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第三章 絶体絶命!? ライバルはDLCの三姉妹!

第18話 ゴーマ三姉妹

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「OKOK。敵はサクラダ軍に圧倒されているわね。あたしたちは、後ろをいただいちゃいましょ」

 ヴィル姫は、乗り気だ。

「水着も持って行っちゃいましょ」

「観光ではありませんよ、姫様」

「そうだけど。一応サクラダは、貿易相手でもあるわよね? 手土産もないと失礼じゃないの」

 戦闘参加だけではなく、資金援助も頼もうという腹だ。
 実際、船を使ってサクラダに売る商品を運んでいる最中らしい。
 エースチーム『雷鳴』には、王都及び港を守ってもらう。

「気をつけてくれ。敵側には恐ろしく強いネームドエネミーがいる」

「そうだぜ。あいつら、自分たちを『ゴーマ三姉妹』って呼んでいた」

 ゴーマ三姉妹とか。もうそんな奴らが。

「ダテとやら、なにやら、ブツブツ言っているが?」

 考え事をしていたら、ゴドウィンに突っ込まれる。

『ああ、ゴーマ三姉妹が出てきたんですね?』

「知っているのか、ダテ?」

 なんでも知っているワケではない。しかし、彼女たちはトラウマクラスの強敵だ。

『魔王の娘たちです』

 召喚を得意として、魔物を強化して送り込んでくる。最初に戦ったワイバーンも、彼女たちが強化したモンスターだ。

「かーっ! どおりで!」

 ビリーが、額に手を当てた。

「アイツら強すぎ。ダメージを与えても、すぐ逃げてしまう」

『それで構いません。むしろ、深追いしないでください。みなさんが全滅したら、元も子もないので』

『雷鳴』は、王都リシュパンのヒーローだ。それが壊滅したとあっては、民の士気にかかわる。

『姫の護衛をしたいお気持はわかります。ですが、王都にくだんの三姉妹の一人が襲ってきます。ゴドウィンさん、どうか油断せぬよう』

「わかった。王都の護衛は任せろ」

 先の戦闘で、ゴドウィンはもうヴィル王女を止められないとあきらめたらしい。

 それに、遠征任務には城攻め組より強いモンスターは出ないと教えてある。

 とはいえ、油断はできない。私のカンが、ビンビンに危険信号を放っている。

 たしか遠征側は、モンスターの数が多いだけだった。敵の種類が変わっていなければ、大丈夫なはず。

 ひとまず、行ってみなければわからない。


 船で、サクラダまで移動をする。


 しかし、案の定、イレギュラーに見舞われた。

「ヒャッハハー! 楽しーいっ!」

 ピンクのベリーショートヘアの少女が、自分の背丈より大きな鉄塊を両手に持って振り回す。上半身はビキニの上に貼らまでのブラウスを着て、下はデニムのショートパンツだ。全体的に肉感的な女性であるが、性的な感じはしない。狂気じみた目が、性欲を掻き立てないのである。

「ムダです。我が領海から出ていきなさい。今なら痛い目に遭わずに済みます」

 対抗するのは、大きな機械仕掛けの鳥に乗った女性だ。鳥の背に立ち、弓で攻撃を続けている。

「なんですか、あれ?」

「あの鳥は『テンラ』。アマネ姫の、インテリジェンス・アイテムですわ!」

 アマネ姫の武器は、召喚獣なのだ。

「しゃらくさい。このゴーマ三姉妹の一人、メキラ・ゴーマにケンカを売るなんてさ! 【ウインドカッター】!」

 メキラというピンク髪の少女が、魔法を放った。初歩の風魔法なのに、威力は台風のようなである。

 ダブルの竜巻が、姫を守る船をコナゴナに沈めた。

「もういっちょ!」

 再び、メキラが竜巻を発生させる。

「まだです。【風斬り】」

 天候を操作して、アマネ様がメキラの風魔法をシャットアウトした。
 この鳥型召喚獣、あなどれない。

「こざかしいね。剣は届かないし。じゃ、これで!」

 メキラが、大量のモンスターを呼び出す。

「物量で木っ端微塵なんて性に合わないんだけど、やむを得ないよね?」

「くっ」

 アマネ様でも、この数はさばききれないか。
 ならばそっちは、こちらがいただきますね。

『マージョリーたん、今です!』

「はい。【ウイング・ブラスター】!」

 私は、光の翼を展開する。
 マージョリーたんの身体が、船から浮き上がった。

「あなたは、マージョリー様?」

 アマネ様が、こちらの存在に気づく。

『この距離なら届く。突撃するよマージョリーたん!』

「承知! お覚悟を!」

 マージョリーたんが、敵陣に突っ込んでいった。

『カリス、姫様! こぼれた敵はお願いします』

「心得た」と、カリスはいつでもマキビシが撃てるようにスタンバイを。

「わかったわ」と、ヴィル王女はメキラ狙撃の体勢に。

 ある程度のザコは、蹴散らした。
 しかし、中ボスクラスの巨大カニが一匹残る。

「あはは! 派手に登場した割に、たいして威力がなくないか?」

 勝ち誇ったように、メキラが高笑いをした。
 だが、ここからが本番である。

『イーデンちゃん、技が届くよ。行って!』

「はい。参りますゼットさん」

 船の上で、イーデンちゃんが身構えた。

『【グランドクロス】を、お受けください』

 ゼットさんの声とともに、イーデンちゃんがカニ型中ボスに突撃する。

 盾から、十字状の光線が発射された。
 カニのバケモノが、光の十文字によって両断される。
 
――イーデンのレベルが上がりました。レベル四〇に到達したため、マップ兵器【アルカナ・フラッシュ】が実装されました。
 
 出たよ。ブッ壊れ兵器【アルカナ・フラッシュ】が。
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