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第四章 メンヘラ、最強の個人勢とコラボする
第21話 富裕層密着 二四時 後編
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「えっ? 菓子パンって、シノさんが一番避けてた食事じゃないんですか?」
「おやつとしてなら、食べますよ」
一個くらいは、食べるという。
「じゃあ、リアンさん。朝ご飯を食べに行きましょう」
今日の朝食は、外で済ませるらしい。
散歩がてら、店を見に行く。
「いつもは軽めに済ませるんですが、今日はガッツリいきましょう」
ジョッキでコーヒーが出てくることで有名な、カフェへ。
ボリューミーな料理が出てくる店なのに、朝は高齢者ばかりだ。
「意外でしょ? スペースが広いから、くつろぎやすいんですよ」
言いながら、シノさんは小倉トーストと、アイスクリームの乗ったパイを食べる。
朝から、すごい食欲だ。
いかに毎日、抑制しているのかがわかる。
シノさんが、クレカで会計を済ませた。
ウチの分も、出してくれる。
「クレカは、普通なんですね?」
ゴールドカードか、プラチナカードを持っていると思っていたが。
「ああ、あれでしょ? 『ゴールドカード修行』でしょ?」
証券会社と連携をして、クレカをゴールドにグレードアップすると、ポイントが倍になるキャンペーンの話だ。
ゴールドになる条件が「年内に一〇〇万円使うこと」なので、ゴールド修行とも呼ばれている。
通販会社の商品券を買えば、達成できるらしい。
が、ウチはやっていなかった。
「クレカ会社のポイントなんて、どの会社も誤差レベルです。一喜一憂するより、稼ぎを充実させたほうがいいですよ」
ポイントの制度なんて、毎年変わると見越したほうがいいという。
「せっかくクレカ会社を変えたのに、直後になってポイントが改定されたことがあって。それっきり、凝りたんですよ」
「そういえば、社長レベルの人でもクレカの審査に落ちるって聞きましたけど。シノさんは、いけはったんですか?」
以前、独立したゲーム会社の経営者が「クレカの審査、通れへんかった!」とぼやいていた動画を見たが。
「私も広い意味では『自営業者』なんですが、『ベース講師』として、未だ事務所に雇ってもらっているんですよ。だから肩書としては、『学習支援業者』ですね」
カード申請には、いろんな抜け道があるんだなと、ウチは思った。
それ以外の朝ルーティンは、ほぼ一緒だ。
が、今日のシノさんは朝からダラダラとゲームを始める。
配信向きではないゲームを、特に遊んだ。
シノさんは見下ろし型のアクションゲームで、ひたすらレベル上げとアイテム掘りに勤しむ。
ウチもキライじゃないので、同行させてもらった。
シノさんがバイキング、ウチは魔法使いである。
「なんか、久々な気分ですね。いつもは、いきつくヒマもない慌ただしいゲームばっかりやし」
「レベル上げばっかりのゲームも、時々無性にやりたくなるんですよ。無心になれるので」
「アイテムの制度かて、いうほど大差ないですもんね」
「そうなんですよ。特に洋ゲーって、用語が複雑な割にはゴミなアイテムばかり落ちるので、捨てるの楽なんですよね。必要かなと思ったら、結局いらなかったり」
「役に立ちませんよねー」
お昼は、カップの焼きそばである。
「こういうのも、たまーに食べたくなるんですよ」
「激辛を食べる配信とかも、やったことありますわ。大変やったぁ」
「あれ、きつそう。大丈夫なんですかね?」
カップ焼きそばを、二人ですすった。
シノさんは、純金融資産保有額のピラミッドで言えば「富裕層」に属する。
一億以上五億未満の資産を、持っていることになるのだ。
しかし、こうしてウチとカップ焼きそばを食べている。
「お金があるのに、こういうの欲しくなるんですね?」
「やっぱりさ、新商品が出たら、気になりますよ」
「ですよね~」
今日はジムにはいかず、またゲーム三昧で過ごす。
「お買い物は、しないんですね?」
富裕層なんだから、もっとウィンドウショッピングなどに行くのかと思っていたが。
「はい。基本的に私はインドアなので」
シノさんは旅行とかも、取材以外では行かない。
空いた時間でたまに行く方が、社会科見学みたいで新鮮な気分にひたれるとか。
「ですが、今日はお客さんが来ますよ。おめかしだけは、しておきましょうかね」
おめかしと言っているのに、シノさんは汚れてもいいジャージに着替えた。
「できるだけ、汚れを気にしない服でお迎えしてください」
「そうですか」
ウチは、着古したスウェットを用意する。
チャイムが鳴った。
ウチの事務所と、シノさんが前にいた事務所のVタレントが集まっていた。大量のビニール袋と、アルコールのケースを担いでいる。
むつみちゃんと、しらすママも。二人は、おにぎりを大量に作ってきていた。
「おまたせしました。今日は焼き肉女子会でーす」
配信のないVの仲間たちと、山でバーベキューを行う。
それで、汚れてもいい服装になれと言ったのか。
「リアン、生だったらいつぶりだっけ?」
タコ・カイナの中の人まで。
「いつぶりやろ? リモートでは、たいてい毎週会ってるよね?」
カイナが、ウチの皿に肉を乗せてくれた。
ウチも、焼きおにぎりで返す。
「うん。でもこうやって外で食べに行くってさ、機会なかったよね。あたしが子持ちだから」
カイナが、焼きおにぎりをパクつく。
「今日は、大丈夫なん?」
「ダンナが見てくれているから。車も出してくれたんだよね」
連絡をしたら、迎えに来てくれるという。
「大きい方のお子さんは、ぐずったんちゃうん? お母ちゃんが、いてへんかったら」
「平気平気。あっちはあっちで、祖父母と焼き肉を食べに行くから」
この家には、家族を連れてこられない。守秘義務があるからだ。
小さい子どもなどが芸能タレントと接触すれば、自慢話をしてしまうかもしれない。
なので、タレント同士の集まりなどに家族を連れてくるのはご法度というルールができた。
「ホントは外食も検討したんですけど……」
「うわー。ワタシのせいですよねー」
ひときわ声のでかいVが、ゲラゲラと笑う。
この子が飲んで騒いだせいで、焼肉屋を一軒出禁になったという。
「個室だったのに、声が壁をぶち抜いて響いたんですよね」
「シャウト芸が、ワタシの自慢ですから!」
「それ、褒めてないし!」
女子同士で、ワイワイ語り合った。
外で気兼ねなく、Vでの呼び名同士で。
ここがお店だったら、全部遠慮する必要性がある。
「誰も来ないのどかな山を買ったのは、シノさんなりの配慮なんやろうね」
「かもしれません。芸人友だちを集めるために、山や島を買ったお笑い芸人もいますし」
「そうなん?」
島を買うか。いいなそれ。
その後、ウチらは遅くまで語り合った。
お金の話は、一切なし。
本当は、貯金の秘訣や副業の秘訣などが聞きたい。
しかし、今日だけはお金関係なく、楽しく過ごしたかった。
「お疲れさまでした、リアンさん」
「全然、疲れてないんやけどな」
なんなら、もう何泊かしたい。
「いつまでも、いらして結構ですよー」
「あのモーニングコール最高でしたわ。あれは、反則やった」
「月額お支払いいただけたら、ご利用できますので」
「もう、登録しました」
不要なサブスクには入らないことが、貯金の鉄則だ。しかし、あのサブスクは入るべきである。あれは、脳をヤリたくなるアプリだ。
「わかった。ウチは、島を買います!」
お金を貯めて、小さい島を買って永住したい。
人も呼んで、そこでV活動をする。
「大きく出ましたね!」
「こういうお金の使い方もあるんや、って思ってやあ。最高やんね」
「いいですね。では、一億貯まったら島を買いましょう」
「やったね」
だが一ヶ月後、ウチの資産が一〇〇〇万に達成した頃、事件が起きた。
所属タレントのナンバー三が、炎上・謹慎を食らったのである。
(第四章 おしまい)
「おやつとしてなら、食べますよ」
一個くらいは、食べるという。
「じゃあ、リアンさん。朝ご飯を食べに行きましょう」
今日の朝食は、外で済ませるらしい。
散歩がてら、店を見に行く。
「いつもは軽めに済ませるんですが、今日はガッツリいきましょう」
ジョッキでコーヒーが出てくることで有名な、カフェへ。
ボリューミーな料理が出てくる店なのに、朝は高齢者ばかりだ。
「意外でしょ? スペースが広いから、くつろぎやすいんですよ」
言いながら、シノさんは小倉トーストと、アイスクリームの乗ったパイを食べる。
朝から、すごい食欲だ。
いかに毎日、抑制しているのかがわかる。
シノさんが、クレカで会計を済ませた。
ウチの分も、出してくれる。
「クレカは、普通なんですね?」
ゴールドカードか、プラチナカードを持っていると思っていたが。
「ああ、あれでしょ? 『ゴールドカード修行』でしょ?」
証券会社と連携をして、クレカをゴールドにグレードアップすると、ポイントが倍になるキャンペーンの話だ。
ゴールドになる条件が「年内に一〇〇万円使うこと」なので、ゴールド修行とも呼ばれている。
通販会社の商品券を買えば、達成できるらしい。
が、ウチはやっていなかった。
「クレカ会社のポイントなんて、どの会社も誤差レベルです。一喜一憂するより、稼ぎを充実させたほうがいいですよ」
ポイントの制度なんて、毎年変わると見越したほうがいいという。
「せっかくクレカ会社を変えたのに、直後になってポイントが改定されたことがあって。それっきり、凝りたんですよ」
「そういえば、社長レベルの人でもクレカの審査に落ちるって聞きましたけど。シノさんは、いけはったんですか?」
以前、独立したゲーム会社の経営者が「クレカの審査、通れへんかった!」とぼやいていた動画を見たが。
「私も広い意味では『自営業者』なんですが、『ベース講師』として、未だ事務所に雇ってもらっているんですよ。だから肩書としては、『学習支援業者』ですね」
カード申請には、いろんな抜け道があるんだなと、ウチは思った。
それ以外の朝ルーティンは、ほぼ一緒だ。
が、今日のシノさんは朝からダラダラとゲームを始める。
配信向きではないゲームを、特に遊んだ。
シノさんは見下ろし型のアクションゲームで、ひたすらレベル上げとアイテム掘りに勤しむ。
ウチもキライじゃないので、同行させてもらった。
シノさんがバイキング、ウチは魔法使いである。
「なんか、久々な気分ですね。いつもは、いきつくヒマもない慌ただしいゲームばっかりやし」
「レベル上げばっかりのゲームも、時々無性にやりたくなるんですよ。無心になれるので」
「アイテムの制度かて、いうほど大差ないですもんね」
「そうなんですよ。特に洋ゲーって、用語が複雑な割にはゴミなアイテムばかり落ちるので、捨てるの楽なんですよね。必要かなと思ったら、結局いらなかったり」
「役に立ちませんよねー」
お昼は、カップの焼きそばである。
「こういうのも、たまーに食べたくなるんですよ」
「激辛を食べる配信とかも、やったことありますわ。大変やったぁ」
「あれ、きつそう。大丈夫なんですかね?」
カップ焼きそばを、二人ですすった。
シノさんは、純金融資産保有額のピラミッドで言えば「富裕層」に属する。
一億以上五億未満の資産を、持っていることになるのだ。
しかし、こうしてウチとカップ焼きそばを食べている。
「お金があるのに、こういうの欲しくなるんですね?」
「やっぱりさ、新商品が出たら、気になりますよ」
「ですよね~」
今日はジムにはいかず、またゲーム三昧で過ごす。
「お買い物は、しないんですね?」
富裕層なんだから、もっとウィンドウショッピングなどに行くのかと思っていたが。
「はい。基本的に私はインドアなので」
シノさんは旅行とかも、取材以外では行かない。
空いた時間でたまに行く方が、社会科見学みたいで新鮮な気分にひたれるとか。
「ですが、今日はお客さんが来ますよ。おめかしだけは、しておきましょうかね」
おめかしと言っているのに、シノさんは汚れてもいいジャージに着替えた。
「できるだけ、汚れを気にしない服でお迎えしてください」
「そうですか」
ウチは、着古したスウェットを用意する。
チャイムが鳴った。
ウチの事務所と、シノさんが前にいた事務所のVタレントが集まっていた。大量のビニール袋と、アルコールのケースを担いでいる。
むつみちゃんと、しらすママも。二人は、おにぎりを大量に作ってきていた。
「おまたせしました。今日は焼き肉女子会でーす」
配信のないVの仲間たちと、山でバーベキューを行う。
それで、汚れてもいい服装になれと言ったのか。
「リアン、生だったらいつぶりだっけ?」
タコ・カイナの中の人まで。
「いつぶりやろ? リモートでは、たいてい毎週会ってるよね?」
カイナが、ウチの皿に肉を乗せてくれた。
ウチも、焼きおにぎりで返す。
「うん。でもこうやって外で食べに行くってさ、機会なかったよね。あたしが子持ちだから」
カイナが、焼きおにぎりをパクつく。
「今日は、大丈夫なん?」
「ダンナが見てくれているから。車も出してくれたんだよね」
連絡をしたら、迎えに来てくれるという。
「大きい方のお子さんは、ぐずったんちゃうん? お母ちゃんが、いてへんかったら」
「平気平気。あっちはあっちで、祖父母と焼き肉を食べに行くから」
この家には、家族を連れてこられない。守秘義務があるからだ。
小さい子どもなどが芸能タレントと接触すれば、自慢話をしてしまうかもしれない。
なので、タレント同士の集まりなどに家族を連れてくるのはご法度というルールができた。
「ホントは外食も検討したんですけど……」
「うわー。ワタシのせいですよねー」
ひときわ声のでかいVが、ゲラゲラと笑う。
この子が飲んで騒いだせいで、焼肉屋を一軒出禁になったという。
「個室だったのに、声が壁をぶち抜いて響いたんですよね」
「シャウト芸が、ワタシの自慢ですから!」
「それ、褒めてないし!」
女子同士で、ワイワイ語り合った。
外で気兼ねなく、Vでの呼び名同士で。
ここがお店だったら、全部遠慮する必要性がある。
「誰も来ないのどかな山を買ったのは、シノさんなりの配慮なんやろうね」
「かもしれません。芸人友だちを集めるために、山や島を買ったお笑い芸人もいますし」
「そうなん?」
島を買うか。いいなそれ。
その後、ウチらは遅くまで語り合った。
お金の話は、一切なし。
本当は、貯金の秘訣や副業の秘訣などが聞きたい。
しかし、今日だけはお金関係なく、楽しく過ごしたかった。
「お疲れさまでした、リアンさん」
「全然、疲れてないんやけどな」
なんなら、もう何泊かしたい。
「いつまでも、いらして結構ですよー」
「あのモーニングコール最高でしたわ。あれは、反則やった」
「月額お支払いいただけたら、ご利用できますので」
「もう、登録しました」
不要なサブスクには入らないことが、貯金の鉄則だ。しかし、あのサブスクは入るべきである。あれは、脳をヤリたくなるアプリだ。
「わかった。ウチは、島を買います!」
お金を貯めて、小さい島を買って永住したい。
人も呼んで、そこでV活動をする。
「大きく出ましたね!」
「こういうお金の使い方もあるんや、って思ってやあ。最高やんね」
「いいですね。では、一億貯まったら島を買いましょう」
「やったね」
だが一ヶ月後、ウチの資産が一〇〇〇万に達成した頃、事件が起きた。
所属タレントのナンバー三が、炎上・謹慎を食らったのである。
(第四章 おしまい)
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