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第四章 海賊退治と黒幕

第35話 強敵、スケルトンキング

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 クジラ幽霊船を抜けて、ピドー王へ迫った。

「覚悟せいや!」

 リユの大剣が、ピドー王をとらえる。

 しかし、リユの火炎の刀攻撃は、ピドー王の氷の剣によって阻まれた。

「フン! バカ力だけが取り柄のドラゴンごときに、このワシが斬れるものか!」

 たかがスケルトンキングと、侮ったか。

「こいつ、魔王の恩恵を受けていると見て間違いない」

「魔王側が仕掛けた、攻撃役?」

「そのようだ! レフィーメ、散って!」

 僕は、レフィーメと連携を取った。無数のナイフをつなぎ合わせたサーベル【ナイブズ・アウト】を、鞘から抜く。

「いくぜ【電光石火】!」

 電光石火で、サーベルのリーチを伸ばした。レフィーメの方角へ。

「フヒャッヒャ! 血迷ったか、ディートヘルム王子よ! 味方に向けて攻撃など!」

「ふん!」

 レフィーメがハルバートで、僕のサーベルを弾き飛ばした。

 無軌道になったサーベルの刃が、ピドー王を狙う。

「こしゃくな。ガキどもが!」

 それでも、ピドー王は剣で僕の攻撃をさばく。

「ザコが集まっても所詮はザコに過ぎぬ! 我が幽霊船の柱にしてくれよう!」

「おまえの方こそ、散骨されよ!」

 僕の背後から、カガシがピドー王に飛びかかる。

 カガシの短剣が、ピドー王の首をはねた。

 ところが、ピドー王の首がすぐに再生してしまう。

「な!?」

「甘いわ、メギツネが!」

 ピドー王が、クジラキメラの触手を操って、カガシを捕まえた。

 カガシは懸命に逃げたが、足首を掴まれてしまう。

「いかん。カガシ!」

「ワタシは無事です! お嬢様はコヤツを!」

 逆さに吊るされて、カガシはもがいている。

「ディータ、あのガイコツ、不死身かいな!?」

「いや。死んでいるから、不死身ってことはない」

「言葉遊びしとる場合じゃねえんじゃ! なんとかせんと!」

 わかっている。この世界に、永遠の命なんてない。

 どこかに、ピドー王を倒す突破口があるはずだ。

 だが、それがなんなのか、まだ見つからない。

「領主さま、離れて!」

 移動要塞が、クジラ型キメラのすぐそこまで迫ってきた。要塞を操っているのは、ヘニーだ。

「カガシさんはわたしが助けます!」

 要塞から、ヘニーが火球を大量に撒き散らす。

「火炎砲台の火力をさらに上げて、いけー!」

 ドンドンドンと、無数の砲弾をクジラキメラに打ち込む。

 カガシを縛るクジラキメラの触手に、砲弾が当たった。

「上等じゃ、ヘニーッ! いくぞカガシ!」

「かたじけない! ピドー王、先程はよくも」

 リユとカガシの師弟コンビが、砲弾の援護を受けながらピドー王に斬りかかる。

 だが、ピドー王はビクともしない。「その場にとどまったまま」だ。

 待てよ。そういうことか。
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