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2-6 最終兵器を、殴りに行きます
能面の策略:サピィサイド
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サピロスは、ヴァスキーを追ってなおも急ぐ。
なおも、ヴァイパー族の残党はサピロスたちを狙う。
「いい加減に、あきらめなさい!」
フェリシアのハンドキャノン、『福音』が火を吹く。
ヴァイパー族は、確実に数を減らしていた。
大型の銃器なのに、片手で撃っても安定した射撃ができるとは。
フェリシアのテクニックもすばらしいが、コナツの腕はすごい。
「だいぶいなくなったわね」
「はい。それに、もうすぐエルトリです」
夜の闇の中、エルトリの明かりが見えてきた。
ヴァスキーの背中も、目前である。
エルトリから、砲撃が飛んできた。相手も、ヴァスキーに気づいたのだ。
ロケット砲やミサイルが、ヴァスキーを止めねばと放出される。
「危ない! フェリシア!」
サピロスは、フェリシアの身体を屈ませた。
猛スピードで、ヴァスキーから離れる。
瞬間、ヴァスキーやその周辺に砲撃が着弾した。
ヴァスキーの動きが徐々に緩まっていき、やがて止まる。
巻き添えをくらわないように、サピロスたちはヴァスキーから少しずつ距離を取った。
砲撃は、とどまることなく続く。
ヴァスキーの周辺に、土煙が上がった。
取り付くことは、あきらめない。
どうにかこの攻撃をかいくぐって、ゼンを引っ張り出せないか。
だが、それは絶望に近いかもしれない。
あれだけの攻撃を受けて、ヴァスキーが無傷だったからだ。
再び、ヴァスキーが進軍する。
数台の戦車が、ヴァスキーの行く手を遮った。無数の砲撃を開始する。
しかし、一発も致命傷を与えられない。
ヴァスキーが、長いシッポを振り回す。
それだけで、戦車部隊が一瞬で壊滅した。
シッポの勢いは、止まらない。今度はサピロスたちのところに。
「いけない。シーデー、回避!」
「承知……うごっ!」
思いの外、早すぎる。回避が間に合わなかった。
シーデーの後輪に、シッポがかする。
「くううう!」
シーデーの車体が分解してしまう。
「無事ですかシーデーッ!?」
「心配ご無用! ドローンたちも無事です!」
ドローンたちが、破損したシーデーのボディを修復していく。
「あいつを撃ったら、ダメなのよね?」
フェリシアが、ハンドキャノンの照準をヴァスキーの背面に合わせる。
「今撃ったとしても、効果は薄いでしょう」
「ランバートは、無事でしょうか」
χの刺客の中で、最も強い人物の相手をさせてしまった。
いくらその方が効率的とはいえ、彼を危険に晒したのは事実である。
「彼を信じましょうぞ。ランバートなら無事でしょう。それに、トウコ殿もおります。命を失う事態には」
「そうですね……!?」
ヴァスキーの上空に、小さな飛行船が飛ぶ。
飛行船は、身動きが取れないヴァスキーの頭上で止まった。
そこから、ダイブしてくる人影が。
「あれは、【能面】! ヒューコにいたのではなかったのですか!?」
χの首魁である【能面】が、姿を現す。
しかし、彼の目的は最初からヴァスキーだった。ここに来る方が自然か。
高架下状態から、能面はヴァスキーの脳天を突く。
「あの上に、コクピットが!」
ヴァスキーの頭上に、半球状の透明な障壁があった。
サピロスはガラス状の障壁内部に、ゼンの姿を捉える。
「ゼンを見つけました! 向かいます!」
彼女を押さえ込めば、きっとヴァスキーを無力化できるはずだ。
「お気をつけて!」
急がないと。
サピロスは、ヴァスキーの表面をよじ登っていく。
ガラスと思われたが、能面がいくら踏みつけても割れない。
おそらく、なんらかの魔力が込められているのだろう。
いまだ能面はコクピットを踏みつけて、半球状のバリアを破ろうとしていた。
『やはり外側から侵攻はムリか。ならば、内部から攻め込むとしよう』
能面のバックパックから、無数の触腕が伸びる。
触腕はヴァスキーの眼球に侵入した。
「ぎゃあああああ!」
「ぐおおおおおお!」
赤と青のヘビが、能面の電流に当てられる。
ヴァスキーの瞳から、光が急速に失われていく。
なおも、ヴァイパー族の残党はサピロスたちを狙う。
「いい加減に、あきらめなさい!」
フェリシアのハンドキャノン、『福音』が火を吹く。
ヴァイパー族は、確実に数を減らしていた。
大型の銃器なのに、片手で撃っても安定した射撃ができるとは。
フェリシアのテクニックもすばらしいが、コナツの腕はすごい。
「だいぶいなくなったわね」
「はい。それに、もうすぐエルトリです」
夜の闇の中、エルトリの明かりが見えてきた。
ヴァスキーの背中も、目前である。
エルトリから、砲撃が飛んできた。相手も、ヴァスキーに気づいたのだ。
ロケット砲やミサイルが、ヴァスキーを止めねばと放出される。
「危ない! フェリシア!」
サピロスは、フェリシアの身体を屈ませた。
猛スピードで、ヴァスキーから離れる。
瞬間、ヴァスキーやその周辺に砲撃が着弾した。
ヴァスキーの動きが徐々に緩まっていき、やがて止まる。
巻き添えをくらわないように、サピロスたちはヴァスキーから少しずつ距離を取った。
砲撃は、とどまることなく続く。
ヴァスキーの周辺に、土煙が上がった。
取り付くことは、あきらめない。
どうにかこの攻撃をかいくぐって、ゼンを引っ張り出せないか。
だが、それは絶望に近いかもしれない。
あれだけの攻撃を受けて、ヴァスキーが無傷だったからだ。
再び、ヴァスキーが進軍する。
数台の戦車が、ヴァスキーの行く手を遮った。無数の砲撃を開始する。
しかし、一発も致命傷を与えられない。
ヴァスキーが、長いシッポを振り回す。
それだけで、戦車部隊が一瞬で壊滅した。
シッポの勢いは、止まらない。今度はサピロスたちのところに。
「いけない。シーデー、回避!」
「承知……うごっ!」
思いの外、早すぎる。回避が間に合わなかった。
シーデーの後輪に、シッポがかする。
「くううう!」
シーデーの車体が分解してしまう。
「無事ですかシーデーッ!?」
「心配ご無用! ドローンたちも無事です!」
ドローンたちが、破損したシーデーのボディを修復していく。
「あいつを撃ったら、ダメなのよね?」
フェリシアが、ハンドキャノンの照準をヴァスキーの背面に合わせる。
「今撃ったとしても、効果は薄いでしょう」
「ランバートは、無事でしょうか」
χの刺客の中で、最も強い人物の相手をさせてしまった。
いくらその方が効率的とはいえ、彼を危険に晒したのは事実である。
「彼を信じましょうぞ。ランバートなら無事でしょう。それに、トウコ殿もおります。命を失う事態には」
「そうですね……!?」
ヴァスキーの上空に、小さな飛行船が飛ぶ。
飛行船は、身動きが取れないヴァスキーの頭上で止まった。
そこから、ダイブしてくる人影が。
「あれは、【能面】! ヒューコにいたのではなかったのですか!?」
χの首魁である【能面】が、姿を現す。
しかし、彼の目的は最初からヴァスキーだった。ここに来る方が自然か。
高架下状態から、能面はヴァスキーの脳天を突く。
「あの上に、コクピットが!」
ヴァスキーの頭上に、半球状の透明な障壁があった。
サピロスはガラス状の障壁内部に、ゼンの姿を捉える。
「ゼンを見つけました! 向かいます!」
彼女を押さえ込めば、きっとヴァスキーを無力化できるはずだ。
「お気をつけて!」
急がないと。
サピロスは、ヴァスキーの表面をよじ登っていく。
ガラスと思われたが、能面がいくら踏みつけても割れない。
おそらく、なんらかの魔力が込められているのだろう。
いまだ能面はコクピットを踏みつけて、半球状のバリアを破ろうとしていた。
『やはり外側から侵攻はムリか。ならば、内部から攻め込むとしよう』
能面のバックパックから、無数の触腕が伸びる。
触腕はヴァスキーの眼球に侵入した。
「ぎゃあああああ!」
「ぐおおおおおお!」
赤と青のヘビが、能面の電流に当てられる。
ヴァスキーの瞳から、光が急速に失われていく。
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