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第六章 激突、鬼怨組との決闘!
第57話 鬼ヶ島での決戦! 相手は……
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「おお、わんさかいるねえ」
「やれるか、洲桃?」
「ああ。打ち合わせ通りやる」
あたしがいうと、ピオニは白い歯を見せる。すぐに、真顔になった。
「洲桃。今更、後悔しないよな?」
「するわけないじゃん。自分で提案したんだ。最後までやるから」
「よっしゃ。派手に行きますか」
ピオニが、ショットガンを構える。
あたしはピオニとともに、【鬼ヶ島】を正面突破した。
「敵だ! ぐああ!」
「ぎゃあ!」
あたしのドラゴンキラーが、鬼の胴を払う。
ピオニのスチール弾が、鬼の硬い装甲を打ち破った。
本当に、鬼の身体が消えていく。
殲滅戦で倒された相手は、このダンジョンでは復帰できない。
ひとまず、ボスであるイバラを倒して……。
「行くわよ、【フレア】」
あたしが突入するのも構わず、はるたんが上空から攻撃魔法の絨毯爆撃をかます。ピオニの召喚獣に乗ったまま。
「いや、はるたんよ。『敵味方問わず、ぶっ飛ばせ』って言ったけどさあ! タイミングってもんがあるじゃん!」
あたしはワイヤレスイヤホンに指を当てて、無線ではるたんに呼びかける。
『あんたが言ったんでしょうが! 「今日は鬼をシカトして、個人戦で行くから」って!』
「言ったけど!」
『だから、やめないわよ。敵も味方もまとめて、この【魔王】金盞花 晴子の養分になりなさい』
「はるたん、その言葉を飲み込むなよ。オーバー!」
『ここまでやってきなさいよね。オーバー』
あたしたちは、無線を切った。
「どうする、洲桃? 晴子はああ言ってるけど?」
「イバラを倒すまでは共闘って思っていたけど、もういいや」
眼の前にいるのは、全員敵ってことで。
「まあオレは先に、適当に数を減らしてくるから。鉢合わせたら、相手してくれ」
「おっけ」
あたしも、適当に鬼の数を減らすか。
「蓮川先輩、お手合わせ願います!」
あちらも、おっぱじめたようだ。
「あなたが勝ったからって、アスカは渡さないわよ!」
「アスカ先輩に、わたしの思いが届かなくてもいいんです。これは、ケジメなので!」
鬼をシカトして、蓮川先輩とティナが戦い出す。
「冒険者の先輩方、まとめてお相手いたします!」
その野呂 アスカ先輩も、複数の冒険者を相手に魔法で戦っている。
全員が、鬼を無視していた。
「なんだ、こいつら。乱闘か?」
「違う! やつら、こちらの意思を無視して【個人戦】で戦ってやがる! 俺らは、その巻き添えを食ってるだけだ!」
ようやく、鬼も気づいたようだ。
この戦いにおいて、鬼がただのモブモンスターに過ぎないことが。
「くそが、ふざけやがって!」
さすがにブチギレたのは、エリアボスのイバラである。
当然だ。コケにさらたのだから。
「見てやがれ! この心臓を、体内に埋め込めば!」
イバラが、なにかをやっていた。
たしか、なんか盗んだんだっけ。それを使うみたい。
「おーっ。やるぞ、ピオニ!」
そんなことより、相手はピオニである。
イバラなんて、この際どうでもいい。
「勝負だ、洲桃!」
なんかやっているイバラをスルーして、あたしはピオニと対決する。
イバラが邪魔だな。
「てめえら! 俺を無視すんじゃねえ!」
「どけよ!」
ドラゴンキラーに火炎属性を乗せて、振るう。
「オレらの戦いの、邪魔なんだよ!」
ピオニが背後から、ショットガンをぶっ放す。
あたしとピオニは、一撃でイバラを撃退した。
「ぐおおお!」
レアアイテムを使った反動からか、イバラの身体がどんどんしぼんでいく。
あれだけ場を破壊しまくっていた荒らしのボスの、あっけない最後だ。
「なんでだ? なんでお前ら、俺たち鬼を無視して、味方同士で戦っている?」
仰向けになりながら、イバラがあたしに問いかけてきた。
「今はあたしら、味方じゃねえよ」
「これはな。個人戦なんだよ」
そう。
あたしたちは、勝手に個人戦を始めている。
これは、あたしからの提案だった。
鬼の行為を、正当化させないための。
「やれるか、洲桃?」
「ああ。打ち合わせ通りやる」
あたしがいうと、ピオニは白い歯を見せる。すぐに、真顔になった。
「洲桃。今更、後悔しないよな?」
「するわけないじゃん。自分で提案したんだ。最後までやるから」
「よっしゃ。派手に行きますか」
ピオニが、ショットガンを構える。
あたしはピオニとともに、【鬼ヶ島】を正面突破した。
「敵だ! ぐああ!」
「ぎゃあ!」
あたしのドラゴンキラーが、鬼の胴を払う。
ピオニのスチール弾が、鬼の硬い装甲を打ち破った。
本当に、鬼の身体が消えていく。
殲滅戦で倒された相手は、このダンジョンでは復帰できない。
ひとまず、ボスであるイバラを倒して……。
「行くわよ、【フレア】」
あたしが突入するのも構わず、はるたんが上空から攻撃魔法の絨毯爆撃をかます。ピオニの召喚獣に乗ったまま。
「いや、はるたんよ。『敵味方問わず、ぶっ飛ばせ』って言ったけどさあ! タイミングってもんがあるじゃん!」
あたしはワイヤレスイヤホンに指を当てて、無線ではるたんに呼びかける。
『あんたが言ったんでしょうが! 「今日は鬼をシカトして、個人戦で行くから」って!』
「言ったけど!」
『だから、やめないわよ。敵も味方もまとめて、この【魔王】金盞花 晴子の養分になりなさい』
「はるたん、その言葉を飲み込むなよ。オーバー!」
『ここまでやってきなさいよね。オーバー』
あたしたちは、無線を切った。
「どうする、洲桃? 晴子はああ言ってるけど?」
「イバラを倒すまでは共闘って思っていたけど、もういいや」
眼の前にいるのは、全員敵ってことで。
「まあオレは先に、適当に数を減らしてくるから。鉢合わせたら、相手してくれ」
「おっけ」
あたしも、適当に鬼の数を減らすか。
「蓮川先輩、お手合わせ願います!」
あちらも、おっぱじめたようだ。
「あなたが勝ったからって、アスカは渡さないわよ!」
「アスカ先輩に、わたしの思いが届かなくてもいいんです。これは、ケジメなので!」
鬼をシカトして、蓮川先輩とティナが戦い出す。
「冒険者の先輩方、まとめてお相手いたします!」
その野呂 アスカ先輩も、複数の冒険者を相手に魔法で戦っている。
全員が、鬼を無視していた。
「なんだ、こいつら。乱闘か?」
「違う! やつら、こちらの意思を無視して【個人戦】で戦ってやがる! 俺らは、その巻き添えを食ってるだけだ!」
ようやく、鬼も気づいたようだ。
この戦いにおいて、鬼がただのモブモンスターに過ぎないことが。
「くそが、ふざけやがって!」
さすがにブチギレたのは、エリアボスのイバラである。
当然だ。コケにさらたのだから。
「見てやがれ! この心臓を、体内に埋め込めば!」
イバラが、なにかをやっていた。
たしか、なんか盗んだんだっけ。それを使うみたい。
「おーっ。やるぞ、ピオニ!」
そんなことより、相手はピオニである。
イバラなんて、この際どうでもいい。
「勝負だ、洲桃!」
なんかやっているイバラをスルーして、あたしはピオニと対決する。
イバラが邪魔だな。
「てめえら! 俺を無視すんじゃねえ!」
「どけよ!」
ドラゴンキラーに火炎属性を乗せて、振るう。
「オレらの戦いの、邪魔なんだよ!」
ピオニが背後から、ショットガンをぶっ放す。
あたしとピオニは、一撃でイバラを撃退した。
「ぐおおお!」
レアアイテムを使った反動からか、イバラの身体がどんどんしぼんでいく。
あれだけ場を破壊しまくっていた荒らしのボスの、あっけない最後だ。
「なんでだ? なんでお前ら、俺たち鬼を無視して、味方同士で戦っている?」
仰向けになりながら、イバラがあたしに問いかけてきた。
「今はあたしら、味方じゃねえよ」
「これはな。個人戦なんだよ」
そう。
あたしたちは、勝手に個人戦を始めている。
これは、あたしからの提案だった。
鬼の行為を、正当化させないための。
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