レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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4-5 かつての友と殴り合います。

ジュエル装備を破壊される

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「ランバート、後はお願いします!」

 サピィが、高次元世界に潜り込むところで、戦闘が始まる。

「させるか!」

 クリムに取り憑いているファウストゥスが、発砲した。
 俺は、銃弾を弾き飛ばす。

「おらあ! 【ディメンション・セイバー】!」

 相手の足を止めるため、俺は剣を振るう。衝撃波を、クリムの足元へと飛ばした。
 クリムの銃撃が、俺の衝撃波を散らす。二発目を放ち、俺の心臓を狙った。

「ぬうおおおおらああ!」

 銃撃に負けない速度で、俺は衝撃波を乱射する。

「ムダなことを、何度やっても同じだ!」

 そうでもない。銃撃を反らせればいいんだ。その間に、距離を詰めることができれば。
 腹への一撃と眉間への発砲を、確実に受け流す。

「ちい!」

 銃が通じないならと、クリムが武器を変えた。質量のある光線剣を手に、俺と切り合う。

『星』のジュエルと融合した黒曜石のカタナは、クリムとの接近戦にも耐えうる。

「なんと。いかような金属も切り裂くレジェンダリの剣だぞ!?」

「これが、フィーンド・ジュエルの力だ。レジェンダリすら上回る。だが、本当に強いのは、サピィの意志だ!」

 俺は、クリムを突き飛ばす。

「もうよせ、ファウストゥス。お前は身体を失った。決着はもうついているだろ? クリムから出て行け!」

「そういわれて、出ていくと思うのか? 息子の身体は本来、私のものだ。彼は私のスペアなのだからな」

「クリムは自我を持った。お前の支配は受けない!」

「どうかな? ロクに攻撃できない貴様なんぞに、我がクローンの攻撃は避けられまい!」

 ファウストゥスが、俺に切りかかった。
 クリムの動きをトレスしたファウストゥスの攻撃に、俺は防戦一方になる。

「【ディメンション・クロー】!」

 俺は、衝撃波をカタナ自体に帯びさせて、リーチを伸ばす。

「【ワールウインド】!」

 だが、クリムの回転斬りによって衝撃波を消滅させられた。

「くっ! これは、デーニッツの」

 過去に戦った、【散骨のデーニッツ】の技で、反撃をされる。
 小細工は、通じないか。

「フィーンドジュエルに頼った戦いでは、私に追いつくことなどできんよ!」

 俺が身につけているジュエル装備も、次々と破壊される。ジュエルを狙って攻撃されて、装備の効果がだんだんと薄れていった。

「さあ、【秘宝殺しレア・ブレイク】のスキルを発動してみろ。腕ごと斬り捨ててくれる!」

 ファウストゥスが、俺を挑発する。

 俺は応じない。秘宝殺しでは、ファウストぅスまでは倒せない。できるのは、サピィだけだ。

「サムライと言えど、しょせんはウィザード! ハンター最強誇るクリム・エアハートの戦闘力を上回ることはできん」

 カタナが、弾かれてしまう。

「死ね!」

 すべてのジュエル装備を失った俺に、ファストゥスが剣を振るった。

「……なに!?」

 俺は、ファウストゥスの剣を受け止める。

 素手で。

「自分の手に、【ディメンションクロー】を発動しただと!?」
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