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喉の渇きで深夜、目が醒める。寝惚け眼をこすりながら、キッチンへ行くと、父親がキッチンの椅子に座っていた。父は足が悪く、キッチンの作業も椅子に座りながらしていたため、その椅子に座るのは父しかいなかった。
父は足を組んでいた。股関節も悪いのに、足をよく組む人だった。
父は何かを持っていて、それが水出し茶のポットだと気づいたのは、手渡されたからだった。そうでなければ気づくことはなかっただろう、なにせ、そのポットの中身は、血と何かの肉片がこびりついた異常な物だったからだ。
「洗え」
と、一言。
父には逆らえないので、僕は渋々、シンクでポットを洗うことにした。中の物は極力触りたくないので、蛇口から出る水圧だけでどうにか綺麗にしようと試みてみたが、一向に落ちる気配がない。
そうして洗っていると、後ろから女に抱きつかれた。硬く、冷たい体の女。髪の毛が長く、顔は見えないが、恐ろしい力で僕を背後から身動きの取れないようにしている。僕は叫びながら抵抗するが、どうにも出来ない。ならない。
叫んで飛び起きたのは、この夢で初めてだった。漫画かよ。
父は足を組んでいた。股関節も悪いのに、足をよく組む人だった。
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「洗え」
と、一言。
父には逆らえないので、僕は渋々、シンクでポットを洗うことにした。中の物は極力触りたくないので、蛇口から出る水圧だけでどうにか綺麗にしようと試みてみたが、一向に落ちる気配がない。
そうして洗っていると、後ろから女に抱きつかれた。硬く、冷たい体の女。髪の毛が長く、顔は見えないが、恐ろしい力で僕を背後から身動きの取れないようにしている。僕は叫びながら抵抗するが、どうにも出来ない。ならない。
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