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第六章 海底神殿! 幼女は魔族の親玉と勝負する!(そこら中で派手にやったる
第51話 幼女、目からビームを撃つ
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ウチは潜水艇を使わず、素の泳ぎで陸地を目指す。
「おっ。ええ的がウジャウジャおるやん?」
ダゴンや魚人の群れが、神殿の跡地から湧いてきた。神殿を荒らしたウチを、追ってきたか。
ウチは、触手の先端にある魔力リアクターに、魔力を込める。リアクターは宝玉でできていて、魔物の目玉のようにも見える。
「【半永久器官】の性能、試させてもらおかな。喰らいや! 【邪神ビーム】ッッッ!」
純度の高い魔力砲を、群れに向かって撃つ。
この技の正式名称は、【パーティクル・キャノン】という。クジラ型巨大戦艦が使っていた、魔力砲の小さい版である。
ウチが放った魔力ビームによって、群れの大半が蒸発した。
「ええやんけ。一発の魔力はかなりエゲツないのに、器官のおかげで全然魔力が減らん」
機関でなく器官というあたり、触手のような新しい器官というか、内蔵の役割なのだろう。
その後もキャノンを連発して、あっという間にダゴンらは手下ともども片付いた。
さて、陸地も見えてくる。
「ただいま」
ウチは、海底神殿から陸に上がった。
「おかえりなさい、アトキン」
「ただいまじゃないですよ、先生っ! なんですかそんな、おつかいから帰ってきたみたいなリアクションは!?」
いつもどおりのクゥハと対照的に、ウチの弟子カニエは早口で激昂する。
「まあまあ。みやげもあるさかい、大目に見てや」
ウチは、戦利品をカニエに提供する。
「わーい、海ぶどうだ!」
カニエより、メフティのほうが喜ぶ。
「その海ぶどうな、魔力回復効果があるねん。カニエ、さっそくポーションに作り変えてや」
「承知しました。先生」
カニエが、海藻類をアイテムボックスに詰めて引っ込んだ。
「ところでクゥハ、ダゴンは来たやろ?」
「来ましたよ」
「その様子やと、相手にはならんかったみたいやな」
「ですねえ。もう少し歯ごたえがあると思ったんですが」
「戦艦は、あんたに任せてもよかったかもしれんなぁ」
大量のダゴンでも、クゥハの敵ではないか。
「いえ。海底神殿が変化したんですよね? 海に潜れないワタシでは、戦えませんでしたよ」
「ようゆうわ。あんたやったら、陸地からでも楽勝やんけ」
クゥハの場合、地表から剣閃を飛ばして、戦艦を真っ二つにするだろう。クゥハなら、やりかねん。硬いテネブライの山を、剣閃で両断して鍛えていたくらいだ。
「ですが、これでようやく、あなたとフィジカル面でも対等に戦えそうですね」
「せやな」
やはりクゥハは、最初の当時から持て余していたか。
「純魔やから時間がかかったけど、ウチかてかなり強くなったはずねんよ。あんたくらいは」
「はい。ひしひしと伝わってきますよ」
「再戦してみるか? それで、どっちが完全なテネブライの支配者なんか、決めようやないか」
「テネブライ【最強】の決定でいいです。支配は、あなたがなさってくださいな。みんな、あなたを慕っていますから」
なら、そうさせてもらうか。ただ……。
「最強の称号は、譲られへんなぁ」
「だったら、戦うしかないですね」
こうして、クゥハとの再戦が決定した。
「おっ。ええ的がウジャウジャおるやん?」
ダゴンや魚人の群れが、神殿の跡地から湧いてきた。神殿を荒らしたウチを、追ってきたか。
ウチは、触手の先端にある魔力リアクターに、魔力を込める。リアクターは宝玉でできていて、魔物の目玉のようにも見える。
「【半永久器官】の性能、試させてもらおかな。喰らいや! 【邪神ビーム】ッッッ!」
純度の高い魔力砲を、群れに向かって撃つ。
この技の正式名称は、【パーティクル・キャノン】という。クジラ型巨大戦艦が使っていた、魔力砲の小さい版である。
ウチが放った魔力ビームによって、群れの大半が蒸発した。
「ええやんけ。一発の魔力はかなりエゲツないのに、器官のおかげで全然魔力が減らん」
機関でなく器官というあたり、触手のような新しい器官というか、内蔵の役割なのだろう。
その後もキャノンを連発して、あっという間にダゴンらは手下ともども片付いた。
さて、陸地も見えてくる。
「ただいま」
ウチは、海底神殿から陸に上がった。
「おかえりなさい、アトキン」
「ただいまじゃないですよ、先生っ! なんですかそんな、おつかいから帰ってきたみたいなリアクションは!?」
いつもどおりのクゥハと対照的に、ウチの弟子カニエは早口で激昂する。
「まあまあ。みやげもあるさかい、大目に見てや」
ウチは、戦利品をカニエに提供する。
「わーい、海ぶどうだ!」
カニエより、メフティのほうが喜ぶ。
「その海ぶどうな、魔力回復効果があるねん。カニエ、さっそくポーションに作り変えてや」
「承知しました。先生」
カニエが、海藻類をアイテムボックスに詰めて引っ込んだ。
「ところでクゥハ、ダゴンは来たやろ?」
「来ましたよ」
「その様子やと、相手にはならんかったみたいやな」
「ですねえ。もう少し歯ごたえがあると思ったんですが」
「戦艦は、あんたに任せてもよかったかもしれんなぁ」
大量のダゴンでも、クゥハの敵ではないか。
「いえ。海底神殿が変化したんですよね? 海に潜れないワタシでは、戦えませんでしたよ」
「ようゆうわ。あんたやったら、陸地からでも楽勝やんけ」
クゥハの場合、地表から剣閃を飛ばして、戦艦を真っ二つにするだろう。クゥハなら、やりかねん。硬いテネブライの山を、剣閃で両断して鍛えていたくらいだ。
「ですが、これでようやく、あなたとフィジカル面でも対等に戦えそうですね」
「せやな」
やはりクゥハは、最初の当時から持て余していたか。
「純魔やから時間がかかったけど、ウチかてかなり強くなったはずねんよ。あんたくらいは」
「はい。ひしひしと伝わってきますよ」
「再戦してみるか? それで、どっちが完全なテネブライの支配者なんか、決めようやないか」
「テネブライ【最強】の決定でいいです。支配は、あなたがなさってくださいな。みんな、あなたを慕っていますから」
なら、そうさせてもらうか。ただ……。
「最強の称号は、譲られへんなぁ」
「だったら、戦うしかないですね」
こうして、クゥハとの再戦が決定した。
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