杯泉高校ラテアート部 ー放課後は学園でカフェしましょー

二杯目 いともたやすく作られるえげつないコーヒー

究極の効率化

「その通り。これならアートが描きやすいと思ったんだ」

　そういう意味では、オレも利香子同様、機能を意識したといえる。

「なんや、神も充分、個性出てるやん」
「どういう意味だよ？」

　俺には、良照の言葉が何を指しているか分からない。

「効率的、って言う事よね」
　利香子が良照の発言を補足した。

　偶然だな、と圓華が口にした。
「私も、神殿と同じ理由で、口の広いカップを用意したのだ」
　そう言って、小さな木箱に入ったカップを取り出す。

　箱からは、俺が想像していたとおりの物が出てきた。

「茶道のお椀じゃねーか！」

　確かに、口の広さはピカイチだが。

「でも、抹茶ラテっていう商品もあるから、あながち間違ってないのよね」

　その通りである。また、分厚い茶碗ならエスプレッソの温度が逃げない。

　ある意味、最もカプチーノに適したカップだと言えるな。