33 / 49
第四章 オフ会のお誘い
第33話 オフ会終了
しおりを挟む
ギルドに戻って、報告をした。
「はい。たしかに、【ホーンテッド・パレス】の攻略を確認しました。ありがとうございます。これで、街がオバケに脅かされる心配はないでしょう」
ジャラジャラと、ボクの冒険者証に報酬が振り込まれる。
いただいた報酬は、みんなで均等に山分けした。
「さて、お店に行くよー」
トワさんのお店で、ドロップアイテムの加工を行うことに。
自分の定位置だと言わんばかりに、すしおくんはお店のカウンターに鎮座する。
すしおくんが座った途端、NPCやらお客さんやらが殺到した。まさに招き猫ではないか。大人気だね。
さっそく、イチさんがゲットした【銅のかけら】と【サファイアの眼】を、トワさんが加工する。
「あと、銃も強化できるようになったよー」
トワさんは鍛冶レベルが上がり、さらなる武器の加工が可能になったという。
「じゃあトワ、お願い」
ベルさんは、自身の銃と手持ちの素材すべてをトワさんに託す。
「もらったアイテムは、それぞれで分担しよう」
トワさんが加工をしている間に、イチさん先導で報酬のアイテムを分け合うことに。
ボクは報酬のお金と、盾に魔除け効果をもたらす【退魔の十字】をもらう。
「こんないいもの、もらっていいんでしょうか?」
第一、ボクは今回、なにもしていない。
アイテムをもらっていい立場じゃ、ないんだけどな。
「構わない。ケント氏が陰ながら前衛として、我々を守ってくれていたのはわかっているなり。目立たないと思っていたら、おおまつがい」
ちゃんと、イチさんはボクの動きを見てくれていたのか。
「そうよ。ことあるごとに前に出て、支えてくれていたのは知っていたわ。どうしてもビビちゃんのほうが目立つけど、だからってケントがいらないなんてのはありえないわ。ケントががんばっているから、ビビちゃんも自由に動き回れるんですから」
ベルさんも、ボクの行動を評価してくれた。
ビビには、【古のロザリオ】が渡される。魔力を少しずつ回復する効果が、あるそうだ。おそらくこれで、火力にさらなる余裕が生まれるだろう。
ボクがロザリオを首にかけてあげると、ビビはうれしそうに『にゃーん』と鳴いた。
「ホントに、うれしそうね」
ベルさんが、幸せそうなビビにうっとりしている。
「ウチも、そっちがいいかなー」
十字もロザリオも、それぞれ二人分あった。
トワさんも、ボクと同様のアイテムを受け取る。
「では我々は、こちらを」
遠距離攻撃型の二人は、【霊感スコープ】というアイテムを受け取った。対アンデッド効果ないアイテムでも、ダメージを与えられるようになる。
ナインくんとホクサイくんは、【破邪の篭手】というアイテムを装備した。アンデッドがもたらす毒などのデバフを、受け付けない。
「装備が完成したよー」
銅のかけらは、イチさんの装備に変わった。【鎮魂のカギ】という、ミミックを撃退できるアイテムだ。宝箱探索の、要になるだろう。
サファイアの眼は、【八方美人の杖】という杖に。
【スプリット・レイ】という、拡散攻撃魔法を撃てる。威力こそ本家より低いが、魔力を消耗しない。
「すばら。見事な手際である。感謝」
「ありがとー」
イチさんが、トワさんの技術を称賛する。
「できたよー。【トールハンマー】って銃だよー」
トワさんの手で、ベルさんの銃が【ハンドキャノン】という武器種に変わった。拳銃の、強化版である。連射はできなくなったけど、溜め撃ちができるために一撃が大きい。対ボス用の武器といえばいいかな。
しかしこのトールハンマーは、拳銃モードとハンドキャノンモードとを切り替えられるのだ。普段の雑魚戦では拳銃で連射を、ボス戦でハンドキャノンで溜め撃ち、という具合である。
「ありがとう。すごい仕事をするのね」
「レベルが上がったからだよー。みんなのおかげだよー」
トワさんが謙遜した。
「えっと、本来ならここからホーンテッド・パレスの原因となったヴァンパイアを倒すミッションがスタートする。だが、今回はもうお時間が来てしまった」
外を見ると、すっかり暗くなっていた。まだ、夕方なのだが。
やはり、冬が近い。
ゲームを終えて、軽くお茶で一休みする。
次回、今度はオンラインで落ち合うことにした。
「ボクはこの時間なら、半休ですね。ビビのごはんが済んだら、お昼からインできますよ」
「助かる。では、この日で」
ボクたちは、次の待ち合わせを話し合う。
「では、本日のオフ会はここまでにするお。ありがとだおね」
「ごちそうさまでした。ありがとうございます」
ボクは、ビビをボックス型のケージに入れる。
「じゃあねー」
トワさんは、迎えの車に乗って帰っていった。これから、周辺の観光らしい。
「あの、ケントさん」
さてボクも、と思っていたら、鈴音さんがボクのそばにやってきた。
「なんでしょう?」
「いっしょに、帰りませんか?」
「あ、はい。そうですね」
もう、外も暗い。女性一人では、犬を連れていても危ないだろう。
「あたしの家は、駅の近くなので、そこまで」
「はい。いっしょに帰りましょう」
「はい。たしかに、【ホーンテッド・パレス】の攻略を確認しました。ありがとうございます。これで、街がオバケに脅かされる心配はないでしょう」
ジャラジャラと、ボクの冒険者証に報酬が振り込まれる。
いただいた報酬は、みんなで均等に山分けした。
「さて、お店に行くよー」
トワさんのお店で、ドロップアイテムの加工を行うことに。
自分の定位置だと言わんばかりに、すしおくんはお店のカウンターに鎮座する。
すしおくんが座った途端、NPCやらお客さんやらが殺到した。まさに招き猫ではないか。大人気だね。
さっそく、イチさんがゲットした【銅のかけら】と【サファイアの眼】を、トワさんが加工する。
「あと、銃も強化できるようになったよー」
トワさんは鍛冶レベルが上がり、さらなる武器の加工が可能になったという。
「じゃあトワ、お願い」
ベルさんは、自身の銃と手持ちの素材すべてをトワさんに託す。
「もらったアイテムは、それぞれで分担しよう」
トワさんが加工をしている間に、イチさん先導で報酬のアイテムを分け合うことに。
ボクは報酬のお金と、盾に魔除け効果をもたらす【退魔の十字】をもらう。
「こんないいもの、もらっていいんでしょうか?」
第一、ボクは今回、なにもしていない。
アイテムをもらっていい立場じゃ、ないんだけどな。
「構わない。ケント氏が陰ながら前衛として、我々を守ってくれていたのはわかっているなり。目立たないと思っていたら、おおまつがい」
ちゃんと、イチさんはボクの動きを見てくれていたのか。
「そうよ。ことあるごとに前に出て、支えてくれていたのは知っていたわ。どうしてもビビちゃんのほうが目立つけど、だからってケントがいらないなんてのはありえないわ。ケントががんばっているから、ビビちゃんも自由に動き回れるんですから」
ベルさんも、ボクの行動を評価してくれた。
ビビには、【古のロザリオ】が渡される。魔力を少しずつ回復する効果が、あるそうだ。おそらくこれで、火力にさらなる余裕が生まれるだろう。
ボクがロザリオを首にかけてあげると、ビビはうれしそうに『にゃーん』と鳴いた。
「ホントに、うれしそうね」
ベルさんが、幸せそうなビビにうっとりしている。
「ウチも、そっちがいいかなー」
十字もロザリオも、それぞれ二人分あった。
トワさんも、ボクと同様のアイテムを受け取る。
「では我々は、こちらを」
遠距離攻撃型の二人は、【霊感スコープ】というアイテムを受け取った。対アンデッド効果ないアイテムでも、ダメージを与えられるようになる。
ナインくんとホクサイくんは、【破邪の篭手】というアイテムを装備した。アンデッドがもたらす毒などのデバフを、受け付けない。
「装備が完成したよー」
銅のかけらは、イチさんの装備に変わった。【鎮魂のカギ】という、ミミックを撃退できるアイテムだ。宝箱探索の、要になるだろう。
サファイアの眼は、【八方美人の杖】という杖に。
【スプリット・レイ】という、拡散攻撃魔法を撃てる。威力こそ本家より低いが、魔力を消耗しない。
「すばら。見事な手際である。感謝」
「ありがとー」
イチさんが、トワさんの技術を称賛する。
「できたよー。【トールハンマー】って銃だよー」
トワさんの手で、ベルさんの銃が【ハンドキャノン】という武器種に変わった。拳銃の、強化版である。連射はできなくなったけど、溜め撃ちができるために一撃が大きい。対ボス用の武器といえばいいかな。
しかしこのトールハンマーは、拳銃モードとハンドキャノンモードとを切り替えられるのだ。普段の雑魚戦では拳銃で連射を、ボス戦でハンドキャノンで溜め撃ち、という具合である。
「ありがとう。すごい仕事をするのね」
「レベルが上がったからだよー。みんなのおかげだよー」
トワさんが謙遜した。
「えっと、本来ならここからホーンテッド・パレスの原因となったヴァンパイアを倒すミッションがスタートする。だが、今回はもうお時間が来てしまった」
外を見ると、すっかり暗くなっていた。まだ、夕方なのだが。
やはり、冬が近い。
ゲームを終えて、軽くお茶で一休みする。
次回、今度はオンラインで落ち合うことにした。
「ボクはこの時間なら、半休ですね。ビビのごはんが済んだら、お昼からインできますよ」
「助かる。では、この日で」
ボクたちは、次の待ち合わせを話し合う。
「では、本日のオフ会はここまでにするお。ありがとだおね」
「ごちそうさまでした。ありがとうございます」
ボクは、ビビをボックス型のケージに入れる。
「じゃあねー」
トワさんは、迎えの車に乗って帰っていった。これから、周辺の観光らしい。
「あの、ケントさん」
さてボクも、と思っていたら、鈴音さんがボクのそばにやってきた。
「なんでしょう?」
「いっしょに、帰りませんか?」
「あ、はい。そうですね」
もう、外も暗い。女性一人では、犬を連れていても危ないだろう。
「あたしの家は、駅の近くなので、そこまで」
「はい。いっしょに帰りましょう」
10
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。


クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる