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第四章 海賊退治と黒幕
第36話 スケルトン王のカラクリ
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「ヘニー、クジラキメラの口を開けさせろ!」
「ディータさま、どうやって?」
「方法は、任せる!」
「はい! 一斉掃射!」
ヘニーが、砲台を全部展開する。クジラ型キメラの触手や胴体に向けて、大砲を撃ちまくる。
「くう、さしもの【ティアマト】も、この攻撃では。くらえ!」
どうやら、このクジラ型幽霊船は、【ティアマト】というらしい。
ピドー王が幽霊船に命じて、反撃をした。
「妖精さん、お願い!」
いつもは射撃班である妖精たちが、盾を持って防御の体勢に。
敵からの砲撃を、魔法障壁で防ぐ。
「お返しです。もう一度、一斉射!」
「ぐええええええ!」
要塞からの攻撃を食らって、クジラが大きな口を広げて絶叫した。暴れに暴れて、味方のはずである海賊船を巻き添えにする。
「今だ!」
僕は、クジラの口の中へ。
「ディータ! どうする気じゃ?」
「クジラの口に入って、ピドー王の本体を探す! リユたちは王が追ってこないように、攻撃を続けて!」
「わかった。ムチャせんでくれよ!」
「心得た!」
やはりというか、「逃がすか!」と、ピドー王が僕を攻撃しに来た。
「お前の相手は、アタシじゃ!」
リユが、ピドー王の剣を受け止める。
その間に、僕はクジラのノドを滑り降りた。粘液が身体にまとわりついて、気持ち悪い。だが、進まなければ。
早く行かないと、まずい。
おそらくだが、ピドー王は、魔王の加護を受けている。あれだけの強さだから、負けたときの反動も凄まじいだろう。
このクジラも同じだ。魔王の加護で動いているに違いない。
「やっぱりか!」
胃袋の中央に、きらびやかな黄金のスケルトンが鎮座している。
「クリーピング・コインが集まって、一つの意思を持っているとは」
海賊王がお宝を独占するため、クジラの胃袋を宝物庫にして、財宝と一体化したのか。
欲望が実体化すると、こうなるわけだ。それが、デーモンロードの領域にまで成長するとは。
「よくぞ、このデーモンロードの存在に気づいたな」
「ピドー王やクジラ型キメラを操っていたのも、お前だな?」
「さよう。シンクレーグのガキめ。どこまでワシの邪魔をっ!」
ピドー国王の娘ペカディアも、魔族に操られていた。おそらくと思っていたが。
「もう退け、ピドー国王との勝負はついた。やつも魔王に利用されて、苦しかろう」
「黙れ! 貴様にシンクレーグを占領される方が、よほど口惜しいわい! ピドーにとっても、ワシにとっても!」
僕は、デーモンと打ち合う。
相手の得物はバスタードソード、つまり片手持ちの大剣だ。
こちらはサーベルである。切り合いとして相性は悪い。
どうにか、スキルで持ちこたえる。
それにしても、強い。さすが、デーモンロードだけあった。ピドー王が相手なら、一瞬で倒せただろう。このデーモンから力をもらっているため、ピドー王は無敵なのだ。
「シンクレーグには、なにがあるというのだ?」
どうして、どいつもこいつもシンクレーグに執着するのか。
「やはり。なにも知らずに、シンクレーグを開拓していたわけか。お笑いだ」
「話してくれないようだから、こちらも本気を出して潰させてもらう。魔改造!」
僕は、ペカディアに取り憑いていた魔族を倒したように、肉体を強化した。
力を増大した【電光石火】によって、ピドー王は串刺しになる。
雷魔法は、アンデッドに特別な効果をもたらさない。しかし増幅された電流は確実に、デーモンの命を削っていく。
「おお!」
剣を振って、デーモンロードも対抗する。
だが、より早く動ける僕に、デーモンは追いつけない。
「トドメだ!」
心臓にある魔族の核を、サーベルで刺し貫く。
「ぬふう! さすがに古代魔王の力ぞ。シンクレーグに本体を置くその力さえあれば、世界は我が手にできるというものを!」
なんだと?
「この力が、古代の魔王の?」
「さよう! お主が【魔改造】と呼んでいるものこそ、太古の昔に君臨していた魔王そのものなりっ!」
「ディータさま、どうやって?」
「方法は、任せる!」
「はい! 一斉掃射!」
ヘニーが、砲台を全部展開する。クジラ型キメラの触手や胴体に向けて、大砲を撃ちまくる。
「くう、さしもの【ティアマト】も、この攻撃では。くらえ!」
どうやら、このクジラ型幽霊船は、【ティアマト】というらしい。
ピドー王が幽霊船に命じて、反撃をした。
「妖精さん、お願い!」
いつもは射撃班である妖精たちが、盾を持って防御の体勢に。
敵からの砲撃を、魔法障壁で防ぐ。
「お返しです。もう一度、一斉射!」
「ぐええええええ!」
要塞からの攻撃を食らって、クジラが大きな口を広げて絶叫した。暴れに暴れて、味方のはずである海賊船を巻き添えにする。
「今だ!」
僕は、クジラの口の中へ。
「ディータ! どうする気じゃ?」
「クジラの口に入って、ピドー王の本体を探す! リユたちは王が追ってこないように、攻撃を続けて!」
「わかった。ムチャせんでくれよ!」
「心得た!」
やはりというか、「逃がすか!」と、ピドー王が僕を攻撃しに来た。
「お前の相手は、アタシじゃ!」
リユが、ピドー王の剣を受け止める。
その間に、僕はクジラのノドを滑り降りた。粘液が身体にまとわりついて、気持ち悪い。だが、進まなければ。
早く行かないと、まずい。
おそらくだが、ピドー王は、魔王の加護を受けている。あれだけの強さだから、負けたときの反動も凄まじいだろう。
このクジラも同じだ。魔王の加護で動いているに違いない。
「やっぱりか!」
胃袋の中央に、きらびやかな黄金のスケルトンが鎮座している。
「クリーピング・コインが集まって、一つの意思を持っているとは」
海賊王がお宝を独占するため、クジラの胃袋を宝物庫にして、財宝と一体化したのか。
欲望が実体化すると、こうなるわけだ。それが、デーモンロードの領域にまで成長するとは。
「よくぞ、このデーモンロードの存在に気づいたな」
「ピドー王やクジラ型キメラを操っていたのも、お前だな?」
「さよう。シンクレーグのガキめ。どこまでワシの邪魔をっ!」
ピドー国王の娘ペカディアも、魔族に操られていた。おそらくと思っていたが。
「もう退け、ピドー国王との勝負はついた。やつも魔王に利用されて、苦しかろう」
「黙れ! 貴様にシンクレーグを占領される方が、よほど口惜しいわい! ピドーにとっても、ワシにとっても!」
僕は、デーモンと打ち合う。
相手の得物はバスタードソード、つまり片手持ちの大剣だ。
こちらはサーベルである。切り合いとして相性は悪い。
どうにか、スキルで持ちこたえる。
それにしても、強い。さすが、デーモンロードだけあった。ピドー王が相手なら、一瞬で倒せただろう。このデーモンから力をもらっているため、ピドー王は無敵なのだ。
「シンクレーグには、なにがあるというのだ?」
どうして、どいつもこいつもシンクレーグに執着するのか。
「やはり。なにも知らずに、シンクレーグを開拓していたわけか。お笑いだ」
「話してくれないようだから、こちらも本気を出して潰させてもらう。魔改造!」
僕は、ペカディアに取り憑いていた魔族を倒したように、肉体を強化した。
力を増大した【電光石火】によって、ピドー王は串刺しになる。
雷魔法は、アンデッドに特別な効果をもたらさない。しかし増幅された電流は確実に、デーモンの命を削っていく。
「おお!」
剣を振って、デーモンロードも対抗する。
だが、より早く動ける僕に、デーモンは追いつけない。
「トドメだ!」
心臓にある魔族の核を、サーベルで刺し貫く。
「ぬふう! さすがに古代魔王の力ぞ。シンクレーグに本体を置くその力さえあれば、世界は我が手にできるというものを!」
なんだと?
「この力が、古代の魔王の?」
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