【何カ所か18禁】鎮守様と異世界に

制覇行進

７５ ホルヘ公爵の計画

　イザベラ王女と首都防衛近衛士兵達全員は、女性の悲鳴がコダマか、リレーし合っているかのように連続していた街中を、ボーボアの首と胴体に尾刃を引いて王城壁門まで凱旋して行った。
イザベラ王女は凱旋した首都防衛近衛士兵達全員に、一週間の休暇を宣告して解散した。

　イザベラ王女は、「自分には宣告する権限がない」としり込みしたが、「王女の名において、でいい。」とホルヘ公爵は満面の笑顔で助言した。
この事は、イザベラ王女にとっては大事件であったが、ホルヘ公爵にとっては次の大事な段階への準備であった。

　ホルヘ公爵邸宅の執務室では、イザベラ王女とホルヘ公爵が向かい合っていた。
「イザベラ王女様、私が親指を立てたら、大精霊猊下に憑依を頼めないでしょうか？」
「え、まさか、、、いえ、だれに憑依してと？」
ホルヘ公爵は不思議そうな顔をしたが、イザベラ王女が勘違いしたと理解すると、無理を通したいときは、まず断られることを前面に出し、次に妥協案を出してこちらの要求を通す作戦をした。
「そうですね、私には無理でしょうから、やはりイザベラ王女様にお願いしたいです。おそらく、鎮守聖陛下は、審問に呼び出されるでしょうから、大精霊猊下にも参加してもらいたいので、イザベラ王女様に憑依して参加願いましょう。」
「なぜ？鎮守聖国王タロー様を、審問に呼び出すなど、出来ないでしょう？」
「ビクトリー王国籍者で、俺たち以外は、だれも知らないし、今の状況下では正体を明かすのを、鎮守聖陛下も望まないでしょうから、審問に呼出しが来たなら応じるでしょう。」
「叔父上様は、タロー様の本当の力を知らないから、そのようにおっしゃいますが、ボーボアの周りに誰もいなかったら、三秒でぶつ切りがミンチ状態にしていたでしょう。タロー様が暴れたら、街などすぐに壊滅します。」
「イザベラ王女様と、、、、ヒカリ王女様だったら、止めきれるのでは？」
「確かに、従姉妹殿なら可能かもしれないが、タロー様を制止するなど、わたくしには無理だ。」
「フフフ、鎮守聖陛下も男です。イザベラ王女様とヒカリ王女様を見る目は、女性として認知していますし、家族としても見ているかもしれないぞ。」
「確かに、、、、従姉妹殿はお淑やかでかわいいが、私には色気などないし、、、、。」
「俺の姪っ子達は、男から見たなら、憧れナンバーワンを競える同士だ。甲乙など付けきれない。イザベラ王女様はヒカリ王女さまと戦う前に負けを認めないで、勝てると自信を持ちなさい。鎮守聖陛下は理性ある方だから、そこら中の女性を口説き回らないが、あの目の奥には、【男の本能】飢えた野獣の目が潜んでいる。」
「タロー様にはサニー様という伴侶がいます。」
「その件は、ヒカリ王女様を交えて、ゆっくり相談し合おう。先ずは審問対策だ。では教会に行ってみよう。」
ホルヘ公爵は、計画完結はまじかに迫ってきたと感じていた。

「そうですね。チンジュ女神様にタロー様が暴れないよう願うわ。」
「祈れば願いが叶うとの、女神様を祀った場所か？」
「あ、願いを口に出してしまったから、ダメになってしまったわ。」
「願わなくても、大丈夫だと思うが？」
「だから、叔父上様は、隠れている無慈悲の、、、、、、、心を知らないからよ。」
イザベラ王女は危うく無慈悲のA―１１０号との言葉が出かかった。

　二人は屋敷を出て、鹿島達のいる教会へ向かった。