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転生
13 妖精の食事会
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空母艦の発着場と格納庫はきれいに整理してあり、、多くのテーブルには所狭しと皿に盛られた料理と、ペットボトルに入った多くのジュースやお茶類を並べていた。
空母艦の発着口はまだ締まっているにもかかわらず、発着口前では武装装備した兵隊人形妖精群れと、その後ろの集団は色とりどりのドレスをまとった妖精達もいた。
三桁数の妖精翅は眩しいぐらいの光を反射させながら翅音を一塊に響かせ、発着口が開くと同時に、一斉に発着口からなだれ込んできた。
薬師精霊は黒衣装一団を率いて肉コーナーテーブルへ一直線に向かい、鹿島に魔法を伝授した兵隊人形妖精たちは、ジャム瓶を積み上げたテーブルコーナーに向かって行った。
「これは、しばらく駄目ね。」
「ごめんなさい。食事は、話し合いの後に、用意すべきでした。」
「これはこれで、いい結果になるでしょう。流石にサニーちゃんだわ。」
「この料理を一度口にしたら、ほかの食べ物は、味気なく感じます。」
「怖い作用ね。」
「中毒になるかも?おぬしも、悪だね~。」
と鹿島が、肩車しているサニーを見上げるそぶりで、半眼の目を向けた。
「え~~~。変な偽薬草が入っていたの?中毒症状になるの~?」
「料理で、中毒には、ならないわよ。」
「タロ~~。びっくりさせるな!」
と、サニーは鹿島の頭を連打した。
薬師精霊一団と魔法を伝授した妖精たちは、互いに場所を移動し合った頃、
「全員注目!」
艦内を騒然とさせている鼻呻き声と、歓喜声を助成させている陶器の打ち合う音の中、艦内の空気を揺るがすサニーの声が響いた。
「食事を中断させて、申し訳ない。」
と、天井近くでホバーリングしながら、大きなマイクを握ったサニーがいた。
「森を伐採して、果樹園と薬草畑を造成します。協力していただけますなら、この城で生活できます。」
「森を伐採する?母なる老樹もか?」
「私たちが生まれた母なる老樹には、決して傷はつけません。
だけど、周りのうっとうしい樹木は伐採します。
開墾する予定地は、母なる老樹の根っこの手前で、やめます。」
「母なる老樹は、保護すると?」
「みんなが、老樹霊になれるよう、保護することは当然です。」
「今いる、老樹霊の許可は?」
「樹海深くに居る老樹霊の所までは、今の所、開墾する予定はありません。開墾する予定地には、何カ所かの若い老樹がありますが、その所有者とは、納得して頂ける話し合いをします。」
「老樹への養分補給は?」
「当人たちと、話し合います。」
一人の妖精が食事しだすと、ほかの妖精たちもわれ関知せずとの態度か、競い合うように食事を始めた。
粗方の、いや、積み上げられた皿のソースさえも綺麗に無くなると、天井近くでホバーリングしているサニーに注目していた。
「食事が終わって、残っている理由は、最上級精霊様の城に住みたい希望なのでしょうか?」
「お~。」
怒涛の響きが艦内を揺るがした。
「互いの希望とルールを話し合いましょう。
城に住む条件は、最上級精霊様の命令は絶対ですが、拒否の理由は伺います。約束できますか?」
「人道的な命令であれば、従います。」
「義務を伴う、命令です。
今の所、樹海の開墾を予定しています。報酬は、三度の食事と、甘味菓子です。」
「チョコレートは?」
「それは、別途の報酬とさせて頂きます。」
「別途?」
「別途です。」
「仕事の評価と、報酬の分配食事の受け取り方は?」
「私が評価して、ゴーレムが手配します。」
「いつから住める?」
「今から、全員、ハンモックを用意してきていただきますが、薬師精霊達は、階段二つ上がった階で住んでいただきます。
その階に薬製造室を用意していますので、必要な道具と、薬草を運んできてください。
ほかの方は、階段上の階にある部屋を自由に使ってください。
ただ部屋が全員にいきわたらないので、二人以上の相部屋になります。」
妖精達は一斉にタラップを使うことなく出入口から飛び出していった。
鎮守様は薬師精霊達がゆっくりと出入口扉へ向かっていくのに気が付いて、
「薬師精霊、相談があります。お付き合い願いますか?」
「これは、最上級精霊様。本日も豪華な接待有り難う御座いました。」
「では昨日の食堂ホールへ、案内します。」
薬師精霊は黒衣装一団に向かって、
「あなたたちは、作業場の道具と、薬草を運んで来なさい。」
と言って、鎮守様の後ろからつ付いてきた。
「飲み物の希望がありますか?」
「ミルクココアと、チョコレートケーキ。」
「サニーちゃん、お願いします。」
「ずいぶんな要求ね。」
と、サニーがほほを膨らますと、
「当然の要求よ。」
「そうね。全ての薬の効能と、薬草の知識を教えていただくのですから。」
「全ての薬の効能と、薬草の知識を、教えるのはやぶさかでないが、時間は大丈夫かしら?」
「一通り教えていただければ、記憶することは難しくはありません。」
「薬草解説書と、薬の効能と製造法書をお貸しします。最上級精霊様からの提供できるものは?」
「私の国では、漢方薬がありますが、材料は用意できません。が、その成分はわかるので製造可能です、ほかには、体内に入った細菌の悪さを阻止する抗生物質があります。
抗生物質の材料は、持っているので、その製造方法も教えます。」
「細菌?なにそれ?」
「肺の病気や、伝染病に、内臓疾患に対応できます。」
「伝染病?呼び名の意味から、瘴気病のことかしら?」
「伝染病とは、生き物から人へ感染し、人から人へと次々と伝染して同じ病状の人が爆発的に増えることです。」
「同じ病状の人が爆発的に増える、そのことが瘴気病の特徴です。村や町で瘴気病が発生したら、不治の病なので、発生地域は隔離され、全てが焼かれてしまいます。」
「瘴気病の精霊薬は無いと?」
「万能回復薬を与えると、病状は進行加速して悪化しまいます。瘴気病が発生したら、妖精も近寄れません。」
「瘴気病の発生確率は?」
「毎年どこかで発病しますが、一国単位では、五年周期で発病者が必ずでます。」
「では、かなりの貯蓄が必要ね。」
「人種や獣人に、魔族の分もですか?」
「この惑星住人、すべての分をです。でないと、惑星住人全員が絶滅します。」
薬師精霊はおびただしいとしか表現できない数量に、大きなため息をはいた。
空母艦の発着口はまだ締まっているにもかかわらず、発着口前では武装装備した兵隊人形妖精群れと、その後ろの集団は色とりどりのドレスをまとった妖精達もいた。
三桁数の妖精翅は眩しいぐらいの光を反射させながら翅音を一塊に響かせ、発着口が開くと同時に、一斉に発着口からなだれ込んできた。
薬師精霊は黒衣装一団を率いて肉コーナーテーブルへ一直線に向かい、鹿島に魔法を伝授した兵隊人形妖精たちは、ジャム瓶を積み上げたテーブルコーナーに向かって行った。
「これは、しばらく駄目ね。」
「ごめんなさい。食事は、話し合いの後に、用意すべきでした。」
「これはこれで、いい結果になるでしょう。流石にサニーちゃんだわ。」
「この料理を一度口にしたら、ほかの食べ物は、味気なく感じます。」
「怖い作用ね。」
「中毒になるかも?おぬしも、悪だね~。」
と鹿島が、肩車しているサニーを見上げるそぶりで、半眼の目を向けた。
「え~~~。変な偽薬草が入っていたの?中毒症状になるの~?」
「料理で、中毒には、ならないわよ。」
「タロ~~。びっくりさせるな!」
と、サニーは鹿島の頭を連打した。
薬師精霊一団と魔法を伝授した妖精たちは、互いに場所を移動し合った頃、
「全員注目!」
艦内を騒然とさせている鼻呻き声と、歓喜声を助成させている陶器の打ち合う音の中、艦内の空気を揺るがすサニーの声が響いた。
「食事を中断させて、申し訳ない。」
と、天井近くでホバーリングしながら、大きなマイクを握ったサニーがいた。
「森を伐採して、果樹園と薬草畑を造成します。協力していただけますなら、この城で生活できます。」
「森を伐採する?母なる老樹もか?」
「私たちが生まれた母なる老樹には、決して傷はつけません。
だけど、周りのうっとうしい樹木は伐採します。
開墾する予定地は、母なる老樹の根っこの手前で、やめます。」
「母なる老樹は、保護すると?」
「みんなが、老樹霊になれるよう、保護することは当然です。」
「今いる、老樹霊の許可は?」
「樹海深くに居る老樹霊の所までは、今の所、開墾する予定はありません。開墾する予定地には、何カ所かの若い老樹がありますが、その所有者とは、納得して頂ける話し合いをします。」
「老樹への養分補給は?」
「当人たちと、話し合います。」
一人の妖精が食事しだすと、ほかの妖精たちもわれ関知せずとの態度か、競い合うように食事を始めた。
粗方の、いや、積み上げられた皿のソースさえも綺麗に無くなると、天井近くでホバーリングしているサニーに注目していた。
「食事が終わって、残っている理由は、最上級精霊様の城に住みたい希望なのでしょうか?」
「お~。」
怒涛の響きが艦内を揺るがした。
「互いの希望とルールを話し合いましょう。
城に住む条件は、最上級精霊様の命令は絶対ですが、拒否の理由は伺います。約束できますか?」
「人道的な命令であれば、従います。」
「義務を伴う、命令です。
今の所、樹海の開墾を予定しています。報酬は、三度の食事と、甘味菓子です。」
「チョコレートは?」
「それは、別途の報酬とさせて頂きます。」
「別途?」
「別途です。」
「仕事の評価と、報酬の分配食事の受け取り方は?」
「私が評価して、ゴーレムが手配します。」
「いつから住める?」
「今から、全員、ハンモックを用意してきていただきますが、薬師精霊達は、階段二つ上がった階で住んでいただきます。
その階に薬製造室を用意していますので、必要な道具と、薬草を運んできてください。
ほかの方は、階段上の階にある部屋を自由に使ってください。
ただ部屋が全員にいきわたらないので、二人以上の相部屋になります。」
妖精達は一斉にタラップを使うことなく出入口から飛び出していった。
鎮守様は薬師精霊達がゆっくりと出入口扉へ向かっていくのに気が付いて、
「薬師精霊、相談があります。お付き合い願いますか?」
「これは、最上級精霊様。本日も豪華な接待有り難う御座いました。」
「では昨日の食堂ホールへ、案内します。」
薬師精霊は黒衣装一団に向かって、
「あなたたちは、作業場の道具と、薬草を運んで来なさい。」
と言って、鎮守様の後ろからつ付いてきた。
「飲み物の希望がありますか?」
「ミルクココアと、チョコレートケーキ。」
「サニーちゃん、お願いします。」
「ずいぶんな要求ね。」
と、サニーがほほを膨らますと、
「当然の要求よ。」
「そうね。全ての薬の効能と、薬草の知識を教えていただくのですから。」
「全ての薬の効能と、薬草の知識を、教えるのはやぶさかでないが、時間は大丈夫かしら?」
「一通り教えていただければ、記憶することは難しくはありません。」
「薬草解説書と、薬の効能と製造法書をお貸しします。最上級精霊様からの提供できるものは?」
「私の国では、漢方薬がありますが、材料は用意できません。が、その成分はわかるので製造可能です、ほかには、体内に入った細菌の悪さを阻止する抗生物質があります。
抗生物質の材料は、持っているので、その製造方法も教えます。」
「細菌?なにそれ?」
「肺の病気や、伝染病に、内臓疾患に対応できます。」
「伝染病?呼び名の意味から、瘴気病のことかしら?」
「伝染病とは、生き物から人へ感染し、人から人へと次々と伝染して同じ病状の人が爆発的に増えることです。」
「同じ病状の人が爆発的に増える、そのことが瘴気病の特徴です。村や町で瘴気病が発生したら、不治の病なので、発生地域は隔離され、全てが焼かれてしまいます。」
「瘴気病の精霊薬は無いと?」
「万能回復薬を与えると、病状は進行加速して悪化しまいます。瘴気病が発生したら、妖精も近寄れません。」
「瘴気病の発生確率は?」
「毎年どこかで発病しますが、一国単位では、五年周期で発病者が必ずでます。」
「では、かなりの貯蓄が必要ね。」
「人種や獣人に、魔族の分もですか?」
「この惑星住人、すべての分をです。でないと、惑星住人全員が絶滅します。」
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