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第二章 発足、百合テロ同好会
決戦、魔族と百合テロリスト
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「貴様、生きていたのか! このぉ!」
魔族マントが、身体を反らしてオレに体当たりしてきた。
マントの端が、鋭利な刃物のようになる。
「とう!」
オレは、その場から半裸の状態で飛び上がった。ソフィ立ちをかばうように、地面に降り立つ。
ソフィとツンディーリアが、オレを避けるように遠のく。
ソフィは顔を大きく横へそらしている。
ツンディーリアは、指の隙間からオレの身体を覗いていた。
横にあった木が、中央から切られる。
ズン、という音と共に、葉の生い茂っていた大木が倒れた。
「そんなトロい攻撃では、オレを捕らえられんぞ!」
濡れた髪をかき分け、魔族マントとにらみ合う。
「フフフ、このオレの大好物である百合で圧殺しようとは、魔族も考えたモノだな」
インナー姿のまま、オレは魔族マントを見据えた。
「いいから服を着てぇ!」
ソフィたっての希望で、オレは仕方なく
瞬時に制服を乾かし、オレは着替える。
「バカな! 貴様は今頃、オレサマが操っていた生徒の手で肉団子になっているはず!」
決め手の百合攻撃から脱出され、魔族マントが狼狽している。
「フフ、デンプンだよ」
「デンプンだと! そんなものどこにも!」
「知らないのか? 百合の根からも、テンプンは採取できるのだ!」
あの【百合散水】は、オレ自身を濡らすためでもあった。さらに、百合の根を使ってデンプンを生成した。再度【百合散水】を展開して、デンプンも活用する。滑りをよくした状態で、脱出に成功したのだ。
「ホントだわ。ちょっとユリアン王子の身体、百合の香りが充満しているわよ」
「きつめの香水みたいな匂いですわ」
その場にいる全員が、強烈な芳香に鼻を押さえる。
「では、あの女どもは……はあ!?」
状況を見て、魔族マントが狼狽した。
「彼女たちなら、今ごろ夢の中さ」
オレをプレスしようとしていた女子生徒たちは、全員が倒れている。
「百合に挟まれて死ぬ。よい考えだった」
たしかに、百合好きとしては絶好の死に様だろう。
「だが、それは邪道というのだ! 王道を行くオレには、通用せん!」
オレが指を差すと、マントの紋章が歯噛みした。
「こしゃくな、バルシュミーデの王子め!」
「さて、反撃開始だ」
間合いを取って、オレたちは向かい合う。
「お待ちを、王子! 相手はわたくしの攻撃すら受け付けません。それに、あなたは戦闘タイプの魔術師ではないでしょ?」
「心配するな。コイツが回避特化なだけ。オレの敵ではない」
ツンディーリアは火力こそ強いが、スピードがない。そこを突かれたに過ぎなかった。
ソフィなら、対等に渡り合えるかも知れない。
「始まるわよ、ヘンタイ同士の戦いが」
ソフィが、息を飲む。
「くらえ!」
またも、刃物のようなマント攻撃が襲ってきた。
「ふん!」
オレは腕を回しながら、受け流す。
「当たらなければ、どうにでもなる」
マントを叩き、張り詰めた箇所を曲げる。
これで、鋭利さは解消された。
「なんだと? コイツ、魔法だけじゃないのか?」
「貴様の戦闘力など、こんなものだ!」
別にオレは、特別強いわけじゃない。
コイツより少し強いだけだ。
オレの戦闘力は、真面目に戦ってもソフィより劣るだろう。
「ならば、こうだ!」
続いてマントは、オレの手首を締め上げようとする。
「さっきも言っただろう? オレはデンプンを塗ったのだと!」
魔法で、汗を百合から出たデンプンに変換した。滑りのよくなった手首を、マントの拘束から抜く。
「ね、ヘンタイでしょ?」
同意を求めるように、ソフィがツンディーリアに耳打ちする。
「うへえ! きったね!」
自分でヌメリを拭うことができないようだ。
「ホラホラ、もっとくれてやろう。貴様も百合まみれにしてやろう!」
次から次と、オレはデンプン汗をマントに向けて飛ばす。
「げええええ! 匂いがきつい!」
身体をブルブルっと振って、魔族マントは表面についたデンプンを飛ばした。
「降参しろ。貴様に勝ち目はない」
「へへへ。この程度の攻撃で、オレサマに勝ったつもりか?」
紋章全体が、妖しげな光を放つ。
「行け。もう一度オレサマの為に働け!」
女生徒たちが、ムクリと起き上がった。
オレに向かって、足を引きずりながら近づいてくる。
「精神操作において、魔族の右に出る物はない! お前は、最悪の決断をしたんだ! 仲間の手を借りなかったことを、後悔するがいい!」
マント如きが、勝利宣言をする。
「やれやれ。まだ勝った気でいたのか」
「なんだと!? 腐っても、オレサマは魔族だぞ。魔族は人間の精神操作なぞ弾き返すのだ! いくら王子が心を操る達人と言えど!」
自分が魔族だから、人間に負けるはずがないと。
嘆かわしい。
呆れて、ものも言えん。
「お前には、万に一つの勝ち目もない。そもそもマインドコントロールでオレと戦おうとした時点で、貴様は敗北しているのだ!」
「負け惜しみを! 見ろ! オナゴどもはお前の元へ……ええ!? ええええ!?」
予想外のことが起き、マントが女子生徒たちを二度見した。
女子の群れはオレではなく、マントの方を掴んだではないか。
魔族マントが、身体を反らしてオレに体当たりしてきた。
マントの端が、鋭利な刃物のようになる。
「とう!」
オレは、その場から半裸の状態で飛び上がった。ソフィ立ちをかばうように、地面に降り立つ。
ソフィとツンディーリアが、オレを避けるように遠のく。
ソフィは顔を大きく横へそらしている。
ツンディーリアは、指の隙間からオレの身体を覗いていた。
横にあった木が、中央から切られる。
ズン、という音と共に、葉の生い茂っていた大木が倒れた。
「そんなトロい攻撃では、オレを捕らえられんぞ!」
濡れた髪をかき分け、魔族マントとにらみ合う。
「フフフ、このオレの大好物である百合で圧殺しようとは、魔族も考えたモノだな」
インナー姿のまま、オレは魔族マントを見据えた。
「いいから服を着てぇ!」
ソフィたっての希望で、オレは仕方なく
瞬時に制服を乾かし、オレは着替える。
「バカな! 貴様は今頃、オレサマが操っていた生徒の手で肉団子になっているはず!」
決め手の百合攻撃から脱出され、魔族マントが狼狽している。
「フフ、デンプンだよ」
「デンプンだと! そんなものどこにも!」
「知らないのか? 百合の根からも、テンプンは採取できるのだ!」
あの【百合散水】は、オレ自身を濡らすためでもあった。さらに、百合の根を使ってデンプンを生成した。再度【百合散水】を展開して、デンプンも活用する。滑りをよくした状態で、脱出に成功したのだ。
「ホントだわ。ちょっとユリアン王子の身体、百合の香りが充満しているわよ」
「きつめの香水みたいな匂いですわ」
その場にいる全員が、強烈な芳香に鼻を押さえる。
「では、あの女どもは……はあ!?」
状況を見て、魔族マントが狼狽した。
「彼女たちなら、今ごろ夢の中さ」
オレをプレスしようとしていた女子生徒たちは、全員が倒れている。
「百合に挟まれて死ぬ。よい考えだった」
たしかに、百合好きとしては絶好の死に様だろう。
「だが、それは邪道というのだ! 王道を行くオレには、通用せん!」
オレが指を差すと、マントの紋章が歯噛みした。
「こしゃくな、バルシュミーデの王子め!」
「さて、反撃開始だ」
間合いを取って、オレたちは向かい合う。
「お待ちを、王子! 相手はわたくしの攻撃すら受け付けません。それに、あなたは戦闘タイプの魔術師ではないでしょ?」
「心配するな。コイツが回避特化なだけ。オレの敵ではない」
ツンディーリアは火力こそ強いが、スピードがない。そこを突かれたに過ぎなかった。
ソフィなら、対等に渡り合えるかも知れない。
「始まるわよ、ヘンタイ同士の戦いが」
ソフィが、息を飲む。
「くらえ!」
またも、刃物のようなマント攻撃が襲ってきた。
「ふん!」
オレは腕を回しながら、受け流す。
「当たらなければ、どうにでもなる」
マントを叩き、張り詰めた箇所を曲げる。
これで、鋭利さは解消された。
「なんだと? コイツ、魔法だけじゃないのか?」
「貴様の戦闘力など、こんなものだ!」
別にオレは、特別強いわけじゃない。
コイツより少し強いだけだ。
オレの戦闘力は、真面目に戦ってもソフィより劣るだろう。
「ならば、こうだ!」
続いてマントは、オレの手首を締め上げようとする。
「さっきも言っただろう? オレはデンプンを塗ったのだと!」
魔法で、汗を百合から出たデンプンに変換した。滑りのよくなった手首を、マントの拘束から抜く。
「ね、ヘンタイでしょ?」
同意を求めるように、ソフィがツンディーリアに耳打ちする。
「うへえ! きったね!」
自分でヌメリを拭うことができないようだ。
「ホラホラ、もっとくれてやろう。貴様も百合まみれにしてやろう!」
次から次と、オレはデンプン汗をマントに向けて飛ばす。
「げええええ! 匂いがきつい!」
身体をブルブルっと振って、魔族マントは表面についたデンプンを飛ばした。
「降参しろ。貴様に勝ち目はない」
「へへへ。この程度の攻撃で、オレサマに勝ったつもりか?」
紋章全体が、妖しげな光を放つ。
「行け。もう一度オレサマの為に働け!」
女生徒たちが、ムクリと起き上がった。
オレに向かって、足を引きずりながら近づいてくる。
「精神操作において、魔族の右に出る物はない! お前は、最悪の決断をしたんだ! 仲間の手を借りなかったことを、後悔するがいい!」
マント如きが、勝利宣言をする。
「やれやれ。まだ勝った気でいたのか」
「なんだと!? 腐っても、オレサマは魔族だぞ。魔族は人間の精神操作なぞ弾き返すのだ! いくら王子が心を操る達人と言えど!」
自分が魔族だから、人間に負けるはずがないと。
嘆かわしい。
呆れて、ものも言えん。
「お前には、万に一つの勝ち目もない。そもそもマインドコントロールでオレと戦おうとした時点で、貴様は敗北しているのだ!」
「負け惜しみを! 見ろ! オナゴどもはお前の元へ……ええ!? ええええ!?」
予想外のことが起き、マントが女子生徒たちを二度見した。
女子の群れはオレではなく、マントの方を掴んだではないか。
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