【何カ所か18禁】鎮守様と異世界に

かんじがしろ

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転生

8 鎮守様の憑依

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 鹿島は消えた鎮守様を探す様に、微笑みながら見つめ合っているC-001号と二枚翅をはばいているサニーを順次確認し、倒れている精霊見習い妖精たちの目線先に再度目を向けた。
倒れている精霊見習い妖精たちの啞然とした目線先は何故かC-001号であったので、消えた鎮守様を探す様に色とりどりの花園を見渡した。

「タローちゃん。無視しないで!私は誰?」
C-001号は両頬に指を当て上半身を横揺らししていた。

 鹿島は鎮守様がC-001号に「憑依したのかも、、、、。」との思いと、有り得ないとの心の動揺を抑えながら、
「C-001号が、、、誰って。、、、、ですか?」
「キチンと呼びなさい!」

 鹿島は自分の想像を確かめるように、ホバーリング中のサニーの目を見た。
「最上級精霊様は、身体を手に入れられました。」
サニーは我が事の様に喜んでいた。
「魔力の力ってすごい。でしょう、タローちゃん。」
C-001号の顔と体で鎮守様の話し方の声がした。
「で、俺の相棒、、、、C-001号は?」
「私でしょう。そして、タローちゃんの加護をも出来る。最高でしょう。」
「鎮守様を相棒だなんて、呼べません。」
「呼び方は、鎮守様でいいわよ。」
「はい。鎮守様。処で、身体も人間になったのでしょうか?」
「ううん、表皮身体は元のままですが、コンピューター回路は支配したわ。」
「故障した場合は?」
「サーシャ博士はすごい人だったようね。自力で修理できるようにプログラムしているわ。」
「永遠に、、、存在、出来ると?」
「わが身自身は八咫鏡(やたのかがみ)が存在する限り永遠ですが、憑依体は自力修理続ける限り、そうです。サーシャ博士の苗字は、田中だったかしら?」
「サーシャ.タナカです。」
「対馬村には、田中の苗字が、多かった記憶があるのですが。」
「かなりの数でした。」
「サーシャ.タナカは、対馬村の住人の子孫だったかも。」
「推測される原因があると?」
「私は会ったことはないが、C-001号のプログラムは、今の状態を予期していたように感じただけです。」
「俺を転移させた何かが、サーシャ.タナカにも働きかけたと?」
「私を像罫させた、大いなる力の持ち主。」
「二人で感動してないで、私にも説明して。」
と、サニーは二人の会話に割って入った。
「タローちゃんが、転生した時の話です。」
「転生?理解不能。」
「今は、俺らも理解不能状態なので、その内理由がわかったら、理解できるように話します。」
「明日には、みんな回復するだろうから、タローも精霊魔法の練習です。」
「そうね。場所の地形がわかったから、母艦に帰って、母艦が着陸できるように、準備をしてからまた来ましょう。」
「では、タロー。肩に乗るね。」
と言って、サニーは鹿島の肩に乗ってきた。
「常に共に行動して、互いに協力し合って、助け合う。約束でしょう。」
「です。」
と返事しながら、サニーの言葉になぜ抵抗で来ないのだろうと思った。
サニーの言葉に順応してしまう自分を不思議に思いながらも、何故か嬉しさが胸に広がっていくのを感じつつ、これが新婚ほやほやの気持ちだろうと思えた。

 鹿島と鎮守様が憑依したC-001号が爆撃機に向かうと、サニーは倒れ込んでいる精霊見習い妖精たちに手を振りながら、
「明日またね。気をつけて帰りなさい。明日は、お土産を持ってきます。」
と言って、満面の笑顔で鹿島のほほにキスをした。
「可愛いお嫁さん、タローちゃんのことをよろしくね!」
「最上級精霊様。よろしくお願いします。私も最高の伴侶様を手に入れて、最高です。」
「タローちゃん。サニーちゃんは、容姿端麗だけでなく、頭脳明晰な精霊見習い妖精です。可愛がりなさい。」
「言葉が通じ合えて安心しました。」
「違う!」
鎮守様とサニーは、お互いに言葉を合わせ合ったかのように、ハーモニーした。
「タローちゃん。
サニーちゃんや精霊見習い妖精たちは、タローちゃんの頭の中に浮かぶ情景言葉を瞬時に理解して、話しているのです。ですから、この惑星では、タローちゃんは、この惑星の言葉を、覚えなければならないのです。」
「私が教えるから、早く覚えてね。タロー。」
と言って、サニーは満面愛情たっぷりの表情で再度鹿島のほほにキスをした。

 鎮守様の行動パターンとサニー妖精のしぐさは、鹿島の幼いころ、近所の少女たちとのままごと遊びの延長に感じた。

 鎮守様は爆撃機の胴体からすり抜ける事無く、タラップが下りてくるまで待っていて、普通にタラップを登っていった。

 爆撃機が母艦に着くと、
「タローちゃん。サニーちゃんを食堂ホールに案内して、甘いお菓子やケーキをご馳走してあげて。私も一緒に行きたいのですが、C-001号の仕事を、しなければならないの。」

 鹿島は今までだと、常に一緒に行動しがちの鎮守様が、初めて別行動を申し出たことに戸惑いながらも、サニーを肩に乗せて食堂ホールに向かった。

「わお~。びっくりしたよ。」
と言って、グロテスクな顔をした調理機に驚いたのか、サニーは鹿島の頭にしがみついた。

「驚かせてごめん。次の時には、隠すように工事させておく。」
「何の為に、あんなものを置いてあるの?」
「あれは自動調理器具なのだが、この空母艦は、戦闘で艦が半分以下になってしまい、以前は、グロテスクな顔は壁に隠されていたのだが、修理ロボットが手を抜いたがために、隠していた壁がなくなった結果です。」
「見せるためではなくて、必要なことなのでしたら、気にしません。」
「あそこから、食べ物が出てきても、平気ですか?」
「ちょっとそれは、、、グロすぎでしょう。」
「サニーの住んでいる惑星を、眺めながら、待っていてください。後ろを向いてはだめだぞ。」

 鹿島はメニューに載っている十二種類のケーキと、焼き菓子にクッキーやチョコレート菓子を、次々とグロテスクな顔の調理機にオーダーした。

「全部を全て食べるのではなく、一口ずつ味を楽しみながら、明日のお土産を決めて下さい。」

 サニーの食欲は旺盛で、背丈三十センチの体のどこに、入ったのかと思えるほどであった。

 コップに差し込んだストローを使い、用意した十種のジュースさえもが、ほとんど飲み込んでしまった。
「大丈夫ですか?ただの味見だから、無理をしないようにしてください。」
「私たちの食事は、蜜と果物だけだったから、すべてがおいしいので、全種類持っていきたい。」
「蜜と果物だけで生きていけるんだ?」
「蜜がなくなると、力が抜けて消えちゃうよ。何度も消えちゃうと、生みの母老樹が枯れてしまい、私達は復活できなくなるよ。果物は一時しのぎの補助食品だよ。」
「ここの料理だけでもダメなんだ?」
「駄目じゃないよ。蜜以上にすごく力が湧いてくるよ。」
「爆撃機に積めるだけならば、可能です。後で母艦が着陸したならば、みんなを招待してくださってもいいです。」
「約束だよ。」
「約束します。」
「ではもう満足したから、最上級精霊様のそばに行きましょう。」
と言って、再び鹿島の肩に勢い良く乗って来た。
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