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18-1 戦略原案
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鹿島が作戦室に赴くと、長いテーブルの中央に総司令官は既に鹿島を待っていた。
「子供達は?」
「ミルクとクッキー付きで、コーA.Iのイメージキャラクターと、スクリーンで会話をしています。」
「今回の会議は、これからの計画を、説明してもらえると言う事ですか?」
「これが、これからの作戦行動です。」
鹿島はタブレットを渡され、内容を確認すると、
仮設外壁工事は、航宙隊を中心に行う。
陸戦隊は、補佐と護衛を任務とする。
範囲は、半径一キロメートルの円形とし、高さは、十二メートルにする。
材料の丸太は、太さ二メートルの物を地中に杭打ち工事する。
期間は、一ヶ月間内に完成させる。
仮設外壁工事完成後の森跡地に、果樹園の造園と農作物の作付けを、陸戦隊で行う。
併せて、猫亜人集落の調査、情報収集を行う。
諜報員を構成して、二十キロメートルと三十キロメートル先のヒューマン似がいる、街を調査と情報収集を行う。
特に書物とモノに対する、貨幣価値の調査と貨幣経済を調べることが重要な事である。
仮設外壁工事完了後、航宙隊は本格外壁工事に着工する。
第二次工事は高さ十五メートルで、一辺三キロメートル四方に石での防護壁とする。
期間は、五ヶ月間内に完成させる。
併せて、航宙隊は鉱山の踏査と反射炉の建設を行う。
かなりの強行日程であるが、豊富な開拓機を品揃えしているので、可能であるとマーガレットから付け加えられた。
諜報員の選抜は現地語を睡眠学習後、優秀な人材を充てる事とした。
そして、準備が出来次第持っている戦力を使い、周りの国々を併合していく。
「重要な仕事は航宙軍のようで助かりますが、防衛は陸戦隊がきちんとサポートします。」
と鹿島はタブレットパソコンを見つめながら、感想と含んだ賛同を示した。
カジマ提督代理は、星座連合に帰還するその為には、併合した国々の民を集めて、国造りをしたのちに、化学力を高めて工業化を進める計画目的を理解したようであると、マーガレットは確信して安心したようである。
マーガレットは上陸作戦前に、艦に残った陸戦隊と乗務員全員に、降下する目的を理解してもらうために会合を行った。
これから降下する惑星で、国を起こして他の国を併合した後に、化学力を高める為に住民を集めて、住民の化学教育を指導する事を説明した。
航宙隊乗務員は、帰れる期間の見通しと、故郷との時間のズレを指摘して来たが、全ての見通しは不明であり、生き抜くためと生還可能の問題を一つ一つ解決しなければいけないと応えた。
陸戦隊は、
「この惑星では、常に戦いあっていると聞いていますが、敵は、ヒューマン似ですか?」
と、聞いてきたが、マーガレットは天井を見つめながら、
「現時点では、敵対してくるものは、不明です。」
と、相手次第だとの含みを込めて答えた。
陸戦隊員の殆どがヒューマン似相手の戦いに、複雑な顔で戸惑っているようである。
シーラー陸士長が、
「敵なら撃つ、味方なら助ける、どっちつかず者は、説得する。これが、基本だ!」
と、叫んだ。
シーラーの発言は、マーガレットには、カジマ提督代理の考えであろうと思った。
しかしながらマーガレットは内心で、全員の積極性のなさにかなりの失望感を受けていた。
その様な経過をカジマは知ってか知らないのか、星座連合帰還目的を理解したカジマを、マーガレットは目的遂行への心強さを受けていた。
鹿島は全て了解して子供達の所へ行くと、猫似キャラクターがボールで遊んでいる映像に歓声を挙げていた。
「違うよ、それは後ろに蹴ると言うよ。」
とアーマートは、猫似キャラクターの間違い言葉を修正しているのは、どうやら、コーA.Iが言語学習している様子である。
鹿島はスクリーンに夢中の、アーマートの肩に手を置き、
「お姉さんと話しましたか?」と尋ねた。
アーマートは顔を画面に向けたまま、
「お姉さん。ここに来る準備をしているから、ここで待っているように言われた。」
「お姉さん、此処へ来ると言ったの?」
「言ったよ。」
「来る日が決まったら、忘れないで教えて下さい。決して忘れないように。」
アーマートの顔は相変わらずスクリーンに夢中で、頷くだけであった。
スクリーンのキャラクターに、夢中の二人の横に立ったマーガレット総司令官は、
「子供達を私に預からせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」
子供達がこんなにも夢中になっているのに、断る事は出来ないと思い鹿島は了解した。
スクリーンではキャラクターが失敗している画面で、なぜ失敗したのかをキャラクターは、子供達に尋ねていた。
子供二人は口々に思い思いに教えだした。
子供たちを夢中にさせているのは、流石に教育に特化されたコンピューターである。
鹿島はその場を後にせざるを得ないのではと思い、自室に向かった。
杭打ち工事が始まり、木を伐りそれを二十メートル位に切断し、それらを無人トラックは杭打ち工事場所へ運んでいる。
杭打ち工事場三ヶ所では、穴を掘る機と杭打機がせわしなく動いて、瞬く間に壁が出来ていく。
それに合わせて、魔獣やら爬虫類等の物が続々と出現しだした。
それらは格好の陸戦隊の戦闘訓練になり、肉弾戦の苦手なホルヘ.ゴンザレス一等陸士さえも、最初はダーホーの足元にも近づく事さえも出来なかったが、いまではダーホー二頭相手にして、苦労しながらも怪我無く仕留めている。
特に四つ足蜥蜴を見つけると、真っ先に飛び出して、
「俺のバッグだ!」
と言って、強烈な尾を持つ三メートルのトカゲに向かっていく。
陸戦隊は誰もが不安げであるが、それを隠すようにより強い獲物に向かっていく。
鹿島さえもトーマスとの、数の競い合いは日常化していた。
お陰で食料の心配はなくなったが、毎日のバーベキューには、みんながみんな些か(いささか)飽きてきていた。
仕留めた魔獣やら爬虫類等の赤色石を持つものからは赤色石を集め、肉の美味しものは輸送艦の冷凍保存庫に運んだ。
石に至っては、コーA.Iが調べたところ蓄電具の一種であることが解った。
小さい赤色石であってもかなりの量を蓄えているらしくて、四人家族半年分の電量が有ることがわかり、蓄電具としての活用ができたならば、用途は多岐にわたるとの事である。
丸太杭打ち工事は廿日で終わった。
三ヶ所での工事とは言え、一ヶ所一日二キロメートル以上進めたのである。
杭打仮設外壁工事においては、コーA.Iの計画工程通りに順調に進んでいるのは、優秀な人材の宝庫の航宙軍だからであると同時に、この事でも、鹿島はマーガレットとコーA.Iの優秀さを認めざるを得ないと思った。
諜報員の選抜は、現状では通貨貨幣の入手ができない以上、計画倒れになりそうである。
丸太杭打ち工事が終わり、石壁工事中にアーマートとマクリーの姉マティーレが現れた。
鹿島はアーマートから、急に今日姉が来る事を知らされて、慌てた鹿島は運転席に座り、助手席にアーマートを座らせると、偵察中のビリーとタゴールにアーマート等を迎えて向かった。
鹿島は三人を荷台に乗せると、急ぎ川沿いに猫亜人集落を目指した。
川沿いをジープでアーマートの姉を迎えに行く途中に、白いダチョウを五匹の黒いコヨーテ似豚鼻が追いかけている。
突然にアーマートが叫んだ。
「お姉さんが危ない!」
よく見ると、ダチョウの背中に人型が見受けられた。
鹿島は後の席に居るビリーとタゴールに、
「前から来る、黒いのを撃て!」
と怒鳴ると、太めのレーザー光線が全ての黒い頭を蒸発させた。
鹿島達が豚鼻の骸に近寄ると、追いかけられていた駝鳥に乗っている姉のマティーレが現れたが、駝鳥と言うよりはエミューである。
鹿島たちが赤色石を取りだそうとしたが、赤色石はないとのことをアーマートに教えられたので、コヨーテ似豚鼻は捨て置くつもりだったが、何故か姉とアーマートは黒いコヨーテ似豚鼻の皮を剥ぎ始めた。
アーマートの肩にかけた紐付けは、一角獣の皮で起用に作ったナイフ鞘を掛けている。
マティーレは自分のナイフよりも、アーマートのナイフがよく切れるのを見て、脅し文句にも似た言い方で、アーマートのナイフを取り上げると、アーマートよりも上手に早く剥ぎ始めた。
鹿島は骸と皮をジープに載せさせられて、川を大きな溜池に作り替えた生け簀に放り投げた。
溜池の大きさは幅二十メートル、長さ五十メートルの川を一部掘り下げて広げたものであり、溜池の中には大小様々な魚が泳いでいる。
大きめの魚は一メートル位である。
上流側と下流側には、魚だけが通り抜けられる格子を設置していた。
「子供達は?」
「ミルクとクッキー付きで、コーA.Iのイメージキャラクターと、スクリーンで会話をしています。」
「今回の会議は、これからの計画を、説明してもらえると言う事ですか?」
「これが、これからの作戦行動です。」
鹿島はタブレットを渡され、内容を確認すると、
仮設外壁工事は、航宙隊を中心に行う。
陸戦隊は、補佐と護衛を任務とする。
範囲は、半径一キロメートルの円形とし、高さは、十二メートルにする。
材料の丸太は、太さ二メートルの物を地中に杭打ち工事する。
期間は、一ヶ月間内に完成させる。
仮設外壁工事完成後の森跡地に、果樹園の造園と農作物の作付けを、陸戦隊で行う。
併せて、猫亜人集落の調査、情報収集を行う。
諜報員を構成して、二十キロメートルと三十キロメートル先のヒューマン似がいる、街を調査と情報収集を行う。
特に書物とモノに対する、貨幣価値の調査と貨幣経済を調べることが重要な事である。
仮設外壁工事完了後、航宙隊は本格外壁工事に着工する。
第二次工事は高さ十五メートルで、一辺三キロメートル四方に石での防護壁とする。
期間は、五ヶ月間内に完成させる。
併せて、航宙隊は鉱山の踏査と反射炉の建設を行う。
かなりの強行日程であるが、豊富な開拓機を品揃えしているので、可能であるとマーガレットから付け加えられた。
諜報員の選抜は現地語を睡眠学習後、優秀な人材を充てる事とした。
そして、準備が出来次第持っている戦力を使い、周りの国々を併合していく。
「重要な仕事は航宙軍のようで助かりますが、防衛は陸戦隊がきちんとサポートします。」
と鹿島はタブレットパソコンを見つめながら、感想と含んだ賛同を示した。
カジマ提督代理は、星座連合に帰還するその為には、併合した国々の民を集めて、国造りをしたのちに、化学力を高めて工業化を進める計画目的を理解したようであると、マーガレットは確信して安心したようである。
マーガレットは上陸作戦前に、艦に残った陸戦隊と乗務員全員に、降下する目的を理解してもらうために会合を行った。
これから降下する惑星で、国を起こして他の国を併合した後に、化学力を高める為に住民を集めて、住民の化学教育を指導する事を説明した。
航宙隊乗務員は、帰れる期間の見通しと、故郷との時間のズレを指摘して来たが、全ての見通しは不明であり、生き抜くためと生還可能の問題を一つ一つ解決しなければいけないと応えた。
陸戦隊は、
「この惑星では、常に戦いあっていると聞いていますが、敵は、ヒューマン似ですか?」
と、聞いてきたが、マーガレットは天井を見つめながら、
「現時点では、敵対してくるものは、不明です。」
と、相手次第だとの含みを込めて答えた。
陸戦隊員の殆どがヒューマン似相手の戦いに、複雑な顔で戸惑っているようである。
シーラー陸士長が、
「敵なら撃つ、味方なら助ける、どっちつかず者は、説得する。これが、基本だ!」
と、叫んだ。
シーラーの発言は、マーガレットには、カジマ提督代理の考えであろうと思った。
しかしながらマーガレットは内心で、全員の積極性のなさにかなりの失望感を受けていた。
その様な経過をカジマは知ってか知らないのか、星座連合帰還目的を理解したカジマを、マーガレットは目的遂行への心強さを受けていた。
鹿島は全て了解して子供達の所へ行くと、猫似キャラクターがボールで遊んでいる映像に歓声を挙げていた。
「違うよ、それは後ろに蹴ると言うよ。」
とアーマートは、猫似キャラクターの間違い言葉を修正しているのは、どうやら、コーA.Iが言語学習している様子である。
鹿島はスクリーンに夢中の、アーマートの肩に手を置き、
「お姉さんと話しましたか?」と尋ねた。
アーマートは顔を画面に向けたまま、
「お姉さん。ここに来る準備をしているから、ここで待っているように言われた。」
「お姉さん、此処へ来ると言ったの?」
「言ったよ。」
「来る日が決まったら、忘れないで教えて下さい。決して忘れないように。」
アーマートの顔は相変わらずスクリーンに夢中で、頷くだけであった。
スクリーンのキャラクターに、夢中の二人の横に立ったマーガレット総司令官は、
「子供達を私に預からせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」
子供達がこんなにも夢中になっているのに、断る事は出来ないと思い鹿島は了解した。
スクリーンではキャラクターが失敗している画面で、なぜ失敗したのかをキャラクターは、子供達に尋ねていた。
子供二人は口々に思い思いに教えだした。
子供たちを夢中にさせているのは、流石に教育に特化されたコンピューターである。
鹿島はその場を後にせざるを得ないのではと思い、自室に向かった。
杭打ち工事が始まり、木を伐りそれを二十メートル位に切断し、それらを無人トラックは杭打ち工事場所へ運んでいる。
杭打ち工事場三ヶ所では、穴を掘る機と杭打機がせわしなく動いて、瞬く間に壁が出来ていく。
それに合わせて、魔獣やら爬虫類等の物が続々と出現しだした。
それらは格好の陸戦隊の戦闘訓練になり、肉弾戦の苦手なホルヘ.ゴンザレス一等陸士さえも、最初はダーホーの足元にも近づく事さえも出来なかったが、いまではダーホー二頭相手にして、苦労しながらも怪我無く仕留めている。
特に四つ足蜥蜴を見つけると、真っ先に飛び出して、
「俺のバッグだ!」
と言って、強烈な尾を持つ三メートルのトカゲに向かっていく。
陸戦隊は誰もが不安げであるが、それを隠すようにより強い獲物に向かっていく。
鹿島さえもトーマスとの、数の競い合いは日常化していた。
お陰で食料の心配はなくなったが、毎日のバーベキューには、みんながみんな些か(いささか)飽きてきていた。
仕留めた魔獣やら爬虫類等の赤色石を持つものからは赤色石を集め、肉の美味しものは輸送艦の冷凍保存庫に運んだ。
石に至っては、コーA.Iが調べたところ蓄電具の一種であることが解った。
小さい赤色石であってもかなりの量を蓄えているらしくて、四人家族半年分の電量が有ることがわかり、蓄電具としての活用ができたならば、用途は多岐にわたるとの事である。
丸太杭打ち工事は廿日で終わった。
三ヶ所での工事とは言え、一ヶ所一日二キロメートル以上進めたのである。
杭打仮設外壁工事においては、コーA.Iの計画工程通りに順調に進んでいるのは、優秀な人材の宝庫の航宙軍だからであると同時に、この事でも、鹿島はマーガレットとコーA.Iの優秀さを認めざるを得ないと思った。
諜報員の選抜は、現状では通貨貨幣の入手ができない以上、計画倒れになりそうである。
丸太杭打ち工事が終わり、石壁工事中にアーマートとマクリーの姉マティーレが現れた。
鹿島はアーマートから、急に今日姉が来る事を知らされて、慌てた鹿島は運転席に座り、助手席にアーマートを座らせると、偵察中のビリーとタゴールにアーマート等を迎えて向かった。
鹿島は三人を荷台に乗せると、急ぎ川沿いに猫亜人集落を目指した。
川沿いをジープでアーマートの姉を迎えに行く途中に、白いダチョウを五匹の黒いコヨーテ似豚鼻が追いかけている。
突然にアーマートが叫んだ。
「お姉さんが危ない!」
よく見ると、ダチョウの背中に人型が見受けられた。
鹿島は後の席に居るビリーとタゴールに、
「前から来る、黒いのを撃て!」
と怒鳴ると、太めのレーザー光線が全ての黒い頭を蒸発させた。
鹿島達が豚鼻の骸に近寄ると、追いかけられていた駝鳥に乗っている姉のマティーレが現れたが、駝鳥と言うよりはエミューである。
鹿島たちが赤色石を取りだそうとしたが、赤色石はないとのことをアーマートに教えられたので、コヨーテ似豚鼻は捨て置くつもりだったが、何故か姉とアーマートは黒いコヨーテ似豚鼻の皮を剥ぎ始めた。
アーマートの肩にかけた紐付けは、一角獣の皮で起用に作ったナイフ鞘を掛けている。
マティーレは自分のナイフよりも、アーマートのナイフがよく切れるのを見て、脅し文句にも似た言い方で、アーマートのナイフを取り上げると、アーマートよりも上手に早く剥ぎ始めた。
鹿島は骸と皮をジープに載せさせられて、川を大きな溜池に作り替えた生け簀に放り投げた。
溜池の大きさは幅二十メートル、長さ五十メートルの川を一部掘り下げて広げたものであり、溜池の中には大小様々な魚が泳いでいる。
大きめの魚は一メートル位である。
上流側と下流側には、魚だけが通り抜けられる格子を設置していた。
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