上 下
3 / 7

第3話 【がんばる推しを】 新生聖女の初仕事を見守るスレ 【応援しよう】

しおりを挟む
◆ ******* ◆ ****** ◆


 カギカッコ内の書き込みは、コテハン以外はすべて【聖書者ナナシ】の発言として表記します。

 文頭にアルファベットが書かれていますが、ハンドルネームではなく班名。よって個人の発言ではありません。
 
 二重カギカッコは、固定ハンドルネームコテハンです。
 

 ◆ ******* ◆ ****** ◆


「A:さて朗報。このたび、前回の聖女カッコワライさんが、正式にクビになりました」

「B:こうして、世界に平和が訪れた」

「C:大昔に現れた魔王より、たちが悪いって話だぜ」

「E:言えてる。エルフスレだと、魔王と双璧をなす有名人だった」

「F:あいつを配した神官も、もろとも処分された。よかったよかった」

「A:最後まで駄々をこねていたけどな」
 
「D:斬首にならないだけでも、ありがたいと思ってもらいたいわ」
 
「B:さて、アホは放っておいて、いよいよモネ聖女様の初仕事だぜ」

「C:とあるお屋敷の異変を探るんだっけ?」

「E:廃墟の屋敷を一室一室回って、異変がないか探る簡単なお仕事だろ?」

「B:簡単じゃねえよ。その屋敷って、貴族たちがグロい趣味のために作っていたっていう地下饗宴場があったらしいじゃん。それを改装して別の貴族が住み始めて、すぐ一家離散したって」

「F:いわゆる、いわくつき物件」

「D:私たち浄化班も、付き添うことになったわ。あんたたちは、外で護衛よ」

「F:いいなー、女子班は。任務に同行できるから」

「D:屋敷内で泊まり込みになるから、男性陣には遠慮してもらったのよ」 

「B:女わよ」

「D:『女わよ』っていうやつは、女じゃないわよ」

「A:でも、怖くね? オレらは外で警備するしかないが」

「D:いざとなったらお願い」

「A B C E F:りょ」


「A:三時間経過」

「D:異常なし」

「E:二〇分四秒辺りで、全裸のオッサンが廊下をうろついてて、モネたんが浄化して、それっきりだよな」

「D:あと六時間、ずっとこの平和が続けばいいけど」


「A:半分経過したぞ。オレ等は今、夜食中」
 

「B:最強の燻製が焼き上がったんだが、モネたんにも食べさせたいっ」

「D:だめよ。そんな口実で、お屋敷になんて入れてあげないんだから」

「C:いやあ。マジでウマい」

 

「???:これで酒があったら」


 
「B:燻製だから、モネたんたちにも取っておいてやろっと」
 
「D:助かるわ……えっ!?」

「A:どうした?」

「D:だれ? 今発言したの」

「B:みんな過去ログ漁れ」

「E:オレのログには、なにもねーぞ」
 
「A:でも確かに、さっき発言したやつがいたよな」

「D:やめてよ! まさかお屋敷の外で異変が起きるなんて!」
 
「C:全員、敵の攻撃に備えろ!」

「D:まずい! あちこちで全裸の悪霊おじさんが集まってきた! 私たちを標的にしてる! あんたたちのいる外側にも!」

「B:燻製を守れ! モネたんに食べさせるんだからな!」

「D:……っ! まって! モネさんが、異変の発生源がわかったかもって!」

「E:まさしく神!」

「C:で?」
 
「D:その燻製じゃないか、って! 匂いにつられて、来ちゃった可能性があるかもしれないわ!」

「B:どうすりゃいいんだよ!?」

「D:お供えしなさい! それと、お酒があるといいんだけど……」

「F:なんとここに、ウイスキーが。俺ら騎士団で酒盛りしようと」

「D:それで、異変は消えるわ!」

「B:わかった。騎士団スマソ」

「F:モネたんの頼みなら、仕方なし! むしろプレゼントフォーユー!」

「E:悪霊退散悪霊退散……」

 

「A:ひとまず、脅威は去ったくさい……」
 
「???:いやあ、一時はどうなるかと」

「C:まだなにかいるぞ!」

「B:お供えの効果ゼロ!?」

「???:いえいえ。恐れることはないぞよ。ようやく、この呪縛から逃れられたわい」

「D:モネさんが話を聞くって……この屋敷に住んでた貴族が、掲示板にまぎれていたみたい。でも、成仏の仕方がわからないから、私たちを頼ったみたいね」

「???:ありがとうござい。おかげで助かった。庭の地下に財宝が、あるでのう。好きに持っていっておくれ」

「C:いいんすか?」

「???:よかよか。そこのお嬢さんに、美味しいものでも食べさせてやっておくれ。燻製のお詫びじゃて」

「A:本当にあったぜ。金貨が山みたいに」

「D:さっきの亡霊の話でわかったんだけど、このお屋敷は、山賊に襲撃されたんだって。それで、財宝を守ってきた先代一族が、彼らを悪霊にしてしまったと」
 
「F:異変の正体、えげつないな」

「E:とにかくわかったのは、モネたんが本物の聖女ってことだな!」

「B:燻製は、また焼いてあげるって言ってあげてくれ」


 以後、モネたんを称賛するコメントで溢れました。

 このスレは、もう書き込めません。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【掲示板形式】気付いたら貞操逆転世界にいたんだがどうすればいい

やまいし
ファンタジー
掲示板にハマった…… 掲示板形式+αです。※掲示板は元の世界(現代日本)と繋がっています。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

俺の娘、チョロインじゃん!

ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ? 乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……? 男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?  アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね? ざまぁされること必至じゃね? でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん! 「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」 余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた! え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ! 【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?

S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった

ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」  15歳の春。  念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。 「隊長とか面倒くさいんですけど」  S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは…… 「部下は美女揃いだぞ?」 「やらせていただきます!」  こうして俺は仕方なく隊長となった。  渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。  女騎士二人は17歳。  もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。   「あの……みんな年上なんですが」 「だが美人揃いだぞ?」 「がんばります!」  とは言ったものの。  俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?  と思っていた翌日の朝。  実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた! ★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。 ※2023年11月25日に書籍が発売しています!  イラストレーターはiltusa先生です! ※コミカライズも進行中!

処理中です...