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2-2 おねショタ魔王と激突する。
ネウロータくんの誤算
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「どうしてだ、こんなにおいしいのに? トシコさんの料理は完璧のはずだ!」
納得がいかないという様子で、ネウロータくんがマミちゃんに凄む。
確かに美味しい。ボクたちなんか比較にならないくらいだ。けれど。
「確かにおいしかったわ! でもね、落ち度があったの!」
「なんだと? ぼくの料理は完璧だったぞ! 落ち度なんて」
「あれを見てみなさい!」
マミちゃんが、テーブルを指さした。
「ウソだろ、残してる」
ネウロータくんは、お皿一杯に残っている料理を見て、愕然となる。
「なぜだ? こんなにおいしいのに」
彼が激高するのも、仕方ない。
実際、本当においしかった。
味で言えば、ボクたちは完全に負けだろう。
味「だけ」で言えば。
一方で、ボクたちの料理には子どもたちが集まっていた。
「確かにネウロータたちの料理は、おいしいことはおいしいの! けれど、『誰が食べるのか』まで、気が向いていたかしら?」
食べている子どもたちに、マミちゃんが視線を向ける。
「おいしー」
子どもたちも、おにぎりを喜んで食べていた。お魚までおいしく食べて、元気になるだろう。
「あ、そっか」
トシコさんの方は、理由が分かったみたい。
「ねえネウロータくん、どうしてみんながこんなに喜んでいるか、分かるかしら?」
「缶詰に味が付いているからだろ? 反則じゃん」
「それだけじゃないわ。缶詰を使うことで、骨が口の中で砕けるからよ」
正解です、トシコさん。
生の魚を使うと、どうしても小骨などを気にしてしまう。子どもなら特に。
その点、缶詰を使えば小骨までちゃんと食べられる。
だからチサちゃんは、缶詰を使うように指示したんだ。
食べる相手が子どもだから。
同じ年代であるチサちゃんは、そう判断したのだ。
「ワタシはあくまでも、素材の味を引き出しただけなので。子どもの好みなんて分からないもの。だから、ネウロータくんの食べたそうなものをチョイスしたの」
それで、味の濃い料理が多かったのか。
きっとネウロータくんは今まで、トシコさんが作る居酒屋メニューの味に慣れすぎたんだろう。
「カニカマを使ったのも、カニが匂うからでしょ?」
「はい。生のカニは、どうしてもクセが強いので、子どもは苦手かなって」
「ちゃんと、食べる人の気持ちになって考えていらしたのね、エラいわ」
トシコさんから絶賛された。
「そうか。ぼくたちの料理はオトナっぽすぎるんだな」
その通りだろう。
マグロの解体ショーなどは楽しかった。
実際、子どもたちも喜んでいる。
とはいえ、子どもは原始的な味に飛びつくんじゃないかと。
お酒のアテみたいな料理は、子どもには通好みすぎる。
納得がいかないという様子で、ネウロータくんがマミちゃんに凄む。
確かに美味しい。ボクたちなんか比較にならないくらいだ。けれど。
「確かにおいしかったわ! でもね、落ち度があったの!」
「なんだと? ぼくの料理は完璧だったぞ! 落ち度なんて」
「あれを見てみなさい!」
マミちゃんが、テーブルを指さした。
「ウソだろ、残してる」
ネウロータくんは、お皿一杯に残っている料理を見て、愕然となる。
「なぜだ? こんなにおいしいのに」
彼が激高するのも、仕方ない。
実際、本当においしかった。
味で言えば、ボクたちは完全に負けだろう。
味「だけ」で言えば。
一方で、ボクたちの料理には子どもたちが集まっていた。
「確かにネウロータたちの料理は、おいしいことはおいしいの! けれど、『誰が食べるのか』まで、気が向いていたかしら?」
食べている子どもたちに、マミちゃんが視線を向ける。
「おいしー」
子どもたちも、おにぎりを喜んで食べていた。お魚までおいしく食べて、元気になるだろう。
「あ、そっか」
トシコさんの方は、理由が分かったみたい。
「ねえネウロータくん、どうしてみんながこんなに喜んでいるか、分かるかしら?」
「缶詰に味が付いているからだろ? 反則じゃん」
「それだけじゃないわ。缶詰を使うことで、骨が口の中で砕けるからよ」
正解です、トシコさん。
生の魚を使うと、どうしても小骨などを気にしてしまう。子どもなら特に。
その点、缶詰を使えば小骨までちゃんと食べられる。
だからチサちゃんは、缶詰を使うように指示したんだ。
食べる相手が子どもだから。
同じ年代であるチサちゃんは、そう判断したのだ。
「ワタシはあくまでも、素材の味を引き出しただけなので。子どもの好みなんて分からないもの。だから、ネウロータくんの食べたそうなものをチョイスしたの」
それで、味の濃い料理が多かったのか。
きっとネウロータくんは今まで、トシコさんが作る居酒屋メニューの味に慣れすぎたんだろう。
「カニカマを使ったのも、カニが匂うからでしょ?」
「はい。生のカニは、どうしてもクセが強いので、子どもは苦手かなって」
「ちゃんと、食べる人の気持ちになって考えていらしたのね、エラいわ」
トシコさんから絶賛された。
「そうか。ぼくたちの料理はオトナっぽすぎるんだな」
その通りだろう。
マグロの解体ショーなどは楽しかった。
実際、子どもたちも喜んでいる。
とはいえ、子どもは原始的な味に飛びつくんじゃないかと。
お酒のアテみたいな料理は、子どもには通好みすぎる。
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