上 下
12 / 47

鈴の音。

しおりを挟む


 お父様とマーガレットさんがくれた資金と自分がコツコツ貯めた資金で小さな家なら買えそうだ。もちろん郊外になるが。

 どうしようか?一度カレンにも相談してみるか。何処か心当たりがあるかも知れない。

 次の日学校へ行くと早速カレンに相談してみた。カレンにはひと通りの事情は説明してありコーネリアの良き理解者でもあった。

「実はロックお兄様に暴力をふるわれて。」と話した。「コーネリアこの話は大切だから後でゆっくりと聞く。放課後にでも聞くわ。」とコーネリアの手を握りながら真剣に提案してくれた。

「うん、わかった。カレン後から聞いてね。」と頷きその日は余計な雑念を振り払うかの様に授業に集中した。





「オーナー、ケーキセット2つとフロウ。」とカフェ「シフォン」にカレンの声がする。
店内に客はおらずオーナーものんびりとしている。

「ケーキセットのケーキはいつもので良いですよね?あとフロウは個室のどれかの椅子の上ですよ~。」とオーナーが話している。

 2人とも顔を見て頷くとフロウの居る個室を探し話に入った。

 フロウは今はカレンの膝の上だ。ゴロゴロ喉を鳴らして喜んでいる。この面食いめ。真っ直ぐにカレンの膝の上に飛び乗って!

「実は私あの屋敷を出ようと思っている。」とカレンに話した。

「原因はロックお兄様の暴力。あと自分の味方がいない事。」と呟く様にボソボソと話した。その間カレンはふんふんと頷きながら話を聞いてくれている。

「今のところは実害が出てないから良いものの何かあった後では困るから。」と付け加えて置いた。

「そりゃそうだね。。。ねぇ、コーネリア。良かったら私の所へ来ない?実は離れが空いてるんだ。そこにはもともと猫を飼っててね。近くには鶏小屋なんかもあったりする訳。だから
もうアトリエとして住みなよ。私が親に掛け合ってあげる。」と何とも言えないほどの好条件を言ってきた。

「そうなったら有難いけど。そう上手く行くかしら?」

「でも郊外の一軒家で貴女1人で暮らすのは危険過ぎるわ。私はとてもじゃ無いけど心配で夜も眠れなくなる。」

「分かったわカレン。では一度ご両親に話してみて。宜しくお願いします。」


 この話はここで終わった為、これからの仕事の事やもうすぐ始まる試験の話などで時間が過ぎてった。



 結局、お金が欲しいので第1王子の依頼を受ける事にした。ただ、この人物自体の資料が余りにも乏しいので、自分のモットーで有るリアリティには欠ける可能性が高くなる。なので代金は低く抑えようと考えていた。

 そしてこれを納品したら暫く試験勉強に入る旨を伝えようと思う。




「ねぇ、コーネリア聞いた?」と目の前のアウラ叔母様が夕食を食べながら話し始めた。
今日は少しだけアルコールが入っている。実は
何でもギャラの高い仕事が取れたお祝いなんだそうだ。


「この国に王子様って2人居るじゃない?貴女と同じ学校へ通っているのはシュナイダー王子でしょ?もう1人のアーロン王子って病気何だってさ。いよいよ危ないらしいよ?」

 へっ、何だって!!確かにあの時の顔色は異常に悪かった。でもそんな馬鹿な。。。

「へぇ、そうなんですか?私は王子様は1人だと思っていました。もう1人いらしたのですね。」と相槌を打った。

 なんか変。何かが引っかかる。喉に魚の小骨が刺さったかの様だ。それに妙に胸騒ぎがする。

 夕食を終え、アウラ叔母様に「しばらく勉強するから声をかけないで。」と一声かけ借りている客間へ移動した。

 客間の窓を少し開けると黒猫へ変身した。

 スタッと地面に着地すると大急ぎで王宮へ向かった。既に辺りは暗いので王宮への侵入は訳なかった。

 第1王子の部屋は確かこの辺り。。。

と廊下の隅を注意深くゆっくりと歩いていたら何故かコーネリアの頭の中に聞いた事のある音が聞こえてきた。

ーーーーチリーン、チリーン。


えっ、この鈴の音何処かで聞いた事がある。
私知ってる。。。

 その時に聞こえた来た話し声はとても恐ろしい内容の言葉の数々だった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました

あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。 どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。

外では氷の騎士なんて呼ばれてる旦那様に今日も溺愛されてます

刻芦葉
恋愛
王国に仕える近衛騎士ユリウスは一切笑顔を見せないことから氷の騎士と呼ばれていた。ただそんな氷の騎士様だけど私の前だけは優しい笑顔を見せてくれる。今日も私は不器用だけど格好いい旦那様に溺愛されています。

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

大好きだけど、結婚はできません!〜強面彼氏に強引に溺愛されて、困っています〜

楠結衣
恋愛
冷たい川に落ちてしまったリス獣人のミーナは、薄れゆく意識の中、水中を飛ぶような速さで泳いできた一人の青年に助け出される。 ミーナを助けてくれた鍛冶屋のリュークは、鋭く睨むワイルドな人で。思わず身をすくませたけど、見た目と違って優しいリュークに次第に心惹かれていく。 さらに結婚を前提の告白をされてしまうのだけど、リュークの夢は故郷で鍛冶屋をひらくことだと告げられて。 (リュークのことは好きだけど、彼が住むのは北にある氷の国。寒すぎると冬眠してしまう私には無理!) と断ったのに、なぜか諦めないリュークと期限付きでお試しの恋人に?! 「泊まっていい?」 「今日、泊まってけ」 「俺の故郷で結婚してほしい!」 あまく溺愛してくるリュークに、ミーナの好きの気持ちは加速していく。 やっぱり、氷の国に一緒に行きたい!寒さに慣れると決意したミーナはある行動に出る……。 ミーナの一途な想いの行方は?二人の恋の結末は?! 健気でかわいいリス獣人と、見た目が怖いのに甘々なペンギン獣人の恋物語。 一途で溺愛なハッピーエンドストーリーです。 *小説家になろう様でも掲載しています

モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~

咲桜りおな
恋愛
 前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。 ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。 いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!  そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。 結構、ところどころでイチャラブしております。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆  前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。 この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。  番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。 「小説家になろう」でも公開しています。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

処理中です...