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制覇行進
95 一方通行の伝達機能
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ゴールドル領地での戦闘まで後十四時間となったが、イザベラ女王に渡しておいた通信機から、鹿島への連絡では元ビクトリー国王がデンシャ車両で神降臨街へ向かった後、ノロノア王子が王親衛隊二千人を引き連れ、隣のシャジャーイ国との国境を守っているアクダイカ軍閥将軍の方へ向かって行ったとの知らせが入った。
鹿島は、イザベラ女王の近習者である筋肉ムキムキ娘達を、風雲急を告げる状態になってきたイザベラ女王のもとへ送りとどけることにした。
「私の護衛たちを返す何か、大ごとが起きる予兆でもございますのでしょうか?」
「アクコー王は自国貴族領主に対して、ビクトリー王国へ攻め込む様にと命令しました様です。」
「従姉妹殿への援軍を計画していたが、籠城戦でなく野営戦に変更したとの知らせを受け、とても間に合わないと思い援軍は解散したばかりです。引き続き、将軍たちを再招集して打合せします。」
「そうだね、急いだほうがいいだろう。」
鹿島は急に忙しくなったことで身二つほしいと思いながら、睡眠を取らなくてもいい鎮守様やサニーがうらやましくなった。
C-003号機がゆっくりと降下して来ると、気落ちしていた(闇夜のカラス)娘達は急にはしゃぎだした。
「今度こそ、ぜ~たい。天使様を見つけるわ。」
「私は、光の天使様を見つけて、お友達になるわ。」
「光の天使様って、絵本の中だけのお話でしょう。」
「だって、妖精様は居たし、大精霊様とはお友達だから、光の天使様もいるわよ。」
鹿島は、シンデレラ司祭長の護衛に頭を殴られた娘の発言に、サニーといつの間に友達関係になったのだと突っ込みたいが、脳内友達関係にまで立ち入るべきではないと悟りやめにした。
鹿島はうっとうしく騒ぐ娘達を避ける様にうんざりとした顔で操縦室へ入ると、何故か筋肉ムキムキ娘たちも付いて来た。
見晴らしのいい操縦室窓からのパノラマに、感動の声を上げ続ける筋肉ムキムキ娘たちを無視し、鹿島はタブレットパソコンを開くとすぐに、ゴールドル領地での戦闘予定地上空にいるドローンから映像に見入った。
ドローンからの眺め映像はヒカリ王女たちの動向を観察しようと地表を拡大し続け、ヒカリ王女とマリーの馬上姿をはっきりと映し出した。
ふと鹿島は、ヒカリ王女の槍がオーソドックスな物だと気づいた。
イザベラ女王であったならば、真っ先に黒ボーボアの尾刃槍を持ちたがるが、腕の髭手袋を確認したことで、おそらく尾刃槍は前線の兵に譲ったのだろうと推測し、ヒカリ王女らしいと納得した。
「あ、逃げた二人がいる。」と鹿島の後ろから声がした。
鹿島も二人を確認すると、
「そうだな、どうせ王都へ行くのだから、拾っていこう。」
と鹿島が返事すると、C-003号機がゆっくりと降下しだした。
鹿島はまだC-003号機になにも命じていないのに、勝手に降下しだしたことで、
「C-003号、まだ命じてないぞ。」
「拾っていこうとの言葉は、命令だと受け取りました。」
「C-003号は、もしかして、俺と思考がつながっているのか?」
「A―110号とC-001号は、最初から思考がつながっていたでしょう。 C-002号 とC-003号はC-001号のレプリカなので、同じ機能を持っていますし、C-002号は修理ロボットの知識を持ち、私は機体の運航技術を持ったC-001号です。」
「ちょっと待て、最初から思考がつながっていたなど、俺は感じなかったぞ。」
「C-001号に判断思考は有りません。ただA―110号の為に動くだけです。」
「今のC-001号はかなり変化したはずでは?」
「新しいインプットデータが入りましたが、機能はそのままA―110号の為に動いています。」
「つまり、鎮守様は俺の為に動いていると?」
「C-00ナンバーすべてそれぞれに、新しいインプットデータが入りましたが、C-00ナンバーすべてはA―110号の為に機能しています。」
鹿島が大きく息を吐くと、
「今の言葉のやり取りは、神々の会話ですか?」
と、脳筋ムキムキ娘が目を輝かせて聞いてきた。
「だな。」と鹿島は説明するのが面倒なのか肯定した。
森から逃げ出た二人の若者はC-003号機にしり込みしながら乗ってはきたが、王都に着くまで緊張していたようで、C-003号機が王宮庭に着陸するとすぐにタラップを駆け下り、幹の傍で連れションを始めだしたために衛士兵に怒られていた。
イザベラ女王はタラップまで駆け寄ってきて、
「盗賊どもはほっといて、ヒカリ王女に手を貸していただきたい。」
と、鹿島に懇願した。
鹿島は腕時計を眺めて、
「まだ十三時間ある。あと二カ所の不審な奴らを調べても、時間の余裕はある。」
と言って、みんなを降ろして再び上昇した。
脳筋ムキムキ娘達は遠ざかるC-003号機を眺めながら、
「人種と子供をもうける気があるかを、聞きそびれた!」
「次は臆しないで、頑張る。」
と互いに悔しがり出していたことを、聴いたイザベラ女王は顔を赤くした。
鹿島は、イザベラ女王の近習者である筋肉ムキムキ娘達を、風雲急を告げる状態になってきたイザベラ女王のもとへ送りとどけることにした。
「私の護衛たちを返す何か、大ごとが起きる予兆でもございますのでしょうか?」
「アクコー王は自国貴族領主に対して、ビクトリー王国へ攻め込む様にと命令しました様です。」
「従姉妹殿への援軍を計画していたが、籠城戦でなく野営戦に変更したとの知らせを受け、とても間に合わないと思い援軍は解散したばかりです。引き続き、将軍たちを再招集して打合せします。」
「そうだね、急いだほうがいいだろう。」
鹿島は急に忙しくなったことで身二つほしいと思いながら、睡眠を取らなくてもいい鎮守様やサニーがうらやましくなった。
C-003号機がゆっくりと降下して来ると、気落ちしていた(闇夜のカラス)娘達は急にはしゃぎだした。
「今度こそ、ぜ~たい。天使様を見つけるわ。」
「私は、光の天使様を見つけて、お友達になるわ。」
「光の天使様って、絵本の中だけのお話でしょう。」
「だって、妖精様は居たし、大精霊様とはお友達だから、光の天使様もいるわよ。」
鹿島は、シンデレラ司祭長の護衛に頭を殴られた娘の発言に、サニーといつの間に友達関係になったのだと突っ込みたいが、脳内友達関係にまで立ち入るべきではないと悟りやめにした。
鹿島はうっとうしく騒ぐ娘達を避ける様にうんざりとした顔で操縦室へ入ると、何故か筋肉ムキムキ娘たちも付いて来た。
見晴らしのいい操縦室窓からのパノラマに、感動の声を上げ続ける筋肉ムキムキ娘たちを無視し、鹿島はタブレットパソコンを開くとすぐに、ゴールドル領地での戦闘予定地上空にいるドローンから映像に見入った。
ドローンからの眺め映像はヒカリ王女たちの動向を観察しようと地表を拡大し続け、ヒカリ王女とマリーの馬上姿をはっきりと映し出した。
ふと鹿島は、ヒカリ王女の槍がオーソドックスな物だと気づいた。
イザベラ女王であったならば、真っ先に黒ボーボアの尾刃槍を持ちたがるが、腕の髭手袋を確認したことで、おそらく尾刃槍は前線の兵に譲ったのだろうと推測し、ヒカリ王女らしいと納得した。
「あ、逃げた二人がいる。」と鹿島の後ろから声がした。
鹿島も二人を確認すると、
「そうだな、どうせ王都へ行くのだから、拾っていこう。」
と鹿島が返事すると、C-003号機がゆっくりと降下しだした。
鹿島はまだC-003号機になにも命じていないのに、勝手に降下しだしたことで、
「C-003号、まだ命じてないぞ。」
「拾っていこうとの言葉は、命令だと受け取りました。」
「C-003号は、もしかして、俺と思考がつながっているのか?」
「A―110号とC-001号は、最初から思考がつながっていたでしょう。 C-002号 とC-003号はC-001号のレプリカなので、同じ機能を持っていますし、C-002号は修理ロボットの知識を持ち、私は機体の運航技術を持ったC-001号です。」
「ちょっと待て、最初から思考がつながっていたなど、俺は感じなかったぞ。」
「C-001号に判断思考は有りません。ただA―110号の為に動くだけです。」
「今のC-001号はかなり変化したはずでは?」
「新しいインプットデータが入りましたが、機能はそのままA―110号の為に動いています。」
「つまり、鎮守様は俺の為に動いていると?」
「C-00ナンバーすべてそれぞれに、新しいインプットデータが入りましたが、C-00ナンバーすべてはA―110号の為に機能しています。」
鹿島が大きく息を吐くと、
「今の言葉のやり取りは、神々の会話ですか?」
と、脳筋ムキムキ娘が目を輝かせて聞いてきた。
「だな。」と鹿島は説明するのが面倒なのか肯定した。
森から逃げ出た二人の若者はC-003号機にしり込みしながら乗ってはきたが、王都に着くまで緊張していたようで、C-003号機が王宮庭に着陸するとすぐにタラップを駆け下り、幹の傍で連れションを始めだしたために衛士兵に怒られていた。
イザベラ女王はタラップまで駆け寄ってきて、
「盗賊どもはほっといて、ヒカリ王女に手を貸していただきたい。」
と、鹿島に懇願した。
鹿島は腕時計を眺めて、
「まだ十三時間ある。あと二カ所の不審な奴らを調べても、時間の余裕はある。」
と言って、みんなを降ろして再び上昇した。
脳筋ムキムキ娘達は遠ざかるC-003号機を眺めながら、
「人種と子供をもうける気があるかを、聞きそびれた!」
「次は臆しないで、頑張る。」
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