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第一章 Z級スキル『サメ使い』でしてよーっ!

第6話 職業用スキルと、固有スキル『ギフト』の違いを学びますわ!

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「能力値……ステータス表を確認しましたが、魔法使い寄りで戦いなさるのですね?」
「はい。前衛には召喚獣がいらっしゃいますので」

 ちなみに、ステイサメさんは【召喚獣】というカテゴリで登録しましたわ。ゴリゴリのバトルは、お願いしましょう。

「【サーチ】は、宝物を発見できます。【肉体強化】は文字通り肉体を魔法でコーティングしますが、船酔いも防止できますよ」

 便利ですわね! 特に海賊ともなると、嵐の中も突破せねばならないときがあります。海を荒らすモンスターの討伐を、請け負うせいだとか。揺れる船の中でも身体を安定させる必要が、あるのですわ。

「海賊って、金品を強奪する業務だと思っていましたわ」
「ルカン、犯罪は業務じゃないよ……」

 ステイサメさんのツッコミが入りましたが、華麗にスルーしますわ。

「ところで、わたくしが会得した固有スキルと、職業スキルは、なにが違いますの?」

 わたくしが持っている【サメ使い】も、海賊になって会得したのも、すべてスキルです。違いはなんですの?

「固有スキルは、昔は【ギフト】って呼ばれていたんだ。結局呼び方はスキルって統一されたけどね」

 貴族たちが持つのは固有スキル、職業で得たスキルはジョブスキルと、呼び名を変えるようですわね。

「説明を続けさせてもらっても?」

 わたくしたちが話し込んでいると、受付のお姉さんが困った顔をしましたわ。

「ごめんあそばせ。続けなさって」
「【水中散歩】は、息継ぎしなくても水中で活動できます。これが一番人気のスキルですね」

 海底洞窟を探るときには、必須のスキルだそうです。

「あら? あなたは【水中散歩:無限】とありますね? なにか特殊技能をお持ちで?」
「いえ。気のせいですわ。レベルアップした際に、間違って極振りでもしたのでしょうね」

 どうにかゴマカシますわ。

「そうですか。それにしてもあなたの召喚獣、やたら強いですね。召喚主より強い」
「マジですの?」

 よく見ると、ステイサメさんのレベルはわたくしより一回り以上高かったです。

「普通はありえませんよ。自分よりレベルの高い召喚獣を従えるなんて」
「人望」

 今度は、ステイサメさんが言い訳を致しました。それで、わかっていただけたらいいのですが。

「主さまは、身寄りのないワタシを育ててくれた。これは、切っても切れない関係」

 なんだか、感傷的な作り話ですわね。やや真実は混ざっておりますが。

「そうですか、ぐすっ。ご苦労なされたのですね。ううっ」

 なぜでしょうね。お姉さんが涙ぐんでいます。

 まあ、ごまかせたならいいですわ。

「では、あちらの掲示板に依頼がございますから、好きなものを取っていらしてください」

 海底洞窟探索は、Dですわね。今の我々では、まだ依頼を受けられません。

「今は、最低のFランクですわね。少し依頼をこなしてから、また参りましょう」

 まだまだ、レベルが足りませんわ。

「こっそり探すのもいいけど」
「それだと、依頼達成しても成果になりませんわ」

 しかし、わたくしが狩った魔物のアイテムが、依頼に出されていました。

「これですわ。さっそく換金に参りましょう」

 依頼先である道具屋へ、向かいます。

「おお。これだよ。クラゲのヒゲ七〇本。たしかに受け取ったよ」

 やりましたわ。これで依頼ランクがEに上がりましたわ。

「これはどうしますの?」
「シビレよけになるんだよ。お一つどうぞ」

 わたくしは、シビレを直す薬を一本タダでいただきました。このヒゲを加工したものだそうです。

「それと、これが依頼書の返しだ。判をついているから、ギルドに見せたら依頼達成だってわかるようになっている」
「ありがとうでしてよ」

 さっそくギルドへ戻って、冒険者のランクを上げていただきました!

「どんどん参りますわ!」

 ですが、お腹は正直です。グウグウと鳴り始めましたわ。

「お昼にしよう。ここはオイスター、牡蠣カキのソースがうまいんだ」

 それは楽しみですわ。

 しかし、問題のオイスターがまったく取れなくなってしまったとか。

 ここは、海賊の出番ですわね!
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