62 / 63
第六章 最終決戦
第62話 エピローグ 前編 ラスボスは義父!?
しおりを挟む
すべてが終わり、僕たちはシンクレーグまで戻る。
リユのお父さんと、向き合っていた。
肝心のリユは、ここにはいない。男同士、二人きりで話したいと、義父さんが言ったのだ。
「お初にお目にかかります。この度は、お嬢さんとの結婚する際に、お伺いもできず」
「よい。我が追放したんじゃ。娘と合わす顔がなかったんは、こちらの方なんじゃけん」
シンクレーグに嫁いだ娘のピンチでなければ、助けには来なかったろうと。
「薄情な義父を、許していただきたい。ディートヘルム殿。不肖な我が娘を、かわいがってくださり。ありがたく思いますけん」
義父さんは、土下座する勢いだ。
「おおお待ちを! 助けていただいているのは、こちらも同じでして!」
僕も改めて座り直す。
「いんやあ。家族総出でお祝いしたるんが、家族っちゅうもんでしょうが。カカアにも、ケツをぶったたかれましての」
そのお義母さんは、表でリユと談笑している。
「で、お話なのですが、正式にお嬢さんとの結婚を」
「ならん!」
そうですかー。流れでうまくいくと思っていたんですがねえ。
「娘との婚姻は偽装じゃと、うかごうておりますが?」
え、バレてたの!?
外では、「バレとったん!?」と、リユの声が聞こえた。僕と同じリアクションをしたらしい。
「カカアが、見破りましたでな」
連絡をした途端、リユの母親はウソだと見破ったという。
「どうしてわかったんです?」
「いうには、『リユの性格じゃったら、飛んで帰って報告しにくるわい』と。後ろ暗いところがあるから、直接帰れんのじゃと」
よくよく考えたら、そうだよね。
「ワシはどっちでもええんじゃ。どのみち許さんつもりでしたけん」
「奥様と、同じ理由ですか? それとも僕が魔族のハーフだから、不倶戴天の敵同士とは」
「シケたこと抜かすなや! それでも一国の領主かおめえは!」
僕の言葉を、義父さんは一蹴した。
「おめえが魔族だろうが、スライムの末裔だろうが、そんなモンどうでもええんじゃ! んなことで結婚を許さんとか言うて追ったら、どんだけ器が小さいんじゃ!」
義父さんが、ボクに活を入れる。
でもよかった。偏見はないみたいだ。ドラゴン族は、魔族を目の敵にしていると思ったから。
「父親が娘の結婚許さん理由は、万国共通じゃろうが!」
「それは、どのような理由ですか?」
「『娘はやらん!』と、言いたいだけじゃ!」
どの理由より、器が小さい!
「男親っちゅうんはな、かわいい娘を男にやるんに、そうとうな覚悟がいるんじゃ! 覚えておけ! おめえも、父親になったらわかるわい!」
「は、はあ……で、どうやったら認めていただけるので?」
「簡単じゃ。ワシと勝負せい」
ドラゴンと、戦えと?
リユのお父さんと、向き合っていた。
肝心のリユは、ここにはいない。男同士、二人きりで話したいと、義父さんが言ったのだ。
「お初にお目にかかります。この度は、お嬢さんとの結婚する際に、お伺いもできず」
「よい。我が追放したんじゃ。娘と合わす顔がなかったんは、こちらの方なんじゃけん」
シンクレーグに嫁いだ娘のピンチでなければ、助けには来なかったろうと。
「薄情な義父を、許していただきたい。ディートヘルム殿。不肖な我が娘を、かわいがってくださり。ありがたく思いますけん」
義父さんは、土下座する勢いだ。
「おおお待ちを! 助けていただいているのは、こちらも同じでして!」
僕も改めて座り直す。
「いんやあ。家族総出でお祝いしたるんが、家族っちゅうもんでしょうが。カカアにも、ケツをぶったたかれましての」
そのお義母さんは、表でリユと談笑している。
「で、お話なのですが、正式にお嬢さんとの結婚を」
「ならん!」
そうですかー。流れでうまくいくと思っていたんですがねえ。
「娘との婚姻は偽装じゃと、うかごうておりますが?」
え、バレてたの!?
外では、「バレとったん!?」と、リユの声が聞こえた。僕と同じリアクションをしたらしい。
「カカアが、見破りましたでな」
連絡をした途端、リユの母親はウソだと見破ったという。
「どうしてわかったんです?」
「いうには、『リユの性格じゃったら、飛んで帰って報告しにくるわい』と。後ろ暗いところがあるから、直接帰れんのじゃと」
よくよく考えたら、そうだよね。
「ワシはどっちでもええんじゃ。どのみち許さんつもりでしたけん」
「奥様と、同じ理由ですか? それとも僕が魔族のハーフだから、不倶戴天の敵同士とは」
「シケたこと抜かすなや! それでも一国の領主かおめえは!」
僕の言葉を、義父さんは一蹴した。
「おめえが魔族だろうが、スライムの末裔だろうが、そんなモンどうでもええんじゃ! んなことで結婚を許さんとか言うて追ったら、どんだけ器が小さいんじゃ!」
義父さんが、ボクに活を入れる。
でもよかった。偏見はないみたいだ。ドラゴン族は、魔族を目の敵にしていると思ったから。
「父親が娘の結婚許さん理由は、万国共通じゃろうが!」
「それは、どのような理由ですか?」
「『娘はやらん!』と、言いたいだけじゃ!」
どの理由より、器が小さい!
「男親っちゅうんはな、かわいい娘を男にやるんに、そうとうな覚悟がいるんじゃ! 覚えておけ! おめえも、父親になったらわかるわい!」
「は、はあ……で、どうやったら認めていただけるので?」
「簡単じゃ。ワシと勝負せい」
ドラゴンと、戦えと?
0
お気に入りに追加
385
あなたにおすすめの小説

神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます
里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。
だが実は、誰にも言えない理由があり…。
※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。
全28話で完結。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる