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2-3 いよいよ海へ。人魚姫との遭遇!?

報酬はヌシとの対面で

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「みんな無事だったんだね」
 船に戻ると、全員が満身創痍だった。
 船はボロボロで、動くのがやっとである。

「間一髪だったな、ダイキ」
 青空を仰ぎながら、エィハスがボクに激励をくれた。

「これまた、奇っ怪な妖術使いであったな」
 ゼーゼマンに、ドクロの破片を鑑定してもらう。

 過去に溺れ死んだ妖術使いが、自身の乗っていた軍用戦艦ごと亡霊化して、強力なアンデッドになったのではないか、という。

「グッジョブ、ダイキチ、チサッチ!」
 サムズアップを、オンコが返す。

「ところでさ、海賊共がどいつもこいつも豪華なアイテムを持っていたんだけど?」

 ジャラジャラ、と、オンコは金貨や珍しい形の貝がらなどを手に持っていた。

「ふむふむ。魔力的に価値の高いモノまで混ざっているのである」
 魔術師ゼーゼマンお墨付きの品らしい。

「どうしよっか。ドロップアイテムだとしたら、大収穫なんだけどなー」

「ゲットしないのか?」
 エィハスの問いかけを、オンコは肯定した。

「あまりにキレイすぎるんだよ。これは、誰かが落としたアイテムを、こいつらが拾ってネコババしていた可能性が高い」

「持ち主に返すべき、なのである」
 ゼーゼマンも、返却に賛成のようである。 

「それは、ワタシが落としたモノですわ!」

 ベルガさんは、冒険者に渡すはずだった宝石類を、海賊から逃げる際になくしていた。
 
 それを海賊たちは拾って所持していたのだろう。

「ああ! こんなところに落ちていたなんて! ありがとうございます。こちらは、皆様のためにご用意した報酬です。どうぞ、持っていってくださいませ」

「おお、太っ腹だね、ベルガ!」
 オンコは、遠慮せずに報酬を受け取る。

「こらオンコ、仮にもお姫様だろ? 少しは加減したらどうなんだ?」
 呆れ果てた様子で、エィハスがオンコを説教した。

「いいじゃん。お宝は多い方がいいって、そうでしょ、チサッチ?」

「一理ある」
 自分では受け取ろうとしない割りに、チサちゃんは寛大だった。


 ボクたちパーティを除いて、他の冒険者たちは報酬をもらうと引き上げていった。
 船も限界な上に、これ以上は関わる必要がないからだ。

「また何かあったら、ギルドに連絡する」

 ギルドの派遣した冒険者たちを、チサちゃんは手を振って見送る。

「あの。もしよろしければ、街でもお渡しできますのよ。お気に召さないのでありましたら……」
 どうもベルガさんは、チサちゃんが宝珠を気に入ってないと誤解しているらしい。

「報酬はいい。それよりヌシに会いたい」

 チサちゃんは、元々こういった性格だ。
 モノより体験主義なのである。


 チサちゃんの用事は、まだ終わっていない。
 海賊を追い払ったのは、ヌシに会うためである。

「LOを倒したから、これでこの海はチサちゃんのものだね」

「まだ」と、チサちゃんは首を振った。

「他にも、強いLOがいるってこと?」 



「ここからが、本当の闘い」



 そんな。またチサちゃんが戦わないといけないなんて。


「おそらく、このLOをけしかけた相手が、二層のボス」


 ボクたちの闘いは、ここからが本番らしい。
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