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第七章 魔の高山エリア! 幼女はダウンサイズする!(うちは最強の生命体になりたいわけやないんよね~

第63話 幼女、本命エリアに殴り込む

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 どおりで、おかしいと思っていた。
 あそこまでの仕掛けなら、トラップだろうと。

 やはり、抜け穴はあったのだ。

[【高山エリア】の裏面、【超高山エリア】に突入しました。このエリアボスを倒すことにより、すべての高山エリアを制覇したことになります]

 ほらあ。

[ちなみに、超高山エリアの支配者【大天狗《エンシェント・イーストエルフ》】の強さは、イーストエルフの三〇倍です]

 わお。
 天狗《イーストエルフ》二〇匹倒すより、大変やんけ。

「どないなっとんねん」 
 
 とはいえ、二〇体倒すために高山を登るより楽だろう。高山一つだけ登って攻略するほうが、退屈しなくて済みそうだ。

「アトキン、現れましたよ」
 
『先生、お気をつけて』

 今回は、なにがあるかわからない。

 クゥハや、フェアリードローンからカニエ、ゴーレムを遠隔操作するメフティも連れている。

 これだけでも、まだ不安が残った。

 それくらい、警戒している。

「ほほう。久々の客人と思えば、ダゴンの奴ら……ではないな」

 全身メカメカしい、ややマッチョ気味のイーストエルフが、大木の切り株にあぐらをかいて座っていた。 
 これまでの魔物と違い、ちゃんとした言葉遣いである。

「下等生物が、よくも瘴気の溢れるこのテネブライに入れたものだ。何用か?」

「あんたをシバキに来た」

「シバく……ほほう。我を討伐に参ったというわけか」

「言葉がわかるんやな?」

「だいたいのニュアンスを読み取っておる」

「ほな聞くけど、なんであんたらは、全身機械なん?」

「イーストエルフ族は、テネブライや外界との環境に適応できるよう、全身を金属で改造しておる」

 有機体の装備で固めた【海洋エリア】のダゴンとは、まったく逆の発想だな。巨大戦艦は金属を使っていたが、ヤツらは七割がた有機生命体で、全身を作り変えていた。

「おかげで、無敵の力を手に入れた。これなら他のエリアにも侵攻できると思って負ったが、お主たちが来た。下等生物ながら、我々の侵攻を妨害するとは」

 まだ、ウチらを下等生物呼ばわりするか。

「だが、その快進撃も終りを迎える。我相手に、それだけの軍勢で挑むことを後悔するがいい」

「お前こそ、イーストエルフ全員、連れてこい。お前一人では、しょうもない」

 そう。しょうもないのは、事実だ。
 
「予定変更や。あんたらは、手を出さんでええからな」

 こんなやつ一人を倒しても、なにも面白くない。
 もっと悲惨な状況が必要だ。

 ウチはさらに、自分を追い込む。

「フォフォフォ。面白い。ならば我がしもべすべてを相手にするがよい!」

 大量のイーストエルフが、こちらに飛んできた。

「アトキン、大丈夫なんですか? あのすばしっこいヤツラが相手だと、邪神ビームだってまともに当たらないじゃないですか」

「ええんや。これくらいの敵と戦わんと、次のエリアで苦戦してまうかもしれんやろ?」

 ウチがいうと、大天狗の身体がさらに膨れ上がる。イーストエルフを数体、体内に取り込んだのだ。

「貴様に次はない! 死ね!」

「【邪神ショット】、誘爆!」

 攻撃させるスキすら与えず、ウチはイーストエルフ共に邪神ショットを見舞った。

 撃墜されたエルフが吹っ飛び、身体を集団にぶつける。

 これなら、群れていても仕方がない。密集してるほうが悪いのだ。
 
「死ぬんは、お前や。大天狗」
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