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制覇行進
80 ホルヘ公爵の願望
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ホルヘ公爵の私室に呼ばれたヒカリ王女とイザベラ王女は、私室部屋に呼ばれたことを不審に感じていた。
ホルヘ公爵は二人の心情など無視して、
「ここでの会話は、ぜったいに外には漏れない。これから話すことは、俺の遺言だと思って聞いてくれ。」
と、真剣な顔で二人をにらんだ。
「まず初めに言っておく。これは俺の願望だ。一パーセントの可能性もないが、俺はアントワの仇を取りたい。この手でアクコーを刻んで刻んで首を絞めたい。」
とこぶしを握り締めて涙をこぼした。
ヒカリ王女とイザベラ王女は、互いに顔を見つめ合いうなずき合った。
「叔父上様、私達もアントワ公女の仇を討ちたい同じ思いですが、現実無理だと諦めなければならないでしょう。」
「だが、お前たちは、仇を行える可能性を持っているのだ。」
「私たちが、、、、どんな方法の可能性を?」
ホルヘ公爵は涙をふき取ることなく、二人に代わる代わる懇願するように見つめた。
「ヒカリ王女様は、父親である大王オウイカの敵を討つとの名目で、アントワに対抗して反乱軍を起こしていただきたい。」
「私にそんな力などない。」
「無断でゴールドル伯爵領地を調査しました。あそこに駐留している鎮守聖軍の手を借り、反乱を起こす導火線に火を着けるだけで、アントワを憎んでいる多くの貴族領主たちが集まります。十分に対抗できる兵が集まるでしょう。」
「そんなことをすると、、、ゴールドル伯爵家に迷惑がかかります。」
「すでに、ヒカリ王女様を守ると、ゴールドル伯爵は腹を決めています。」
「ゴールドル伯爵が、反乱を起こしたいと思っているとお思いですか?」
「ゴールドル伯爵はすでに、アントワから豊かになった領地を狙われていると感じてます。」
「鎮守聖国は、ゴールドル伯爵領地の安全を保証しています。」
「それでも、戦は必ず起きます。」
「確かに、私が父の敵を討つと宣告すれば、、、戦は起きますでしょう。」
「戦いの火ぶたは、必ずアントワが起こします。」
ヒカリ王女が静かに考えこむと、ホルヘ公爵はイザベラ王女に向き直し、
「アントワは必ずこの国にも攻めてきます。」
「財布と思っている我が国に、わざわざ攻め込むと?」
「財布を奪い取るつもりでしょう。」
「それでも、この国を統治するなら、われら王族の力を必要とするはずでは?」
「そんな生易しいアントワではありません。すべての王族と貴族は根絶やしにして、この国を自分の直轄地にしますでしょう。」
「では私に何をしろと?」
「王座継承して女王になることです。」
「父上や弟が承諾しないでしょう。」
「私が承諾させます。」
「しかし私が女王になったとしても、オハラ軍に勝てるとは思えない。」
「鎮守聖陛下と大精霊猊下の力をお借りできれば、勝てます。」
「タロー様とサニー様の力だけで、五十万のオハラ軍などたやすいでしょう。」
とヒカリ王女はホルヘ公爵に横から援護をしだした。
「タロー様とサニー様は、他国の戦などに関心を持つだろうか?奴隷や農奴解放以外のことで、手を貸すとは思えない。」
とイザベラが不安な顔をすると、ヒカリ王女も同じ心境なのか不安な顔になった。
ホルヘ公爵は要約、鎮守聖陛下と大精霊猊下を巻き込む話題核心まで、話が進んだと安堵感を顔に出した。
ホルヘ公爵は意を決した険しい顔になり、
「二人共、鎮守聖陛下の子を産んでほしい。」
と真顔で二人を交互に睨んだ。
「な、な、な、なんてことを。」
「そ、そっ、そんなことは不可能です。」
二人は狼狽するが、ホルヘ公爵は逆に不思議そうな顔をした。
「何で不可能だと?」
「サニー様が承諾しないでしょう。」
「しないです。」
「大精霊猊下は承諾します。いや、二人なら、承諾させきれます。」
「嫉妬の塊のサニー様を何と言って、説得できると?」
「大精霊猊下は子供が好きですし、人間同士の交尾に関心を持っています。」
「サニー様が子供を好きなのは同意しますが、性行為に関しては、興味はないと思います。」
「二人に大精霊猊下が憑依して、二人は体を貸して、鎮守聖陛下に抱かれてもよいと提案すれば、大精霊猊下は興味を持つかもしれない。」
「タロー様がそれを許すだろうか?」
「鎮守聖陛下は(男の嵯峨)の塊ですので必ず賛同します。だが、大精霊猊下に体を貸すとの提案は、鎮守聖陛下の居ない所ですべきでしょう。」
「なぜ?二人から同意していただいた方が、事はスムーズに進むとおもいますが?」
「鎮守聖陛下は二人からの提案には、すぐに賛同するでしょう。そんな鎮守聖陛下を見た大精霊猊下は、嫌な気分がしますでしょう。」
「確かに、いやな気分は起きるでしょう。」
「で、二人の気持ちは?」
二人は顔を真っ赤にして、
「タロー様の子供なら、、、欲しい、、、です。」
「私も今、考えきれる相手は、タロー様だけです。」
「では二人で相談し合い、なるべく早く!事を進めてほしい。」
といってホルヘ公爵は二人を部屋から追い出した。
ホルヘ公爵は歯車を動かすゼンマイバネを巻き終わった満足感で、
「あとは結果を、、、ごろうじろか。」
とつぶやいて満面の笑顔になりながら、次の布石、イザベラ王女が女王に即位する計画を再度検証しだした。
「布石もあるし、この計画ならば、遣れるし、出来る。最後の手段となって俺が汚名をかぶってでも、捨て身の計画実行さえ、、、あり得る。」
と、こぶしを握り締めた。
ホルヘ公爵は二人の心情など無視して、
「ここでの会話は、ぜったいに外には漏れない。これから話すことは、俺の遺言だと思って聞いてくれ。」
と、真剣な顔で二人をにらんだ。
「まず初めに言っておく。これは俺の願望だ。一パーセントの可能性もないが、俺はアントワの仇を取りたい。この手でアクコーを刻んで刻んで首を絞めたい。」
とこぶしを握り締めて涙をこぼした。
ヒカリ王女とイザベラ王女は、互いに顔を見つめ合いうなずき合った。
「叔父上様、私達もアントワ公女の仇を討ちたい同じ思いですが、現実無理だと諦めなければならないでしょう。」
「だが、お前たちは、仇を行える可能性を持っているのだ。」
「私たちが、、、、どんな方法の可能性を?」
ホルヘ公爵は涙をふき取ることなく、二人に代わる代わる懇願するように見つめた。
「ヒカリ王女様は、父親である大王オウイカの敵を討つとの名目で、アントワに対抗して反乱軍を起こしていただきたい。」
「私にそんな力などない。」
「無断でゴールドル伯爵領地を調査しました。あそこに駐留している鎮守聖軍の手を借り、反乱を起こす導火線に火を着けるだけで、アントワを憎んでいる多くの貴族領主たちが集まります。十分に対抗できる兵が集まるでしょう。」
「そんなことをすると、、、ゴールドル伯爵家に迷惑がかかります。」
「すでに、ヒカリ王女様を守ると、ゴールドル伯爵は腹を決めています。」
「ゴールドル伯爵が、反乱を起こしたいと思っているとお思いですか?」
「ゴールドル伯爵はすでに、アントワから豊かになった領地を狙われていると感じてます。」
「鎮守聖国は、ゴールドル伯爵領地の安全を保証しています。」
「それでも、戦は必ず起きます。」
「確かに、私が父の敵を討つと宣告すれば、、、戦は起きますでしょう。」
「戦いの火ぶたは、必ずアントワが起こします。」
ヒカリ王女が静かに考えこむと、ホルヘ公爵はイザベラ王女に向き直し、
「アントワは必ずこの国にも攻めてきます。」
「財布と思っている我が国に、わざわざ攻め込むと?」
「財布を奪い取るつもりでしょう。」
「それでも、この国を統治するなら、われら王族の力を必要とするはずでは?」
「そんな生易しいアントワではありません。すべての王族と貴族は根絶やしにして、この国を自分の直轄地にしますでしょう。」
「では私に何をしろと?」
「王座継承して女王になることです。」
「父上や弟が承諾しないでしょう。」
「私が承諾させます。」
「しかし私が女王になったとしても、オハラ軍に勝てるとは思えない。」
「鎮守聖陛下と大精霊猊下の力をお借りできれば、勝てます。」
「タロー様とサニー様の力だけで、五十万のオハラ軍などたやすいでしょう。」
とヒカリ王女はホルヘ公爵に横から援護をしだした。
「タロー様とサニー様は、他国の戦などに関心を持つだろうか?奴隷や農奴解放以外のことで、手を貸すとは思えない。」
とイザベラが不安な顔をすると、ヒカリ王女も同じ心境なのか不安な顔になった。
ホルヘ公爵は要約、鎮守聖陛下と大精霊猊下を巻き込む話題核心まで、話が進んだと安堵感を顔に出した。
ホルヘ公爵は意を決した険しい顔になり、
「二人共、鎮守聖陛下の子を産んでほしい。」
と真顔で二人を交互に睨んだ。
「な、な、な、なんてことを。」
「そ、そっ、そんなことは不可能です。」
二人は狼狽するが、ホルヘ公爵は逆に不思議そうな顔をした。
「何で不可能だと?」
「サニー様が承諾しないでしょう。」
「しないです。」
「大精霊猊下は承諾します。いや、二人なら、承諾させきれます。」
「嫉妬の塊のサニー様を何と言って、説得できると?」
「大精霊猊下は子供が好きですし、人間同士の交尾に関心を持っています。」
「サニー様が子供を好きなのは同意しますが、性行為に関しては、興味はないと思います。」
「二人に大精霊猊下が憑依して、二人は体を貸して、鎮守聖陛下に抱かれてもよいと提案すれば、大精霊猊下は興味を持つかもしれない。」
「タロー様がそれを許すだろうか?」
「鎮守聖陛下は(男の嵯峨)の塊ですので必ず賛同します。だが、大精霊猊下に体を貸すとの提案は、鎮守聖陛下の居ない所ですべきでしょう。」
「なぜ?二人から同意していただいた方が、事はスムーズに進むとおもいますが?」
「鎮守聖陛下は二人からの提案には、すぐに賛同するでしょう。そんな鎮守聖陛下を見た大精霊猊下は、嫌な気分がしますでしょう。」
「確かに、いやな気分は起きるでしょう。」
「で、二人の気持ちは?」
二人は顔を真っ赤にして、
「タロー様の子供なら、、、欲しい、、、です。」
「私も今、考えきれる相手は、タロー様だけです。」
「では二人で相談し合い、なるべく早く!事を進めてほしい。」
といってホルヘ公爵は二人を部屋から追い出した。
ホルヘ公爵は歯車を動かすゼンマイバネを巻き終わった満足感で、
「あとは結果を、、、ごろうじろか。」
とつぶやいて満面の笑顔になりながら、次の布石、イザベラ王女が女王に即位する計画を再度検証しだした。
「布石もあるし、この計画ならば、遣れるし、出来る。最後の手段となって俺が汚名をかぶってでも、捨て身の計画実行さえ、、、あり得る。」
と、こぶしを握り締めた。
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