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鈴の音。
しおりを挟むお父様とマーガレットさんがくれた資金と自分がコツコツ貯めた資金で小さな家なら買えそうだ。もちろん郊外になるが。
どうしようか?一度カレンにも相談してみるか。何処か心当たりがあるかも知れない。
次の日学校へ行くと早速カレンに相談してみた。カレンにはひと通りの事情は説明してありコーネリアの良き理解者でもあった。
「実はロックお兄様に暴力をふるわれて。」と話した。「コーネリアこの話は大切だから後でゆっくりと聞く。放課後にでも聞くわ。」とコーネリアの手を握りながら真剣に提案してくれた。
「うん、わかった。カレン後から聞いてね。」と頷きその日は余計な雑念を振り払うかの様に授業に集中した。
「オーナー、ケーキセット2つとフロウ。」とカフェ「シフォン」にカレンの声がする。
店内に客はおらずオーナーものんびりとしている。
「ケーキセットのケーキはいつもので良いですよね?あとフロウは個室のどれかの椅子の上ですよ~。」とオーナーが話している。
2人とも顔を見て頷くとフロウの居る個室を探し話に入った。
フロウは今はカレンの膝の上だ。ゴロゴロ喉を鳴らして喜んでいる。この面食いめ。真っ直ぐにカレンの膝の上に飛び乗って!
「実は私あの屋敷を出ようと思っている。」とカレンに話した。
「原因はロックお兄様の暴力。あと自分の味方がいない事。」と呟く様にボソボソと話した。その間カレンはふんふんと頷きながら話を聞いてくれている。
「今のところは実害が出てないから良いものの何かあった後では困るから。」と付け加えて置いた。
「そりゃそうだね。。。ねぇ、コーネリア。良かったら私の所へ来ない?実は離れが空いてるんだ。そこにはもともと猫を飼っててね。近くには鶏小屋なんかもあったりする訳。だから
もうアトリエとして住みなよ。私が親に掛け合ってあげる。」と何とも言えないほどの好条件を言ってきた。
「そうなったら有難いけど。そう上手く行くかしら?」
「でも郊外の一軒家で貴女1人で暮らすのは危険過ぎるわ。私はとてもじゃ無いけど心配で夜も眠れなくなる。」
「分かったわカレン。では一度ご両親に話してみて。宜しくお願いします。」
この話はここで終わった為、これからの仕事の事やもうすぐ始まる試験の話などで時間が過ぎてった。
結局、お金が欲しいので第1王子の依頼を受ける事にした。ただ、この人物自体の資料が余りにも乏しいので、自分のモットーで有るリアリティには欠ける可能性が高くなる。なので代金は低く抑えようと考えていた。
そしてこれを納品したら暫く試験勉強に入る旨を伝えようと思う。
「ねぇ、コーネリア聞いた?」と目の前のアウラ叔母様が夕食を食べながら話し始めた。
今日は少しだけアルコールが入っている。実は
何でもギャラの高い仕事が取れたお祝いなんだそうだ。
「この国に王子様って2人居るじゃない?貴女と同じ学校へ通っているのはシュナイダー王子でしょ?もう1人のアーロン王子って病気何だってさ。いよいよ危ないらしいよ?」
へっ、何だって!!確かにあの時の顔色は異常に悪かった。でもそんな馬鹿な。。。
「へぇ、そうなんですか?私は王子様は1人だと思っていました。もう1人いらしたのですね。」と相槌を打った。
なんか変。何かが引っかかる。喉に魚の小骨が刺さったかの様だ。それに妙に胸騒ぎがする。
夕食を終え、アウラ叔母様に「しばらく勉強するから声をかけないで。」と一声かけ借りている客間へ移動した。
客間の窓を少し開けると黒猫へ変身した。
スタッと地面に着地すると大急ぎで王宮へ向かった。既に辺りは暗いので王宮への侵入は訳なかった。
第1王子の部屋は確かこの辺り。。。
と廊下の隅を注意深くゆっくりと歩いていたら何故かコーネリアの頭の中に聞いた事のある音が聞こえてきた。
ーーーーチリーン、チリーン。
えっ、この鈴の音何処かで聞いた事がある。
私知ってる。。。
その時に聞こえた来た話し声はとても恐ろしい内容の言葉の数々だった。
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