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第四章 王都で、相棒そっくりの女性と出会う
第50話 例のダンジョン
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オレたちは、例のダンジョンへ飛んだ。ウニボーにポータルを開けてもらおうとしたら、レティ姫が開けてくれた。
「ワントープくらい、ブクマするっしょ。ガキの頃に連れてこられたときに、とっくにブクマしたわー」
「たしかに。ボクもだわ」
「ノームだもんね。ファストトラベル魔法とか余裕っしょ?」
「まあ余裕よね」
レティ姫とピエラが、魔術トークで話し合っている。専門用語が多すぎて、理解できないが。
「へえ、ここがクニミツの領土なんだ。キレイじゃん」
オレの領土に到着して、レティ姫があちこちを見て回った。
「これがあんたらの【かまど】と【作業台】かー。ウチらが使う【錬金釜】とは、ちょい違うね」
さすが魔術大国の姫様である。家に置いてある家具を、【かまど】と
【作業台】だと一発で見抜いた。
「見なよ、アニエス! スケルトンがいる! ウケる!」
レティ姫が指をさす先で、ガイコツ夫婦が畑を耕している。
「ボクの召還獣として、普段はここでお仕事させているわ」
「へえー。ネクロマンサーでもないのに、スケルトンって使役できるんだ」
「自分の意思で、こっち側に従っているのよ」
「興味深いね。まだまだ知らない魔法がいっぱいあるじゃん。おもしろー」
姫がスケルトンたちにあいさつを終えて、いよいよダンジョンへ。
「うわー!」
冒険者だろうか、数名の戦士がダンジョンの入口に吐き出された。
「さすがに四〇分越えはムリかー」
頭をかきながら、冒険者たちはダンジョンを去っていく。
「あのダンジョン、ワタシは潜ったことがないんだ。どこまで強くなるのか」
そう話すルイ同様、実はオレたちもあのダンジョンに潜るのは初めてだ。
ただのメイドだった少女が、モモコと肩を並べるくらいになったほどである。かなりの効果が期待できそうだが。
「おっ、なんだこれは」
だだっ広い部屋に、魔物が無限湧きする。ノームの亡霊が、魔物を大量に召喚しているのか。
「人数に乗じて、大量に湧くみたいなんだよね。三〇分耐えたら、ボスが出るの」
レベルに合わせて、だんだん敵も強くなっていく。
オレたちクラスになると、初めから敵が強かった。
ボスが現れる前に死ぬと、ダンジョンから追い出されるらしい。
さっきの冒険者たちみたいに。
ローグライクのサバイバルゲームみたいな構成なんだな、このダンジョンは。そりゃあ、強くなるわけだ。
「おっ。おっ! あおっ!」
油断していると、負けそうになるな。
「ボスが現れたぞ!」
中央に現れたのは、ガイコツ型のノームだった。ボロを着ている。
「あのボスを倒して、レベルをひたすら上げました」
ダンジョンを出ると復活するので、レベル上げは楽だったらしい。
「ワタシがやってもいいか? 強さが頭打ちしている気がしてならない」
「どうぞどうぞ」
先陣を、ルイに譲る。
相手はそれなりに強いが、抵抗もできずに破壊された。攻撃力もたいしてなく、頑丈なだけという印象である。
ルイくらいになると、楽勝か。
「どうだ?」
「すごいな。かなりの経験値が体内に入り込んだ気がする」
自分の身体を擦りながら、強くなったのを実感しているようだ。
「悪名高い、ノームだったわ。当時は強さもえげつなかったのよ」
身内の面汚しだったと言わんばかりに、ピエラはボスを罵倒する。
「これなら、数周回っただけでかなりのレベルに到達しそうだな」
「気が遠くなるくらい周回しました」
当時を語るアニエスは、目にハイライトがなくなっていく。
「ですが、『じゅう』という武器の再現はできませんでした」
やはり銃は、この世界にはないんだな。
飛び道具なら、魔法が発達している。剣から衝撃波まで出せる世界だ。銃を作ってまで、有利に立つ必要はない。
それでも、オレたちは銃にこだわった。
ためしに、目の前で作って見せる。ちょうど銃の調節も必要だったし。大砲から、水鉄砲までを開発した。
「なるほど。大筒状の杖を、振り回している構図なのですね? 難しいわけです」
触っただけで、アニエスが銃の仕組みを言い当てる。
この世界における銃の構造なんて、初めて知った。
「モモコ、お前知ってたか?」
ブンブンと、モモコは首を振る。
「ワントープくらい、ブクマするっしょ。ガキの頃に連れてこられたときに、とっくにブクマしたわー」
「たしかに。ボクもだわ」
「ノームだもんね。ファストトラベル魔法とか余裕っしょ?」
「まあ余裕よね」
レティ姫とピエラが、魔術トークで話し合っている。専門用語が多すぎて、理解できないが。
「へえ、ここがクニミツの領土なんだ。キレイじゃん」
オレの領土に到着して、レティ姫があちこちを見て回った。
「これがあんたらの【かまど】と【作業台】かー。ウチらが使う【錬金釜】とは、ちょい違うね」
さすが魔術大国の姫様である。家に置いてある家具を、【かまど】と
【作業台】だと一発で見抜いた。
「見なよ、アニエス! スケルトンがいる! ウケる!」
レティ姫が指をさす先で、ガイコツ夫婦が畑を耕している。
「ボクの召還獣として、普段はここでお仕事させているわ」
「へえー。ネクロマンサーでもないのに、スケルトンって使役できるんだ」
「自分の意思で、こっち側に従っているのよ」
「興味深いね。まだまだ知らない魔法がいっぱいあるじゃん。おもしろー」
姫がスケルトンたちにあいさつを終えて、いよいよダンジョンへ。
「うわー!」
冒険者だろうか、数名の戦士がダンジョンの入口に吐き出された。
「さすがに四〇分越えはムリかー」
頭をかきながら、冒険者たちはダンジョンを去っていく。
「あのダンジョン、ワタシは潜ったことがないんだ。どこまで強くなるのか」
そう話すルイ同様、実はオレたちもあのダンジョンに潜るのは初めてだ。
ただのメイドだった少女が、モモコと肩を並べるくらいになったほどである。かなりの効果が期待できそうだが。
「おっ、なんだこれは」
だだっ広い部屋に、魔物が無限湧きする。ノームの亡霊が、魔物を大量に召喚しているのか。
「人数に乗じて、大量に湧くみたいなんだよね。三〇分耐えたら、ボスが出るの」
レベルに合わせて、だんだん敵も強くなっていく。
オレたちクラスになると、初めから敵が強かった。
ボスが現れる前に死ぬと、ダンジョンから追い出されるらしい。
さっきの冒険者たちみたいに。
ローグライクのサバイバルゲームみたいな構成なんだな、このダンジョンは。そりゃあ、強くなるわけだ。
「おっ。おっ! あおっ!」
油断していると、負けそうになるな。
「ボスが現れたぞ!」
中央に現れたのは、ガイコツ型のノームだった。ボロを着ている。
「あのボスを倒して、レベルをひたすら上げました」
ダンジョンを出ると復活するので、レベル上げは楽だったらしい。
「ワタシがやってもいいか? 強さが頭打ちしている気がしてならない」
「どうぞどうぞ」
先陣を、ルイに譲る。
相手はそれなりに強いが、抵抗もできずに破壊された。攻撃力もたいしてなく、頑丈なだけという印象である。
ルイくらいになると、楽勝か。
「どうだ?」
「すごいな。かなりの経験値が体内に入り込んだ気がする」
自分の身体を擦りながら、強くなったのを実感しているようだ。
「悪名高い、ノームだったわ。当時は強さもえげつなかったのよ」
身内の面汚しだったと言わんばかりに、ピエラはボスを罵倒する。
「これなら、数周回っただけでかなりのレベルに到達しそうだな」
「気が遠くなるくらい周回しました」
当時を語るアニエスは、目にハイライトがなくなっていく。
「ですが、『じゅう』という武器の再現はできませんでした」
やはり銃は、この世界にはないんだな。
飛び道具なら、魔法が発達している。剣から衝撃波まで出せる世界だ。銃を作ってまで、有利に立つ必要はない。
それでも、オレたちは銃にこだわった。
ためしに、目の前で作って見せる。ちょうど銃の調節も必要だったし。大砲から、水鉄砲までを開発した。
「なるほど。大筒状の杖を、振り回している構図なのですね? 難しいわけです」
触っただけで、アニエスが銃の仕組みを言い当てる。
この世界における銃の構造なんて、初めて知った。
「モモコ、お前知ってたか?」
ブンブンと、モモコは首を振る。
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