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第三章 住民のおかげで街の発展がはかどりすぎて怖い

第23話 装備とビルドの見直し

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 攻略したダンジョン前に、冒険者たちを呼び出す。

「大きな魔力を放っていた魔物は、倒した。あとはお前たちに任せる。頼むぞ」

「はい。領主ディータ様」

 ダンジョンの後始末や調査は、彼らに交代した。

 問題がなければそのまま占領し、領土を拡大する。

 こちらは実験室に戻って、戦利品の見直しだ。

「レアが多いな」

「ハズレもないのう」

 特に、リユのヨロイに使えそうな装備が多い。

「この鉱石は、ドレスアーマーの素材に使えそう。やってみる」

「おう。頼むわい」

「それに、こっちは武器に使える」

 ドワーフ用の工房まで、装備を持ち運ぶ。

 全員分合わせて、改造には三日かかる。それまで、待っててほしいとのこと。

「わかった。それまで、ビルドの見直しをしよう」

「よっしゃ」

 ビルドのセッティングには、食堂を選んだ。食べながら、ついででスキルを覚えようとなった。

「それで、レフィーメもついてきたのか?」

「仕事は、弟子に任せておいた。わたしは指示を出すだけ」

 最後の仕上げだけが、レフィーメの役割だという。

 みんなでカレーライスを食べつつ、スキル表とにらめっこする。

「できました。【シャーマン】にジョブチェンジして、召喚魔法を覚えました」

「早いな、ヘニー」

「ええ。ミニオンを見てください。では、おいでー」

【ハンターズミニオン】という、手下の精霊を呼び出す魔法だ。手のひらサイズの妖精と、丸っこいスライム、亀の甲羅をまとったイノシシが召喚される。

「小さい妖精ちゃんが『マト』。スライムちゃんが『タンゴ』、大きなブタちゃんが、『リュフ』です」

 妖精は弓を使う攻撃タイプだ。スライムは攻撃できない代わりに無敵で、アイテムを回収する係らしい。イノシシは荷物運びと、ヘニーの壁役に徹するという。弓妖精の弾除けにも使える。

「魔法と弓を併用すると、どうしても詠唱や集中の時間がほしいので」

 レンジャーのスキルはすべて、ミニオンに振ったらしい。今後ヘニーは魔法使いとして、最後衛に回る。

「なので、弓の改造も依頼します。レフィーメ王女、お願いできますか?」

「急な依頼でも、我がドワーフなら大丈夫」

 レフィーメがサムズ・アップした。

「王女はいらない。レフィーメで」

「ありがとうございます。レフィーメさん。私もヘニーで」

「ヘニー、こちらこそ頼ってくれて感謝する」

「ごめんなさいディータさま。せっかく武器を作ってくださったのに」

 詫びるヘニーに、僕は首を振る。

「構わない。自分にできることをやりなさい」

 僕は、武器の専門家ではない。ヘニーの火力不足も、最近は悩ましかった。

「ありがとうございます、ディータさま」

 で、リユの方だが。

「いつも通りじゃ。火力一辺倒じゃのう」

 防御や回避より、攻撃力を上げて立ち回るストロングスタイルを選んだ。小細工なしの、実にわかりやすいビルドである。

「魔法の項目をほとんど、空けたのか」

「そうじゃ。特に主力じゃったファイアーボールは、消した。ヘニーが取ってくれたよってに」

 後衛が魔法を撃ってくれるなら、リユが使う必要もなかろう。

「そちらが攻撃一辺倒で行くなら、こちらはタンク職になる」

 チームの壁役として、レフィーメは働くことになった。

「いいのか?」

「どの道、リユがどう動きたいかでジョブを選ぼうと思っていた。チームだから」

 だが、ここで申し訳無さそうになるのが、我が妻である。

「それは、すまんのう」

「自分の得意な分野を伸ばすべき。わたしは、どっちでもいい」

 優れた肉体を持つドワーフは、魔法使いだろうが前衛しかできない。アタッカーになるか、タンクになるかの違いだけだという。

「ディータさまは、どうするのです?」

「中衛でサポートと、切り込みの併用かな?」

 食事が済んだら、ダンジョンに潜ってみよう。ビルドを試さないと。

「装備はドワーフたちに預けているから、軽めのダンジョンに行こう。主にアイテムの素材集めがメインだ」
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