36 / 49
第五章 最大のピンチ! 飼い主を救うニャー
第36話 高熱でダウン
しおりを挟む
「うわーっ!」
本格的な冬到来の前に、大雨が降ってきた。
「ひどい雨だな、こりゃあ」
ドバドバとバケツを引っくり返したような雨の中、ボクはゴミを置きに行く。
このところ、雨のせいでゴミを置く機会がなかった。しかし、いくら待ってもゴミが溜まっていく。
ゴミ出しの時間をすっかり逃してしまったボクは、大雨の中での作業を余儀なくされる。
仕方ないね。
おかげで、二往復もしてしまった。
「こんな夜に、雨が降ってくるなんて」
ついてない。
服も傘も、ずぶ濡れに。
ボクはゴミ出しを終えた直後、オフロに入った。
疲れた身体に、お湯が染み渡る。
「ふうう……」
身体が冷えているなあ。入浴中なのに、震えが止まらないや。
このところ、仕事もバタついていたからなぁ。ボクの仕事じゃないエリア業務も、担当したし。簡単な作業だったから、よかったものの。
それも、体調を崩した人がいたからだ。
このところ、社員のほとんどが体調を崩している。
子どもにカゼをうつされたり、自分がどこかからもらってきたり。
感染しないように万全の態勢を取っていても、かかる人はかかる。
ボクも気をつけないとなぁ。
なぜか、ビビがお風呂場まで歩いてきた。心配げに、『ニャー』と鳴いている。いつもは、水場には近づかないのに。自動給水器のお水に手を付けているから、ノドが渇いているわけでもなさそう。
「大丈夫だよ、ビビ。すぐに出るから。その後、ゴハンにしよう」
オフロから出て、ビビの食事を用意した。
ボクの分は、耐熱容器に入った肉じゃがである。おコメとお味噌汁だけは、手作りだ。
食事は大家のトワさんから、作り置きを大量にもらっている。その量は、約三日分だ。
トワさんたち一家は、しばらくの間は家にいない。すしおくんも。全員、温泉旅行に出かけているのだ。
ペットも入れる温泉かぁ。ボクも行ってみたいな。
ビビがケージで窮屈しなければ、いいけど。
「うん。あいかわらず、おいしい。ありがとうございます」
今はいないトワさんに、お礼を言う。
食後、ゲームにログインする。
「ビビ、こんばんはー」
『ケントご主人、なんだか顔色が悪いニャー』
珍しく、ビビが不安な顔を見せた。
「ボクは大丈夫だよ、ビビ。心配ないから」
ズズ、と、ボクは鼻をすする。
『すでに、鼻声だニャー』
ビビに指摘されるまで、そんなこと気にもしていなかったな。
ボクはティッシュ箱を引き寄せて、鼻をかむ。セミダイブだと、こういう行為もできていいね。
『季節の変わり目だから、気をつけるニャー』
飼い猫に心配されるくらいだから、目に見えて体調が悪いのかも。
「そうだね。近い内にボクも予防接種を打とうかな」
先日、獣医さんから、ビビには注射を打ってもらった。
ペットの健康第一で、自分は不摂生というのは、飼い主あるあるだね。
飼い主である自分がしっかりしないと、ペットの安全どころではない。
「今日は、遊ぼう」
『ちょっとだけにするニャー。早く休むニャよ』
「わかった。今日は、近くを回るだけにしよう」
前に行ったダンジョンを、積極的に回る。
この間行った幽霊屋敷、【ホーンテッド・パレス】の近くにある山へ、鉱石を掘りに向かう。
「レア鉱石が出るといいね」
『後ろは任せるニャー』
ビビが見張っている間、ボクは【幸運のツルハシ】を振った。
『敵が来たニャー』
「ボクも戦うよ」
せっかく、装備を強化したんだ。試してみたい。
【赤熱の剣】なら、アンデッドにも通用しそう。
「それ!」
ボクは、炎が燃え上がる刀身で、ゾンビを斬りつけた。
アンデッドモンスターが、炎に包まれる。
やはり、ボクの予想は当たった。
この武器を使っていたら、オフ会でもうちょっと活躍できただろうね。
ベルさんやイチさんが強すぎたから、ボクは役に立たないかな。
でも今のボクとしては、この剣で暖を取りたいかも。
気を取り直して、鉱石を掘り進める。
「【紫水晶】だって。魔法の武器が作れるそうだよ」
『それを取って、早く戻るニャー』
「いい感じの鉱石が手に入ったよ、ビビ。ありがとう」
ボクは今まで以上に、ビビを撫でる。
『気を付けて帰るニャー』
街に戻って、トワさんの家に預けた。
トワさんがログインしていなくても、ドロップアイテムを預けることはできる。
「今日はありがとう、ビビ。楽しかった」
『ニャアは不安でしょうがなかったニャー。早く寝るニャー』
「わかった。おやすみ、ビビ」
ビビに催促される感じで、ログアウトする。
ホントに、今のボクは顔色が悪いんだな。
寝ようとしたところ、鈴音さんからメッセが来ていた。
軽くやり取りをする。
以前お邪魔したとき、「今度、家に来ていいか」と言われたので、住所は教えてある。
明日にでもどうか、と誘われた。
が、ボクの体調がすぐれないので後日にしてもらう。
翌朝、ボクは動けなくなった。
身体が重い。
これは、本格的にカゼを引いてしまったようだ。
幸い、ビビのゴハンはすべて全自動で行える。
ボクは寝ているだけでいい。
このカゼ、いつまで続くのか……。
「しまった。カギを閉めてない」
ボクは玄関に向かおうとした。
だが、そこで力尽きてしまう。
夕方頃、ボクは目を覚ました。
あれ、ベッドで寝ている。
「気が付きましたか?」
ベッドのそばに、鈴音さんがいた。
本格的な冬到来の前に、大雨が降ってきた。
「ひどい雨だな、こりゃあ」
ドバドバとバケツを引っくり返したような雨の中、ボクはゴミを置きに行く。
このところ、雨のせいでゴミを置く機会がなかった。しかし、いくら待ってもゴミが溜まっていく。
ゴミ出しの時間をすっかり逃してしまったボクは、大雨の中での作業を余儀なくされる。
仕方ないね。
おかげで、二往復もしてしまった。
「こんな夜に、雨が降ってくるなんて」
ついてない。
服も傘も、ずぶ濡れに。
ボクはゴミ出しを終えた直後、オフロに入った。
疲れた身体に、お湯が染み渡る。
「ふうう……」
身体が冷えているなあ。入浴中なのに、震えが止まらないや。
このところ、仕事もバタついていたからなぁ。ボクの仕事じゃないエリア業務も、担当したし。簡単な作業だったから、よかったものの。
それも、体調を崩した人がいたからだ。
このところ、社員のほとんどが体調を崩している。
子どもにカゼをうつされたり、自分がどこかからもらってきたり。
感染しないように万全の態勢を取っていても、かかる人はかかる。
ボクも気をつけないとなぁ。
なぜか、ビビがお風呂場まで歩いてきた。心配げに、『ニャー』と鳴いている。いつもは、水場には近づかないのに。自動給水器のお水に手を付けているから、ノドが渇いているわけでもなさそう。
「大丈夫だよ、ビビ。すぐに出るから。その後、ゴハンにしよう」
オフロから出て、ビビの食事を用意した。
ボクの分は、耐熱容器に入った肉じゃがである。おコメとお味噌汁だけは、手作りだ。
食事は大家のトワさんから、作り置きを大量にもらっている。その量は、約三日分だ。
トワさんたち一家は、しばらくの間は家にいない。すしおくんも。全員、温泉旅行に出かけているのだ。
ペットも入れる温泉かぁ。ボクも行ってみたいな。
ビビがケージで窮屈しなければ、いいけど。
「うん。あいかわらず、おいしい。ありがとうございます」
今はいないトワさんに、お礼を言う。
食後、ゲームにログインする。
「ビビ、こんばんはー」
『ケントご主人、なんだか顔色が悪いニャー』
珍しく、ビビが不安な顔を見せた。
「ボクは大丈夫だよ、ビビ。心配ないから」
ズズ、と、ボクは鼻をすする。
『すでに、鼻声だニャー』
ビビに指摘されるまで、そんなこと気にもしていなかったな。
ボクはティッシュ箱を引き寄せて、鼻をかむ。セミダイブだと、こういう行為もできていいね。
『季節の変わり目だから、気をつけるニャー』
飼い猫に心配されるくらいだから、目に見えて体調が悪いのかも。
「そうだね。近い内にボクも予防接種を打とうかな」
先日、獣医さんから、ビビには注射を打ってもらった。
ペットの健康第一で、自分は不摂生というのは、飼い主あるあるだね。
飼い主である自分がしっかりしないと、ペットの安全どころではない。
「今日は、遊ぼう」
『ちょっとだけにするニャー。早く休むニャよ』
「わかった。今日は、近くを回るだけにしよう」
前に行ったダンジョンを、積極的に回る。
この間行った幽霊屋敷、【ホーンテッド・パレス】の近くにある山へ、鉱石を掘りに向かう。
「レア鉱石が出るといいね」
『後ろは任せるニャー』
ビビが見張っている間、ボクは【幸運のツルハシ】を振った。
『敵が来たニャー』
「ボクも戦うよ」
せっかく、装備を強化したんだ。試してみたい。
【赤熱の剣】なら、アンデッドにも通用しそう。
「それ!」
ボクは、炎が燃え上がる刀身で、ゾンビを斬りつけた。
アンデッドモンスターが、炎に包まれる。
やはり、ボクの予想は当たった。
この武器を使っていたら、オフ会でもうちょっと活躍できただろうね。
ベルさんやイチさんが強すぎたから、ボクは役に立たないかな。
でも今のボクとしては、この剣で暖を取りたいかも。
気を取り直して、鉱石を掘り進める。
「【紫水晶】だって。魔法の武器が作れるそうだよ」
『それを取って、早く戻るニャー』
「いい感じの鉱石が手に入ったよ、ビビ。ありがとう」
ボクは今まで以上に、ビビを撫でる。
『気を付けて帰るニャー』
街に戻って、トワさんの家に預けた。
トワさんがログインしていなくても、ドロップアイテムを預けることはできる。
「今日はありがとう、ビビ。楽しかった」
『ニャアは不安でしょうがなかったニャー。早く寝るニャー』
「わかった。おやすみ、ビビ」
ビビに催促される感じで、ログアウトする。
ホントに、今のボクは顔色が悪いんだな。
寝ようとしたところ、鈴音さんからメッセが来ていた。
軽くやり取りをする。
以前お邪魔したとき、「今度、家に来ていいか」と言われたので、住所は教えてある。
明日にでもどうか、と誘われた。
が、ボクの体調がすぐれないので後日にしてもらう。
翌朝、ボクは動けなくなった。
身体が重い。
これは、本格的にカゼを引いてしまったようだ。
幸い、ビビのゴハンはすべて全自動で行える。
ボクは寝ているだけでいい。
このカゼ、いつまで続くのか……。
「しまった。カギを閉めてない」
ボクは玄関に向かおうとした。
だが、そこで力尽きてしまう。
夕方頃、ボクは目を覚ました。
あれ、ベッドで寝ている。
「気が付きましたか?」
ベッドのそばに、鈴音さんがいた。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる