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51、青天の霹靂

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「うぅーん。」体を起こしぐぅーと伸びをした。

久しぶりに自分のベッドで目が覚めた。いつもよりぐっすりと眠れた気がする。

昨日は実家へ帰った途端、私の顔を見るとお父様の雷が落ちた。
お母様は私を見るなり卒倒した。

まぁ、無理もない。頬に大きなガーゼを貼り付けた娘が帰って来たんだから。

「2度と騎士団に帰さないからな!!」
とお父様がご立腹だ。そうだろうな。うん。
ロビンはひと回り体が大きくなっててびっくりした。そして身長が抜かれていた。

「お姉様、騎士団での活躍はここまで届いています。僕も早くお姉様の様な騎士になりたい。」と、熱っぽく語ってくれた。可愛いやつだ。

リビングに居てもぐちぐちと言われるので、夕食後は早々に自分の部屋へ入り、タチアナに貰った薬を塗ると早めに就寝した。

ベッドから出て着替え久しぶりに家で朝練しているとロビンがやって来た。

「お姉様、おはようございます。手ほどきをお願いしたいのですが。」と聞いて来た。
「いいよロビン。じゃあまず軽く打ち合ってみようか?」とお互いに向き合い軽く剣を当て始めた。

「ロビンどこかでやってる?」と聞くと週に2~3回街の道場で手習を受けてると言う。
  
「じゃあ一度やってみようか。ロビンの力も見てみたいしね。」と誘った。

「わかりました。姉様宜しくお願いします。」

本人の力を見たかったのでしばらく打たせて、キリの良い所でロビンの剣を薙ぎ払った。

「参りました。」と項垂れるロビン。

「ロビン、剣はまぁ今はそんな所だと思う。ただ下半身があまりにも貧弱。指示を受けている師匠がいらっしゃるのなら、ロビンの下半身を鍛えるメニューを組んでもらったら?」とアドバイスしておいた。

まぁ、当たり障りの無い所だとこんなものか?

それでもロビンは嬉しそうに「姉様、ありがとうございます。」と一礼をした。

「ロビンそろそろ朝食出来る頃かしら?一緒に行きましょう。」と剣を片付けて一緒に食堂へ入って行った。

ロビンと食堂に入ると既にお父様、お母様が揃っていた。

「おはようございます。お父様、お母様。」と挨拶すると、
「おはようアニエス。後で少し話がある。先に食事を済ませよう。かけなさい。」とお父様に言われた。えっ、何だろう?またお説教だろうか?

ロビンと目配せしてから席に着いた。


家族全員で朝食を済ませた時、お父様から衝撃の事実が伝えられた。

「実はアニエス、お前に縁談の申し込みが届いた。」

「・・・・・。」

「聞いてるのか?」

「あっ、はい。でも私は顔に傷がありますので無理なのでは?」って一体どんな物好きなの?

「相手さんはそれでも構わないと言って来ている。」

「えっ、そんな馬鹿な。そんな訳ある訳ないです!」

そんなの可笑しいでしょ。私の顔の傷はまだ一部の騎士団関係者しか知らないはず。

「アルフォンス・オーチャード公爵令息。その方が顔に傷があるお前でも構わないとおっしゃっている奇特な方の名だ。」

「・・・・・。」
「聞いてるのか!!」
「・・・・・。」
「返事ぐらいせんか!!」
「・・・・・。」

「お父様、お姉様が卒倒しています!!」
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