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制覇行進

116 淑女の夜

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 オハラ王国アクコー王は、「吸血鬼の戦闘狂。」「血を求める狂犬病。」と国中の者達全てがおそれていた。
親衛隊十万の軍はゴールドル伯爵領地軍に敗れ、さらに貴族領地軍三十万もビクトリー王国トンズラコ領都で敗北した事が伝えられると、アクコー王は怒り狂っていたが、ナントン領地のミミズ街が陥落したとの知らせを受けると何故か沈黙しだした。
周りの近衆参謀達はアクコー王の沈黙した表情を、「吸血鬼の戦闘狂。」に戻りつつあると感じていた。
それは、敵の血も味方の血も多く流れることを好み、壮絶なる肉弾戦を好む戦闘スタイルである。

 さらにゴールドル伯爵領地軍に敗れた、オハラ王国十万の親衛隊を指揮していたヨシツネ親衛隊長が現れると満面の表情を向け、
「ヨシツネ。戦は時の運、次なるジンギハーン帝国軍との戦闘には更なる奮戦を期待する。」
と労をねぎらうように、平伏しているヨシツネ親衛隊長の手を取って立ち上がらせた。
ヨシツネは最早言い逃れなどできない惨敗状況を、死をもってあがなおうと平伏していたが、思わぬ言葉に戸惑いアクコー王の顔を覗くと、「血を求める狂犬病。」と言う表情は、婦女子をいたぶり殺した後の満足気な表情をしていた。

 ヨシツネは満足気なアクコー王の表情の裏を見て取り、
「ジンギハーン帝国来襲軍に対しては、残り二千の白たすき掛けした親衛隊をもって、負けた屈辱をばんかいし等ございます。わたくし目に先陣を命じてください。」
「もちろん。お前以外には敵を混乱させるものはいないだろう。ゆえにジンギハーン帝国軍に対し、白たすき隊に先陣を申し渡す。」
との言葉に近衆参謀達は、親衛隊が白たすき掛けしての突撃は、決して後ろを振り向かないで突撃する事と受け止めた。
白たすきの意味は要するに退却なしの突進である。
「名誉ばんかいの機会を与えていただき、感謝します。」
と言って、ヨシツネは静まり返った本陣を後にした。

 鹿島とサニーがゴールドル伯爵邸宅に着くと、戦準備中であった。
「どこと戦するのだ?」
と、鹿島は迎えに出ていたヒカリ王女とゴールドル伯爵に声がけした。
「ミミズ街が陥落したとの知らせで、ジンギハーン帝国軍をミミズ街から追い出そうかと。」
「もうすぐ、大河を氾濫させる水量の超大型台風が来るようだから、出陣は嵐が去ってからの方がいいだろう。」
「いつ頃、何処へ、超大型台風は来るのでしょうか?」
「大河の向こう側から明日の朝ハカタ港町に上陸して、ミミズ街の方へ向かうようです。お昼ごろには、ナントン領地全体に風速五、六十メートル以上の、猛烈な風と雨になるでしょう。」
「タロー様はそれをどのようにして、予想なさったのですか?」
「ドローンから送られてくる天気図によって、ある程度の予想はできます。」
「天気さえも、予想できると!」
「ある程度天気図を理解できるなら、明日のお昼頃から雨になると予想できます。」
「え、こんなに晴れているのに、雨が降ると?」
「え~と、空の雲がすごい速さで西の方へ流れているでしょう。あれが前兆です。」
と言って鹿島は空の雲を指差した。
「超大型台風は大河の向こうから現れて、明日の朝ハカタ港町に上陸し、ミミズ街へ向かうなんて、まるでジンギハーン帝国軍の後を追っているような進み方ですね。」
と、ヒカリ王女は迷惑そうな表情をした。
「神風だったりするかも。」
「え、チンジュ女神様の意思ですか?」
「違う。台風は自然現象です。が、私の故郷は島国でしたが、二度の敵来襲の時に、二度共に台風が起き、来襲者を追い払った。それを神風と呼んだのです。」
「二度の敵来襲を、台風が吹き飛ばしたと?」
「台風は、敵の乗っていた船を沈めたのです。」
「それは、、、神様が台風を呼んで加勢したのですか?」
「と、言い伝えがある。」
「神様に愛された故郷出身者タロー様だから、チンジュ女神様に愛されているのですね。」
と、目をウルウルとさせていた。
「いいえ、チンジュ様は見守るだけですが、私は身も心も全てでタローを愛しています。」
とサニーは鹿島の腕にしがみついた。
教会責任者であるヒカリ王女はサニーがチンジュ女神様に対抗する様を感じたが、むしろそのしぐさを咎める事なく、ただ二人がいちゃつき合っているのに羨まし気な表情をしているだけで、割り込むこともなく微笑んでいた。
「そんなことはさておき、今夜、一晩厄介になりたいわ。」
とのサニーの流し目に、ヒカリ王女は顔を真っ赤にしてうなずいた。

 マリーは夕食が終わるとメイド服を着用して、鹿島用に見繕った寝室のテーブルに多くの菓子やケーキに生菓子の山を並べた。
「あら、すごい!私好みの甘みばかりだわ。」
とサニーはよだれを垂らさんばかりに喜びだした。
「神降臨街から引っこ抜いてきた職人さんを使って、この街でお店を開いています。いずれは、リトル神降臨街と呼ばれるようにがんばります。」
「素晴らしいわ。特に私好みのお店を先に用意するなんて、素晴らしいわ。」

 サニーがテーブルに陣取りだすと、鹿島も和風生菓子コーナーに向かった。
いろんな種類の餅菓子があるが、先ずはよもぎ餅に手を出した。
和風生菓子コーナーにはあん類を用いた羊かんやら、あんこをカステラ皮で巻いたカス巻きもあった。
鹿島はテーブルに並んだ菓子類を見て、洋菓子部類は様々な道具類を使って仕上げたのだろうと感じた。
ところが、和風生菓子はかなりの手作業をも経ていると初めて感じた。

 メイド姿のヒカリ王女が現れると、いつの間にかマリーはいなくなっていた。
メイド姿のヒカリ王女はサニーに気を使う様に、甲斐甲斐しく世話を焼いていると、
「私は、しばらく食べ続くるので、二人共、身体を流してくれば。」
とサニーは甲斐甲斐しく世話を焼いているヒカリ王女に声がけして、満足そうにテーブルを見回している。

 鹿島はサニーの声掛けを推理しだした。
(俺か好みの甘みかを選ぶとしたら、やはり好みの甘みを選ぶのだろうか?)
と鹿島がサニーを見つめていると、サニーはリスのようにほほを膨らませたままにやりと笑いを返した。

 鹿島が湯船につかっていると、ヒカリ王女はバスタオルで体を包んで浴室のドアを開いた。
鹿島は、サニーや憑依白雪姫の裸体は知っているが、ヒカリ王女の単独での裸体を目にするのは初めてだと気が付くと胸の高まりを覚えた。

 ヒカリ王女が不器用に体を洗いだすのを見た鹿島は、いつもは侍女たちに寄ってたかって洗ってもらっているのだろうと推測し、そこで湯船から出てヒカリ王女の背中を洗いだすと、ヒカリ王女はなすがままに鹿島に身をゆだねている。
鹿島は徐々に前方に回り込むと、座っているヒカリ王女の顔の高さに逸物を向けた。
ヒカリ王女が逸物に見入っているのを確認した鹿島は、ヒカリ王女の腕を洗いながらその手を自分の逸物へ導くと、ヒカリ王女は逸物を優しく握りしめた。

 鹿島はヒカリ王女を立たせると、その豊満な乳房を洗いながら徐々に下半身に向かうが、ヒカリ王女は鹿島に身をゆだねているが決して鹿島の逸物から手を離すことはなかった。
鹿島はヒカリ王女を洗い終えると、自分の逸物をも泡立たせ綺麗に洗い流した。
ヒカリ王女は洗い流し終えると、無言のまま何事もなかったかのように湯船に向かい湯に浸ったことで、鹿島はそれ以上ヒカリ王女を弄ぶことができなかった。

 鹿島達が浴室から出て部屋に向かうと、すでにテーブル上の菓子類はなくなっていて、サニーは残り一個のケーキを満足そうにゆっくりと味わう様に食べていた。
ヒカリ王女がテーブル上をかたづけ出すと、最後の皿をテーブルに戻したサニーは、
「ヒカリちゃん、それは以上は明日にしましょう。」
と言ってヒカリ王女に憑依すると白雪姫が現れた。

 鹿島は、一回戦は自分中心で果てたが、二回戦からはやや心の余裕が出た様子で白雪姫の反応を探察しだした。
スロースローを五回繰り返してクイックを三度行うと、白雪姫の表情はスローのときが満足気であると悟り、スローの回数を続けながら時々クイックを行った。

 三度目は、鹿島は知りうる限りの四十八手の態型試みるが、時々白雪姫は苦しい表情を表すことでやはり正常位が好みなのだろうと感じた。
やはり自分好みの白雪姫が娼婦みたいに乱れるのには、時間が必要だろうとも感じてい
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