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4-3 ラストダンジョンへ!
魔王と魔法少女との差
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チサちゃんと、魔法幼女アーデルハイドとの戦いは、まだ続いていた。
「くらえー。ウルトラデラックス・ハートアタック!」
「フリーズアロー」
相手を押しつぶすほどデカいハート型の光弾を、チサちゃんが氷の矢で撃ち抜く。
「これならどうだー。グレートデンジャラスキック!」
「ドラゴンスクリュー」
アーデルハイドが放った跳躍からの蹴りを、チサちゃんは抱きかかえた。そのまま体を捻って相手を倒す。
「やるなー。このこの」
足を抱える腕を引き剥がそうと、アーデルハイドはチサちゃんの手に自分の足をひっかける。
至近距離から蹴られると思ったのか、チサちゃんはすぐに離れた。なんか、プロレス慣れしているように思える。ボクと融合して、勝手を覚えたんだろうか?
いかにも子どもが考えつきそうな強そうに見えるネーミングの技を、アーデルハイドは次々と繰り出している。
対してチサちゃんは、必要最低限の出力で効果的な技を放ち続けた。場数の違いだろう。チサちゃんは数々の実戦をくぐり抜けてきた。
明らかに、アーデルハイドはムダ撃ちしている。だが、アーデルハイドは邪神の加護を受けているのだ。まだ余裕はあるはず。
「チサちゃん、辛くなったら言ってね」
「大丈夫。アーデルハイドと遊ぶ」
「わかった。見ているから楽しんでねっ」
チサちゃんの様子を見ている限り、大丈夫だと思う。
「ん? 待てよ? なんかアーデルハイド、疲れてない?」
さっきから、アーデルハイドの攻撃が寝技ばかりになってきた。
「うおおー。くすぐり攻撃」
アーデルハイドが、チサちゃんに覆いかぶさってくすぐろうとする。攻撃のパターンも、効果的だが単調になっていた。
黙ってやられる、チサちゃんではない。脇固めに移行する。
「やっぱりだ」
まだ余力があるチサちゃんに対し、アーデルハイドはぜえぜえ言っている。
「ダイキのような玉座が、アーデルハイドにはいないからな」
ボクは魔力タンクだ。存在しているだけで、チサちゃんに加担していることになる。
「魔力を邪神から分けてもらっていると言っても、恒久的にエネルギーを補給しているわけじゃない。必ずガス欠が生じる」
エィハスの読み通り、アーデルハイドの息が上がってきた。
「となると、勝敗は見えたかも知れないな」
とはいえ、ボクはただ勝敗の行く末を見守るしかない。
チサちゃんが、トドメに差し掛かる。アーデルハイドの履いているブーツを脱がし、足の裏をくすぐり始めた。
「ぎゃはははは! こうさんこうさーん!」
アーデルハイドがタップし、戦闘は終了する。
「さてみんな、お茶にしようか」
エィハスが、お茶とお菓子を用意した。
「はーい」
「やったー」
チサちゃんもアーデルハイドも、ただの子どもに戻る。
「くらえー。ウルトラデラックス・ハートアタック!」
「フリーズアロー」
相手を押しつぶすほどデカいハート型の光弾を、チサちゃんが氷の矢で撃ち抜く。
「これならどうだー。グレートデンジャラスキック!」
「ドラゴンスクリュー」
アーデルハイドが放った跳躍からの蹴りを、チサちゃんは抱きかかえた。そのまま体を捻って相手を倒す。
「やるなー。このこの」
足を抱える腕を引き剥がそうと、アーデルハイドはチサちゃんの手に自分の足をひっかける。
至近距離から蹴られると思ったのか、チサちゃんはすぐに離れた。なんか、プロレス慣れしているように思える。ボクと融合して、勝手を覚えたんだろうか?
いかにも子どもが考えつきそうな強そうに見えるネーミングの技を、アーデルハイドは次々と繰り出している。
対してチサちゃんは、必要最低限の出力で効果的な技を放ち続けた。場数の違いだろう。チサちゃんは数々の実戦をくぐり抜けてきた。
明らかに、アーデルハイドはムダ撃ちしている。だが、アーデルハイドは邪神の加護を受けているのだ。まだ余裕はあるはず。
「チサちゃん、辛くなったら言ってね」
「大丈夫。アーデルハイドと遊ぶ」
「わかった。見ているから楽しんでねっ」
チサちゃんの様子を見ている限り、大丈夫だと思う。
「ん? 待てよ? なんかアーデルハイド、疲れてない?」
さっきから、アーデルハイドの攻撃が寝技ばかりになってきた。
「うおおー。くすぐり攻撃」
アーデルハイドが、チサちゃんに覆いかぶさってくすぐろうとする。攻撃のパターンも、効果的だが単調になっていた。
黙ってやられる、チサちゃんではない。脇固めに移行する。
「やっぱりだ」
まだ余力があるチサちゃんに対し、アーデルハイドはぜえぜえ言っている。
「ダイキのような玉座が、アーデルハイドにはいないからな」
ボクは魔力タンクだ。存在しているだけで、チサちゃんに加担していることになる。
「魔力を邪神から分けてもらっていると言っても、恒久的にエネルギーを補給しているわけじゃない。必ずガス欠が生じる」
エィハスの読み通り、アーデルハイドの息が上がってきた。
「となると、勝敗は見えたかも知れないな」
とはいえ、ボクはただ勝敗の行く末を見守るしかない。
チサちゃんが、トドメに差し掛かる。アーデルハイドの履いているブーツを脱がし、足の裏をくすぐり始めた。
「ぎゃはははは! こうさんこうさーん!」
アーデルハイドがタップし、戦闘は終了する。
「さてみんな、お茶にしようか」
エィハスが、お茶とお菓子を用意した。
「はーい」
「やったー」
チサちゃんもアーデルハイドも、ただの子どもに戻る。
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