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第三章 領土拡大と、崖の下の難関ダンジョン
第27話 ノームの夫妻、領土へ
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一週間かけて、港町ワントープにたどり着いた。
昼食の時間と合わせ、ピエラのご両親と会うことに。場所は、港に近いオープンカフェだ。
「こちら、パラディンのクニミツとダークナイトのモモコ。クルセイダーのドラゴンニュートのルイーゼに、大精霊ウニボーよ」
ピエラが、両親にオレたちを紹介した。
「ど、どうも」
やはり、モモコは緊張している。
「あたしはプリモだ」
「ボクは妻の、マウラよ」
ピエラの両親は、やはり性別がバグっているようだ。どちらも美男美女で、とても子どもがいるようには見えない。父親がロン毛で美少女っぽく、母親がショートカットで中性的だ。なのに口調は普通という。これが、ノームの習性らしい。
先祖に激辛のダメージを与える呪いの人形を、両親に渡す。
両親も嬉しそうに、邪悪な笑みを浮かべた。よっぽどひどい先祖だったんだな。
「そうだ。アタシたち。実家に帰るか、錬金術の研究・アイテムの販売用に新しい土地を探そうか、母さんと迷っているんだよ。この港にしようかと思ったんだけど、他の街同様に代わり映えがしなくてね」
オレたちからすると、ここは十分に新鮮な場所だ。
とはいえ、旅慣れているお二人にはものたちないらしい。
「じゃあ、オレたちの領地に来ますか?」
ちょうどいいと思い、オレは提案してみた。ピエラも、親族が近くにいたほうが安心するだろう。
「店を構える土地の決定や建築などは、自分で行う必要があります。それでよければ」
「ありがとう! ぜひ寄せてもらうよ」
二人が立ち去ろうとする。
慌ててオレはウニボーに頼んで、ポータルを開けてもらった。
「この中に入ってくれ」
「いいのかしら?」
両親は、戸惑っている。
「ボクが先に入るわ。ついてきて」
お手本とばかりに、ピエラがポータルに。
二人も、ポータルへと入っていった。
オレたちも続き、領土の説明を行う。
すでに、元冒険者の木こりが自分の家を建て始めている。
「こんな感じで、自由に建築などをなさってくれ。トラブルなんかが会った場合は、村長に頼めばいい」
村役場となっているポータルポイントへ戻り、二人に村長と対面させた。
お店の領土、用水路、地下を作るかどうかなど、細かい質問と説明を受ける。
ある程度イメージができているらしく、夫婦と村長の話はスムーズにまとまった。
「ありがとう。いい土地が見つかったよ」
プリモとマウラ夫妻が、土地を手に入れる。作業は、村から労力を買い取るという。
こっちは、もう大丈夫のようだな。
「もし、珍しいアイテムが見つかったら、あたしが鑑定しよう。君らでは、まだこの地で重要なアイテムなどを見つけても、判別できまい」
たしかに。ほとんどが手探りの状態だ。
「助かる。ありがとう」
「礼を言うのは、こちらだよ、クニミツ殿。感謝する」
プリモが握手を求めたので、オレは応じた。
「アイテムというか、金銭感覚がよくわからないんだ」
金・銀・銅貨があるのだけはわかるのだが、どのアイテムが高値で売れるかわからない。
「ふむ。レアリティがわからんのだね? よし、拾ったアイテムをこちらに転送できるように、君らのアイテムボックスをこちらの鑑定ボックスと紐づけしておくよ」
アイテムを鑑定し、正式な名称がわかり次第、こちらへ返してくれるとか。
特に売っても問題にならないアイテムのみ、売買をするという。
「ではボクは、銀行をやるわ。余ったお金を、預かりましょう」
「金には困っていない。ある程度は、そちらで使ってくれていいぞ」
開発資金など、金は必要だ。
「いや。受け取らると、他の住人と格差ができる。もう恨まれたくない」
「そうか。ありがとうな」
鑑定士と、銀行をゲットできるとは。
「ところで、ダンジョンがヤバいって聞いたんだけど?」
ピエラが、話題を切り出した。
「ああ、『クジラの歯』のことかねぇ?」
「でしょうね。この辺で恐ろしいダンジョンと言えば、そこよ」
クジラの歯、か。
物騒な名前のダンジョンだ。
昼食の時間と合わせ、ピエラのご両親と会うことに。場所は、港に近いオープンカフェだ。
「こちら、パラディンのクニミツとダークナイトのモモコ。クルセイダーのドラゴンニュートのルイーゼに、大精霊ウニボーよ」
ピエラが、両親にオレたちを紹介した。
「ど、どうも」
やはり、モモコは緊張している。
「あたしはプリモだ」
「ボクは妻の、マウラよ」
ピエラの両親は、やはり性別がバグっているようだ。どちらも美男美女で、とても子どもがいるようには見えない。父親がロン毛で美少女っぽく、母親がショートカットで中性的だ。なのに口調は普通という。これが、ノームの習性らしい。
先祖に激辛のダメージを与える呪いの人形を、両親に渡す。
両親も嬉しそうに、邪悪な笑みを浮かべた。よっぽどひどい先祖だったんだな。
「そうだ。アタシたち。実家に帰るか、錬金術の研究・アイテムの販売用に新しい土地を探そうか、母さんと迷っているんだよ。この港にしようかと思ったんだけど、他の街同様に代わり映えがしなくてね」
オレたちからすると、ここは十分に新鮮な場所だ。
とはいえ、旅慣れているお二人にはものたちないらしい。
「じゃあ、オレたちの領地に来ますか?」
ちょうどいいと思い、オレは提案してみた。ピエラも、親族が近くにいたほうが安心するだろう。
「店を構える土地の決定や建築などは、自分で行う必要があります。それでよければ」
「ありがとう! ぜひ寄せてもらうよ」
二人が立ち去ろうとする。
慌ててオレはウニボーに頼んで、ポータルを開けてもらった。
「この中に入ってくれ」
「いいのかしら?」
両親は、戸惑っている。
「ボクが先に入るわ。ついてきて」
お手本とばかりに、ピエラがポータルに。
二人も、ポータルへと入っていった。
オレたちも続き、領土の説明を行う。
すでに、元冒険者の木こりが自分の家を建て始めている。
「こんな感じで、自由に建築などをなさってくれ。トラブルなんかが会った場合は、村長に頼めばいい」
村役場となっているポータルポイントへ戻り、二人に村長と対面させた。
お店の領土、用水路、地下を作るかどうかなど、細かい質問と説明を受ける。
ある程度イメージができているらしく、夫婦と村長の話はスムーズにまとまった。
「ありがとう。いい土地が見つかったよ」
プリモとマウラ夫妻が、土地を手に入れる。作業は、村から労力を買い取るという。
こっちは、もう大丈夫のようだな。
「もし、珍しいアイテムが見つかったら、あたしが鑑定しよう。君らでは、まだこの地で重要なアイテムなどを見つけても、判別できまい」
たしかに。ほとんどが手探りの状態だ。
「助かる。ありがとう」
「礼を言うのは、こちらだよ、クニミツ殿。感謝する」
プリモが握手を求めたので、オレは応じた。
「アイテムというか、金銭感覚がよくわからないんだ」
金・銀・銅貨があるのだけはわかるのだが、どのアイテムが高値で売れるかわからない。
「ふむ。レアリティがわからんのだね? よし、拾ったアイテムをこちらに転送できるように、君らのアイテムボックスをこちらの鑑定ボックスと紐づけしておくよ」
アイテムを鑑定し、正式な名称がわかり次第、こちらへ返してくれるとか。
特に売っても問題にならないアイテムのみ、売買をするという。
「ではボクは、銀行をやるわ。余ったお金を、預かりましょう」
「金には困っていない。ある程度は、そちらで使ってくれていいぞ」
開発資金など、金は必要だ。
「いや。受け取らると、他の住人と格差ができる。もう恨まれたくない」
「そうか。ありがとうな」
鑑定士と、銀行をゲットできるとは。
「ところで、ダンジョンがヤバいって聞いたんだけど?」
ピエラが、話題を切り出した。
「ああ、『クジラの歯』のことかねぇ?」
「でしょうね。この辺で恐ろしいダンジョンと言えば、そこよ」
クジラの歯、か。
物騒な名前のダンジョンだ。
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