165 / 285
罪人に、罪の味を ~刑務所内で、お菓子とコーラ~
自伝映画
しおりを挟む20分くらい経過した後に、ドアをノックする音が聞こえた。
コンコン。
「陸です。仁科先生が呼んでると言われまして。」
「入って。お客様にご挨拶を。」
ガチャ。
「失礼します。」
彼は上下白いツナギの姿で、ゆっくりと部屋に入ってきた。
色の白い肌、色素の薄い茶色い毛先のカールしてる髪、か細い両手足。
まるで、非現実を生きている様な雰囲気。
「先ほどの方々ですね。
改めて、初めまして。
『近藤 陸』です。」
音もなく俺の側に来て、静かに一礼をした。
「フリーライターの梶 塔矢です。
宜しく。
こっちは…。」
「私は鈴…。陸は…色が…醜い色だ。」
鈴が彼を見ながら、また目をグルグルと回し、呟いた。
「あの…?汚れてますか?畑仕事から返って着替えたんですけど。」
陸は両手を見たり、身体を見回した。
「すいません。
少し変わった子なんで気にしないで下さい。」
俺は鈴をフォローした。
鈴はまるで警戒してるかの様に陸をじっと見つめた。
「陸、少しあなたの話しを聞きたいの。
そうね…あなたの好きな事は?
子供の頃から好きだった事で構わないわ。」
そう言いながら、仁科 加奈子は俺に視線を泳がせた。
『加藤 星斗』は幼少の頃から、動物虐待や解剖に異常な興味を示していた。
確か、記事にはそう書いてあった。
彼曰く、心の場所を探していたとその後告白している。
「昆虫採集をしたりしました。
よく、田舎で昆虫採集をしに山に入りました。
丁度、今時分の季節はいいですね。
虫たちが生き生きとしていて。
鼓動まで聴こえてきそうです。
小さくても、その生態は感慨深い。
DNAのデータに忠実に行動し、規律も保たれている。
まさに理想の世界で…。」
まるで自分の話しに陶酔したかの様に目を細めて話し出した。
これが…彼の作り出した過去の記憶…。
コンコン。
「陸です。仁科先生が呼んでると言われまして。」
「入って。お客様にご挨拶を。」
ガチャ。
「失礼します。」
彼は上下白いツナギの姿で、ゆっくりと部屋に入ってきた。
色の白い肌、色素の薄い茶色い毛先のカールしてる髪、か細い両手足。
まるで、非現実を生きている様な雰囲気。
「先ほどの方々ですね。
改めて、初めまして。
『近藤 陸』です。」
音もなく俺の側に来て、静かに一礼をした。
「フリーライターの梶 塔矢です。
宜しく。
こっちは…。」
「私は鈴…。陸は…色が…醜い色だ。」
鈴が彼を見ながら、また目をグルグルと回し、呟いた。
「あの…?汚れてますか?畑仕事から返って着替えたんですけど。」
陸は両手を見たり、身体を見回した。
「すいません。
少し変わった子なんで気にしないで下さい。」
俺は鈴をフォローした。
鈴はまるで警戒してるかの様に陸をじっと見つめた。
「陸、少しあなたの話しを聞きたいの。
そうね…あなたの好きな事は?
子供の頃から好きだった事で構わないわ。」
そう言いながら、仁科 加奈子は俺に視線を泳がせた。
『加藤 星斗』は幼少の頃から、動物虐待や解剖に異常な興味を示していた。
確か、記事にはそう書いてあった。
彼曰く、心の場所を探していたとその後告白している。
「昆虫採集をしたりしました。
よく、田舎で昆虫採集をしに山に入りました。
丁度、今時分の季節はいいですね。
虫たちが生き生きとしていて。
鼓動まで聴こえてきそうです。
小さくても、その生態は感慨深い。
DNAのデータに忠実に行動し、規律も保たれている。
まさに理想の世界で…。」
まるで自分の話しに陶酔したかの様に目を細めて話し出した。
これが…彼の作り出した過去の記憶…。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説

契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました
言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。
貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。
「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」
それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。
だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。
それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。
それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。
気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。
「これは……一体どういうことだ?」
「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」
いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。
――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。

[完結長編連載]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ・更新報告はTwitter等
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる