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第一章 無双しないとダメ?
第6話 ゴブリン退治
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遠くにいる相手なら、モモコに任せるか。
「クニミツは手近なやつを狙って! 私は遠方の敵を撃つ!」
「おう!」
指示しなくても、モモコにはオレの考えがわかっていたようだ。
オレは、自分から最も近い個体を狙う。背中から切りかかって、ゴブリンを五体始末する。
振り返ったゴブリンは、モモコの放った火炎の餌食となった。
最後尾から、やたら派手なゴブリンが現れる。なんだあれは? 一人だけ世界観がバリ島だぜ。
「メギャ? ヒャハーッ」
「うお!?」
ゴブリンのヤロウ、火の玉を口から吐き出しやがった。魔法使い、ゴブリンシャーマンってやつか。
オレがいた場所に火の玉が着弾して、弾け飛ぶ。
「あっぶねえ!」
「任せてクニミツ。チェンジ!」
オレが前衛を、モモコがシャーマンを相手にする。足が速いモモコの方が、前衛のゴブリンをヤってくれたほうがいいのだが。
早速、ゴブリンが畑を荒らし始めた。
端末を開き、使えそうなスキルはないか探す。あったぞ。
「これだ。【震脚】!」
震脚というスキルを取り、発動させた。
オレの範囲一〇メートル以内の敵が、転倒する。その間に距離を詰め、ゴブリンたちを仕留めた。これは囲まれたときにも、使えそうだ。
モモコの方は、どうなっている?
「闇の炎よ! 邪悪なる手先を焼き払え! 【シャドウブレイズ】!」
モモコが、黒い【ファイアーボール】を放った。
「ギャギャッハーッ!」
相手も、口から火炎を吐き出す。モモコの技より大きい。これでは飲み込まれてしまう。
だが、吸い込まれていったのは、敵の火球だった。黒い火の玉は相手の攻撃を吸収して、ゴブリンシャーマンへと跳ね返っていく。
「ウオー、アッチーッ!?」
ゴブリンシャーマンが、黒い炎に包まれて絶命した。
「レベルが三に上がったぜ」
「確認した」
「待て。お前、その手はどうした?」
モモコの腕に、入れ墨のような紺色のラインが肩まで入っている。
「魔法を撃つ時に、浮き出るみたい。身体はなんともないよ」
だったらいいか。
オレは、自分の身体も調べてみる。オレにはまったく入れ墨的なパーツはない。しかし、ヨロイではなくプロテクターというのが引っかかった。
「待てよ。オレら、サイバーパンク世界に行きたいって言っていたよな。その名残じゃないのか?」
「雰囲気だけでも、それっぽくしてやったって感じかな?」
「かも知れないな」
オレたちが話し合っていると、村の長老らしき人が礼を言いにきた。
「ありがとうございます」
「お、あ、う」
途端に、モモコが挙動不審になる。
「どうした?」
「知らない人としゃべれない」
「オレとは、普通に話せるのにか?」
「なんか、アンタとはイヌとかネコを相手にしてるみたいだから」
褒められているのか、けなされているのか。
まあ、最初に会ったときもいきなり車に乗り込んできたし。
仕方ないから、オレが応対する。
「礼には及ばない。畑は荒らされてしまったし」
「家畜が無事なだけでも、十分です。冒険者に依頼をしようと若い衆が出ていったタイミングを狙われました」
気の毒に。
「お礼がしたいのですが」
「なら、一晩泊めて欲しい。あと、街への道を教えてもらえると助かる。他に、ゴブリンの巣があるなら蹴散らしてくるが」
そっちは、若い衆が連れてきた冒険者に任せるらしい。あのシャーマンがボスだったらしく、あとはザコだけだそうだ。
「では、お部屋はこちらです。お泊まりください」
民宿のような一軒家に、通された。時代劇に出てくる「茶屋」と形容したほうが、いいかも?
「待って。ひと部屋しかないんだけど?」
オレたちが案内されたのは、二人部屋だ。男女分けてくれるわけではないようである。
「これで合っているのか?」
「はい。他の部屋は壊されてしまって」
随分と長いこと、ゴブリンに襲われていたらしい。
「いっか。ここで」
モモコはあきらめて、ベッドに腰掛ける。
食事の用意ができたと、長老が呼びに来た。
「いただきます」
「い。いただき、ます」
高齢者相手でも、モモコは緊張するのか。
食堂で、夕飯をごちそうになった。
「のんびりできていいな」
「戦闘やりっぱなしだったもんね」
メシもうまい。スープやパンなどの簡単なものだが、腹を満たすには十分である。料理チートなどを行う計画もあった。その必要はなさそうだ。
「銃を作れるようになるスキルって?」
端末で、確認を取る。レベル五になればいいのか。
「もうちょっとかな。待って。生産レベルが必要だって。何か作らないと」
「クニミツは手近なやつを狙って! 私は遠方の敵を撃つ!」
「おう!」
指示しなくても、モモコにはオレの考えがわかっていたようだ。
オレは、自分から最も近い個体を狙う。背中から切りかかって、ゴブリンを五体始末する。
振り返ったゴブリンは、モモコの放った火炎の餌食となった。
最後尾から、やたら派手なゴブリンが現れる。なんだあれは? 一人だけ世界観がバリ島だぜ。
「メギャ? ヒャハーッ」
「うお!?」
ゴブリンのヤロウ、火の玉を口から吐き出しやがった。魔法使い、ゴブリンシャーマンってやつか。
オレがいた場所に火の玉が着弾して、弾け飛ぶ。
「あっぶねえ!」
「任せてクニミツ。チェンジ!」
オレが前衛を、モモコがシャーマンを相手にする。足が速いモモコの方が、前衛のゴブリンをヤってくれたほうがいいのだが。
早速、ゴブリンが畑を荒らし始めた。
端末を開き、使えそうなスキルはないか探す。あったぞ。
「これだ。【震脚】!」
震脚というスキルを取り、発動させた。
オレの範囲一〇メートル以内の敵が、転倒する。その間に距離を詰め、ゴブリンたちを仕留めた。これは囲まれたときにも、使えそうだ。
モモコの方は、どうなっている?
「闇の炎よ! 邪悪なる手先を焼き払え! 【シャドウブレイズ】!」
モモコが、黒い【ファイアーボール】を放った。
「ギャギャッハーッ!」
相手も、口から火炎を吐き出す。モモコの技より大きい。これでは飲み込まれてしまう。
だが、吸い込まれていったのは、敵の火球だった。黒い火の玉は相手の攻撃を吸収して、ゴブリンシャーマンへと跳ね返っていく。
「ウオー、アッチーッ!?」
ゴブリンシャーマンが、黒い炎に包まれて絶命した。
「レベルが三に上がったぜ」
「確認した」
「待て。お前、その手はどうした?」
モモコの腕に、入れ墨のような紺色のラインが肩まで入っている。
「魔法を撃つ時に、浮き出るみたい。身体はなんともないよ」
だったらいいか。
オレは、自分の身体も調べてみる。オレにはまったく入れ墨的なパーツはない。しかし、ヨロイではなくプロテクターというのが引っかかった。
「待てよ。オレら、サイバーパンク世界に行きたいって言っていたよな。その名残じゃないのか?」
「雰囲気だけでも、それっぽくしてやったって感じかな?」
「かも知れないな」
オレたちが話し合っていると、村の長老らしき人が礼を言いにきた。
「ありがとうございます」
「お、あ、う」
途端に、モモコが挙動不審になる。
「どうした?」
「知らない人としゃべれない」
「オレとは、普通に話せるのにか?」
「なんか、アンタとはイヌとかネコを相手にしてるみたいだから」
褒められているのか、けなされているのか。
まあ、最初に会ったときもいきなり車に乗り込んできたし。
仕方ないから、オレが応対する。
「礼には及ばない。畑は荒らされてしまったし」
「家畜が無事なだけでも、十分です。冒険者に依頼をしようと若い衆が出ていったタイミングを狙われました」
気の毒に。
「お礼がしたいのですが」
「なら、一晩泊めて欲しい。あと、街への道を教えてもらえると助かる。他に、ゴブリンの巣があるなら蹴散らしてくるが」
そっちは、若い衆が連れてきた冒険者に任せるらしい。あのシャーマンがボスだったらしく、あとはザコだけだそうだ。
「では、お部屋はこちらです。お泊まりください」
民宿のような一軒家に、通された。時代劇に出てくる「茶屋」と形容したほうが、いいかも?
「待って。ひと部屋しかないんだけど?」
オレたちが案内されたのは、二人部屋だ。男女分けてくれるわけではないようである。
「これで合っているのか?」
「はい。他の部屋は壊されてしまって」
随分と長いこと、ゴブリンに襲われていたらしい。
「いっか。ここで」
モモコはあきらめて、ベッドに腰掛ける。
食事の用意ができたと、長老が呼びに来た。
「いただきます」
「い。いただき、ます」
高齢者相手でも、モモコは緊張するのか。
食堂で、夕飯をごちそうになった。
「のんびりできていいな」
「戦闘やりっぱなしだったもんね」
メシもうまい。スープやパンなどの簡単なものだが、腹を満たすには十分である。料理チートなどを行う計画もあった。その必要はなさそうだ。
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