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39、カノンちゃん。

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「やぁやぁ、アニエス殿やはり戻ってきてくれたんですねー。」と派手に迎えに来たオスカー団長。やはり暇なのか?


ハグしようとする腕をくぐり抜け
「もう、のお怪我は良くなりましたか?」と優しく夜這い時の負傷の心配をしてあげた。

「・・・・やはり君は優しい人なんだね。」と笑いながら答えている。


隣で顔が引き攣っているタチアナ。

「タチアナ、1日でも早く慣れるんだ。俺は慣れた。」と兄らしく妹に諭すアルフォンス。

「そしてアルフォンス団長、今日はどう言ったご用件で?」
おいおい、もっと他に言うことないのか?

「我々はオーロラ王太子妃からの直接の指示で来ました。宜しくお願いします。」とタチアナが一礼をした。


何だかこの空気感が嫌だったので、話題を振った。

「オスカー団長、例の件はどうなってますか?」

「あぁ、今のところは本人の体調が落ち着いている。出国の準備もこちらで済ませてある。今日はこの近くのホテルで面会してから翌朝出発するといい。」

徒歩で行けるぐらい近くのホテルだった。そしてなかなか奮発して下さっている。

「オスカー団長、ご高配を賜りありがとうございます。」と伝えた。

「いやいや、我がアトランティス騎士団のライバルの申し出だからね。ちょっと頑張って奮発したよ。」と笑っていた。

「さぁ、ここだ。」とホテルの中へと案内してされた。

支配人らしき人物がすぐに近寄り、
「これはこれはオスカー様、お帰りなさいませ。ずっとホテルの産業医に付き添わせておりますが、体調の変化は無いと先ほど報告を受けております。」

「ああ、ありがとう。我々もこれから部屋のへ向かうとするよ。」と支配人に伝えた。

「さぁ、皆さん例の子供の所へご案内しよう。」とオスカー団長がホテルの部屋へと案内してくれた。

ある部屋の前2人の騎士が護衛に付いていた。
「オスカー団長ご苦労様です。」と声を揃えピシッと敬礼する2人。

「あぁ、ご苦労さん。」とそのまま部屋をノックする。

「はい。」と短く女性の声が聞こえガチャとドアノブを捻り部屋へと入室した。

「今日はカノンちゃんを治すお手伝いをしてくれる人達を連れて来たんだ。」

オスカー団長に促され、カノンちゃんとお母さんの前へ立った。

「こんにちはカノンちゃんとお母さん。私はレンブラント騎士団のアニエス、こちらは団長のアルフォンス、そしてタチアナだ。レンブラント国内では私たちがあなた方をご案内し、お連れいたします。安心していて下さいね。」と笑ってご挨拶した。アルフォンスもタチアナも同時にお辞儀をしている。

改めて見るとお母さんはまぁ普通の体型だがカノンちゃんは明らかに痩せている。
本人がマリィちゃんと同じ8歳と聞いているがこの子の方が2~3歳は下に見える。

「まぁ、立ち話も何だから全員座ろう。」とオスカーが気を利かせた。

「では私がお茶でも淹れますね。」とタチアナが動き出した。
「あぁ、助かるよ。」

「私もちょうど呑みたかったので。」と返すとサッサとお茶の用意を始めた。

ふと気がついた。
この部屋、美形率?が高い!

いかんいかんしっかりしないと。

だいたい神様は不公平だ。
私とほぼ同時期に死んだオスカー(ダイアナ)がなぜこんなに美形なのか。アニエス(美咲)と差がありすぎ。理不尽が過ぎるぞ。

全員ソファに腰掛け、タチアナがお茶を配った。

「お母さん、だいたいの経過を教えてもらえますか?」と切り出して見た。

「はい、先ほどはご紹介下さいましてありがとうございます。私はケイトと言います。この子はカノン8歳です。」
「この子が食べない。と気が付いたのは6歳から7歳へ移る時ぐらいだったと思います。きっかけは兄のディアッカでした。」

「ディアッカは騎士団勤務と言う事もあって、普段は家にいない事が多く、毎日の様にカノンと遊ぶなんて無理でした。なのでたまに帰ってくると体型の変化などは良くわかるそうです。」

「ある時、お母さん明らかにカノンは痩せすぎだ。医者に見せたら?って言われたんです。近くにカノンと同じ歳ぐらいの子供がいなかった事も有って、私は見過ごしていました。」と俯いて話していた。








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