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制覇行進

208 化学魔法

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 ゴールドル邸宅の迎賓室では討伐完了祝いを兼ねた晩餐会が終わり、全員は長テーブル周りのソファーでくつろいでいた。

当然この場の話題は、ヒカリ皇后以外の全員が気になっていることであった。
「ツボミちゃんは物質にも憑依でき、なおかつ、その物質を変化できるのですね?」
とサニーは漠然とした不安を解き明かそうとの思いで尋ねた。

銀色妖精ツボミは相変わらずのリス顔で頷いた。

サニーは束の間思考し、
「物質は鍛錬、合成できるが、ほかの単一物質には変化できないはずでは?ましてや、鱗の変化した刃を金剛石になど無理があるでしょう。」

銀色妖精ツボミはリス顔のまま周りを見回し、二メートル高さの一刀彫熊の彫刻に指を向けると、突如と現れた闇で包み込んだ。

黒い闇は一瞬で消えたがすぐに表れて再び消えた。
ところが、闇塊が消えた何もない場所から、一瞬きらりと光った親指大の金剛石が落ちてきた。

 マリーが駆け出して行き、
「ダイヤモンドだ!」と叫んだ。

ヒカリ皇后はマリーからダイヤモンドの原石を受け取り、
「ツボミちゃん?熊の彫刻は何処へ消えたの?それに、この金剛石はどこから持ってきたの?」

銀色妖精ツボミは口に残っているお菓子をゆっくりと喉奥に押し込むと、ダイヤモンドに指をさして、
「ク、、、マ。」と言って、また他のお菓子を物色しだした。

皆が啞然としている中、鹿島が、
「熊の彫刻が金剛石になったのなら、理解できる。」
「熊の彫刻の元は木だよ。なして木が金剛石になるのよ。」
「確か、、木は炭素の塊だし、ダイヤモンドも炭素の塊だと学んだことがある。」
と自身なげに言い、なおも、漠然とした目を上に向けて、
「それにあの闇はどこかで見たような、、、、、。」
と口ごもっていると、C-002号から緊急通信が入った。

「A―110号中尉殿、亜空間ワープ門を感知しました。すぐに調査願います。」
鹿島はワープ門との言葉に一瞬硬直したが、A―110号の記憶から亜空間ワープ門の意味をすぐに理解し、
「場所は?」
「A―110号中尉殿のいる場所です。」
鹿島は周りを見回して黒い闇が現れた場所である、一刀彫熊の彫刻が消えた跡を見つめた。
「あの闇の塊は亜空間ワープ門だったのか?おそらく、、、亜空間ワープ門を感知しのであれば、、、だったのだな。」

 周りのみんなは鹿島だけが納得している様子に、茫然自失していた。

「なぜに、あほのタローだけが理解できるのだ?」
と、サニーは鹿島をにらんだ。
「おれがアホー?」
「この中では、タローが一番のアホーだから。」
「いやいや、俺の中のA―110号は優秀だぞ。」
「私たちの知らない知識を知っていても、タローはそれを生かしきれないアホーです。」
とのやり取りが脱線しだしたと感じたヒカリ皇后は、
「タロー様、あの黒い塊と、金剛石との関係を説明してください。」
と、ヒカリ皇后は金剛石を握りしめた。

 鹿島が伊達と思える眼鏡をかけると、全員もセーラー服姿になった。
「ではこれから物質の成り立ちを説明する。
まず、なぜに金剛石ダイヤモンドが現れたかの質問に答えます。
熊の木彫りは炭素の塊なので、炭素の塊を強圧縮すると金剛石になります。
即ち。金剛石も炭素の塊だからなのです。」
「はい、先生。質問していいですか?」
と、セーラ服姿のサクラ妖精が手を挙げた。
「どんな方法で、炭素の塊を強圧縮して金剛石にしたのですか?」
「ツボミちゃん。答えなさい。」
テーブルに座ったままの銀色妖精ツボミは、相変わらずのリス顔で下方を指さした。

鹿島は指先の場所をすぐに理解すると、
「ツボミちゃんの食事を邪魔すると怖いから、私が説明しよう。
あの黒い塊を私の故郷では、亜空間ワープ門と言いまして、はるか先の星座にある亜空間ワープ門まで空間移動する門です。
亜空間ワープ門には一次元、二次元、三次元、四次元、五次元といったワープ門があるらしいのだが、私は全ての違いを説明できないので、すべてを空間次元とします。
おそらく、ツボミちゃんは空間次元門を使い、熊の木彫りをこの惑星の深い部分へ運び、強圧縮して金剛石にしたのだと思う。」

と言って、銀色妖精ツボミの方を向いて確認すると、ツボミが頷いた事で、鹿島は安どの息を吐いた。

 サニーが銀色妖精ツボミの移動に違和感を感じたのは、大量の魔素を使う自分達のテレポーテーションと違い、微力な魔素で空間次元門を出現させて使ったからだと理解した。

「では先生、葉っぱを金貨に変えた現象は?」
「ツボミちゃん。答えなさい。」と判事衣装の鹿島は銀色妖精ツボミに振った。

銀色妖精ツボミは急いで口の中のものを飲み込み、
「母様。申し分けありません。場所はわからないが、金貨の原料である金育成場所の金素を使い、私の魔力で金貨をまねて金素を葉っぱに被せただけです。」
と銀色妖精ツボミはヒカリ皇后に、申し訳なさそうに頭を下げた。
「幻覚魔法かしら?それにしても金素も魔素みたいなものなのだろうか?やはり魔素みたいなものならば、すぐに飛散するのでしょう。だから、金素もすぐに飛散しやすいから、葉っぱはすぐに元に戻るのね。やっぱり幻覚魔法だわ」
と、ヒカリ皇后はとりわけ風に納得した。

 サニーからしたら、自分たちの使う魔法は、自然現象を観察してその応用である自然現象魔法だが、銀色妖精ツボミの使う魔法は、鹿島がよく言っている科学に基づいた科学魔法だと推測した。

その例として、サニーたちは病気なる原因を理解できなかったが、チンジュ女神様はすぐに病気の原因を特定した。
なかでも、身体の構造の知識で、病気を薬と魔法で治療をするのが、化学魔法だとも気がついた。

サニーは銀色妖精ツボミを正面から見ると、同種族の異質な存在だと思える。

だが、一歩下がって斜めから同種族ではないとの、疑いの目で観察した結果から、
C-003号機内での出来事では脳神経を麻痺させ、ヒカリ皇后の、「広範囲治療」で治すことが出来なかったのに、銀色妖精ツボミの「元気」魔法で正常に回復した。

そのことは、チンジュ女神様同様すべての現象は科学に基づくと知っているうえで、因果関係をも理解していたからであろう。
さらにサニーには理解できなかった物質の変化を、鹿島が説明できたことで化学魔法そのものだと結論を出した。

そしてその化学魔法そのものを与えた存在を、確認する必要を強く感じた。

 ゴールドル邸宅迎賓室の一角での授業風景が終わり、
リス顔のツボミにサニーと鹿島以外は虚脱状態であった。
というのは、みんなは自然現象で理解できない出来事は、神様世界の領域であったからである。


 大勢が虚脱状態の中。

鹿島はみんなを眺めながら、
「次の行動は、イザベラ女王と打ち合わせして、キルオシ帝国に乗り込もうと思う。了解していただきたい。」

「私はパス。」とサニーが手を挙げた事で、全員は気だるい感が吹き飛んだ様子で、
「は~。」との声が部屋中に合唱となって響いた。

「私は調べることの用事ができたので、この後しばらくタローとは別行動をとります。」
鹿島はサニーと初めて別行動するのは初めてであったので、
「俺が悪かった。反省するから、別居などと、言わないでほしい。」
とまじめな顔して懇願した。

「冗談で言ったのではない。ツボミちゃんの生まれた大木の調査と、名付け精霊の生老樹に似ていた枯れ木魔物も調べたいのです。」
「なら、暗殺団の壊滅が終わったなら、みんなで調査した方がよくないか?」
「タローとヒカリちゃんは邪魔。」
との断言で、
「確かに樹海の中では、足手まといになる自信がある。」
と鹿島は答えた。

「私も樹海の中では、役に立たないでしょうね。」
と、ヒカリ皇后はうつむいた。

「調査は遅くても二十日前後だと思う。みんなは家族だから、すぐにまた一緒に行動できるよ。」
とサニーは元気よくヒカリ皇后を抱きしめた。

「ではみんなは、、、。」鹿島が五人の精霊たちを見回すと、五人は一斉にサニーの後ろへ隠れた。
「、、、だな。では、ヒカリちゃんと二人だな。」

「いいえ。特殊体の妖精ツボミちゃんの保護者として、ヒカリちゃんは私に付き合ってもらうわ。。」
と、声の後から光の粒と共に鎮守様が現れた。

 銀色妖精ツボミは光の粒と共に現れた鎮守様の周りを飛翔しながら、
「私もこの体ほしい!」と珍しくリス顔してない願望の表情で叫んだ。
「いいわよ。」と、鎮守様は浴衣姿の幼い子供のまま、C-001号の隣に出現した。

 鎮守様が脱身したC-001号に、銀色妖精ツボミが舌なめずりしながら、喰らいつこうとの表情でホバーリングしながら迫ってくると、なぜか、感情のないはずのC-001号は一歩後ろへ片足を引いた。

銀色妖精ツボミは舌なめずりしたまま、C-001号の胸に侵入していった。

やがてものの一分しないうちに、銀色妖精ツボミは両手を頭にのせてヒカリ皇后の肩に腰掛けた。
「母様。頭が痛い。頭、元気元気して。」と、銀色妖精ツボミはヒカリ皇后の長い耳に寄り掛かった。

「ツボミちゃんみたいにな、元気魔法はできないわ。」
「私が生まれた場所で、いっぱい元気魔力を与えていたでしょう。」

ヒカリ皇后は自分が傷つけた大木に向かって、「幹細胞活性‼樹液巡回!治癒!回復!」と何とか元の幹に戻そうとしたことを思い出し、しかしながらその後、意識を失ったことも思い出して悪寒が走った。

「母様。痛いの痛いの飛んでいけをやって。」
と銀色妖精ツボミはヒカリ皇后の首に抱き着いた。

それゆえに、ヒカリ皇后は「ままよ。」との感情と、「~ねばならない。」との心情が同時に起こり、
「痛いの痛いの飛んでいけ!元気元気になれ!」
と言いながら、銀色妖精ツボミの肩と頭を両手で包み込んだ。

 ヒカリ皇后は魔素庫から大量の魔素が体中を巡回しながら、掌から銀色妖精ツボミの体に流れ出したが、大木への治療時に感じた、まさに身体ごと吸い取られるとの感覚と違い、温かな満足感を得ていた。

「元気、元気、ありがとう。」と、銀色妖精ツボミはヒカリ皇后の指を握りしめて、肩でジャンプしだした。

 ヒカリ皇后は銀色妖精ツボミの元気な姿に安どすると、
「何があったの?」と微笑んで尋ねた。

ところが、銀色妖精ツボミは答えるそぶりなく、何かを思い出した様子でC-001号の頭へ飛翔していき、
「こいつ、無理矢理私の知識に、大量の情報を刷り込みしたのだ!」
を言ってC-001号の頭にパンチを入れた。
「ツボミちゃん。私の体が壊れちゃうよ。」
と浴衣姿の少女鎮守様は銀色妖精ツボミの細い腕をつかんだ。

銀色妖精ツボミは夜叉顔で浴衣姿の少女鎮守様をにらんだが、委縮した子猫のように小さく震えながら、ヒカリ皇后の後ろ首に隠れた。

「ツボミちゃん。漠然とした知識より、知識の本質を全て知ることは重要よ。」
と、浴衣姿の少女鎮守様はいつの間にか消えていて、C-001号がほほ笑みながら諭すように話していた。

しかしながら、銀色妖精ツボミは目を合わせることなく、ヒカリ皇后も認知出来るほどのすごい勢いで首を横に振り続けた。

漠然と眺めていたサニーは、傷口に触るときの様に恐ろ々に、
「チンジュ様、ツボミちゃんが開花すると、どのような精霊になるのでしょうか?」
「ヒカリちゃん次第でしょう。」
と、思いがけずに声をかけられたヒカリ皇后は、気になる木から生まれた銀色妖精ツボミの行く末は、自分次第だと言われたことで身を直立にして固まり、
「私次第とは?」と、ともあれ何とか言葉を発した。

「ツボミちゃんにタローの、故郷の知識を学ばせるためには、ヒカリちゃんが指導と導きをどこまでコントロールする事ができるかです。」
「私がツボミちゃんを制御しだいで、大精霊になれるのですか?」
「一柱さえも可能かも。」
「神的存在と?」

ともあれ、ヒカリ皇后は震えおびえている銀色妖精ツボミを両手に乗せて、
「ツボミちゃんの知っている知識を、より深く理解したい?」と尋ねると、
銀色妖精ツボミはすべてを投げ捨て逃げるとばかりに、速攻の首振りを始めた。
「でも、ツボミちゃんが知識をより深く理解したなら、私にも説明できるし教えることもできるわ。」
「母様は、私の魔法を覚えたいの?」
「いっぱいいっぱい覚えて、私の知っている人たちを守りたいわ。」
「では、いっぱいいっぱい教える。」
「でも今の知識で、私にわかる様に、教えきれるかしら。」
「う~と念じて、ば~と開放するだけだよ。」
「金剛石を創り出したとき、タロー様が説明したみたいに教えてほしいな。」
「むり。わからないから、無理。」
「それをわかる様に、チンジュ女神様のところで勉強しよう。」
「母様は私が学ぶことをしたなら、嬉しい?」
「ツボミちゃんがいっぱいいっぱい覚えて、私に教えてくれたなら、私もいっぱいいっぱいうれしいわ。」
「また、頭が痛くなったら、また治してくれる?」
「いっぱいいっぱい治します。」

 銀色妖精ツボミは「いっぱいいっぱい。」と喜びながら、
別テーブルにあるケーキを盛った皿を抱き抱えた。

 C-001号に戻った鎮守様はサニの方を向いて、
「サニーちゃん、もう一方の特殊体の調査もお願いできるかしら?」
「黒い妖精のこと?」
「そうです。」

しかしながら、サニーは一瞬、汚物を踏んだと同じ様の苦虫を嚙み潰したような表情になり、しばらく考え込むと、
「あれは完全に異種族だと思うわ。」
「それを確認してほしいの。」
「枯れ木魔物と一緒に行動しているかもしれないので、気に留めときます。」
と、険悪感を吐き出す様に応えた。

同様に、五人の精霊たちも、人が岩場でうごめく蛇を見たときの、身震いしぐさでうなずいた。


 その夜の鹿島達夫婦用の部屋では鹿島が干からびるかの様に、白雪姫と単独サニーからの代わる代わりの洗礼を受けていた。

白雪姫の締め付けと吸込みも上達していて、なおかつフラダンス踊りはより活発なので、鹿島の負担は軽減されたが、
しかしながら、白雪姫との合体だけでなく、合体の合間合間に単独サニーと六人の精霊からのフェラチオ攻めにあっていた。
フェラチオ攻めはさらに大きく口を開けて喉の奥まで達するイマラチオに変わり、鹿島が精魂尽きたとしてもさらに白雪姫も加わり、フェラチオ攻めとイマラチオ攻撃で再起動是ざるを得なかった。

鹿島の玉裏部、“蟻の門渡り”はパンパンに腫れ上がっているが、それでも白雪姫は貪欲に求めていた。

 窓の闇は曙によって明るくなりだしたころ、鹿島は解放されて眠りについた。

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