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第五章 絶体絶命!? 炎の地下遺跡

第29話 炎をかいくぐれ!?

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 ダンジョンの入口まで、ドワーフのおじさんについていく。

 たしかに、炎にまみれていた。

「コーキ。これは、溶岩だね?」

 パロンが、心配げに告げる。
 たしかに、赤い液体状の岩が、地面でブクブクと音を立てていた。おそらく、マグマだろう。
 ボクは試しに、身体から生えている木の葉をちぎって、溶岩らしきポイントに投げた。
 ジュッという音すらせず、溶岩は葉っぱを溶かす。

「おおお。これはなんとも」

 クコならびに、全員が総毛立つ。

「こんな中を、コーキに進ませるわけにはいかん。やはりここは私が」

 ヴェリシモさんが先走ろうとした。
 ボクらは必死で止める。


「危ないよ、ヴェリシモさん! 炎を抜けても、なにがあるかわからないんだ。少し考えよう」

 いくらレベルが高いからと言っても、無策で突っ込んだら全滅は必至だ。どうすればいいか、手を考える。

「足場はあるの?」

「一応は。しかし、帰ってこられる保証はありませんぜ!」

 重いドワーフが乗っても壊れない、頑丈な足場があるという。ダンジョンとして、攻略自体は可能らしい。だが内部がかなり熱いため、ドワーフでさえ一〇分が限界だとか。炎が渦巻いているせいで、酸素もないだろう。

「難関だね」

「今まで調べてきたダンジョンの中でも、かなりの難易度だよ」

 まず、入れないなんて。

「水をぶちまければいいんじゃないか?」

 ナップルが提案してきた。
 そんな水なんて、どこに……あるには、あるんだよな。

「でも、水はダメかな? 爆発するよ」

 そういう実験動画を見たことがある。ペットボトルの水を溶岩にかけたら、燃えていた。水蒸気爆発を起こすためらしい。ここで、そんな実験をするわけにはいかないよね。

「とはいえ、やってみたいことがあるんだけど?」

 あの方法なら、炎くらいはなんとかなるかもしれなかった。
 これも、動画で見た作戦なんだけど。

「氷魔法で水を冷やして、溶岩に当ててみて」

 ボクらは、氷結魔法を使って水の柱を大量に作る。

「いい? いくよ」

 凍った柱を、溶岩の中へ。

「うわ。泡立ってきた!」

 溶岩に溶けた氷は、水にならずすぐ気化しようとする。そうやって、溶岩から逃げようとして泡になるという。


 しかし……。


「これじゃあ、出入り口を塞いじゃうねえ」

 泡が、ダンジョンを閉じてしまった。

 なにか、間違っている。
 他にも、方法があるはずだ。

 もしくは、ここはダンジョンの入口ではない?

「コーキさま。さらに地下深くに、風穴を発見しました。それも氷穴が」

 マグマは噴火すると、表面が外気で冷えて固まった状態になる。しかしマグマは高温なので、その表面を抜けてさらに移動するので、表面は残って空洞化してしまう。これが風穴だ。

 でも、氷穴とは。

「え、つまり、氷が張っているってこと?」

「そうです。出入り口は他にあるようです」
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