49 / 77
第六章 海底神殿! 幼女は魔族の親玉と勝負する!(そこら中で派手にやったる
第49話 幼女の一撃、巨大戦艦を断つ
しおりを挟む
見える。クジラの魔力砲の威力が。その砲塔が、もうボロボロなのを。
「さあ、究極の一発、ウチにブチかましてこいや! あんたの渾身の一撃、受け止めたる!」
腰に刀を構えて、抜刀の姿勢に。
クジラ戦艦の巨大砲が、ウチに向かって放たれた。
「すりゃあああ!」
刀を引き抜いた瞬間、ウチは「気」を放つ。魔法使いであるウチの場合、「魔力」に当たるが。
鞘の中で練り込まれた、強固な魔力を、抜刀とともに撃ち出した。
クジラから撃ち出された魔力砲は、ウチの刀によって両断される。左右に広がって、ウチには当たらない。
刀身が伸びていき、クジラの顔面にめり込む。
居合の要領で、ウチは戦艦ごと魔力砲を切り捨てる。
もちろん、動かしていたヒュドラも、両断された。
ヒュドラはクジラ型戦艦ごと、爆発して吹っ飛ぶ。
* * * * * * * *
――クゥハ視点――
クゥハたちは、ポーレリアに設置した簡易アジトで、アトキンの様子を伺っていた。カニエのフェアリーを通じて。
「マッジか! アトキン、勝っちゃった!」
クゥハの側で、メフティが飛び跳ねながら喜ぶ。
「まったく、ヒヤヒヤさせるぜ、あの邪神様にはよお」
妖刀を作ったベヤムが、ハンカチで汗を拭う。
「それにしても、オレが作った妖刀が、あんなバケモノ相手に通用するとはな。恐れ入ったよ」
「あなたの鍛冶技術は、テネブライの魔物にも通用するのです。もっとも、テネブライの鉱石があればの話ですが」
「だよな。素材の力だよな、あれは」
「いいえ。テネブライにあそこまで武器を作成できる技術者はいません」
テネブライに眠るたいていの武具は、誰かが作ったものではない。魔力が自然界の鉱石や樹木に触れて、変質したものだったりだ。中には、魔物の死骸が武器になったりもするが。
「テネブライの魔物は、それだけで強いですからね。道具が必要ないんですよ」
「だから、鍛冶が発達しなかったわけか」
「はい。丹念に磨き上げた武具は、そこいらのレアアイテムなんかより、遥かに価値がありますよ~」
だから、ベヤムは誇っていい。
「ともあれ、先生が無事でよかったです」
「いえいえ。むしろ、これからかも知れませんねぇ」
クゥハは、アジトから外に出る。
「みなさんは、外に出ないでくださいね~」
外出を控えるように、クゥハはアジトにいるメンバーに声をかけた。
直後、ダゴンの群れがアジトに向かって襲いかかってくる。
「やっぱり、ガマンできませんでしたか~」
アトキンの言ったとおりだ。
ボスは聞き分けがよくても、手下までがそうとは限らない。親玉が倒されたとあっては、自分たちの種の存続に関わる。こちらを撃退して地上を手にしようとするのは、当然の道理だろう。
だからアトキンは、クゥハに地上の留守を任せた。
「任されましたので、安心して帰ってきてくださいね~」
軽く大剣をふるっただけで、クゥハは無数のダゴンを壊滅させる。
なにも出でこなかったかのように。
「さあ、究極の一発、ウチにブチかましてこいや! あんたの渾身の一撃、受け止めたる!」
腰に刀を構えて、抜刀の姿勢に。
クジラ戦艦の巨大砲が、ウチに向かって放たれた。
「すりゃあああ!」
刀を引き抜いた瞬間、ウチは「気」を放つ。魔法使いであるウチの場合、「魔力」に当たるが。
鞘の中で練り込まれた、強固な魔力を、抜刀とともに撃ち出した。
クジラから撃ち出された魔力砲は、ウチの刀によって両断される。左右に広がって、ウチには当たらない。
刀身が伸びていき、クジラの顔面にめり込む。
居合の要領で、ウチは戦艦ごと魔力砲を切り捨てる。
もちろん、動かしていたヒュドラも、両断された。
ヒュドラはクジラ型戦艦ごと、爆発して吹っ飛ぶ。
* * * * * * * *
――クゥハ視点――
クゥハたちは、ポーレリアに設置した簡易アジトで、アトキンの様子を伺っていた。カニエのフェアリーを通じて。
「マッジか! アトキン、勝っちゃった!」
クゥハの側で、メフティが飛び跳ねながら喜ぶ。
「まったく、ヒヤヒヤさせるぜ、あの邪神様にはよお」
妖刀を作ったベヤムが、ハンカチで汗を拭う。
「それにしても、オレが作った妖刀が、あんなバケモノ相手に通用するとはな。恐れ入ったよ」
「あなたの鍛冶技術は、テネブライの魔物にも通用するのです。もっとも、テネブライの鉱石があればの話ですが」
「だよな。素材の力だよな、あれは」
「いいえ。テネブライにあそこまで武器を作成できる技術者はいません」
テネブライに眠るたいていの武具は、誰かが作ったものではない。魔力が自然界の鉱石や樹木に触れて、変質したものだったりだ。中には、魔物の死骸が武器になったりもするが。
「テネブライの魔物は、それだけで強いですからね。道具が必要ないんですよ」
「だから、鍛冶が発達しなかったわけか」
「はい。丹念に磨き上げた武具は、そこいらのレアアイテムなんかより、遥かに価値がありますよ~」
だから、ベヤムは誇っていい。
「ともあれ、先生が無事でよかったです」
「いえいえ。むしろ、これからかも知れませんねぇ」
クゥハは、アジトから外に出る。
「みなさんは、外に出ないでくださいね~」
外出を控えるように、クゥハはアジトにいるメンバーに声をかけた。
直後、ダゴンの群れがアジトに向かって襲いかかってくる。
「やっぱり、ガマンできませんでしたか~」
アトキンの言ったとおりだ。
ボスは聞き分けがよくても、手下までがそうとは限らない。親玉が倒されたとあっては、自分たちの種の存続に関わる。こちらを撃退して地上を手にしようとするのは、当然の道理だろう。
だからアトキンは、クゥハに地上の留守を任せた。
「任されましたので、安心して帰ってきてくださいね~」
軽く大剣をふるっただけで、クゥハは無数のダゴンを壊滅させる。
なにも出でこなかったかのように。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?


原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる