53 / 212
国興し
52 ペット
しおりを挟む
夕日になって薄暗くなりだした沼地の樹海では、鹿島は足場に足を取られながらも、何とかマングローブに似た根を頼りに移動しながら、逃げるボーボアを追っていた。
「こいつちょこまかと、逃げやがるな!」
「タロー!そっちじゃないよ!こっちに頭を持ち上げて出たよ!」
「今行く!逃がすな!」
「あ~!また潜ったよ!」
「こちこっち!」
と兵隊人形妖精達も騒ぎ出した。
「ボーボアは凶暴なのに、何でこいつは、戦わないで逃げ回るのだ!」
「兵隊妖精!取り囲め!タローは静かにしていて!」
「どうするのだ?」
「憑依する!」
と叫んでいるサニーは、水面下に隠れたボーボアの居た辺りを飛翔しだした。
マングローブに似た樹木の間に静寂が訪れた。
サニーは水面の動きを見つめながら移動している。
ボーボアは息継ぎしようと水面から顔を出した。
ボーボアの鼻先はサニーの直前であったが、ボーボアは首を伸ばしたまま微動だにせず、サニーをにらんでいた。
「サニー!逃げろ!」
と鹿島はマングローブに似た樹木の根を蹴りながら、サニのもとへ走り込んでいくとサニーが消えた。
鹿島は一瞬寒気が走ったが、ボーボア口元は微動だにしていないことに気づいた。
「憑依したのか?」
「そうよ。」
と、念力通信が返ってきた。
ボーボアは首を三百六十度に何度も首を回しながら、飛翔している兵隊人形妖精たちを見回していたが、ボーボアの頭の上にサニーが現れると、又もや微動だにしない停止状態になった。
「タロー。この子は、連れて帰るわ。」
「え~。どういう事?」
「この子はまだ子供で、私たちの狩りを何度も見ていたらしいの。だから、戦う気はないらしい。だけどね、尾刃やうろこは提供してくれるらしいわ。」
「提供?」
「脱皮もするが、尾刃も鱗も生え替わるらしいのよ。」
「で、飼育すると?」
「ううん、放し飼いのペットよ。」
「危険だろ。」
「完全におびえているから、大丈夫でしょう。」
「大丈夫?」
「こんなに怖がってしまうと、本能的に逆らわないわ。」
「ま、サニーが決めたなら、いいでしょう。」
と鹿島は、一抹の不安はあるがサニーに同意した。
「で、どこに連れていく?」
「妖精の森でしょう。」
「え~、え~、え~、え~。」
との、兵隊人形妖精の合唱が沼地に響き渡った。
「だけど!妖精や人種には攻撃しないと約束したのよ!」
「信じるの!信じるの!信じるの!」
との、合唱がまた起きた。
「その代わり、軍隊魔蜂とその住処は、彼女の好物らしいので、魔物や魔獣の狩りは許可したわ。」
「え~、軍隊魔蜂とその住処を好物だと。敵の敵は、味方じゃん!」
と、一人の兵隊人形妖精が、ボーボアの移動に何故か賛同すると、全員が頷き合っていた。
兵隊人形妖精たちとボーボアはいつの間にか友好関係になった様子で、サニーと兵隊人形妖精たちに鹿島はボーボアの胴体に乗って、真っ暗になった樹海を移動した。
翌朝、爆撃機はサニーのペットになったボーボアを吊り下げて、妖精森樹海に向かった。
後日、ペットのボーボアの活躍は住様しく、妖精森樹海に有る軍隊魔蜂の住処を次々と壊滅していくと、妖精たちすべてからペット位置を確保し、奇妙な連れ添いで森樹海の中を移動する様になっていた。
妖精慣れしたペットのボーボアは、時々現れる鹿島を見ると、大木の陰に隠れるが、頭隠して尾っぽは隠せきれないでいた。
「こいつちょこまかと、逃げやがるな!」
「タロー!そっちじゃないよ!こっちに頭を持ち上げて出たよ!」
「今行く!逃がすな!」
「あ~!また潜ったよ!」
「こちこっち!」
と兵隊人形妖精達も騒ぎ出した。
「ボーボアは凶暴なのに、何でこいつは、戦わないで逃げ回るのだ!」
「兵隊妖精!取り囲め!タローは静かにしていて!」
「どうするのだ?」
「憑依する!」
と叫んでいるサニーは、水面下に隠れたボーボアの居た辺りを飛翔しだした。
マングローブに似た樹木の間に静寂が訪れた。
サニーは水面の動きを見つめながら移動している。
ボーボアは息継ぎしようと水面から顔を出した。
ボーボアの鼻先はサニーの直前であったが、ボーボアは首を伸ばしたまま微動だにせず、サニーをにらんでいた。
「サニー!逃げろ!」
と鹿島はマングローブに似た樹木の根を蹴りながら、サニのもとへ走り込んでいくとサニーが消えた。
鹿島は一瞬寒気が走ったが、ボーボア口元は微動だにしていないことに気づいた。
「憑依したのか?」
「そうよ。」
と、念力通信が返ってきた。
ボーボアは首を三百六十度に何度も首を回しながら、飛翔している兵隊人形妖精たちを見回していたが、ボーボアの頭の上にサニーが現れると、又もや微動だにしない停止状態になった。
「タロー。この子は、連れて帰るわ。」
「え~。どういう事?」
「この子はまだ子供で、私たちの狩りを何度も見ていたらしいの。だから、戦う気はないらしい。だけどね、尾刃やうろこは提供してくれるらしいわ。」
「提供?」
「脱皮もするが、尾刃も鱗も生え替わるらしいのよ。」
「で、飼育すると?」
「ううん、放し飼いのペットよ。」
「危険だろ。」
「完全におびえているから、大丈夫でしょう。」
「大丈夫?」
「こんなに怖がってしまうと、本能的に逆らわないわ。」
「ま、サニーが決めたなら、いいでしょう。」
と鹿島は、一抹の不安はあるがサニーに同意した。
「で、どこに連れていく?」
「妖精の森でしょう。」
「え~、え~、え~、え~。」
との、兵隊人形妖精の合唱が沼地に響き渡った。
「だけど!妖精や人種には攻撃しないと約束したのよ!」
「信じるの!信じるの!信じるの!」
との、合唱がまた起きた。
「その代わり、軍隊魔蜂とその住処は、彼女の好物らしいので、魔物や魔獣の狩りは許可したわ。」
「え~、軍隊魔蜂とその住処を好物だと。敵の敵は、味方じゃん!」
と、一人の兵隊人形妖精が、ボーボアの移動に何故か賛同すると、全員が頷き合っていた。
兵隊人形妖精たちとボーボアはいつの間にか友好関係になった様子で、サニーと兵隊人形妖精たちに鹿島はボーボアの胴体に乗って、真っ暗になった樹海を移動した。
翌朝、爆撃機はサニーのペットになったボーボアを吊り下げて、妖精森樹海に向かった。
後日、ペットのボーボアの活躍は住様しく、妖精森樹海に有る軍隊魔蜂の住処を次々と壊滅していくと、妖精たちすべてからペット位置を確保し、奇妙な連れ添いで森樹海の中を移動する様になっていた。
妖精慣れしたペットのボーボアは、時々現れる鹿島を見ると、大木の陰に隠れるが、頭隠して尾っぽは隠せきれないでいた。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる