七万の隠れ兵の引き取りを願い出た。

 鉄の国モーリ王は、バーミーズ国からの申し出をすぐに認めて、
バーミーズ国に対しの引き取り代金として白金貨二十枚を要求したが、
バーミーズ国は、白金貨十枚を提示して契約は成立した。

 バーミーズ国指導者にとっては、
白金貨十枚で国内の十万の隠れ兵を分散できるのであり、
待遇不満からのテロ行為も抑えられるはずである。

カントリ国への帰郷を促すための方法においては、
強制武力もたやすくなるはずである。

 鉄の国モーリ王にすれば、七万の隠れ兵の装備と兵糧だけで、
元ムー帝国が手に入るのであれば安いものであり、
失敗しても自国兵の消耗はないのである。

 此れは、国際情勢を知っている指導者であれば当たり前のことであり、
感情と事大主義だけで動く指導者とその国民が味合う、
利用されるだけと気付かないのは馬鹿馬鹿しい行動である。

 鹿島は、トーマス元帥にヤンとポール等参謀から、
カントリ国傭兵に対して兵の再編が必要であると進言されて、
いろんなシミュレーションを確認しているときに、
ムー州のキョクトウ知事から連絡を受けた。

 キョクトウ知事からの報告では、
鉄の国からの塩だけの単品輸出禁止の通達文が来たとの報告があり、
更に輸入税も百パーセントとなり、
支払いは、貨幣でなくて塩で支払うとのことである。

 塩の貨幣は、今までの値段より二倍の価値をつけての支払いらしい。

 亜人協力国では、全てを賄えると思っていたが、
鉄の国からの輸入品の中に、
亜人協力国で生産できないものがただ一つあり、それは塩である。

 今でも塩は高価であるが、塩の価格は、
倍になると金の重さより高くなるのである。

 鉄の国の輸出品関税は、何かの取引を工作しての前触れであろう。

 考えられるのは、
ムー州の一部をカントリ難民の移住生活場譲渡の要求であろう。
その後は、武装したカントリ賊徒にゲリラ戦を挑ませてムー州の混乱狙いであろうか。

 矢張り鉄の国モーリ王は、狡猾な戦略家のようである。

 鹿島は、直ぐに十四人の戦略会議議員の招集を行い、
コーA.Iに塩の国内生産の可能性を調べさせた。

 戦略会議議員が揃ったところで、
コーA.Iに塩の生産可能性を報告させると、神降臨街だけであるならば、
大河のなかにある島に温泉が湧いていて、
成分は、アルカリ性であるために塩の取り出しは可能であるらしいが、
製造量が少なさ過ぎるとの報告がなされた。

 次の候補地は、
闇の樹海先の三つの峰を超えた砂漠地帯にかなり濃い塩湖があるが、
上陸艇を使っても片道に三十時間かかるようである。

 ムー州にある塩の在庫は二か月分で、
ほかの州はひと月分もないとの事である。
 神降臨街に着艦している輸送艦の塩の在庫は、
全亜人協力国の二か月分だけであるらしい。

ゲルググ知事の提案は、日出国(ひいずるくに)からの輸入を提案してきた。
ただ、ゲルググ州と日出国(ひいずるくに)との間には火の国があるが、
亜人協力国と火の国は、既に条約があるので自由に往来可能との事である。

 ゲルググ州商人は、亜人協力国から食糧と物品を運び、
日出国からは、海産物を持ち帰ってきているとの事である。
ただ、塩の生産は、塩の国ほどには大掛かりな生産体制では無くて、
漁村の片手間でしか生産してないという。

 日出国の国是は、亜人協力国とよく似ている部分があり、
国民全識字を目指していて文盲者零を国是とし、
絶対的法事国家を目指しているらしい。

 ただ、平和主義でもあるが、元ムー帝国に対抗するために、
火の国と鉄の国との三角同盟を結んでいる様子である。

 三角同盟とは、日出国現国王の姉が、火の国現国王の母親であり、
火の国の前国王の妹が、鉄の国モーリ王の皇后になり、
モーリ王の妹が日出国の皇后であるらしい。

 詰まり、日出国と火の国に鉄の国は、互いに外親戚同士であるらしい。

 隣同士でけん制し合い、外敵には結束する見事な同盟であるが、
一カ所のほころびがすべてを台無しにしてしまう可能性をも秘めている。

 これは調査の必要があるようだと、鹿島は直感した。

 直ちに戦略会議員総力をもって日出国の調査と、
運営委員会に塩の生産を委託した。

 日出国の調査結果が、
二日後には、戦略会議員から戦略作戦室に届けられた。

 何と、日出国のおいては、既に二年前に農地改革が行われていて、
農奴は、自由に地主と契約できる小作人となり、
自由歩合制度も確定しており、
その為か徐々に毎年生産が上がっているとのことである。

 犯罪奴隷は、非人間と呼ばれていて、
人の嫌がる仕事を一定量させられるようである。

 ただ、法が厳しすぎるために、
落ちているものさえ拾うこともできない厳しさでもあるらしい。
 
 法の運用は、
厳格と論理性を重んじ、法の原理原則を貫き通す冷たさであり、
判事職及び捜索法事者は、代々稼業世襲制であるらしい。

 日出国のおいては、法の厳格を守らせるために、
各自のお家を潰すことができない厳格な制度を作っていた。

 国の体制は、富国強兵をスローガンにしており、
男女全員が国家に尽くす義務を負わされているようである。

 そして、その政策を王に進言し、
実行させたのは十八歳の甥御であるらしい。
その甥御は今、
神降臨街医術者養成大学に来ているとのテテサ教皇の報告である。

その甥御は、諜報員であると疑われても仕方ないであろうが、
かなりの無鉄砲でもあるようだ。

 日出国王の甥御を迎賓室に迎えて、
運営戦略委員会メンバーにトーマス元帥を加えて面談となった。

「ショーセツ殿下わざわざのお越し、ありがとうございます。」
「もう少し早く呼ばれると思っていたのですが、
何か事件が起きたのですか?」

 テテサ教皇はその疑問に答えるように、
「医術者養成大学においては、
日出国の甥御殿下だけを特別扱いをしないからです。」
「では事件が起きたのですか?」
 
 全員が鹿島に注目するので、
次に応え無ければならないのは鹿島のようである。

「塩の生産拠点を日出国に建設したいのですが、協力できませんか?」
「亜人協力国の技術を、我が国へ譲渡すると?」

 鹿島は、建設協力を飛躍して技術の譲渡を口に出したことで、
ショーセツを評価しだした。
こいつは、今二十歳であるらしいが、二十歳のガキではないと直感した。
自信家で良くも悪くも計算ずくめの行動力があり、
会話を誘導できる力も備えている。
おまけに怖いもの知らずのようでもある。

 鹿島の直感と同じものを感じたのか、マーガレットは鹿島をにらんで、
後の交渉は、自分でやるとの意思を送った。
ショーセツ殿下は、鉄の国の事はとぼけていると、マーガレットも気づいたようである。

「技術は譲渡できますが、製品の権利は、我が国にあります。」
とマーガレットは強気に出た。
「技術の譲渡だけでは意味がない。製品の権利は、我が国にもあります。」

 ショーセツ殿下は、鉄の国からの圧力を知っているようで、
協力の要請を逆手にとって、要求をする見事な切り返しである。

「持ち株制度は、ご存知ですか?」
と、要約マーガレットは、いつもの通りの観音菩薩の顔になった。
「我が国にも似た制度はあります。」
「では、持ち株制度から始めましょうか?」

「わが日出国からは、土地と建設労働者を提供できます。」
「亜人協力国からは、建設資材と技術を提供します。」

「運営資金は、折半で。」
「製品は、すべて亜人協力国にて買い上げる。」
「それも折半で。」

「買値は、経費プラス利益二十パーセントで。」
「さらに税金として二十パーセント。更に相場価格より安ければ、
差額の五十パーセントを上乗せ。」

「税金は、輸出税すべてを込めた十パーセント、差額も十パーセント。」
「厳しい条件ですが、技術の譲渡後は、
我が国にも技術使用権利があるはずであり、ほかでの活用ができますか?」
「隋に。」

「では今の条件で国交が結ばれた暁には、間違いなく遂行できるでしょう。
国交を結ぶ条件について本題に入りましょう。」

 鉄の国からの圧力を知った時点で、
亜人協力国からの接触があると感じていたのか、
すでに準備していたようである。

「これが我が国からの国交樹立条件です。わが国では急ぎません。
亜人協力国の時間余裕内の決心を期待します。」 

 鉄の国から塩の輸入ができなくなったのを、知っている上で時間を持ち出したようである

 ショーセツ殿下は、更に、狡猾な食えぬ男であると思える。
ショーセツから差し出された便せんには、

① 対等な同盟関係。
② 内政不干渉。
③ 工業化への協力と無償の技術移転に伴い、
     留学生及び技術受伝技者の受け入れ。   
④ 最新軍需品の提供。
⑤ 無償にて亜人協力国軍は、日出国のための亜人協力国軍派遣を     
     日出国へ駐留させること。
⑥ 国家破産を防ぐための、相互貨幣および製品の融通のスワップ取引。
⑦ 亜人協力国中央銀行支店を日出国に開設して、
     個人資本家と事業計画に協力する。
⑧ 罪人の相互引き渡し。
⑨ 現支配階級の保護。
⑩ 次の世代の世継ぎに、亜人協力国総督閣下の子供の提供を要求。

「日出国からの十条提案です。」

 すでに会談内容を準備していたのにはみんなが驚いた。

 更に、大層な条件の中身は、
亜人協力国の力を知り尽くしたうえでの要求であり、
日出国を同じレベルに引き上げたいとの思いは分かるが、

⑽項目が理解不能であるので、
「次の世代の世継ぎに、俺の子供とは?」

「我が国においては、次の指導者は姫君に決まっていますが、
婿殿は決まっていませんので、
閣下のお情けをいただけるのであれば、是非に。
この事は国の存続を願う日出国の民の願いです」

「友好を維持したいのであれば、ほかの方法もあるはずです。
私個人の思いは、御免被(ごめんこうむ)りたい。」
と、鹿島は侮辱された思いで、不機嫌な顔をして強くはねつけた。

 そしてショーセツ殿下の要求は、中央銀行支店を日出国に開設した暁には、
ショーセツ殿下商船船団の資本融資を願い出た。

 マーガレット首席行政長官の会談打ち切りが宣言されて、
ショーセツ殿下は退席した。

 マーガレット首席行政長官は、戦略会議員からの否決を取るための、
現状を報告して各戦略会議員全員と同時通話を始めた。

 概ね戦略会議員からの良好な反応は多いが、
ジョシュー知事とキョクトウ知事からの意見では、
ショーセツ殿下の悪意と裏事情を感じるとの反応である。

 対等な同盟関係。では、(軍事援護の要求。)

内政不干渉。では、(反乱には不干渉。)

工業化への協力と無償の技術移転と留学生及び技術受伝技者の受け入れ。
(技術の搾取)

最新軍需品の提供。(軍事力強化)

亜人協力国軍派遣を日出国へ駐留させること。(戦の肩代わり)
 
国家破産を防ぐための、相互貨幣および製品の融通のスワップ取引。
  (無利息の融資)

亜人協力国中央銀行支店を日出国に開設して、個人資本家と事業計画に協力する。 (自前の資本なしの発展とショーセツ殿下への資本融資請求。)
 
罪人の相互引き渡し。(敵対者の引き渡し)

現支配階級の保護。 (何らかの不都合が起きて、政治亡命者の受け入れ。)

次の世代の世継ぎに、亜人協力国総督閣下の子供の提供を要求。 
(何らかの裏取引。)

 ジョシュー知事とキョクトウ知事の感じる悪意とは、
ショーセツ殿下は、
日出国をまるでわれらの亜人協力国に献上するかのような条約内容であり、何かの裏取引を求めてきそうに感じるようである。
そのことは、
ショーセツ殿下に敵対する者に亜人協力国の後ろ楯をにおわせて、
窮地に落とす機会にしたいのだろう。

 閣下の子供の提供を日出国の指導者及び姫殿下に拒まれても、
また受け入れられたとしても、そのことを要求できたことは、
ショーセツ殿下の後ろには、
常に強力な亜人協力国の保護があることを、
日出国の指導者に知らしめる事が出来きるとの計算もあろう。
決定打は、亜人協力国軍派遣を日出国へ駐留させることで、
亜人協力国軍を味方につけるつもりだろう。

「ショーセツ殿下の提案で契約できたならば、
ショーセツ殿下の評価は、明らかによい結果が出ることは明白であり、
ショーセツ殿下の発言は、日出国において反対勢力を潰すことができる上に、自身の重きを知らしめるつもりでしょう。」
との、ジョシュー知事とキョクトウ知事の説明で、
この惑星出身者は、全員がジョシュー知事とキョクトウ知事の感じる、
得体の知れない裏事情に納得した。

 マーガレット首席行政長官の提案で、
二カ条を除き条件的には受け入れられるので、
これからの各国との交渉において、
一つのモデルとして試したいとの事である。

 マーガレット首席行政長官の提案は、
ショーセツ殿下を警戒しつつ賛成多数で可決した。

 亜人協力国の全権大使に、ゲルググ知事特使を指名して日出国に派遣した。

 最新軍需品の提供は、
自国防衛のために生産が間に合わないとの理由をつけて先延ばしとし、
次の世代の世継ぎの条文は、
亜人協力国総督閣下の子供提供を削除した八カ条契約を示すと、
日出国の指導者の本心は、
国の安全と繁栄だけが目的であり、歓迎の意向を示された。

 日出国から見れば、一方的と思える好条件に八カ条契約は結ばれた。
しかしながら、鉄の国の関係上、
塩生産工場の建設は、秘密裏に行うとの条件が付いた。

 コーA.Iからの報告が入り、
カントリ国より接収したサンビチョ州とのバーミーズ国境にカントリ国旗を掲げた三万の兵と、難民一千万人が向かっているとの事が報告されて、
更に、その後ろからバーミーズ国兵三万が続いているとのことである。

 トーマス元帥は、マルティーン司令官に、
六万の兵で砦を強化して迎え撃つ様に指示した。

 更に、ムー州の深い樹海近くの鉄の国境には、
カントリ国旗を掲げた七万の兵が向かっているとのことであり、
第二師団ヒルルマ司令官には、三万の兵を向かわせて、
砦を更に強化して防御に徹する旨をトーマス元帥は指示すると、
鉄の国と火の国に備えることも追加発令した。

 エルフ戦士五千の兵と猫亜人五百人から成る、独立連隊を指揮するハービーハン司令官には、日出国に駐留する準備をも命じた。
 
 ショーセツ殿下の黒い腹影匂いを感じつつ、
俄かに亜人協力国の国境は、広範囲にきな臭くなってきた。

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