【何カ所か18禁】鎮守様と異世界に

かんじがしろ

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9 付与された神剣

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 コンピューター室では、鎮守様はキーボードを操作している様子がないのに、周りのスクリーンではせわしない数列の変換やら図面の配置図が変化し続けていた。

 鹿島は鎮守様の後ろ姿から、胸をはだけているように感じて、花園での裸体を思い出すと、胸の高鳴りがしてきた。

「何を考えているの!」
サニーの握りしめた拳が、鹿島の後頭部へ飛んできた。
「何で?」
「タローと私は、つながっているのです。」
「何の為に?」
「タローの意識が、私の行動指数になるから。」
「共通意識を持ったと?」
「互いに、共通意識を持ち合っています。」
「互いに共通意識を持ち合ったのは、旦那様と呼ばれた時の前後、、、どのあたりから?」
「記憶にございません。」
と言われたが、鹿島の頭には何故かチョコレートをサニーの喉に流し込んだ情景が浮かんだ。
「チョコレートをサニーの喉に流し込んだ時点で、契約成立だったのか?」
サニーは顔を赤面しているだけで、返事はなかった。

 サニーの代わりに鎮守様が振り向いて、
「サニーちゃん。少し魔力が増えた様子ですが、精霊見習い妖精は、食事をすると、魔力が増えるの?」
「おいしいと感じると、魔力と体積が増えます。最上級精霊様みたいな体系になりたいです。」
「調理機から生産できる量は、タローちゃん一人では消化できないから、サニーちゃんもいっぱい消化しなさい。」
「私の仲間を招待していいとの許可は、タローから頂いています。」
「タローちゃん、調理機の燃料が無くなる様なら、頑張って材料を補充しなさい。」
「頑張ります!そして、絶対に最上級精霊様みたいな体系になります。」
と、鹿島の代わりになぜかサニーが力を込めて返事した。
「最上級精霊様との呼び名は、サニーちゃんには呼んでほしくないな~。」
「なんとお呼びすれば?」
「う、、、。タローちゃんと同じように、鎮守かな~。」
「はい!はい!はい!はい!鎮守様。ありがとうございます。」
「此れからは、私たちは家族よ。」
「重ね重ね、有り難うございます!」
「では、私のそばに座って、コンピューターの操作と、機能を教えます。タローちゃん、剱の強化は済まして置いたので、剣の舞をしていてください。」
鎮守様は、と言って胸からコードを引き抜き、胸をはだけた状態で鹿島に抱き着いた。

「身体強化。」
鎮守様と鹿島を金色の靄が包み込むと、鹿島は一瞬痙攣したが、直ぐに大きく目を開いた。

 金色の靄が消えると、
「体が、、、飛べるように、思えるぐらい軽い。」
「剣の舞をしてらっしゃい。」

 鹿島は神剣を受け取って発着場に着くと、既に爆撃機の色は白一色になっていた。

 上段から振り下ろす剣先は素振りを繰り返すごとに、振り下ろす速度は段々と速くなっていくことに、鹿島は気づきだした。

 駆け出してジャンプすると同時に、上段から兜割りを想像しながら何度か繰り返すごとに、ジャンプ力距離も延びていく。

 鹿島は、小学生時代から高校までの所属クラブ活動において、剣道部に所属していて、初段の目録をもらっていた。
大学に進学して初段の目録程度では、流石に運動部系ではないと悟り、剣道同好会では時たま顔を出す名目所属者であった。

 鹿島は素振りと剣舞を繰り返していると、鉄くずの山が目に入り、飛び出た三センチぐらいの鉄線に目が移った。
「切れるかも?」
と、心が呼び掛けた。

 鹿島は心を落ち着かせる様に、飛び出た三センチぐらいの鉄線に向かって正眼に構えた。
「勝負!」
と言って、正眼から斜め上段へ剣先を変化させて、鉄線に切り込んだ。

 鉄同種を叩き合わせた金属音と共に、神剣は三センチぐらいの鉄線を切断した。

 鹿島は神剣の鋼の部分を光に当てて、刃こぼれがないかを確認した。
「刃こぼれ一つない。」

 刃こぼれしなかったことで、再び鉄くずの山へと目が移り、五センチぐらいの垂直に立っている鉄鋼をにらんだ。

 正眼に構えはしたが、胸の鼓動は鹿島の耳にまで伝わってきた。
「切れます。」
と、鹿島は、神剣からの呼びかけを五感で受けたと思った。

「きえ~ぃ。」
鹿島は不安を吹き飛ばそうと、気合を入れて叫んだ。

 鹿島の気合声に消されたのか、鉄同種を叩き合わせた金属音は鹿島には聞こえなかった。
五センチぐらいの鉄鋼は神剣を通り抜けさせても、そのまま立ち尽くしている。

 鹿島は不思議に感じて剣先で鉄鋼を押すと、立ち尽くしている鉄鋼はずれる様に鉄屑に落ちていって、鉄同士を叩き合わせた金属音を響かせた。

 再び鹿島は鋼の部分を光に当てて、刃こぼれがないかを確認した。
「刃こぼれしている。」
と後悔しながら、鋼の部分が欠けたことを示す反射光を見て取った。

 鋼の部分から発せられている反射光を見つめていると、反射光を隠すように神剣は黄金色に輝いた。

黄金色の輝きがやむと、鋼の部分から発せられていた反射光もなくなっていた。
「研ぎ直した?それとも、、、?」
 神剣が自力で回復したなどと思いたくない鹿島は、心を落ち着かせようと静かに剣を鞘に納めた。

 腰に差した神剣からの物足りなさの感情は、心を落ち着かせようと深呼吸している鹿島の心音に乗せて、胸を不満げに叩いた。

 コンピューター室でのサニーは、真剣な顔をしてキーボードを操作していた。
「お帰り、タローちゃん。剱の性能はどうでしたか?」
と言って、鎮守様は胸をはだけたまま振り向いた。

 鹿島は鎮守様の胸ピンク色乳首にどきりとしたが、片方の乳房が剝がれ多様に開いているのに気が付いた。
開かれた乳房部跡からコードが伸びていることで、身体はC-001号であったことを思い出して冷静さを取り戻した。
「機械だった。」
と口の中で反復しながら、胸に写っていた画像をただの二次元だと考え直した。

 しかし、サニーのキーボードをたたく音を、乱暴だなとも感じていた。

「タローちゃんは、いい伴侶を見つけましたね。サニーの物覚えの良さと、判断力はすごいのよ。」
と、鎮守様は菩薩かヴェーナスかと思える笑顔を鹿島に感じさせたが、機械だったとの思いも込み上げてきた。

 鹿島は「剱の性能」との問いかけを思い出して、
「鉄柱さえも切り裂いて刃こぼれしたが、何故か刃こぼれがなくなった。」
「強化付与と、自力補修が働いたようね。魔力ってすごい。」
と、付与したことよりも、魔法力に感心しだした。
「他にどの様な付与があります?」
「剱は、タローちゃんが許可した人以外は、持ち上げきれないとか、、、。魔法との比喩と言うか、魔法を触媒させることが出来るてこと、、、です。」
「化学は理解不能。」
「要するに、「剱の性能」を借りて、魔法力がより強力になるて、ことよ。」
「理解しました。」
「お互い、明日から、頑張りましょうね。」
「俺、寝る。」
「おやすみ~」
と二人は鹿島に向き直してハーモニーした。
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