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第四章 王都の闇のあとしまつ

第29話 新必殺技を試した

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 タキシードから戦闘用の装備に着替えて、城の外へ。

 城でパーティが始まるってタイミングで、魔物が襲ってきた。なにか、胸騒ぎがする。

「クロードさん、王様を頼みます!」

 念のため、クロードさんには残ってもらう。

 いちいち階段を降りるのは、時間が惜しい。僕は、廊下の窓から飛び出した。みんなも、同じようにジャンプしている。考えることは一緒か。

 塀を飛び越え、草むらへ出ていく。

「アユム、あそこよ!」

 エリちゃんが、草原でモンスターに囲まれている男女を発見する。

 複数の兵士と共に戦っていた。しかし、劣勢を強いられている。加勢に入った城の兵隊たちも、何人かやられていた。

 あれが、ゴーチエ王子だという。

 遠いな。ここからでは、魔法でないと届かない。新技を試すか。今まで武器が魔法に耐えられず、使えなかった。

 実際シルヴェーヌ王女を護衛する道中で、魔物を相手に技を試している。そのときも僕は、武器を何本か魔法で溶かしていた。

 けど、ドワーフの武器なら問題ないだろう。

閃空斬せんくうざん・炎!」

 剣に属性魔法をまとわせて、衝撃波のように放出する。

 こちらが放った光にモンスターも反応したが、その瞬間に消し炭となった。

 さすが、ドワーフ特製の武器だ。ショートソードでも、すごい耐久力である。

「もう一発。閃空斬・氷!」

 返す刀で、氷属性の衝撃波を撃った。

 凍ったモンスターを、マルちゃんが投げナイフを放って砕く。

 だが、ゴーレムのような大型モンスターには効かない。

「ちょっと試すよ、マルちゃん。関節を狙って撃って!」
「おう!」

 マルちゃんが、僕の合図でナイフを投げた。

 指ほどのサイズのナイフが、巨大なモンスターの関節に突き刺さる。すさまじいコントロールだ。

「閃空斬・雷!」

 雷属性の波動を、投げナイフに向けて撃った。

 ナイフが避雷針となって、ゴーレムの腕を破壊する。

 ゴーレムが、目から光線を放ってきた。

「うお!?」

 僕はとっさに、円盤型の盾で防ぐ。避けなければいけない局面だが、なんだかいける気がした。

 光線が反射し、逆にゴーレムのつま先を溶かす。

 これは、いけるかもしれない。

「シールド・バッシュ!」

 円形の盾を、ゴーレムの目に投げつけた。

 ゴーレムの鼻先に当たって、顔が砕ける。コアらしきものが、露出した。

 しかし、ゴーレムは顔を手で覆ってしまう。このスキマを縫うには……。

「閃空斬!」

 無属性の魔力衝撃波を、盾に撃ち込む。

 盾を反射して、衝撃波がゴーレムの横っ面に衝突した。ゴーレムの手や指のスキマを抜けて、内部のコアを砕く。

 ゴーレムは、バラバラに。

「へえ、なかなかいいカンジじゃないの」

 パチパチと手をたたきながら、異形の宇宙人が姿を表す。
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