9 / 212
転生
9 付与された神剣
しおりを挟む
コンピューター室では、鎮守様はキーボードを操作している様子がないのに、周りのスクリーンではせわしない数列の変換やら図面の配置図が変化し続けていた。
鹿島は鎮守様の後ろ姿から、胸をはだけているように感じて、花園での裸体を思い出すと、胸の高鳴りがしてきた。
「何を考えているの!」
サニーの握りしめた拳が、鹿島の後頭部へ飛んできた。
「何で?」
「タローと私は、つながっているのです。」
「何の為に?」
「タローの意識が、私の行動指数になるから。」
「共通意識を持ったと?」
「互いに、共通意識を持ち合っています。」
「互いに共通意識を持ち合ったのは、旦那様と呼ばれた時の前後、、、どのあたりから?」
「記憶にございません。」
と言われたが、鹿島の頭には何故かチョコレートをサニーの喉に流し込んだ情景が浮かんだ。
「チョコレートをサニーの喉に流し込んだ時点で、契約成立だったのか?」
サニーは顔を赤面しているだけで、返事はなかった。
サニーの代わりに鎮守様が振り向いて、
「サニーちゃん。少し魔力が増えた様子ですが、精霊見習い妖精は、食事をすると、魔力が増えるの?」
「おいしいと感じると、魔力と体積が増えます。最上級精霊様みたいな体系になりたいです。」
「調理機から生産できる量は、タローちゃん一人では消化できないから、サニーちゃんもいっぱい消化しなさい。」
「私の仲間を招待していいとの許可は、タローから頂いています。」
「タローちゃん、調理機の燃料が無くなる様なら、頑張って材料を補充しなさい。」
「頑張ります!そして、絶対に最上級精霊様みたいな体系になります。」
と、鹿島の代わりになぜかサニーが力を込めて返事した。
「最上級精霊様との呼び名は、サニーちゃんには呼んでほしくないな~。」
「なんとお呼びすれば?」
「う、、、。タローちゃんと同じように、鎮守かな~。」
「はい!はい!はい!はい!鎮守様。ありがとうございます。」
「此れからは、私たちは家族よ。」
「重ね重ね、有り難うございます!」
「では、私のそばに座って、コンピューターの操作と、機能を教えます。タローちゃん、剱の強化は済まして置いたので、剣の舞をしていてください。」
鎮守様は、と言って胸からコードを引き抜き、胸をはだけた状態で鹿島に抱き着いた。
「身体強化。」
鎮守様と鹿島を金色の靄が包み込むと、鹿島は一瞬痙攣したが、直ぐに大きく目を開いた。
金色の靄が消えると、
「体が、、、飛べるように、思えるぐらい軽い。」
「剣の舞をしてらっしゃい。」
鹿島は神剣を受け取って発着場に着くと、既に爆撃機の色は白一色になっていた。
上段から振り下ろす剣先は素振りを繰り返すごとに、振り下ろす速度は段々と速くなっていくことに、鹿島は気づきだした。
駆け出してジャンプすると同時に、上段から兜割りを想像しながら何度か繰り返すごとに、ジャンプ力距離も延びていく。
鹿島は、小学生時代から高校までの所属クラブ活動において、剣道部に所属していて、初段の目録をもらっていた。
大学に進学して初段の目録程度では、流石に運動部系ではないと悟り、剣道同好会では時たま顔を出す名目所属者であった。
鹿島は素振りと剣舞を繰り返していると、鉄くずの山が目に入り、飛び出た三センチぐらいの鉄線に目が移った。
「切れるかも?」
と、心が呼び掛けた。
鹿島は心を落ち着かせる様に、飛び出た三センチぐらいの鉄線に向かって正眼に構えた。
「勝負!」
と言って、正眼から斜め上段へ剣先を変化させて、鉄線に切り込んだ。
鉄同種を叩き合わせた金属音と共に、神剣は三センチぐらいの鉄線を切断した。
鹿島は神剣の鋼の部分を光に当てて、刃こぼれがないかを確認した。
「刃こぼれ一つない。」
刃こぼれしなかったことで、再び鉄くずの山へと目が移り、五センチぐらいの垂直に立っている鉄鋼をにらんだ。
正眼に構えはしたが、胸の鼓動は鹿島の耳にまで伝わってきた。
「切れます。」
と、鹿島は、神剣からの呼びかけを五感で受けたと思った。
「きえ~ぃ。」
鹿島は不安を吹き飛ばそうと、気合を入れて叫んだ。
鹿島の気合声に消されたのか、鉄同種を叩き合わせた金属音は鹿島には聞こえなかった。
五センチぐらいの鉄鋼は神剣を通り抜けさせても、そのまま立ち尽くしている。
鹿島は不思議に感じて剣先で鉄鋼を押すと、立ち尽くしている鉄鋼はずれる様に鉄屑に落ちていって、鉄同士を叩き合わせた金属音を響かせた。
再び鹿島は鋼の部分を光に当てて、刃こぼれがないかを確認した。
「刃こぼれしている。」
と後悔しながら、鋼の部分が欠けたことを示す反射光を見て取った。
鋼の部分から発せられている反射光を見つめていると、反射光を隠すように神剣は黄金色に輝いた。
黄金色の輝きがやむと、鋼の部分から発せられていた反射光もなくなっていた。
「研ぎ直した?それとも、、、?」
神剣が自力で回復したなどと思いたくない鹿島は、心を落ち着かせようと静かに剣を鞘に納めた。
腰に差した神剣からの物足りなさの感情は、心を落ち着かせようと深呼吸している鹿島の心音に乗せて、胸を不満げに叩いた。
コンピューター室でのサニーは、真剣な顔をしてキーボードを操作していた。
「お帰り、タローちゃん。剱の性能はどうでしたか?」
と言って、鎮守様は胸をはだけたまま振り向いた。
鹿島は鎮守様の胸ピンク色乳首にどきりとしたが、片方の乳房が剝がれ多様に開いているのに気が付いた。
開かれた乳房部跡からコードが伸びていることで、身体はC-001号であったことを思い出して冷静さを取り戻した。
「機械だった。」
と口の中で反復しながら、胸に写っていた画像をただの二次元だと考え直した。
しかし、サニーのキーボードをたたく音を、乱暴だなとも感じていた。
「タローちゃんは、いい伴侶を見つけましたね。サニーの物覚えの良さと、判断力はすごいのよ。」
と、鎮守様は菩薩かヴェーナスかと思える笑顔を鹿島に感じさせたが、機械だったとの思いも込み上げてきた。
鹿島は「剱の性能」との問いかけを思い出して、
「鉄柱さえも切り裂いて刃こぼれしたが、何故か刃こぼれがなくなった。」
「強化付与と、自力補修が働いたようね。魔力ってすごい。」
と、付与したことよりも、魔法力に感心しだした。
「他にどの様な付与があります?」
「剱は、タローちゃんが許可した人以外は、持ち上げきれないとか、、、。魔法との比喩と言うか、魔法を触媒させることが出来るてこと、、、です。」
「化学は理解不能。」
「要するに、「剱の性能」を借りて、魔法力がより強力になるて、ことよ。」
「理解しました。」
「お互い、明日から、頑張りましょうね。」
「俺、寝る。」
「おやすみ~」
と二人は鹿島に向き直してハーモニーした。
鹿島は鎮守様の後ろ姿から、胸をはだけているように感じて、花園での裸体を思い出すと、胸の高鳴りがしてきた。
「何を考えているの!」
サニーの握りしめた拳が、鹿島の後頭部へ飛んできた。
「何で?」
「タローと私は、つながっているのです。」
「何の為に?」
「タローの意識が、私の行動指数になるから。」
「共通意識を持ったと?」
「互いに、共通意識を持ち合っています。」
「互いに共通意識を持ち合ったのは、旦那様と呼ばれた時の前後、、、どのあたりから?」
「記憶にございません。」
と言われたが、鹿島の頭には何故かチョコレートをサニーの喉に流し込んだ情景が浮かんだ。
「チョコレートをサニーの喉に流し込んだ時点で、契約成立だったのか?」
サニーは顔を赤面しているだけで、返事はなかった。
サニーの代わりに鎮守様が振り向いて、
「サニーちゃん。少し魔力が増えた様子ですが、精霊見習い妖精は、食事をすると、魔力が増えるの?」
「おいしいと感じると、魔力と体積が増えます。最上級精霊様みたいな体系になりたいです。」
「調理機から生産できる量は、タローちゃん一人では消化できないから、サニーちゃんもいっぱい消化しなさい。」
「私の仲間を招待していいとの許可は、タローから頂いています。」
「タローちゃん、調理機の燃料が無くなる様なら、頑張って材料を補充しなさい。」
「頑張ります!そして、絶対に最上級精霊様みたいな体系になります。」
と、鹿島の代わりになぜかサニーが力を込めて返事した。
「最上級精霊様との呼び名は、サニーちゃんには呼んでほしくないな~。」
「なんとお呼びすれば?」
「う、、、。タローちゃんと同じように、鎮守かな~。」
「はい!はい!はい!はい!鎮守様。ありがとうございます。」
「此れからは、私たちは家族よ。」
「重ね重ね、有り難うございます!」
「では、私のそばに座って、コンピューターの操作と、機能を教えます。タローちゃん、剱の強化は済まして置いたので、剣の舞をしていてください。」
鎮守様は、と言って胸からコードを引き抜き、胸をはだけた状態で鹿島に抱き着いた。
「身体強化。」
鎮守様と鹿島を金色の靄が包み込むと、鹿島は一瞬痙攣したが、直ぐに大きく目を開いた。
金色の靄が消えると、
「体が、、、飛べるように、思えるぐらい軽い。」
「剣の舞をしてらっしゃい。」
鹿島は神剣を受け取って発着場に着くと、既に爆撃機の色は白一色になっていた。
上段から振り下ろす剣先は素振りを繰り返すごとに、振り下ろす速度は段々と速くなっていくことに、鹿島は気づきだした。
駆け出してジャンプすると同時に、上段から兜割りを想像しながら何度か繰り返すごとに、ジャンプ力距離も延びていく。
鹿島は、小学生時代から高校までの所属クラブ活動において、剣道部に所属していて、初段の目録をもらっていた。
大学に進学して初段の目録程度では、流石に運動部系ではないと悟り、剣道同好会では時たま顔を出す名目所属者であった。
鹿島は素振りと剣舞を繰り返していると、鉄くずの山が目に入り、飛び出た三センチぐらいの鉄線に目が移った。
「切れるかも?」
と、心が呼び掛けた。
鹿島は心を落ち着かせる様に、飛び出た三センチぐらいの鉄線に向かって正眼に構えた。
「勝負!」
と言って、正眼から斜め上段へ剣先を変化させて、鉄線に切り込んだ。
鉄同種を叩き合わせた金属音と共に、神剣は三センチぐらいの鉄線を切断した。
鹿島は神剣の鋼の部分を光に当てて、刃こぼれがないかを確認した。
「刃こぼれ一つない。」
刃こぼれしなかったことで、再び鉄くずの山へと目が移り、五センチぐらいの垂直に立っている鉄鋼をにらんだ。
正眼に構えはしたが、胸の鼓動は鹿島の耳にまで伝わってきた。
「切れます。」
と、鹿島は、神剣からの呼びかけを五感で受けたと思った。
「きえ~ぃ。」
鹿島は不安を吹き飛ばそうと、気合を入れて叫んだ。
鹿島の気合声に消されたのか、鉄同種を叩き合わせた金属音は鹿島には聞こえなかった。
五センチぐらいの鉄鋼は神剣を通り抜けさせても、そのまま立ち尽くしている。
鹿島は不思議に感じて剣先で鉄鋼を押すと、立ち尽くしている鉄鋼はずれる様に鉄屑に落ちていって、鉄同士を叩き合わせた金属音を響かせた。
再び鹿島は鋼の部分を光に当てて、刃こぼれがないかを確認した。
「刃こぼれしている。」
と後悔しながら、鋼の部分が欠けたことを示す反射光を見て取った。
鋼の部分から発せられている反射光を見つめていると、反射光を隠すように神剣は黄金色に輝いた。
黄金色の輝きがやむと、鋼の部分から発せられていた反射光もなくなっていた。
「研ぎ直した?それとも、、、?」
神剣が自力で回復したなどと思いたくない鹿島は、心を落ち着かせようと静かに剣を鞘に納めた。
腰に差した神剣からの物足りなさの感情は、心を落ち着かせようと深呼吸している鹿島の心音に乗せて、胸を不満げに叩いた。
コンピューター室でのサニーは、真剣な顔をしてキーボードを操作していた。
「お帰り、タローちゃん。剱の性能はどうでしたか?」
と言って、鎮守様は胸をはだけたまま振り向いた。
鹿島は鎮守様の胸ピンク色乳首にどきりとしたが、片方の乳房が剝がれ多様に開いているのに気が付いた。
開かれた乳房部跡からコードが伸びていることで、身体はC-001号であったことを思い出して冷静さを取り戻した。
「機械だった。」
と口の中で反復しながら、胸に写っていた画像をただの二次元だと考え直した。
しかし、サニーのキーボードをたたく音を、乱暴だなとも感じていた。
「タローちゃんは、いい伴侶を見つけましたね。サニーの物覚えの良さと、判断力はすごいのよ。」
と、鎮守様は菩薩かヴェーナスかと思える笑顔を鹿島に感じさせたが、機械だったとの思いも込み上げてきた。
鹿島は「剱の性能」との問いかけを思い出して、
「鉄柱さえも切り裂いて刃こぼれしたが、何故か刃こぼれがなくなった。」
「強化付与と、自力補修が働いたようね。魔力ってすごい。」
と、付与したことよりも、魔法力に感心しだした。
「他にどの様な付与があります?」
「剱は、タローちゃんが許可した人以外は、持ち上げきれないとか、、、。魔法との比喩と言うか、魔法を触媒させることが出来るてこと、、、です。」
「化学は理解不能。」
「要するに、「剱の性能」を借りて、魔法力がより強力になるて、ことよ。」
「理解しました。」
「お互い、明日から、頑張りましょうね。」
「俺、寝る。」
「おやすみ~」
と二人は鹿島に向き直してハーモニーした。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる