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チーズたっぷりグラタンは、罪の味 ~純喫茶のキノコグラタン~
ジョオウタケ
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探知魔法を頼りに、キノコボスを探しています。
奥に、地底湖が見えてきました。あそこの向こうにはなにもないみたいですから、ゴールに着いちゃったみたいですね。
「ミュラーさん、こんなところにキノコが生えているのですか?」
キノコと聞くと、森に生息しているイメージがありますが。
「ああ。【ジョオウタケ】といってな」
長い年月をかけたキノコが死んだ魔物を取り込んで、モンスター化したそうです。
たしかに、モンスターの死骸に白いキノコが取り憑いていました。
「気をつけろよ。強いモンスターらしいからな。ただ、でかいからすぐにわかる」
「あんな感じですか?」
地底湖の中央に、やたら巨大な女性の影が。
「あれがジョオウタケだ!」
ウワサをすれば、キノコ型の女性がいました。
地底湖の上に空いた天井から、キノコの女王が月明かりを眺めています。
大昔の魔法使いがかぶっていそうな三角帽子、白いワンピースと思っていたら、女の人の格好をしたキノコでした。
本当に、意思がないのでしょうか。無害な女性型モンスターのようにも見えますが。
しかし、そう思えたのは一瞬でした。
「ジャ!」
ジョオウの口が避けて、キノコの胞子を撒き散らします。
やはり、根っこはモンスターだったようですね。
「やべえぞ、あの胞子を吸ったら身体がしびれるぞ!」
「下がって! ホアタ!」
ヌンチャクに防御魔法を施して、振り回しました。
二人に胞子が飛ばないようにします。
胞子を吸ったとしても、わたしは自力で解毒できますから問題ありません。
「ナイスだ嬢ちゃん! 行くぜ!」
ミュラーさんが囮になって、ヘルトさんの魔法詠唱時間を稼ぎます。
横薙ぎが、キノコジョオウの脇腹にヒットしました。
しかし、敵の胴体は大木のように固く、傷口も再生してしまいます。
ジョオウタケが戦法を変えてきました。胞子を周囲に吐き出します。
さっきまで死体だった魔物が、ムクリと起き上がってくるではありませんか。
「キノコをアンテナ代わりにして、魔物を操作しているのね!」
ヘルトさんが火炎弾を撃って、自分たちを取り囲もうとしているキノコゾンビをやっつけます。
「くそ、キリがねえ!」
腕や脚を切っても、すぐに元通りになります。
どうすれば。このままでは、ジリ貧です。
わたしは、目をつむりました。戦闘をあきらめたわけではありません。
「あれだけ大きいのです。どこかに、魔力供給源があるはず」
モンクのスキルである【心眼】で、気流の流れを見ます。
「見つけました。地底湖……違いますね!」
地底湖に、何らかの魔力が降り注いでいます。どこから……ありました!
「ヘルトさん、天井の穴を塞いでください!」
「わかったわ!」
土魔法で、ヘルトさんが天井の穴を閉じました。月が隠れます。
相手も、胞子を飛ばそうとしました。しかし急に咳き込んで、息切れを起こします。
どうやらジョオウは、炎魔法を警戒しているようでした。あるいは氷の魔法か。
しかし、実際にヘルトさんが唱えたのは、キノコ属に有利になるはずの「土魔法」だったのです。
キノコ女王が、段々と弱っていきました。魔力供給を断たれて、しぼんでいきます。
そこへ、ミュラーさんが一撃をお見舞いします。
ですが、また再生しようとしていました。
キノコの頭部分に、わたしは接敵します。
「ブレイズフィストです!」
ヘルトさんの炎魔法で拳を包み、わたしがとどめをさしました。
「やったな、嬢ちゃん!」
「ケガをしていますね。こちらへ」
ミュラーさんの腕に付いた傷を、治癒魔法で癒やします。
「なんで、月がボスを強くしているってわかったの?」
ヘルトさんも、毒性の胞子を吸っていたので治療します。
「あのキノコ型ボスは最初、わたしたちを無視して月をずっと眺めていました」
おそらく、月の魔力を含んだこの地底湖から栄養を取り込んでいたのだろうと踏んだのです。
「だから、天井を塞いだのね。見事だわ」
ジョオウタケ、討伐完了です! お疲れさまでした!
奥に、地底湖が見えてきました。あそこの向こうにはなにもないみたいですから、ゴールに着いちゃったみたいですね。
「ミュラーさん、こんなところにキノコが生えているのですか?」
キノコと聞くと、森に生息しているイメージがありますが。
「ああ。【ジョオウタケ】といってな」
長い年月をかけたキノコが死んだ魔物を取り込んで、モンスター化したそうです。
たしかに、モンスターの死骸に白いキノコが取り憑いていました。
「気をつけろよ。強いモンスターらしいからな。ただ、でかいからすぐにわかる」
「あんな感じですか?」
地底湖の中央に、やたら巨大な女性の影が。
「あれがジョオウタケだ!」
ウワサをすれば、キノコ型の女性がいました。
地底湖の上に空いた天井から、キノコの女王が月明かりを眺めています。
大昔の魔法使いがかぶっていそうな三角帽子、白いワンピースと思っていたら、女の人の格好をしたキノコでした。
本当に、意思がないのでしょうか。無害な女性型モンスターのようにも見えますが。
しかし、そう思えたのは一瞬でした。
「ジャ!」
ジョオウの口が避けて、キノコの胞子を撒き散らします。
やはり、根っこはモンスターだったようですね。
「やべえぞ、あの胞子を吸ったら身体がしびれるぞ!」
「下がって! ホアタ!」
ヌンチャクに防御魔法を施して、振り回しました。
二人に胞子が飛ばないようにします。
胞子を吸ったとしても、わたしは自力で解毒できますから問題ありません。
「ナイスだ嬢ちゃん! 行くぜ!」
ミュラーさんが囮になって、ヘルトさんの魔法詠唱時間を稼ぎます。
横薙ぎが、キノコジョオウの脇腹にヒットしました。
しかし、敵の胴体は大木のように固く、傷口も再生してしまいます。
ジョオウタケが戦法を変えてきました。胞子を周囲に吐き出します。
さっきまで死体だった魔物が、ムクリと起き上がってくるではありませんか。
「キノコをアンテナ代わりにして、魔物を操作しているのね!」
ヘルトさんが火炎弾を撃って、自分たちを取り囲もうとしているキノコゾンビをやっつけます。
「くそ、キリがねえ!」
腕や脚を切っても、すぐに元通りになります。
どうすれば。このままでは、ジリ貧です。
わたしは、目をつむりました。戦闘をあきらめたわけではありません。
「あれだけ大きいのです。どこかに、魔力供給源があるはず」
モンクのスキルである【心眼】で、気流の流れを見ます。
「見つけました。地底湖……違いますね!」
地底湖に、何らかの魔力が降り注いでいます。どこから……ありました!
「ヘルトさん、天井の穴を塞いでください!」
「わかったわ!」
土魔法で、ヘルトさんが天井の穴を閉じました。月が隠れます。
相手も、胞子を飛ばそうとしました。しかし急に咳き込んで、息切れを起こします。
どうやらジョオウは、炎魔法を警戒しているようでした。あるいは氷の魔法か。
しかし、実際にヘルトさんが唱えたのは、キノコ属に有利になるはずの「土魔法」だったのです。
キノコ女王が、段々と弱っていきました。魔力供給を断たれて、しぼんでいきます。
そこへ、ミュラーさんが一撃をお見舞いします。
ですが、また再生しようとしていました。
キノコの頭部分に、わたしは接敵します。
「ブレイズフィストです!」
ヘルトさんの炎魔法で拳を包み、わたしがとどめをさしました。
「やったな、嬢ちゃん!」
「ケガをしていますね。こちらへ」
ミュラーさんの腕に付いた傷を、治癒魔法で癒やします。
「なんで、月がボスを強くしているってわかったの?」
ヘルトさんも、毒性の胞子を吸っていたので治療します。
「あのキノコ型ボスは最初、わたしたちを無視して月をずっと眺めていました」
おそらく、月の魔力を含んだこの地底湖から栄養を取り込んでいたのだろうと踏んだのです。
「だから、天井を塞いだのね。見事だわ」
ジョオウタケ、討伐完了です! お疲れさまでした!
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